東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前お手伝い(ボランティア)】仙台市立木町通小学校、放射線計測のお手伝いと現状視察、その2(6/3)

2011年6月 5日 (日)

 4/21に、仙台市立木町通小学校からお願いされ、放射線計測のお手伝いを行いました。そのときに、月1回程度の測定というお約束でしたが、渡辺の方も、様々な案件があったり、研究打合せ、出張の関係もあり、十分なサポートをできませんでした。

 そんな折、小学校の方から、連絡をいただき、ちょうどよいタイミングで訪問し、構内の測定ができました。前回の測定場所を継続するとともに、これまでの測定の経験で、大きな値が出そうなところを見ましたが、それなりに通常値より大きな値であったり、さほど大きな値でなかったり。「ホットスポット」といわれるような大きな数値を示すところはありませんでしたが、気をつけた方がよいような場所について、担当の先生、校長先生などと意見交換ができたのは、何よりでした。

 また、七北田小学校で行っているような、継続的な出前講義の話もでき、まずは、様々なイネ品種を田植えするということを手始めにということになりました。さらに、そうして出かけた折に、放射線計測のお手伝いを継続的に行うということも。

DSCN0496.JPG お世話になった、佐藤先生、熊谷先生、校長先生、教頭先生に、この場を借りてお礼申し上げます。これからもよろしくお願いいたしいます。


 わたなべしるす

 PS. そういえば、大学院生時代にRI(Radio isotope; 放射性同位元素)の扱いをするときには、必ず、フィルムバッチをつけていたような。それを毎月、提出して、その月の被曝量の測定があったのを思い出しました。いまでも、大学病院などに行くと、医者とおぼしき先生方がつけているのも思い出しました。この際ですから、被曝量がわかるように、フィルムバッチを幅広く配布して、毎月の被曝量がわかるようにするのがよいのではという気がしました。何とかならないものでしょうか。。。。広く東北、いや、東日本あたりに。。。。

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【出前授業】JST・未来の科学者養成講座を広報、第2弾と理数科課題研究検討会(宮城県宮城第一高等学校; 5/31, 6/10, 6/17一部改訂)

2011年6月 1日 (水)

 昨日の福島高校での説明会に続き、2日連続となりましたが、all 東北大企画の「経験・体験を通して「科学を見る眼」をもつ「科学者の卵」養成プログラム」を宮城県宮城第一高等学校で、その概要、どういうコンセプトでやろうとしているのか、何を求めているのか、今年の募集の変更点など、50名弱の生徒の前で1hrほど、説明をしました。震災ということもあり、それに伴う特別の枠の話などをしました。説明会には、昨年度の受講生などもいらして頂き、元気そうにがんばっている姿を見るのは、何よりでした。宮城第一高校も、3年連続での説明会で、やはりリピーターのありがたさを実感しました。

 説明会では、福島高校と同じく、昨年度の受講生に話をして頂きました。渡辺の話より、現実味というか、自分もがんばろうという気持ちを持てたのだと思います。より多くの方々と、今年度も講座を一緒にできればと思いました。

DSCN0540.JPG 説明会のあとには、理数科の数名の生徒さんたちとそれを指導されている小松原先生を交えて、アブラナ科作物のダイコンを利用した課題研究の方向性を議論しました。実際に自分で計測をしていて、それが一般にいわれていることとあわないなど、それがなぜなのか、かなりdeepに議論できたのは、こちらも楽しかったです。自然の不思議を考えることができるのはよいことだと思いました。論理的に。ぜひ、がんばってください。来週には、その関連で、研究室にもいらっしゃるというので、楽しみにしております。

 何より、また、今年度も新しい生徒さんたちと講座でお会いできることを楽しみにして。


わたなべしるす

PS. 科学者の卵のHPにも、関連記事があります。お時間のある方は、。。。。
また、宮城第一高校のHPにも関連記事を見つけました。ありがとうございました。6/17には、宮城第一高校のHPに記事を記したpdfを見つけました。ありがとうございました。

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【出前授業】JST・未来の科学者養成講座を広報、第1弾とSSHキャリア講義「博士・研究者になり、研究をするとは?」(福島県立福島高等学校; 5/30, 6/2一部改変)

2011年6月 1日 (水)

 一昨年度から開始した、all 東北大企画の「経験・体験を通して「科学を見る眼」をもつ「科学者の卵」養成プログラム」も、今年で最終年度。昨年度より、1ヶ月遅れの募集となり、その第1弾として、福島県立福島高等学校で、その概要、どういうコンセプトでやろうとしているのか、何を求めているのかなど、100数名の生徒の前で1hrほどの説明と2hrほど、講義の内容はどのようなものかと言うことで、模擬講義として、「キャリア講義」を行いました。3年連続で、昨年も好評だったのを記憶しています。

