東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

本物が持つもの、現場が知っていること、表現型を知る。。。(8/4)

2011年8月 4日 (木)

 先日も、オープンキャンパスがあり、高校生の訪問があった。渡辺は相変わらずの多忙で、十分な対応ができなかったのかもしれないが、その間、研究室のメンバーの実験の様子などを見てもらったり、研究室の実験器具を見てもらったり。高校では見ることができない「本物」の科学の世界を見ることができたというコメントをそのあとにいただいた。何ともいえず、うれしい限りである。うちの学生さんたちの一生懸命な姿であったり、実験風景が高校生たちのやる気を出したのであれば、何より幸いである。インターネットなどで、仮想的にその雰囲気を知ることはできるが、やっぱり「本物の力」なのだと痛感した。また、何かの機会にいらしていただければと思った。百聞は一見にしかずであろう。

DSCN0746.JPG 今朝から、実験台の入れ替えの作業が行われている。劇的before afterの部分は後ほど学生さんたちがHPに書いてくれるであろうが、実験台の撤収、天井の養生、さすがに職人技だと感動した。現場を知っているというか、どこでどう動けば、何がどうやりやすいか、すべてが連動しているように見えた。渡辺も学生の頃には、現場でというか、ガラス室で、植物の管理、交配、サンプリングなどをしていて、現場が見えていたと思う。ところが、このような立場になると、どうしてもその一端しか見えない。やっぱり、現場は現場をやってくれている学生さん、スタッフが一番よく知っている。渡辺の師匠の日向先生も、「任せている実験テーマについては、世界で一番よく知っているのだから、きちんとやるように」というようにいわれて、やっていたような気がする。そのときは、あまり実感がなかったが、最近、痛感する。毎日がんばっている学生さんたち、スタッフの方々に、感謝である。

 ただ、少しくらいは、渡辺も役に立つというか、年の功というか。細かな表現型というか。アブラナであれば、栽培を初めて、四半世紀くらいになった。どれくらい水をほしがっているのか、このあと、どうすれば、どうなるのか、植物の管理では、少し見えている気がする。それは、植物の気持ちがわかるわけではなく、そこで起きている「表現型」の変化を細かく見ているのかもしれない。というか、ちょっとした変化が前より、ずいぶんと気になるようになってきた。視力がよくなったわけでもないのに。。。。経験と勘というものかもしれないが、表現型が見えてきたのを、いかに次の世代に教育し、研究するかが、これからの問題なのかもしれない。

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 わたなべしるす

 PS. 明日くらいまで、仙台も曇りの天気のようであるが、ずいぶんと涼しいというか、仙台らしいというか、。。しのぎやすいのは、震災依頼の緊張感が、微妙に続いている体には優しい限りである。。。。ただ、こんな天気は農作物の生育にはよくないらしい。スイカの不作とか、野菜の高値とか。これから秋の収穫に向けて、いろいろなことがよい方向に進んでほしいものである。


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【研究室訪問】オープンキャンパスに伴う石川県立小松高校、秋田県立秋田南高校、来訪(7/27-28)

2011年7月30日 (土)

 7/20にもお知らせしましたが、7/27-28は、本学のオープンキャンパスでした。いくつかのキャンパスには多くの高校生が訪問したと伺っております。片平にも、いくつかの学部と関連した研究室がありますが、直接の公開でなかったこともあり、いらした方は少なかったのでは。。東北大が、100年ほど前に始まったところですから、みていくのも良いのではと思いました。
 
 そんな中で、27日は、石川県立小松高校の生徒さん、28日には秋田県立秋田南高校の生徒さん達が研究室訪問をされました。27日の小松高校の生徒さんの時には、来客が重なり、研究室内の説明に少し待ち時間を作ってしまったのは、申し訳なかったです。研究室内を案内し、温室の植物をみてもらい、また、受験での希望、困っていることなどを話をしました。研究室訪問された2名の生徒さんは、渡辺がお世話をしている「コアSSH・ダイコンコンソーシアム」と言うことが議論をしていることで判明。そのうち1名は、8月の鹿児島での会議に参加するとか。たのしみですね。ダイコンの研究もがんばっているようで、HPでも一番頻繁に記事をupしてくれています。鹿児島での研究内容を聞けるのを楽しみにしています。

