東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】石川県立小松高等学校、長野県立諏訪清陵高等学校SSH研究「ダイコンの多様性と環境応答・二次代謝産物について」(5/6-7)

2010年5月10日 (月)

 昨年度から採択されたSSHコンソーシアムが、今年度から、コアSSHとして採択され、その運営指導員を仰せつかっていることもあり、花の咲いているシーズンであり、採種もできそうなシーズンと言うことから、そうした指導と、昨年度までの研究を外部で発表すると言うことで、ゴールデンウィークの谷間でしたが、先日の松山南高等学校と同じように、観察、ポスター作成の指導を行いました。両方の高校に行くことは難しいので、小松高校に集合してもらい、両校を指導しました。

DSCN4175.JPG 高校生にとって、発表をまとめるというのは、どうしてもレポートのようになりがちで、実験をやった順番、全てのデータを使うと言うことになりがちで、それを論文というポスターにまとめるとき、どれが結論になり、最終的にどうまとめるのか、それに至るまでにどのデータを並べるのが、問題なのですが、そうしたトレーニングはしていないので、その感覚になれることに大変のようでした。

DSCN4174.JPG 外での植物観察では、品種間で自家不和合性の程度が異なり、自然に放置していても、種が着きやすい系統、つきにくい系統があることを実感してもらいました。最後に、小松高校近隣の自制しているハマダイコンの様子も観察できました。ありがとうございました。種がうまく収穫できるのを楽しみにしております。

DSCN4172.JPG 学会発表まで1ヶ月ほどですが、がんばって下さい。


わたなべしるす



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【出前講義】愛媛県立松山南高等学校SSH研究「ケール・ブロッコリーの雑種の遺伝性とダイコン多様性実験」(5/1-3, 5/6追加情報)

2010年5月 3日 (月)

 2年近く前に「アブラナ科植物の自家不和合性と多様性」という講義を行って以来、松山南校へは何度か伺い、また、ダイコンコンソーシアムのHPでコメントを行うことで、実験・研究指導を行ってきました。今回はその発展として、それを論文にまとめる、学会発表を行う、今後の発展ということで、指導を行ってきました。世の中はゴールデンウィークの真っ最中だというのに、植物の栽培管理、交配実験の研究を精力的に行っており、指導される先生方も休み返上で出てこられているのには、感動でした。

DSCN4164.JPG 2年目の植物の栽培ということもあり、たくさんの花をつけており、交配した種も順調に育っているのは、さすがだと。これまでのF0, F1の形態観察をまとめて、学会発表することについても、うまくまとめられており、発表が楽しみになってきました。

DSCN4165.JPGのサムネール画像 なにより、今年3年生になる生徒さんの後輩に1年生2名ががんばっているのには、感心させられました。先輩が培った、「形態観察をすることの重要性」という遺伝子を次の後輩たちに伝えてほしいと思いました。何より、今年で3期目のSSH研究が始まったことで、こうした基本的な研究を柱にしてもらうのがよいかと思います。こちらもできるだけサポートしたいと思いますので。

DSCN4167.JPG 松山の気温も連休前までずいぶんと涼しかったようですが、初夏のような暑さで交配日和でもありました。今年の春の実験の成功を祈念しております。夏のダイコンコンソーシアムの発表では、1年生の活躍ぶりを拝見できるのが楽しみになってきました。


わたなべしるす

PS. 今回の出前講義のことについて、放送部の取材を受けたのには驚きました。どんな記事になったり、放送されるのか、楽しみにしております。
それから、渡辺の忘れ物をみつけて、届けてくれた生徒さん、ありがとう。感謝、感謝です。

ダイコンコンソーシアムのHPにこの関連記事があります。
http://daikon-c.com/activity/2010/05/05085425.php



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【出前講義】福島県立相馬農業高校「キャベツ類の多様性と遺伝学実験」(4/28-29)

2010年5月 1日 (土)

 高校の理数科での課題研究では、これまでもいくつかのお手伝いをしてきました。農業高校でも、同様に課題研究があるらしく、昨年度、相馬農業高校で講義をしたときに、興味を持っていただき、キャベツ類の多様な形態などに着目して、交配をしてその後代がどうなるかという実験の指導を行いました。

DSCN4136.JPG 今年はどこともそうですが、春が遅く、4月が終わろうとしているの、桜が散ろうとしていて、キャベツ類の開花には少し早かったようですが、参加した生徒さんたちは、熱心に取り組んでくれました。花の構造がわかっていても、つぼみの周りの蕚片、花弁を取り除いて、めしべの先端だけを出すのは難しい作業です。連休中は好天に恵まれるようです。絶好の交配日和です。ぜひ、がんばってください。

