東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

近況報告

2013年11月14日 (木)

 こんにちは。報告が遅れてしまいましたが、先月より基礎ゼミの縁で渡辺教授の研究室で学生アルバイトを始めさせていただくことになりました農学部1年の木幡です。このHPへは渡辺教授の基礎ゼミメンバーとして夏までにも何度か記事を投稿させていただきましたが、学生バイトとしての投稿は今回で初めてになります。

 ここ数日で一気に寒さが厳しくなり、秋まで元気だった植物たちも、あるいは休眠をはじめ、またあるいは枯死してしまい、これから少しさびしい季節になってしまいますね。基礎ゼミの野菜栽培で半年間観察を続けていたバナナクリーム唐辛子も秋になり成長を盛り返して収穫が多くなったところでしたが、この寒さで成長が止まってしまったようです。成長していく様子を見るのは楽しいものでしたし、基礎ゼミでの発表内容もたくさん提供してくれました。もっと早くにリタイヤしたキュウリも含めて野菜たちには感謝するばかりです。来年からも、小規模ながら野菜の栽培を続けていきたいと思います。

写真1.jpg 10月30日、最後の収穫。今までほんとにありがとう! とうがらし君。

 蛇足ですが、下の写真の手前に見えるごちゃっとした物は、現在アパートのベランダに持ち込んで管理している人工湿地「ミニ尾瀬」です。どんな植物にもそれぞれの魅力がありますが、その中で特に私を魅了してやまないのが高層湿原に生きる植物たちです。冷温かつ貧栄養、貧酸素という過酷な環境のなかで、小型化、食虫化など独自の進化を遂げた植物たちにはその小さくか弱そうなたたずまいの中に不思議な魅力があるものです。国内では関東北部の尾瀬ヶ原などでこれらの植生を見ることができます。この人工湿地ではモウセンゴケ類、ウメバチソウ、トキソウ、サギソウ、サワギキョウ、ハエトリソウなどの植物を栽培しており、高層湿原の環境を再現するため、夏には水槽用のクーラーを用いて冷水を作り、栽培かご全体をそこに浸して栽培しています。

写真2.jpg ここにきて気温も低くなり、この小さな湿地の植物たちも冬支度を始めるころです。残念ながら上にあげた植物たちはどれも冬芽を作って地上部が枯れてしまい写真の中では見ることができません。

写真3.jpg こちらは、今年の春に芽吹いた時の写真です。来春の芽吹きも今から待ち遠しくて仕方ありません。

 この先も大学での研究として植物に関わる一方で、一園芸家としていろいろな植物の栽培に挑戦、あるいは自生地観察の旅を続けてゆきたいものです。

 最後に、この度の基礎ゼミ発表会において私たちのポスター発表が高く評価されたことは今後の大学生活やその先の研究にも活かすことができるような非常に貴重な経験になりました。発表に導いてくださった渡辺教授をはじめ、ポスター作製の際に協力していただいた研究室の先輩方や共にポスター編集に携わった友人らにはこの場を借りて心から感謝いたします。

 以上、長くなりましたが、挨拶ならびに近況報告でした。


 農学部1年・木幡

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入れ替え、青天井、積み上げ(11/11)

2013年11月11日 (月)

 今年も残すところ、あと、50日あまり。ずいぶんとやり残したことがあるように思っていて、それを何とか少なくとも年内に片付けないと。。。ただ、多くの場合、年内と言うよりも年度という単位の方が、優先するというか、そちらの方が意味があったりする。そう考えれば、まだ、もう少し余裕があるのかもしれないが、年あがければ、学位の審査などがあり、あっという間に、年度末になるのが常である。何かが終わる時、それを継承するのか、それともそれをやめて、新しいことをするのか。とても悩ましい。大学等のように新しい学年が進むたびに、少なからず、入れ替えが生じる。組織である限り、どんな入れ替えがあっても、その入れ替えに耐えて、さらなる進化をしないといけないと思うのだが、なかなか難しい。そんなことを考えながら、残りの時間を過ごすことを考えないといけない季節になったのかもしれない。

DSCN0443.JPG それと共に、科学は常に進歩している。日々、新しい論文が出て、こんなことができるんだと思うこともあれば、この発想は、やられたと思うこともある。そうしたものを吸収して、いかに進化して、次の一手を打てるかと言うことでもある。そのためにも、自分の枠組みの中にとどまるのではなくて、新しい領域と融合したり、これまでは、こんなこととこんなことは、一緒にやらないだろうというようなことを発想しないといけない時代になったような気がする。そう考えると、何の世界もそうかもしれないが、青天井である。どんな発想をするのか、それに基づいて、新しいことをやるのか。もちろん、必要に応じて、実験等の入れ替えも必要になってくる。青天井と言うことは競争であり、それは相手との競争だけでなく、一方で時間との競争ということでもある。