 「科学者の卵」の説明会では、こちらからの説明に続いて、昨年度、基礎コース、発展コース、エクステンドコースにいた生徒さんから実体験を話してもらいました。簡単にと言うことでお願いしましたが、それぞれの受講生の方は、さすが受講生という感じで、それぞれのコースの特徴、受講することで自分として、何がよくて、どういう成長ができるなど。中には、自分は文系にしたけど、1年間の学習はよかったとか、他の高校の友達ができたとか。こちらで期待していた、文理融合、共同研究など、大きな輪が広がることの大切さを語ってくれたのは、参考になったと思います。今年の募集の特徴として、震災被害地枠、原発被害地枠という設定を行い、福島高校等は、それに該当するので、積極的に応募してほしいと。今年の生徒さんも楽しみです。

DSCN0509.JPG  このあと、この科学者の卵の講義とはどういうものかを実感してもらうために、渡辺が毎年行っている「キャリア講義」を行いました。ほとんどの生徒さんが残ってくれ、渡辺自身がどのような子供時代を送り、小中高、大学でどういう決断をして、今に至っているのか、そして、そういう決断によって、今、どうなっていて、これから、どうしたいかという、ある種の人生論のようなものかもしれないですが、受講生にはよい刺激になったようです。今年度から、この講義の最後のところに、3/11の地震によって、渡辺が何を考え、どうしたいのか、地震、津波、原発など、考えていることを講義しました。福島市は県内でも空間線量が高く、生徒さんたちもどうすればよいのか、考えていたのだと思います。ただ、それをどう、誰に質問すればよいのか、悩んでいたようで、放射能の問題についての質疑で30min以上あったのではと思いました。中には、農家をしていて、そこでできている野菜にどれくらいの放射性物質がついているのか、測定に協力ができますかというものもあり、大学でできることであれば、よりよい連携ができればと思いました。ということと、現場の本当の現実を知らされたような気がして、渡辺一人の力で何ができるのか、あまりに小さな存在と思いましたが、少しでも話をすることで、心の部分だけでも改善されるのであればと思いました。1日でも早く、よい方向に向かうことを祈るばかりです。また、渡辺が何かのお役に立てるようなこと、アブラナでも植物でも、リクエストして頂ければと思いました。

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 講義のあとは、この会を設定してくれました橋爪先生とこれからのSSHのこと、出前講義でできること等、多くの話す時間を設けて頂いたことは、科学者の卵、出前講義の発展にもつながるよいものでした。ありがとうございました。

 何より、これまで2年の受講生さんたちがさらに大きく発展し、今年度も新しい生徒さんたちと講座でお会いできることを楽しみにして。


わたなべしるす

PS. 科学者の卵のHPにも、関連記事があります。お時間のある方は、。。。。

それから、以前に福島高校に伺ったときの仙台駅は修理中というところが多く、駅全体がカバーをかぶっていましたが、5/30にはそれもほとんどなくなり、新幹線にもがんばろうー的なマークも。。。。心が和みます。。。。ありがとうございました。

そういえば、新聞紙上に、「大震災は警告可能だった 「前震」見極めできれば」というのが。。。科学を総合的に考えられる未来の科学者養成が大切だと思いました。。。。。

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昔のことを知ろうとしてみることは。。。。(5/30)

2011年5月30日 (月)

 昔のことを調べることの大切さは、これまでにも、4/24, 5/9と2度、記してきた。そうした昔のことを調べたら、今回の大きな津波が、日本各地で起こっているというような記事を読むことがあり、その中には、四国、九州の太平洋沿岸でもというのがあった。四国とあったのには驚いたが、瀬戸内でなかったのは、ほっとしたが、何が起きるかわからないのが、現状なのかもしれない。

 昔のことを知るためには、様々な方法論があろう。古文書を調べる、地層を調べる、古文書といかないまでも、本を調べる、知っている人、その時代の人に聞けることは聞いてみる等、たくさんあるのだろうと思う。その中でも、やっぱり、その当時のことを知っている人から、話を聞くというのは、「百聞は一見にしかず」ということだというのを実感したのも、この震災後の大きなことかもしれない。指導教官だった、「日向先生」には忙しい人に物事を聞け等、様々なことを教えて頂いたが、自家不和合性研究についていえば、昔のことを直接聞くことはあまりなかったのかもしれない。酔っ払ったときに、昔はね。。。ということはあったような気がする。その話の中に研究だけでなく、いろいろなことの本質があったのだと、痛恨だと思っている。。。。

 渡辺は、残念ながら、お酒が飲めないので、酔っ払って、何かをしゃべることはできないが、いつでも、しゃべれるという、おしゃべりな性格がある。もちろん、自分の昔の話をすべて、学生さんにしているかといえば、そうでもない。忘れないうちに、たくさんのことを話しておきたい。歴史の生き証人というほど生きているわけではないが、自家不和合性研究では、かれこれ四半世紀をやっているような気がする。そうでなくて、日向先生をはじめとする、昔の方々から、たくさんの大事なことを聞いてないまま、学生さんたちに話をするのでは、片手落ちのような気がする。ぜひ、この震災でこうしたことを思っているうちに、その時代に生きた人たちが世界との関係、周りとの関係で何を思い、どうしたのか、それを知ることが、本当のその時代の事実というか、本質を知ることになるのだろう。別に自家不和合性に限らず、昔様々なことで苦労した方々の智恵を頂くことは、残りの研究者人生だけでなく、人生の大きな宝物を頂けることなのかもしれない。そんなように、人生観が大きく変わったというほどではないが、影響を受けているのはよかったことだと思う。