DSCN4142.JPG あちこちでアブラナ科植物の実験が増えていくのを楽しみにしています。


わたなべしるす


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石川県立小松高校でのSSHスーパーときめきサイエンス特別講義「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」とダイコンコンソーシアム研究指導 (12/18)

2009年12月18日 (金)

昨日の石川県SSH生徒研究発表会・コメンテーターに引き続き、小松高校でSSHを対象にして、「自家不和合性」の講義を行うとともに、ダイコンコンソーシアム研究指導を行いました。

https://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/diary/2009/12/17155100.php

高校へ伺う途中で、プリムラの「pin」・「thrum」という異形花型の個体を見つけて、それを講義で見せながら、自家不和合性、Darwinなどを話し、自家不和合性の分子機構、多様性、種間の障壁等を理解してもらいました。講義のあとには、質問も活発で自家不和合性の上には、種間の認識があるのではというということも質問頂き、SSHでよく考えるトレーニングができているのだなと、感心しました。プリムラの多型を見てもらったときには、さすがに「へーー」という感じでした。


時間の関係で、遺伝子組換えなどについてお話しできませんでしたが、また、機会を見てそうしたお話もできればと思います。


午後からは、ダイコンコンソーシアム研究指導を行いました。構内でのダイコン栽培に加えて、近くの農家の方にお願いして、ダイコンを栽培して、その形態的特徴を探し出そうとされているのには、よい取り組みだと。どうしても、自分たちが作ったダイコンだと、構内という限られた場所、土になるので、大きく育てるのが大変です。そのあたりをよく工夫して、また、観察することの重要性を認識したような研究を行っているのは、さすがと感心させられました。ダイコンの品種間にどのような差があるのか、それを今のうちに見いだし、将来、ぜひ、そうした差異を生じさせる遺伝子が何かを突き止めてほしいと思います。次々世代sequencerがでれば、この個体の塩基配列を決めることは、難しいことではないでしょうから。さらなる研究の発展を祈念しております。


最後になりましたが、今回の企画・運営をいただいた小松高校・寺岸先生をはじめ、校長先生、SSH担当の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。また、ダイコンのHPなどで議論できるのを楽しみにしております。
http://daikon-c.com/

 


わたなべしるす

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石川県SSH生徒研究発表会・コメンテーター(12/17)

2009年12月17日 (木)

ダイコンコンソーシアム研究指導のつながりで、石川県小松高校で講義をしたり、研究指導を行ったのは、10/30でした。その際は、キャリア教育を1, 2年生対象に行ったり、ダイコンなど、生物関係の研究について議論をしたり、今後後の方向性を検討したりと、よい刺激を受けました。


そのつながりで、石川県で実施されているSSH校、3校(金沢泉丘高校、七尾高校、小松高校)合同の生徒研究発表会に招待され、コメンテーターを務めました。県内に複数校のSSH校があれば、このようなことも可能なのだと、実感できました。課題研究発表会の進行は、生徒自身が行い、7題の研究発表でしたが、活発な議論が行われたとともに、研究内容も高校生らしいテーマでありながら、deepに研究され、きちんと考察されていたのには、感動しました。最近は、海外の高校との交流も行っているのが多いようですが、その交流が将来、どのような形で生かされるのか、将来像が示されればよかったように思いました。


その中でも興味深かったのは、石川県では発表の多くに「数学」があったことです。「数学」は、科学の基礎であるということは疑いないことであり、それを活発に取り組んでいる点でした。ただ、数学という証明だけに終わらず、実際の自然科学の分野を見直してみるのも1つではないかと思います。発表を聞きながら、自家不和合性の優劣性の遺伝学(linear, non-linear)を思い出しました。生物、物理、科学、地学と、とてもバランスのとれた発表でした。どの課題もとても楽しく拝聴しました。次年度以降の発展を楽しみにしております。


ところで、何より驚いたのは、生徒さんがちが熱心に質問し、議論を行っている点です。これは、今までSSHの発表会を見た中でも、最高だったと思います。とてもすばらしく、うちの大学院生にも、ぜひ、学んでほしい点と思いました。


来年以降、また、こうした発表会に引き続き、参加できればと実感できた、よい1日でした。

 


わたなべしるす


PS. 当日は今年一番の寒波というおまけもあり、雪・雹(ひょう)・霰(あられ)の歓迎を受けました。また、北陸新幹線(長野新幹線が延長されて。。。)が、このあたりまで来るのだなという実感を、金沢駅、小松駅の高架で実感できたのでした。

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