 天井の上には、また天井があった。これはこれまでもたくさん経験してきた。だからこそ、それを反省して、その次に進まないといけない。論文が掲載されるというイベントは、その一瞬かもしれないが、その前には、長い積み上げと歴史がある。自分たちの研究と言うことだけでなく、自分の研究室、その領域、関連領域、科学全体というか。。。そう考えれば、長い歴史の延長線上に積み上げられたものとして、今の結果がある。先のことを見るのはもちろん大切であるが、それまでに何が起こって、それは何をどうしたから、そうなったのか。そうしたことを考えれば、今、何をすべきかと言うことは、ある程度わかってくるのではないだろうか。今やることを理解し、その先をどうするかと言うことを積み上げることができれば、物事はずいぶんと進歩するように思う。残り50日ほどで、どれくらい積み上げができるか、それによって、2014年がどうなるかが決まるように思う。そのためにも、最後の「火事場のばか力」で、。。。。まずは、出前講義で届いている手紙の返事を書くことを仕上げよう。。。。

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 わたなべしるす

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学生バイト・定池さん&丸岡さんお疲れ様会

2013年11月 7日 (木)

増子です。東北楽天ゴールデンイーグルス日本一、おめでとうございます。

私は大方の仙台市民がそうするように、楽天の日本一に涙し、セール情報にニヤつく日々を送っています。

しかし、巨人ファンの主人が苦々しそうな顔をするため、程々にしています。

楽天イーグルスの日本一が決まってすぐ、日本一ありがとう特設サイトが開いてたのが印象的でした。

日本一グッズのサンプル映像も込みで作ってあって。すごいなー。

 

さて、今日は学生バイトさん・定池さん丸岡さんのお疲れ様会が開かれました。

定池さんは9月いっぱい、丸岡さんは10月いっぱいで当グループの学生バイトを卒業します。

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今回のケーキは辺本さんチョイス、仙台パルコのRoll Madu(ロール・マディ)にて。ロールケーキ専門店です。

カフェ併設、パスタも美味しいですよ。ロールケーキのモーニングセットもありました。

閑話休題、仙台パルコは現在、楽天日本一おめでとうセールを開催中(~11/10)。

羽ばたけ楽天イーグルスがエンドレスで流れる中、Xmasツリーがぴかぴかし、クラッチくん、クラッチーナちゃん風船がフワフワする。。。いわば、お祭りムードが漂っています。

そんな中なので、クラッチくんを象ったロールケーキもありました。もちろん購入。

開店直後のお店には沢山の種類のケーキが並んでいて、壮観でした。

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そんなこんなで購入してきたケーキ、皆で談笑しながら頂きました。

今回は、16名の参加。お茶スペースもギッシリです。

学生バイトさんも、定池さん丸岡さん含め、5名来てくれました。

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午前中だからロールケーキのフワフワ感が心なしか違う気がするとかしないとか、

クラッチくんの風船は何処で貰えるのか、など話に花が咲きつつ。。。

定池さんと丸岡さんの二人に、花束、色紙、記念品(バスセット)を贈呈しました。

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その後、定池さん、丸岡さんからひと言頂き、渡辺先生の方からも挨拶頂いて、締めて頂きました。

渡辺先生の挨拶途中、急遽に電話応対が入りましたが。。。

その間、M2大嶋くんがコメントして場を持たせてくれました。

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いつも丁寧な仕事ぶりだった定池さん、いつも笑顔で嫌な顔せずお仕事してくれた丸岡さん。

これからも、サークルに、勉強に、充実した学生生活になりますように。

メンバー一同、応援してます。いつでも遊びにきてね!

 

今回もケーキ、お茶代等、渡辺先生から頂きました。

日程の調整、色紙や花束の準備をしてくれたM1辺本さん、紙皿の準備などM1田口さんお疲れ様でした。

ご馳走さまでした!

