愛媛県・今治市立今治小学校で、「キャベツとブロッコリー」という出前講義を行いました。講義内容は、昨日の日吉小学校と同じものでしたが、小学校、5, 6年生の柔軟な発想力には驚かされました。
今治小学校では、昨年も5, 6年生に講義をしたので、今年の6年生は去年の「自家不和合性」の話を覚えてくれていて、とてもうれしかったですね。ここの小学校は地域との連携がされていて、多くの関係者が見えられ、子供さんたちを支援されていたのは、感心しました。
さて、去年も「自家不和合性が必要な理由を、遺伝的多様性を保持するため」と応えてくれたSuper小学生に会うことができ、光合成、動物と植物の違いなど、こちらが対応を悩ませるような鋭い質問をいただきました。是非、一緒に特別研究員として研究をしてくださいと。。。それから、発表会ではとても質疑が活発で、普段東北地方で講義をしているものからすると、それだけでも、十分刺激的でした。この不思議に思う気持ちを大切にして、大きく成長してほしいと感じました。
さて、本題のキャベツとブロッコリーの交配をしたらという問題に対して、2つのおもしろい発表がありました。1つは、どちらの親に似た植物ができるかという、遺伝的なことをよくわかっている発表でした。もう1つは、キャベツとブロッコリーの祖先である「ケール」に戻るのではというものでした。この2つめの発表には、こちらも驚きました。葉っぱが巻いたり、花が早く咲き房状になるというのは、たぶん、劣性形質を固定したものだと思います。そう考えると、その遺伝子が重複でなければ、交配で相補される可能性があり、野生型に戻る。つまり、「ケール」になるという。単純な発想ですが、以外とこんなこともあるのかと、こちらも考えさせられました。この小学校でも同じように来春に交配をするとのこと。楽しみにしていますよ。
最後になりましたが、ここで、講義をした生徒さんといつか一緒に研究をできれば、こちらもうれしくなります。楽しみにしていますよ。
今治市立今治小学校で出前講義(10/2)
2008年10月 2日 (木)
夏の忘れ物も。。。秋らしくなりました。
2008年10月 1日 (水)

今日から、とうとう、10月です。そういう意味では、今年も残り3ヶ月です。あっという間でした。つい2週間ほど前まで、夏のような暑さだったかと思えば、朝夕はすっかり、秋らしくなりました。新聞には、宮城県だけが、イネの作況指数が平年並みではなく、「やや不良」なのだそうです。それでも、全国では、大量の余剰米がでるとか。。昨今の米の安全を考えると、是非、国内の安全なものを食したいものです。余剰米は、どうなるのでしょうか。。。「バイオエタノール」というようなことはないのでしょうか。。。せっかく中身が詰まった太陽の恵みです。抜け殻というのでなく、食糧、エネルギー、材料に帰ることができるものです。大切にしてほしいものです。
イネの関係でいえば、近いうちに「イネ」関係の論文発表ができるのではと思っています。多くの方々の協力でできたものとはいえ、それなりに、様々な方面にインパクトあるものになるのではと思っております。ご期待ください。
秋らしくなったということは、夏の暑さが体調に影響をしてくる頃かもしれません。セミのような抜け殻にならないように、体調を維持して、今年の残り3ヶ月をがんばりたいものです。
わたなべしるす
今治市立日吉小学校で出前講義(10/1)
2008年10月 1日 (水)
愛媛県・今治市立日吉小学校で、「キャベツとブロッコリー」ということで、この2つの作物が同じ種、Brassica oleraceaであることを説明して、では、その雑種はどうなるのかという、講義と実習をしてきました。何よりも印象的だったのは、小学校、5, 6年生60名と先生方、父兄の方々に2.5hrの講義をしたのですが、この年齢で生徒さんたちは、集中力が切れることなく、最後まで、話を聞いたり、議論をしたり、プレゼンをしたりととてもしっかりしていました。自分が、同じ頃にそんなに集中していたかと。。。本当にありがとうございました。是非、来春には、キャベツとブロッコリーの雑種を作ってください。楽しみにしていますよ。
それから、今回歓迎ということで、垂れ幕を作っていただいた、先生方にも感謝します。今治の出身ということで、何より、故郷で講義をできるのがうれしいことなのに、それだけでなく、このような歓待をしていただいたこと、感謝に堪えません。また、折を見て、是非、講義をしたいと思います。
ここで、講義をした生徒さんといつか一緒に研究をできれば、こちらもうれしくなります。楽しみにしていますよ。
新しいホームページにして、1年がたちました。
2008年9月18日 (木)

渡辺が仙台に着任してから、3.5年ほどですが、ちょうど、1年ほど前に、今の形式のホームページに改訂しました。
様々な方から、この日記を楽しみにしているなど、ご意見を頂いております。少しでも改善し、情報発信できればと思います。
そういえば、先月の出前授業で高校生の生物の教科書、資料集を見せてもらい、こんなことも学習しているのだと。。。。かなり感動したのと、へーーと思うことがたくさんありました。その中に、マツヨイグサのことがありました。マツヨイグサは、Oenothera属だったように思うのですが、配偶体型の自家不和合性で、1900年代の初めの頃に遺伝学実験がされていて、今は忘れ去られている材料かもしれません。と思っていたら、ちょうど、学内に植物があり、写真を撮りました。最近のデジカメは簡単ですが、結構、きれいにとるのは難しいと痛感しました。。
まあそんなわけで、よそ道にそれましたが、研究室がこれからもがんばれるように、また、ご支援いただけるように、さらには、「マツヨイグサ」のように忘れ去られないようにするためにも、よりよい情報発信をしたいと思いますので、ご期待ください。
わたなべしるす
そういえば、昔の講義で聞いたような名前「しかくまめ」
2008年9月 8日 (月)

出前講義などを行い、夏休みをとったおかげで、ずいぶん、名古屋以西で過ごしました。今年の猛暑はほんとすごいと実感しました。ゲリラ豪雨とか言う雨にも出会いました。その合間に、「しかくまめ」という、不思議な植物に出会いました。そういえば、20年近く前(??)の作物学の講義で習ったような。。。。webで調べると亜熱帯向けのマメ科作物らしいです。。。全く覚えていません。見たところ、マメ科の花なのは理解できましたが、はじめて見たような気がしました。少なくとも植物体としては、。そんなものが、沖縄ではなく、四国でも普通に栽培できると言うことは、地球温暖化なのでしょう。きっと。。。。
まあ、どこかできいたことがあるというのは、最近記憶が定かでなくなりつつあり、多くなりました。先週の金曜日にもフランス・リヨンのENS LyonのProfessor Matasという方がきて、いろいろな意見交換をしました。15年ほど前に、その研究所に行って、講演をして、そのあとに、とある、自家不和合性関係のlabに連れて行かれて、1hrほど、あれこれと聞かれて、十分に答えることもできず、うなずいていた、悪夢を思い出しました。。。。さすがに今回は、「Yes...」だけでは、まずいので、こちらの言い分もあれこれといったつもりだったですが。。それなりに納得してかえったのは良かったですが、さすがに疲れました。こちらが。。もしかしたら、フランス・リヨンと国際交流が始まるのかもしれません。
フランスといえば、欧州でも立派な農産物輸出国。日本の食糧自給率が40%とか言う状態の昨今、この連携は実りあるものになるのかもしれません。という気がしてきました。どうなのでしょうか。。
わたなべしるす