東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】今治市立乃万小学校「キャベツとブロッコリー」(2013年度ふるさと出前授業-7)(12/11, 13追記)

2013年12月11日 (水)

 今日にかけて大荒れの天気というのがいわれていましたが、幸いにして愛媛は風がひどい訳でもなかったですが、夕方まで、どんよりと曇った状態で、夕方にはにわか雨が。。。ちょうど講義中だったので、。。でしたが、いわゆる冬型の天気の走りなのでしょうか。昨日は、立花小国分小、夕方に今治西高。という少し詰め込んだ日程でしたが、今回は、今治市内のどちらかというと北部。午前が乃万小学校、午後は波止浜小学校でした。乃万小学校は昨年からで、昨年お世話になった校長先生は、昨日伺った、立花小学校の校長先生として異動されましたが、いろいろなシステムは継承して頂いており、このふるさと出前授業が計画されて、いち早く、担当の野間先生から連絡を頂いていました。

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DSCN0864.JPG 6年生が対象ということもあったのですが、2年続けての「キャベツとブロッコリー」の講義。グループ活動をするなどもあって、評価頂いたようでした。詳細は、最後に。体育館で準備をしていたら、6年生が入ってきたのですが、担任の先生は他の案件があったのだと思います。にもかかわらず、昔でいう、学級委員のような方が仕切って、整列して、座るということをしていたのは、いつかの七北田小学校での出来事を思い出しました。自分たちで、自分たちをregulateできるというのは、とてもすごいことだと。まず、最初に感動しました。体育館が広くて、寒かったのと、昨日の寒かった反省で、暖房を入れてもらいました。講義のあとのグループ活動の時は、暖まりながら。。。講義では、昨日と同じように、今治南高の別府先生から提供頂いた「根っこがついた状態のブロッコリー」を見てもらい。植物の形態の基本を学習。で、キャベツとブロッコリーのそれぞれの生長の様子を説明したあと、この2つの遺伝子を持った新しい植物は????

DSCN0869.JPG ここからが、グループ活動。グループに分かれて、どんな植物になるか、キャベツ、ブロッコリーを観察したり、議論しながら。。。こうした活動は余りされたことがないようで、6年生の担任をされている、大谷先生、井出先生と活動中に話した時に、普段活躍してないような児童たちが、こうしたことでがんばっていると。。。この「キャベツとブロッコリー」の講義は、こちらが最初に考えた時は、「考える理科」という覚えたり、学んだりすることよりも、自分たちで新しいものを理科というか、科学というか、植物学というか、そうしたものからそれないで、やるということを期待していたのですが、それ以上に、波及効果があることがわかり、よりよくさらに発展させたいと思います。最初の説明時間と、最後のプレゼン時間を入れるとどこも書くのは、20-30minの間。。今回、すごい班は、最後の7minで、一気に書き上げていて。担任の先生と一緒に感動でした。また、どの様に育つのか、外見、内部というような、たぶん、これまで一番詳しく書いたグループでないかと思うくらい詳しく書いたところも。感動でした。

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DSCN0886.JPG プレゼンのところの時間調整というか、質問時間の調整がうまくいかずというか、最初は余り質問がなく、昨日同様に。。ところが後半はたくさんの質問が。。。途中で切るというのは、どうかなと。。。なのもあって。。。そうしたら、給食の時間にまで。。。このあたりは、反省点でした。発表内容は、ほとんどが、植物学の基礎を理解していて。。。そのあたりは、すばらしかったです。給食の時間は、6-1の方々と。。。講義中には気がつかなかったのですが、たぶん、室内の気温が、20oCあるなしでしたが、にもかかわらず、半袖でいる方が2名も。。。。。仙台の寒さというか、部屋の暖かさになじんでしまった渡辺には。。。。。感動というか、すごかったです。

DSCN0891.JPG 最後になりましたが、乃万小学校校長・井原先生、理科の担当の野間先生、6年担任の大谷先生、井出先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべ拝

 PS. 講義の前後で、校長先生と話しをする時間が。。。6年生の担任の先生方と議論したようなこの講義の趣旨というか、重要なことなど。。。また、昭和の子供たちがという訳ではないですが、何とか、今の子供たちにも、みんなで一緒に何かをということの大事さを語られていたのは印象的でした。そんなことを考えられている校長先生がいらっしゃるからでしょうか。昼休みの活動をみんなでどうするか、給食の時間に議論をしていて。結局、なにになったのかは。。。いずれ、みんなでというのはよいことだと思います。