 

 

増子

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理想と現実、破壊と創造、消えゆくもの。。(11/7)

2013年11月 7日 (木)

 「理想」というのは誰しも持っていて、こんなことをしたいとか、この論文はここに載せたいとか。将来はこんなでありたいとか。。。ただ、その理想を達成するためには、様々なハードルがあり、その理想を達成できず、「現実」という大きな壁にぶち当たることはたくさんある。自分を振り返っても、小学校の書道の時間だったと思う「完璧」という文字を書いて、部屋に張っていた。「キズのない玉」というのを意味したのが、すごいと思ったからだったような。当時、草野球というか、そんなことをしていれば、ボールはすぐに傷が付くのに。。。そんなことがあるのかと。。だから、完璧なのだと。。。そう思っていたが、大学入試の時に「現実」を知ったというか、高校に入った時に、難しくなった勉強に「現実」を見たような気がする。もちろん、今でも研究をしていて、理想と現実のギャップには、悩まされる。年をとると、すぐに何かをするという機動力がどうも不足してくる。。。何とか少しずつでもと、前進を試みることが「理想」に近づくことと思って。。。もちろん、目の前の現実を直視するのを忘れないようにして。。。

DSCN5814.JPG そんな意味で、今ある現実を破壊して、新しいものを創造すること(スクラップアンドビルド)で、局面を打開できることはあるかもしれない。今日から、将棋竜王戦・第3局。第2局と先手、後手と入れ替わっているが、途中まで同じ展開だったとか。。。もちろん、途中から必殺のこれという手を研究しているからこそ、同じ展開をして、どこかでそれを破壊し、創造していくことができるのであろう。研究でも、最初の頃は遺伝子発現を調べるのは、Northern blotという、mRNAを電気泳動し、膜に転写し、それを検出していた。すごい時間がかかったし、一度に検出できる遺伝子数は1つであった。それが、microarrayの登場により、数千、数万の遺伝子の検出が可能になった。現在では、高速シークエンサーの登場により、直接発現している遺伝子を読んで、どこで何が発現しているかを短時間でできるようになった。大量に。。。まさに創造である。ただ、これを行うためには、それまでの単なる分子生物学的手法だけでなく、数学というか、統計処理というか、そうしたことができないといけなくなり、共同研究が欠かせなくなった。

 そうした理想と現実、破壊と創造の結果として、現在があるように思う。というか、この過程で消えゆくもの、新しく登場するものが。。。そういえば、きょうのニュースに「ブルートレイン」廃止へ。。というのがあちこちに。。。大学受験の帰りに始まり、大学、大学院生時代、その後も、ずいぶんとお世話になった。四国・今治からであれば途中からになるが、乗ることができたブルートレインは限られていた。「瀬戸」、「あさかぜ」「富士」、「銀河」。それ以外にも「利尻」、「まりも」、「あかつき」、「北斗星」などにお世話になった。そんなブルートレインが、2015年度末で廃止になるとか。。。新幹線開業と空路の整備の余波であろう。。。ゆっくりものを考えながら、何かをするというのにはよい乗り物だったのだが。。。。のこされた「サンライズ瀬戸」をまた、どこかへ行く時、使ってみようかと。。。そんなことを考えたりした。。。今日の出来事であった。

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 わたなべしるす

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【出前講義】石川県立小松高等学校SSH集中講義-5(課題研究発表会・審査員)(11/2)

2013年11月 2日 (土)

 11/2の午後は、小松高校のSSH、課題研究発表会。これまでポスター発表を見て、コメントすることはありましたが、県大会出場発表課題を決める発表会の審査員。渡辺の投票が県大会出場発表課題を決めるかと思うと、ずいぶん緊張して拝聴しました。本来なら、この記事をあげる前に、昨日の記事をuploadしないといけないのですが、。。時間の関係で、番号も逆になりますが。。。。お許し下さい。。。

