東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】仙台市立七北田小学校 NSP 5年生「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(6/16)

2011年6月17日 (金)

 6月も半ばを過ぎ、出前講義も本格化してきました。10日ほど前に、「いろいろなイネを栽培してみよう」ということで、七北田小学校で、いろいろなイネの田植えをしました。その5年生を対象に、「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」という出前講義を行いました。渡辺は、普段からアブラナ科植物、特に、Brassica属作物を扱っているので、キャベツとブロッコリーは、同じ祖先であるというのは、ある種の常識のようなものですが、子どもたちにとっては、あんなに形が違うものが、一緒???。では、交配して、遺伝子を一緒にしたら、どうなるのか、ということを考える講義でした。

 まず最初に、キャベツ、ブロッコリーが生長する様子を説明して、その共通性、違うところを見つけてもらい、その上で、実際のキャベツ、ブロッコリーも、2つに切ってみてもらう。その上で、各班ごとに分かれて、相談しながら、絵を描いてもらい、その後、班ごとにその植物の特徴、名前などを発表してもらいました。

DSCN0670.JPG 50min近くで考えをまとめて、それを班の中で、相談して絵にして、発表内容を考える。小学校5年生には大変なことだと思いますが、みんなよく頑張ってくれました。1つだけ気になったことは、書いている途中で、先生、子供さんを問わず、「答えは何でしょうか???」というのがありました。小学校の頃のテストをも出すと、枠があって、そこに答えを埋める。そうだったような。。。。答えがないと安心できないのか、ないといけないのか。世の中には、間違った答えなのに、それが正しいと言い切っているのも見ますし、逆のことも。そんなことはさておき、植物の基本である、ふたばが出て、茎が生長して、葉っぱが出て、先端に花がつくというパターンを考えていただければ、どうなることが、理論的に考えられるのか、幅を持って考えることができると思います。そんな考える、理科を楽しんでほしいと思いました。

DSCN0678.JPG 最後になりましたが、講義でお世話になった5年生の先生方、教頭先生、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。最後のところで十分な時間がなく、イネの観察会などできなかったのは残念ですが、また、来月行うことにします。


 わたなべしるす

 PS. 今週は、6年生が修学旅行だったのだそうで、校長先生、理科の椎名先生は、いらっしゃいませんでした。また、月頭くらいからでしょうか、宮城教育大の教育実習生が3名いらしていました。渡辺も20年以上前に、出身校で教育実習をしたのを思い出しました。あの頃から比べたら、少しは講義が上達したのかなと。。。

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【出前授業】JST・未来の科学者養成講座を広報、第4弾(宮城県仙台第三高等学校; 6/9)

2011年6月14日 (火)

 昨日の説明会は、同じく市内の宮城県仙台二華高等学校でしたが、この日は、SSH(Super Science High school)の運営指導委員も仰せつかっている、宮城県立仙台第三高等学校となりました。先日も、理数科の日ということで伺いました。そのときは、活発な議論をする時間がありましたが、今回は、渡辺の法の仕事の都合で、1hrの短い時間での訪問となりました。

 all 東北大企画の「経験・体験を通して「科学を見る眼」をもつ「科学者の卵」養成プログラム」について、その概要、どういうコンセプトでやろうとしているのか、何を求めているのか、今年の募集の変更点など、10名弱の生徒の前で45minほど、説明をしました。震災等の影響による特別の枠の話などをしました。説明会には、保護者の方も来られているということで、かなりの定着感を得ることができました。また、仙台三高校も、3年連続での説明会で、やはりリピーターのありがたさを実感しました。

DSCN0646.JPG 十分な質疑の時間がとれませんでしたが、去年も説明会にきていたけど、合格できなかったという生徒さんもいらっしゃいました。今年こそ、がんばってください。

 7/12には、SSHの特別講義を依頼されております。そちらでは、専門の自家不和合性のお話をします。また、ゆっくりとお話をして、議論できるのを楽しみにしております。