DSCN0726.JPG 28日の秋田南高校では、10名を超える生徒さんと先生、卒業生で農学部の1年生も。最初に、植物の生殖、自家不和合性の簡単な講義をしたあとに、研究室内の見学、温室内の植物の見学を。授業の中で、自家不和合性の受験問題を解いたり、PCRのことを知っていたり、もちろん、sequencerも。驚きの連続でした。これも秋田県の博士号を有した教員の採用によるものだと。ただ、やっぱり、最近の生徒さん、秋田県という、自然に対する地の利があるはずなのに、作物の花は意外と知らない。。残念でした。数名の生徒さんは、ずいぶんと知っていたのは、何より、うれしいものですね。ぜひ、一緒に研究をしましょう。お待ちしております。最後に、温室でアブラナ科作物の多様性をみてもらい、その意義、これからの研究の重要性を講義して、解散となりました。お渡ししたパンフレットに、サイン会になったのは、うれしかったです。

 SSH、科学者の卵などを通じて、こうした研究室訪問があるのは、うれしい限りです。今回の訪問を設定してくれた小松高校・寺岸先生、秋田南高校・遠藤先生、ありがとうございました。また、お世話になります。


 わたなべしるす

 PS. この月末には、あれこれと〆切が重なり。。原稿が遅くなりました。また、27日は、とあるところから取材の依頼も。また、この件が記事になった折に、報告します。お待ちください。楽しい記事になると思いますので。

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東北六魂祭

2011年7月18日 (月)

増子@なでしこジャパンおめでとう!!!です。

日本の女子サッカー30年以上の歴史、その積み重ねが今回に繋がったのだと思います。

まさに、諦めたらそこで試合終了ですよ?という試合運び。私も頑張ろうと勇気をもらいました。

 

渡辺グループでは先週アブラナ温室の片づけが終わり、アブラナの季節もようやく終了とのこと。

同時に温室のイネがフサフサしてくると、イネチームにとって正念場が近づいてきたと感じますね。

 

さて、去る7/16、17に東北六魂祭がありました。

東北の主要6大祭りが一同に会す、今年注目のイベントです。

所用で大学に来たついでに、覗いてみようと街の方へ出てみました。

結論、見ないで帰ってきたんですけど(爆)キャンパス周辺の様子をご覧になるつもりでどうぞ。

 

真夏の日差しの中、生命科学研究科から北門へ。。。現在、北門は工事中です。

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北門から出てすぐ学食(通称:北門食堂)があります。現在改装中で開店が楽しみです。

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さらにまっすぐ行くと、アーケードに抜ける道にたくさんの赤い旗が。

もうすぐ柳町通りの大日如来さんの縁日なんですね。これを見ると夏の到来を感じます。

年末年始と夏祭りの時期に垂れ旗がかけられます。

仙台は中心部に非常に神社・仏閣が多い町です。

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アーケードに入ると、マルシェジャポン センダイが立っていました。

毎週末、地元の生産者が並ぶ市場です。地元を応援する人でにぎわっていました。

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メイン会場に近づくほど多くなる人出。。。

人をかきわけて進みますが、仙台七夕かそれ以上の感じを受けました。

結果、メイン会場である定禅寺通り&勾当台公園に近づくのを諦め、帰ることにしました。暑いし。

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今回は予想の3倍を超える人出があり、運営面で反省点が多かったと聞きます。

しかし、夏祭りは元々鎮魂の意味もあると言う事ですから、この時期で良かったと思います。

今後、捲土重来を期して欲しいと思いつつ、今回の盛り上がり、本当に素晴らしかったです。

 

来週は一番町三社まつり、8月の初めには仙台七夕と、一気に仙台の夏は加速していきます。

イネチームもいよいよサンプリングの季節を迎え、フルスロットルで活動していく事でしょう。

それに備え、うなぎでも食べて体力を温存します。

来週21日は丑の日ですしね。

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増子(鈴木)

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3/11(金)、14:46から今日まで、その15(7/11)。

2011年7月11日 (月)

 前回のその14を記してから、あまり時間的にたっていませんが、今日が震災から、ちょうど4ヶ月。14:46には、黙祷と思っておりましたが、諸般の事情で、数時間遅れでとなりました。亡くなられた方々に、哀悼の意を表します。