 PS.のPS. ここでも、高校時代の同期の方が担任の先生でした。。。月曜日の鴨部小と同じで。。。その時には気がつかず。。。あとからだったが、申し訳なかったのですが。。。世の中はとても狭く、いろいろなところでお世話になっているのだと。。。ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いいたします。

 PS.のPS.のPS. 12/13、昨日、乃万小学校のHPに記事があることを先生方からご連絡頂きました。ありがとうございました。こちらがばたばたしており、linkを入れることもできず。。とてもniceというか、すごく書いてもらっていました。感動でした。ありがとうございました。

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【出前講義】愛媛県立西条高等学校・特別講義「農学・生命科学入門--アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」(12/9, 10追記)

2013年12月 9日 (月)

 午前中は、玉川中で、鴨部小、九和小との合同での「ふるさと出前授業」。午後は空き時間ができたこともあり、西条高等学校へ。西条高校では昨年も、田口先生、日浅先生にお世話になり、講義を行いました。今回は、以前、松山北高校でお世話になった矢野先生にorganize頂きました。講義の内容は、前半が「植物の生殖と自家不和合性」、後半が「キャリア教育」という9月の今治西高校10月の宇都宮女子高校での講義と同じパターンで。いつも時間配分で前半がしゃべりすぎなので、なるだけ、後半に重きを置いて。。。と思ったのですが、前半のサイエンスのところが盛り上がりました。

DSCN0774.JPG 作物の花の名前は、知っている生徒さんにはそれなりに問題ないのかもしれないですが、知らない生徒さんには、身近に畑があってもみていない。。。この自然をいかせないのは、もったいないと。。。そうした注意力が、いろいろなことへの注意力になりますので。また、ヒマワリとハチの問題。これは、どこの高校でも同じですが、花が咲く時期、いわゆる、旬という問題と重なるのかもしれないですが、その時期を知らなくなっているのだなと。。。キュウリが年中食べることができるのはよいことかもしれないですが、がわからない、いつがその栽培適期か知らないというのは、少し問題だろうと。。。どこかの高校と同じで、ヒマワリの花の次は、。。。「チューリップ」。もちろん、冷静に夏の花から、春の花にいくのはおかしいと訂正してくれる生徒さんもいましたが。。。その当たりの感覚をつけることで、ずいぶんと世の中が変わるはずなので。ぜひ。ぜひ、磨いて下さい。

DSCN0777.JPG 後半の進路というか、キャリア教育のところでは、しっかりあやとりができる生徒さんも。また、渡辺と同じように小学校の頃は田舎で学校まで信号もなく、車がよけてくれるというか、怒られる訳ですが。。。。そうした経験をしている方も。その経験を忘れず、これからに活かして下さい。どこのタイミングでなにをどの様に考えるかでこれから先、ずいぶんと人生が変わってくるはずです。そうしたこともいろいろな例を交えてお話ししました。何か心に残るというか、気になったことがあれば。。それを糧に、これからがんばって下さい。それから、大学院で渡辺のところで遺伝学をやりたいという方。しっかりと遺伝学、植物学などの基礎を大学で学んで、また、何より、自分で考えるということの大切さを理解して、一緒に実験できるのを楽しみにしていますので。最後に話をした「組織論」のように、野望に燃えてがんばって下さい。

DSCN0779.JPG 最後になりましたが、お世話頂いた、矢野先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。次年度以降もこうした形での連携ができればと思います。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 西条高校と今治西高校は、できた経緯を考えると、西条高校が本校で今治西高校がその分校。分校の卒業生が、本校に教えに行くというのは。。。。時が時であれば。。。なかったのではと。。。もちろん、そんなことをいっている時代ではないのかもしれないですが、不思議な感じでした。

DSCN0780.JPG PS.のPS. いくつかの高校でサイエンスの話をするのに「宇宙戦艦ヤマト」を出すのですが、今年、renewalしたのを見ている高校生がいない。。。タキオン粒子波動砲ワープなど、科学の塊と思っているのですが。。。今の高校生などにはすごい科学力に見えないのでしょうか。。。。何とも不思議な。。その当たりに「理科離れ」の解決点があるのではないかと。。。。そんなことをふと。。。