 最後になりましたが、生物の千葉先生にはお世話になりました。ありがとうございました。

 これで今年の説明会も終わりました。締め切りまで後、1週間程度、まだ、数名の応募しかありません。多くの方の応募をお待ちしております。

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 わたなべしるす。

 PS. また、科学者の卵のHPにも、関連記事があります。お時間のある方は、。。。。


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3/11(金)、14:46から今日まで、その13(6/12)。

2011年6月12日 (日)

 前回のその12を記してから、20日近くたちました。昨日は、あの震災からちょうど3ヶ月。14:46にはこの震災でなくなられた多くの皆様に哀悼の意を表して、黙祷しました(黙祷)。当日は、多くのテレビでこの3ヶ月を振り返ったような番組をやってました。震災後3ヶ月で、大きな余震があるといわれていましたが、これを記している現在でも起きてないのは、なによりです。このまま収束してくれれば、何より心の安心が戻ってくるような気がします。

 沖縄では梅雨が明け、西日本では大雨が降っているようですが、仙台はどうやらオホーツク高気圧に覆われていて、比較的乾燥している快晴が続いています。前回のその12の時には、なんといっても、1次補正のゼロ査定というのが衝撃的なことでした。今でも忘れられません。

DSCN0664.JPG この20日近くで、研究室内で何か大きな変化があったかというと、これといった大きな変化はなかったと思います。仙台の町中を歩いても、欠落をしていたモノというようなことに変化は見えません。建物の補修をしていたようなところが、幌かけしていたものがなくなったところが多くあったのかもしれません。仙台駅のような。そんなように仙台の町中というようなところでは、大きな変化はなかったと思います。何でもそうかもしれないですが、最初の立ち上がりは変化が大きいですが、しばらくたつと、飽和(saturate)してしまい、なかなか進まない。この震災からの復旧に想像以上に時間がかかるという苦悩というか、大変さをじわじわと痛感しているような気がします。

 時間をとれない、また、被災地に行くと復旧の邪魔になりかねないということで、沿岸部に行っておりませんが、まだ、復旧もままならず、復興には遠いというのが現状かと。なにより、福島原発の収束が未だめどが立たず、メルトダウンから、メルトスルーという状況に変化したとか。研究室で線量計を買いましたが、理学部の先生が測定してくれているモノは、自分との比較において、安心材料です。ちまたでいわれているようなホットスポットに当たるようなものが今のところないというか、見つけられてないだけなのかもしれません。年内にどこまで原そうしたことも発問題が解決しているのか、不安を感じ得ない毎日です。これまでにも書いたかもしれないですが、ここまで解決できたのは、個々の力の部分が大きかったと思います。もう少し、俯瞰的に見ることができる立場の方々が、積極的な手を打っていただけないものかと、もどかしいモノを感じ得ません。

 復旧をしながら、復興というある種難しい側面なのかもしれません。今回の津波も1,000年に一度という規模でした。出前講義で、直近、5年先、20年先ということは話しますが、1,000年先、日本、世界がどうなっているのかを描くのは、かなり難しいような気がします。どうなのでしょうか。。また、同じ津波に遭わないようにするのは、重要ですが。。一国でも早い復旧を願ってやまない、震災後3ヶ月でした。

DSCN0661.JPGのサムネール画像
 わたなべしるす

 PS. 来週の土日は、オープンラボです。先の話で天気までははっきりしませんが、雨模様ということはないようです。多くの方の訪問をお待ちしております。



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【出前授業】JST・未来の科学者養成講座を広報、第3弾と講座模擬授業(宮城県仙台二華高等学校; 6/8)

2011年6月10日 (金)

 前回の説明会は、市内の宮城県宮城第一高等学校でしたが、この日は、宮城県立仙台二華高等学校となりました。この高校は、昨年も訪問しましたが、特徴的なこととして、中高一貫校であるということです。そんなこともあり、説明会と模擬授業には、中学生も参加してくれていました。より幅の広がった、広報と出前講義になりました。

