HOME > 研究経過報告 > 研究成果がThe Plant Journalに掲載されました

研究経過報告|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

「研究経過報告」内を検索

研究成果がThe Plant Journalに掲載されました

本研究は、成長ホルモンであるジベレリンがどのような仕組みで高等植物の茎を伸長させるかを明らかにする目的で行ないました。イネではSLR1と呼ばれるタンパク質が茎の伸長を抑えています。私たちの最近の研究から、ジベレリン受容体(GID1)がジベレリンを受け取るとSLR1と結合し、そのことによりSLR1の伸長抑制効果が失われイネが伸びることが分かっていましたが、SLR1がどのようにして植物の伸長を抑えているかについては不明でした。

 

今回の論文で私たちは、SLR1が遺伝子の転写を活性化するタンパク質であることを発見し、SLR1の転写活性化力を強めたイネは非常に小さくなり、逆に弱めたイネは伸びることを示しました。またSLR1の転写活性化力はGID1と結合すると失われたことから、なぜジベレリンが存在するとSLR1による伸長抑制効果が失われイネが伸びるかという疑問に対して理解が深まりました。SLR1がどの遺伝子の転写を活性化しているかはまだ分かっていませんが、今回の結果を考えると、おそらくは伸長を阻害する遺伝子の転写を活性化していると思われます。

 

The suppressive function of the rice DELLA protein SLR1 is dependent on its transcriptional activation activity

 

Ko Hirano, Eriko Kouketu, Hiroe Katoh, Koichiro Aya, Miyako Ueguchi-Tanaka,  Makoto Matsuoka

 

The Plant Journal

http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN)1365-313X

ページトップへ|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関