 PS.のPS.のPS. 先日の豊岡高校への出張でも山陰本線が単線で遅れて。。。予讃線も同じ単線。遅れが結構出ていたりして。。。新幹線で普段遅れることがないのを見ていると。。。複線化するというのは、大きなことなのだと。。。あと、四国には先日なくなった漫画家のやなせたかしがデザインした「アンパンマン列車」が。今回、新しくなったと。。。これもある種の地方色で。。。よいものだと。。

DSCN0781.JPG PS.のPS.のPS.のPS. 西条高校がある伊予西条の駅には「新幹線の生みの親 十河信二記念館」というのが。この方は、西条高校の卒業生で、国鉄総裁も務めた方。。。愛媛にはこうした偉人もいらっしゃるのだと。。。いろいろなところに、出かけてみるものだと。。。

DSCN0773.JPG PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 12/10, 西条高校でお世話になった矢野先生から、西条高校のHPにも記事が掲載された連絡を頂きました。ありがとうございました。


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2013年12月 9日 (月)

お久しぶりです。大嶋です。

最近寒いですね。土日はすごく人がにぎわっていてどうしたのかと思っていたのですが、
どうやら光のページェントが始まったみたいです。
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もうこんな時期が来たのですね。
仙台6年目の自分にとっては、もう6回目の冬です。
6年も同じ土地にいるといろいろな思い出ができますね。
週末は学部の時の友達が久しぶりに仙台に来てくれて、
なんやかんやと話をしました。
同期が結婚したり、海外で仕事をしていたりという話を聞くと、
今の自分は何をやっているのかと思ったり、もっと頑張らないといけないと思ったり、
心がせわしなくなります。
みんな仙台出身というわけでもないのに、大学の4年間を仙台で一緒に過ごし、
気が付けばみんな仙台にはもういなくなってしまいました。
本当に縁って不思議だなと思います。
6年前はこのラボに来るとは思っていなかったけれど、
今はこのラボにいて、この日記を書いています。
これからどんな人生を送っていくのかまだまだ、
先のことは分からないので、想像してみるとわくわくもし、また怖さも感じます。
いい縁が舞い込んでくることを願って、頑張っていきたいと思います。
M2 大嶋

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【出前講義】愛媛県立今治南高等学校・来年に向けての出前講義打合せ(12/8)

2013年12月 8日 (日)

 鹿児島での出前講義のあとは愛媛。今は便利です。九州新幹線なるものもあって。。。「かごしまちゅうおう」の次は「せんだい」???と思うのは、仙台の方かもしれないですが。。今でこそ、薩摩川内市といいますが。。。川内とかいて、せんだい。仙台市なら、川内と書いて、旧教養部のある、川内地区。ややこしいことを書いているかもしれないですが。九州新幹線はほとんどがトンネル。。。どれくらい外の風景があったでしょうか。

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DSCN0702.JPG 愛媛での最初は、愛媛県立今治南高等学校・別府先生と来年に向けての出前講義打合せ。今年も交配であったり、水稲の栽培実験等。イネの栽培実験は、仙台一との栽培地の気温、緯度の違いなどが違う条件での、出穂期などの比較。今年は十分にできなかったですので、その改善をどうするのか。どちらの学校もそうですが、鳥害対策。。。どこでも難しい問題です。うちの学生が農学部の牧野先生の水田をお借りして、栽培している水田も、鳥害とネズミなどの小動物の被害。。。頭を抱えます。

 この打合せと平行して、圃場、温室の見学。その時に、話題になったのが「頂芽優勢」、「無限成長性・有限成長性」。もちろん、それぞれは別の現象なのかもしれないですが、栽培というか、肥培管理をしている時に、キクのように特殊な仕立てをする場合には、これらをうまく考えないといけないというか、指導することが必要になるようです。こちらは花はたくさん咲かせればよいということで、主茎を早い段階で切除して、茎の数を多くして、より多くの施肥をして管理している訳ですが、アブラナ以外では、こちらが考えている以上の様々なことを考える必要があることを、こちらも考えるよい機会になりました。温室でこの時期に、トマト、キュウリの水耕栽培。。。仙台ではさすがに。。少しどころか、かなり難しい。。気温の違いがこんなにもと。。

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DSCN0728.JPG こうしたことを踏まえて、来年というか、来年度になるかもしれないですが、また、出前講義でうかがえることができればと。。。