 最初に、all 東北大企画の「経験・体験を通して「科学を見る眼」をもつ「科学者の卵」養成プログラム」について、その概要、どういうコンセプトでやろうとしているのか、何を求めているのか、今年の募集の変更点など、20名弱の生徒の前で1hrほど、説明をしました。震災等の影響による特別の枠の話などをしました。説明会には、昨年度の受講生もきていらしたのですが、時間の都合で、受講内容については、生徒さんたちに話をして頂くことができず、少しインパクトに欠けたのかもしれません。仙台二華高校も、3年連続での説明会で、やはりリピーターのありがたさを実感しました。

 質問の中に、どういうたぐいの答案が採択されるのか、これは、とてもこたえにくく、また、答えのないようなものだと思いました。まさに、受講したいという切なる気持ちをどう表現するかは、ヒトそれぞれであり、その人がどう感じて、どう表現するか、その思いの丈をどれだけ綴れるかだと思いました。がんばってください。

 説明会のあとには、模擬講義ということで、「自家不和合性」のお話しをしました。高校生になると、塾もあり、その時間の関係で、30minの短縮版だったようですが、講義の様子は理解してもらえたのだと思います。また、講義のあとには、受講を希望する生徒さんたちと、自分たちで受講してついて行けるのだろうかというような、素朴な疑問にも回答しておきました。より多くの方々にトライしていただければと思いました。

 最後になりましたが、生物の菅原先生にはお世話になりました。ありがとうございました。

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 わたなべしるす。

 PS. 正式には、科学者の卵のHPに記しますが、郵便事情に不具合があり、高校の方に一部、パンフレットなどが届いてないということが判明して、6/15の〆切りを6/22に延長することが決まりました。詳しいことは、科学者の卵のHPをご覧ください。〆切りも延長され、より多くの方々の応募を楽しみにしております。

 また、科学者の卵のHPにも、関連記事があります。お時間のある方は、。。。。

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【出前講義】仙台市立木町通小学校 5年生「いろいろなイネを栽培してみよう」(6/8)

2011年6月 8日 (水)

【出前講義】仙台市立木町通小学校 5年生「いろいろなイネを栽培してみよう」(6/8)

 先週の金曜日に、放射線計測のお手伝いと現状視察ということで、仙台市立木町通小学校を訪問しました。そのときに話題となり、今週の月曜日の七北田小学校に続き、「いろいろなイネを栽培してみよう」ということで、バケツに土を入れておいて、そこに10品種を植え付けました。

 木町通小学校は、研究室のある片平地区から自転車でも行けるような町の中で、たぶん、間違いなく、校区の中に「田んぼ」はないと思います。そうしたところで、運動場、花壇などもほかの小学校より小さいのかもしれません。そんな中でも、花とか植物もたくさん植えてあり、各班ごとの田植え作業は楽しそうでした。

DSCN0626.JPG それぞれの品種毎の成長を観察するとか、記録をつけてみるとか、みんなでグラフを作るなど、観察することの楽しみを、覚えてもらえるのではと思います。先生方もとても熱心で、近いこともあり、是非、何かあったら、すぐに対応に伺いますので、ご連絡ください。

 何より印象的だったのは、授業をこれで終わりますといったのに、イネの周りに座って、観察したり、渡辺に質問をしてくれたり、あるいは、小さなポットに水を入れて、イネのバケツに入れてくれたり。とても、植物が好きなんだなと。その気持ちを是非大切にして大きく成長してください。これからが楽しみになってきました。

 最後になりましたが、5年生の先生方、教頭先生、お世話になりました。秋の収穫まで大変と思いますが、できるだけのサポートをしますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。こうした活動を通して、震災で傷ついた心が癒やされて、本来の子どもたちの姿が戻れば、うれしい限りです。

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 わたなべしるす

 PS. 帰り際に、校内で絵を描いている子供さんたちを見かけて、挨拶をしたら、手を振りながら、「覚えてくれたんだと。。」。どうやら、去年の5年生、今年の6年生ではないかと。去年の出前講義を覚えてくれたのは、うれしい限りです。


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