DSCN0451.JPG 全体で10課題。物理、化学、生物、数学がそれぞれ、2, 2, 1, 5課題。数学が半分の課題というのもここ、小松高校の特色ではないかと。。。最初の課題が数学で、いきなりn次元のような。。。昔、科学者の卵養成講座で、小谷先生が高校生向けに数式を使わないで、説明されていたのを思い出しましたが、それでも難しかったというか、。。。数式では。。。やっぱり苦手です。。。なので、インフォマティクスを外部の方々と共同研究しているというか。。。同じ数学でも統計、検定というのは、遺伝学でよく使う手法。Chi-square(χ2乗)検定というのは、とてもなじみがあり。。。楽しく聞けるとともに、もう少しこうやればということも。。。未だに大学の教養の時の「統計入門」という教科書を使って、計算しているのもあって。。3つめの課題は、その数字を見た時、何の倍数になるか。よくあるのは、数字だけを足して、それが3の倍数なら、そのもとの数字も3で割れる。高校の時に説明できたような。。。それをn進数に拡張したら。。それは、n進数でいえるのか、また、それを10進数に戻してもいえるのかというような説明だったような。こちらが数学がきちんと理解できてないからでしょうか。もう少し最初の仮定がはっきりしていれば。。。。という気がしました。4つ目が任意の四角形の分割というような課題。プレゼンはなるほどと。。ただ、平面、つまり2次元から3次元というところに最後飛躍して、それは無理と。。論理的な飛躍が大きすぎるのでは。。。また、決まった長さの線をn等分するというのは、。。という質問をしたら、。。。これができたらという仮定の話を繰り返しで。。。。理論と実際が一致してなかったのは、少し残念でした。特定の数を等分して、何回繰り返したら、一通り、全体と組になれるか。それのたとえとして、麻雀をする時、20人で。何回したら、均等にできるか。なるほど。。。実用性としては、十分あるのでは。。

DSCN0471.JPG 化学の課題では、蓄電池とメッキ。身の回りにあるNaClと寒天で蓄電池という発想はおもしろいと思いましたが、もう少し普段使っている乾電池などの内部構造を理解したらよいのではと。。。そういえば、昔、かなづちを持ってきて、電池をこわして中に、炭素棒があったりするのを見たような。。もちろん、かなり危ないことをしていた訳ですが。。。そんなこわしてみることから学ぶこともたくさんあるかと。。。どうでしょうか。2つめの課題は、複合メッキ。この課題が最後でしたのもあって。。。。1点、はがれやすいということをどの様に定義したのか。。。

 物理の課題では、水滴の衝撃音。身の回りの材料でおもしろいことをしているなと。ただ、数式が出てきたのは、。。。難しいです。水滴、つまり、水(H2O)は水素結合があり、物性的には結構、取り扱いにくい物質だったような。なので、まだ、水の物性としてわかってないことがあったような。。。それが何だったか忘れましたが、ここ1年ほどのNatureだったと思いますが、おもしろいことがわかったというのがあったような。。。水以外の物性のものでこの実験をしたらという気がしたのですが、何せ、遺伝学が専門なので、。。。間違っていたら、すみません。。もう1つは北陸本線を走行する特急電車からの騒音。騒音の実測と理論値の比較。電車、レールの構造など、実際に起きていることを理解して、騒音のことを考えているのは、niceでは。。。ただ、騒音の指向性が、cosθ2だというのは。。。理由がいまいちわかりませんでした。

DSCN0472.JPG 生物の課題では、コマツナの加工適性というか、50oCというちょっと高い温度で洗う。50oCというのは、phageをplateにまく時にtop agaroseと混ぜてまくのですが、その時の温度だったような。。。その温度が、加工適性。。。課題研究を始めた時から見ていて、その時は、ハマダイコンの多様性だったような。。。さまざまな経緯があり、今日の発表になったのだと思いますが、まとまった形にしていたのではないでしょうか。

 この日は、高校の一般公開日にも当たっており、卒業生の方が質問するということも。自分自身、遠く離れたところにいることもあって、このような機会があってもなかなかいくことはできないのですが。。。先輩からの質問というのは、とてもよいことではないかと。。。

 最後に講評。評価員の先生方から、反復実験の重要性、結論を明確に、要旨を書く時の文章力up、わかるプレゼン、自分のプレゼンを自分で撮影(これは、昔、共同研究をしている先生から伺ったことがあります。ぜひ、渡辺も参考にしたいと思います。)、大学に入って伸びる生徒とは、めげない姿勢、共同研究の重要性について。。どれも重要なことだと思います。で、渡辺は「実験をやる時の可塑性」というか、適宜、その場その場で対応することの重要性、あとは「運営面の改善点」。これは、国内外の学会、他のSSHでの運営から参考になるようなことを。。

DSCN0469.JPG わたなべしるす

 PS. 渡辺の質問、講評で不適切な点があったようです。。。大変失礼しました。以降のSSHの活動をsupportするときに、参考にさせて頂きます。ありがとうございました。

 PS.のPS. 「めげない姿勢」、そういえば、お世話になっている寺岸先生から情報を頂いたような。。。改めて重要性を認識しました。ありがとうございました。共同研究の重要性では、今日、渡辺のHPに論文発表があったことをお知らせしましたが、その通りだなと。。

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