 ここ数日、大きな地震があり、研究室にいてもよく揺れます。新聞か、netかわかりませんが、1ヶ月説とかいうのもあるとか。いずれ、気象庁のコメントでは、しばらくきのうくらいの地震はあるとか。もちろん、その程度の地震では、研究室に特に被害はないと思いますが、まさに、忘れた頃になので、気をつけないとと。。

 どこかの新聞紙上には、明治三陸大津波より、被害者は少ないという文字が。確かにあのときの構造物の強度、地震に対する考え方などを考えると、数字的には少なくても、被害の状況は、大きいのではと思います。津波も、まして、当時はなかった、原発の水素爆発など。震災以来、仙台空港の近く以外の被災地を訪れていません。いろいろなこともあり。また、カメラを向けることも。そういえば、昨日も、高校生を対象にした「未来の科学者の卵」でも、被災地の先生方とお目にかかって、是非、一度いらしてください、出前講義をとお願いされ、何とか言ってみようと思っております。また、講義を行う前に、津波、原発被害を受けている受講生がいることを考えたとき、最初は言葉に詰まりそうになり、何とかそれをこらえて、講義を行いました。

DSCN0813.JPG それにしても、今回の3/11の大地震が、日本の近くの地面というか、地殻というかそういうところに与えた影響は多いのだなと。三陸沖だけでなく、日本の様々なところで毎日のように地震が起きています。それも、このところ、多くなっているような気がします。たとえば、動物であれば、第六感のようなもので、退避できるのかもしれないですが、人間には、それがないのか、どうなのか。何か知るすべがないのか、あっても、もちろん、退避できるのかということもありますが。

 それから、前にも書いたようなことですが、頭の中の時計が、1ヶ月遅れだと。。。緊張の糸を緩めてしまうと、どうしようもないところまで落ちてしまうというように、体の方が、対応しているのではということをいわれる方も。確かにそうなのかもしれません。緩めたとき、それが戻るの恐ろしくて、緊張しているまま。。。というような。なので、いつまでたっても高いテンションのまま。体に負荷がかかるばかりなのですが。。。かといって、地震が起きない、放射能汚染が止まる、復旧が迅速に起きるなどが、担保されないと、。。ということなのかもしれません。

 そういえば、今日、東北地方も梅雨が明けたとか。いつも梅雨が明けなく、じめじめした梅雨が多かったような記憶が。。。梅雨明け10日というように、しばらく天気もよいとか。。。つゆらしい雨が降らず、バケツをかやしたような大雨が。。今日も、県境を越えたところまで、大きな雨雲が。。。少しでも雨が降れば、焼けた地面が冷めると。。。。

 3/11の直後、かなりのことが、「超法規的処置」がされたような気がします。ところが、沿岸部の大きく積まれた山のようながれきは、4ヶ月そのまま。いつになったら、どこでどうやって処理がされるのか、何のために、そこに集めたのか。もちろん、ばらばらよりよいと思いますが、。。何とか、迅速に、どこかに片付ける、焼却するなど、できないのでしょうか。。俯瞰的立場でものを見ている方々、是非、早急な対応をお願いしたいと思います。それが切なる願いです。。。


 わたなべしるす

 PS. 明日は、仙台第三高校のSSHの講義と仙台市立木町通小学校での放射線量の定点観測です。また、その結果は、後日報告します。

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3/11(金)、14:46から今日まで、その14(7/4, 7/6追記)。

2011年7月 5日 (火)

 前回のその13を記してから、20日近くたちました。そのあと、多くの出前講義オープンラボ招待セミナーなどあり、震災前と同じ状態かと思われるかもしれないですが、来客があり、沿岸部に行くことがありましたが、もちろん、少しずつ、電気が復旧して、信号機が自動で動いていたり、今週末からは、新幹線の徐行区間短くなったり、月末に近い頃には、空路も定期便になるという連絡があり、復旧の足音も見えつつあります。しかしながら、沿岸部の海に近いところまで行くと、まだまだ、車の山があったりで。何がどう片付いているのか、どうすればよいのか、頭を抱えます。また、こうしたところに行くことはあれど、未だ、その被災地を写真に納めることができません。どうしてもその方向にカメラを向けられません。歴史の生き証人として、そうしたことを記しておくことは重要というのはよくわかりますが、。。