 わたなべ拝

 PS. 2003年頃だったかと。まだ、岩手大・農学部の時代。地域連携をされていた先生にお願いされて、愛媛での農業問題というか、地域おこしというか、異業種フォーラムというようなのだったと思いますが。その時に、渡辺の前後に話をされたのが「さいさいきて屋」の方。。今回、10年ぶりくらいでお目にかかれました。当時話されていた、小さいなと頃が連携することで、大きくなると。。。それが大きく実現されていたのが、また感動でした。
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将来性、学力、科学力(12/4)

2013年12月 4日 (水)

 先日何かを見ていて、労働力の別の業種への移動というのがあった。特定の時期にその時にある産業に労働が集中したために、今、そうでなければ、移動が必要になる。簡単な問題ではない。できることはそれなりに限られている。自分の業種がもし、そうなった時、何ができるか、。。。それなりのideaはあるが、ここではあえて。。ただ、実験をやっていても、それは同じことで、ある時期には、たくさんの人手が必要になる。夏のイネのサンプリングはその例かもしれない。ネコの手も借りたいというのは、そうした短期的なものは見すえることはできるかもしれないが、長期的な将来性と言うことを含めて、どの様なサイエンスを展開するかと言うことを考えておかないと、大きな発展はない。その意味では、どの様な人材を育成して、補強するのか、プロ野球などの世界と同じというのはおこがましいかもしれないが、「即戦力」、「将来性」、「utility player」というような様々なことを考えないといけないのかもしれない。

DSCN5016.JPG 昨日あたりから「国際学力調査」の結果が出て、「科学的リテラシー」、「数学的リテラシー」、「読解力」というので、ここ3回の調査で右肩上がりになっているのは、昨今の様々な施策の賜物ではないだろうか。15歳未満での調査で、少なくとも自分が小中学校の時代にはこのようなものはなかったような。。。ただ、何かの解説で、その力を支えるというか、もっと伸ばすというか、そのための「学習意欲」、「ハングリー精神」ということについて、再考が必要なことをいっていた。。。。子供時代を考えた時、学習意欲。。。どれくらいあったのだろう。。。ただ、帰り道に道草をできる環境だったのは、学習というのか難しいが、自然を学ぶ機会はあったような。また、どこかの軒先で、友だちと宿題を分けて、最後に全員でつきあわせて、時間の短縮というようなことはしていた。何のことはない、遊ぶ時間を確保するためである。これを意欲というのは、。。ただ、何かをして、負けたくないというのは、いろいろなところであったのかもしれない。その時に、何かで負けなければよいのであって、例えば、走ることとか、。。。それなら一番とか。そんないろいろな角度から評価される、そんなことはあったのかもしれない。

 学力の延長線として、理系、大学では「科学力」というのがあるのだろう。先日も附属図書館の方がいらっしゃって、今度の講義のこと、Open Access Journalのことなど、議論されて戻られた。その時に、ふと、昔の本の話しをすることがあり、ずいぶん昔の本だけど、とてもしっかりしていると。。。今の科学力はもちろん、その少し前の科学力に基礎をおいている。今の新幹線も、太平洋戦争時代の技術力の応用だというのをきいたことがある。当時の技術力の高さを記したものが最近発見されたとか。。。また、日本の農産物も、その品質においては高く評価されている。これも技術力の賜物であろう。そういえば、先日出前講義をした受講生から「将来の農業について」という質問があった。現実が大変なことは十分理解しているが、先の科学力、技術力を活かして、将来性豊かな産業に復活してほしい。そうしたこととを実現するためにも、基礎的な学力、科学力が継続して将来に続くように、次のバトンを渡せるようにしないといけないのだと。。。

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 わたなべしるす

 PS. 12月になり、あっという間に4日が過ぎた。今日がちょうど、あの震災から、1,000日目になるとか。。。復旧、復興には、まだまだ。。。ここにもその科学力などあらゆるものをもう少し投入できないのだろうか。もどかしいものがある。これまでずっと「沿岸部」を見るのは、仙台空港周辺だけであったが、年明けには、少し勇気を持って、現場を見てみよう。何か違うものが見えるのではないかと。。。なにより、この震災で亡くなられた方々に、遠くからかもしれないが、哀悼の意を表し、黙祷したいと。。。。黙祷。

 PS.のPS. 今日、愛媛県の方から「媛まどんな(愛媛果試28号)」を頂きました。南香 x 天草の実生からできているらしく、オレンジの遺伝子が強く、ミカンの皮のむきやすさなども。いよかんからの転換品種らしいです。とてもよくできていました。というか、初めての食感でした。ありがとうございました。

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