東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

愛媛県立今治南高校での特別講義・実習「作物の受粉・受精」(8/14)

2009年8月14日 (金)

 東北地方でもようやく天気がよくなったようですが、西日本の天気の良さは、それから比べると、考えられないような猛暑です。そうした環境でも、植物は花を咲かせ、実を実らせている様子を見るにつけ、「植物のすごさ」を痛感するのでした。

 そのような中で、今治南高で農場見学にあわせて、「高等植物の受粉・受精」の実験について、先生方と検討会を行い、高校でも可能な興味深い実験の可能性を模索しました。スイカ、キュウリ、ゴーヤなどのウリ科の作物を使っての、受粉、結実を最終的にできる果実で、わかるようにするために、受粉を雌しべの先端の一部だけに行うなど、おもしろい実験ができそうでした。同じ実験系は、トマトなどのナス科の作物でも可能だろうし、おもしろい表現型になるのではということになりました。このideaを早く実証したくなってきました。

 暑さに負けないで、作物の管理をしている生徒さん、先生方に感動したのでした。


わたなべしるす

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岩手県立水沢高校でのSSHアブラナ科植物多様性コンソーシアム設立会議と特別講義・実習「Brassica oleraceaの多様性と形態的特性計測」(8/2-3)

2009年8月 4日 (火)

 SSH東北地区発信の「アブラナ科植物多様性コンソーシアムプロジェクト」(機関校:岩手県立水沢高校)が採択され、その指導委員を務めることから、設立・評価会議へ参加し、その第1回目のSSH特別講義・実習を行ってきました。東北地区中心ですが、佐賀県の高校も参加し、北と南の融合というようなプロジェクトで、これからが楽しみです。

 講義・実習では、アブラナの栽培方法、栽培特性、注意すべき点など、多くのことを講義しました。小学校の頃には、植物をたくさん栽培したのかもしれないですが、高校生になってからは、初めてのようで、かなり管理が難しいことを実感しているようでした。

 キャベツの仲間を主体として、その変種の生長解析、生理・生化学・遺伝子解析など多様性に富んでおり、2月に予定されている「年度末報告会」での発表でどこまでそれぞれの高校が発展できるのか、また、それをHPを使って、外部に発信できるか、伸び盛りの高校生、とても楽しみになります。植物の種播きから、開花というステージを観察するわけですが、生徒さんも大きく開花するのではと思っています。

再来週には、鹿児島での「ダイコンコンソーシアム」。こちらの方もどの程度発展しているのか、どのような参加校なのか、とても楽しみです。

 HPができあがり、情報交換が始まることを期待しつつ。

わたなべしるす

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和歌山県立日高高校でのSSH特別講義「アブラナ科植物の多様性と自家不和合性」(7/14-15)

2009年7月15日 (水)

 SSH九州地区発信の「ダイコン多様性プロジェクト」(機関校:鹿児島県立錦江湾高校)が採択され、その指導委員を務めることから、第1回目の出前講義でした。ダイコンは、桜島ダイコン、守口ダイコン、聖護院ダイコンのように、形・大きさなどが異なり、辛味の程度も異なります。さらに、海浜地区には、自生・野生化したハマダイコンもあり、こうしたものの、様々な形質、自家不和合性遺伝子を調べることは、とても興味深いことです。

 そこで、こうした多様性、自家不和合性について、SSH特別講義を行いました。さらに、こうした植物の栽培特性などについて、実習しました。担当の先生方がとても工夫され、肥料袋で、栽培したり、大きめの黒ポットでの栽培など、こんなこともできるのだと、感心させられました。

 この地方に多くある、コウヤマキという植物の抗菌性なども調べており、とても高いactivityでSSH活動をされているのが、感動でした。

 8月には、「ダイコン多様性プロジェクト」の全国大会で、10数高のSSH高も参加することから、より高いレベルでの議論、実験が共同でできる基盤を感じたのでした。

わたなべしるす

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福島県立相馬農業高校での特別実習「アブラナ・ダイコン種子調整・整理」(6/15)

2009年6月19日 (金)

 4月にアブラナ科植物の交配、遺伝学的実験を講義・実習しましたが、その後、ドン程度種子が発達かした、その後の種子調整をどうすれば、高発芽率の種子として保てるかなど、雑種種子の秋への播種に向けた、実習・観察を行いました。

 Brassica oleraceaの7種類ほどの作物を交配した結果を見ましたが、特定の作物を母本にすると、種子がつかないなど、いくつかの問題もありましたが、高校生が行った実験としては、とてもよくできていました。さすが、「餅は餅屋」というのを実感しました。相馬高校とうまく連携をして、F1, F2個体がどのように生育するかを研究していただければと思います。

わたなべしるす

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仙台市立七北田小学校でのNSP特別講義「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(6/16)

2009年6月19日 (金)

 今年で2年目となる七北田小学校・NSPで、特別講義「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」を行いました。今年の5年生は、3クラスで120名という大所帯でした。最初に、トマトの生育を種まきから結実するまでを復習し、そのあと、キャベツ、ブロッコリーにも花が咲くことを講義したあと、キャベツとブロッコリーは、同じ種なので交配できると説明し、この雑種がどのような形態になるかを、各班ごとに分かれて、絵を描いてもらいました。

 キャベツ、ブロッコリーの特徴をよく捉えていて、キャベツの中からブロッコリーが出てくる絵を描いた生徒さんがとても多くて、今年の5年生の普段の観察力に感心しました。また、植物に根があることは当たり前ですが、描いた絵に、きちんと根があったり、ブロッコリーに花が咲いているところを書いたり、植物学の基本である、「博物学」のポイントを押さえている感があり、今年度の講義が楽しみになってきました。

 秋には、是非、自分たちで雑種の種を育てて、どうなるのかを実感してもらえればと思いました。今年もNSPは楽しみです。内藤校長先生、理科担当の井上先生、よろしくお願いいたします。

わたなべしるす

PS. 七北田小学校のNSPのところに、井上先生の記事がありました。

http://www2.sendai-c.ed.jp/~nanashou/ppblog/pp_blog/index.php?UID=1245143541

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