 仙台での地震の回数は減りましたが、研究室の学生さんの実家の方で、相次いで大きな地震があったのは、びっくりというか。離れていることもあり、心配になりました。無事が確認でき、ホットということもありました。

DSCN0726.JPG この間には、ずいぶんと集中豪雨というか、ゲリラ豪雨のようなものがありました。これを書いている間にも、ほんの10min間で、かなりの雨が降りました。ただ、大学の周辺では、total 50mmを超えるようなことがありましたが、それによる特に大きな被害もなく。海抜ゼロメートル地帯になったところでは、大きな問題だと思います。

 先にも書いたとおり、ずいぶんと出張に出かけ、新幹線を使いますが、福島、郡山駅に止まったあと、その町の郊外を走りますが、夕方なのに人気がほとんどないというのは、何ともいえず、心が痛みます。放射線量が、時間あたり、1マイクロシーベルトを超えているところがほとんどで、局所的には、その10倍近いところもある「ホットスポット」も検出され、何とかならないのかと思います。遊び盛りに小学生が、外に行けないことは、大変つらいことだろうと。そんな折、夏休みに、北海道などでサマーキャンプをしてという企画も新聞などで見かけました。より大きな方向でこうしたことが広がることを期待したいと思います。もちろん、一部ではありますが、渡辺もお手伝いしている、「科学者の卵」も、夏休みに企画を行います。

 数回前のHPのこのコーナーに、RIの管理区域に入るときにつける、「フィルムバッチ」という、外部被曝量を簡易的に検出するものをつけたらということを書いたような気がします。同じようなことを考えておられるもので、福島県全体に、「フィルムバッチ」を配布して、常時計測という話を聞きました。なによりかと。ただ、宮城県との県境、茨城県との県境、栃木県との県境なども含めて、検討いただけないものかと。。。高所から、俯瞰的な立場にいらっしゃる方々。なにとぞ、なにとぞ。。。渡辺自身も、と思うくらいですので。。。。

 1次補正がゼロ査定ということを書いたところ、ずいぶん多くの方から励ましのお言葉をいただきました。おかげさまというか、大きくゆがんだ実験台は、研究科の方(研究科長裁量経費)で、新しくしていただけるということで、関係の方々に、この場を借りてお礼申し上げます。震災後の何度かの大きな搖れにも持ちこたえつつ、でも、ゆがみが大きくなり、危険度が増していただけに、ありがたいお話でした。8月のお盆前には、交換されるのではと思っております。また、できたら、HPで公開したいと思います。特に、天井部分のひどかった部分について。。。。

DSCN0739.JPG 放射線が苦手な渡辺には、福島第一原発の状態について、あまりテレビ、新聞での報道が減っているのは、気がかりである。一方で、ニュースというより、あのときこうだったというようなドキュメンタリー番組あったりで。。。そういえば、原子力関連学会が、関係機関に対して、事実の早急な報告というのを目にした。こんなことに限らず、研究室であれば、実験をしていて、うまくいった、行かないの報告はある。それがどこの組織でも機能しているので、うまくいっているのだと思う。是非、そうあってほしいと思うのであった。


 わたなべしるす。

 PS. 今日は大学院の講義があった。自由に質問を受け付けて、答えるということを行ったが、相互に十分な満足度があったのだろうか。言いっ放しのような状態では、お互いに進歩がない、。。そのあたりを正確に計る物差しがないものだろうか。。

 そういえば、このところ、渡辺自身はわすれものが多いのが、気がかりです。単純に、震災疲れが出ているのだと。。。。どこかでゆっくり休みたいという気持ちと、緊張の糸が切れた瞬間が怖いような。。研究室のスタッフ、学生さんたちも日替わりで体調を崩されることもあり、研究室そのものをどこかのタイミングでリフレッシュしたいと思う、今日この頃でした。皆様、くれぐれもご自愛ください。

 昨日の夕方、こんどは和歌山県で大きな地震が。。出前講義ででかけた、日高高校の近くのようで。この前から起きている、長野・松本の地震、今回の和歌山。小学校の頃に四国で見た中央構造線を思い出し、関係なければと。。。


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