DSCN0506.JPG 科学者の卵の紹介など、今月、来月と出前講義も多くありそうだ。そうしたときに、少しでも増えた昔のことをお話しできればと思った。まず、今日は、福島高校、明日は、宮城第一高校で。。。。


 わたなべしるす

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3/11(金)、14:46から今日まで、その12(5/25)。

2011年5月25日 (水)

 前回のその11を記してから、10日あまりすぎました。ずいぶんと初夏のような天気になり、仙台も暑くなってきました。先日来客があり、時間の関係で空港までご一緒しました。議論の時間が足りず。その折りに、道沿いに沿岸部というか、広瀬川、名取側の河口付近を見ることがありました。今頃であれば、田植えのあとの小さなイネの苗があるのが、何もなく、今まで海を垣間見ることもなかったのが、みえたり。。。さらに、まだ、がれきが残っているところがたくさんあったのを見たのは、目を覆いたくなりました。空港の近くでは、まだ、電気もきておらず、交通整理が行われていました。そういえば、空港の運行は自家発電とか。まだ、まだ、復旧とは言えない場所が、身の回りにたくさんあることを実感しました。津波で流されたがれき、車が山のようになっているのを見て、一体全体、これだけの破壊力のある津波というのをエネルギーに換算したら、どれくらいになるのか、物理学が分かる方から、お話を聞きたいと思ったりもしました。

 そんな中で驚いたのは、ササなどが塩害で枯れているにもかかわらず、アブラナとおぼしき黄色い花は満開でした。以前に書いたアブラナの高い能力は、こうした点でも優れているのだと実感できました。よりよい方向に使えればと思いました。

 そういえば、数日前にいわゆる一次補正の予算措置の通知がありました。なんと、。。。。。。ゼロ査定。?????と、いくつついたか分からないくらいでした。いろいろと理由を調査したら、調査依頼から、24hrで仕上げなくてはいけなかった、「調査書」に、1点不備があったからとか。項目は、被害状況。写真を撮るように言われて、写真を添付したので、記述しないでよいと思ったのか、必須と書いてなかったので書かなかったのか、記憶がありません。また、余裕を持って出しましたが、不足があるので埋めるようにともなかったのは、残念でした。いわゆる、震災の超法規的措置のようなものですから、こうしたことに対して、杓子定規での対応が、。。。。沿岸部で、全損、一部損、等を航空写真で決めたという点からすると、かなり、書類主義というか。。。まじに、涙が出そうでした。そういうルールであれば、そういうルールでやるしかないのが、どんなものにもあるのだと。つまり、どんなに緊急性の高いものでも、被害がひどくても、冷静に書類を作らなくてはいけない。そうでないと、補填されるものも、されないと言うことだと。。。。このあと、こうした被害に遭うことがあわれる方、ぜひ、ご記憶にとどめていただければと思います。誰が悪いというように、子供の喧嘩をするのは簡単ですが、そうでなくて、ここまで極端になると、ある種のあきらめというか、。。。。。のレベルでした。いずれ、これを読んでいただいているみなさまの参考になれば、渡辺の膨大な被害額が、軽減されると思います。せっかくですので、どんなにひどかったかを、お見せしておきます。これでもゼロ査定だと言うことで。しばらく、涙に暮れた、ここ数日でした。。。ただ、そこで、とある方からの暖かいお言葉が。「二次補正もありますから。。。。。」。。。まさに、天の助けの言葉でした。ありがとうございました。

DSCN5339.JPG大きく傾いたシロイヌナズナ等の栽培だな。。。。。


DSCN5341.JPGDNA抽出用の多検体対応、植物破砕機、転倒して180oひっくり返る。


DSCN5351.JPG等電点電気泳動をはじめとるする様々な電気泳動装置。。。。。泳動装置の墓場のよう。。。数が多すぎ単純な見積もりできないが、500万以上か。。。。。。。。


IMG_1114.JPG蛍光顕微鏡、簡易切片作成装置が転落、鏡筒が折れて、使い物にならない。。。500万以上。。


IMG_1115.JPG自動in situ hybridizationの機械も、180oひっくり返る。その後、元に戻してみたが、ふたも開かない。。。300万。。。

 唯一の救いは、運営をお手伝いしている科学者の卵のHP今年の募集が始まり、あちこちから、説明会にきてほしいと。ありがたいお話しです。より多くの未来ある受講生に話ができるのが、楽しみです。


 わたなべしるす


 PS. 渡辺は参加できませんでしたが、古川農試の田植えのお手伝いに、籾まきに続いて、研究室方々がいってくれたのは、研究室力のようなものをお見せできたように思います。研究室のみなさまのご協力にこの場を借りて感謝したいと。ありがとうございました。

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