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研究経過報告|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

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2011年10月の記事を表示しています

発足以降の北野班の活動をまとめました

ゲノム遺伝子相関に関わる活動について、新学術発足から現在までの活動状況をまとめました。

2011.10.28
アウトリーチ活動
富士高校の生徒さんにラボ見学して頂きました。大変熱心に興味をもってきいてくれる学生さんもおり、将来の研究者が生まれることを願っております。

2011.10.12-13
招聘集中講義
京都大学理学部で生態遺伝学/ゲノミックスの集中講義をさせて頂きました。最後は声がかれてきて大変聞き苦しかったかもしれず聴講の方々すいませんでした。私自身はこれまでの知識を整理することができ、また、招いてくださった渡辺(勝)先生はじめ動物生態の方々とも交流できて有意義な時間でした。ゲノム遺伝子相関現象が、様々な生物種の様々な野外生態現象に関わっていることを確認できました。

2011.9.23
国際シンポジウム主催
旭川での動物学会にて「Integrating Geonmics into Physiology」と題して東大大気海洋研の日下部さんと国際シンポジウムを主催しました。講演頂いたアダムルッケンバックさん、マークロックマンさん、石川麻乃さんありがとうございました。すばらしい講演ばかりでした。最終日にも関わらず参加者も多く、聴衆の方からも活発な質疑があり、生理学とゲノミックスのますますの融合研究が楽しみです。震災後の日本の状況が不安定な中、来日の快諾を頂いたアダムとマークには本当に感謝です。動物のゲノム遺伝子相関現象の解明には、生理学的研究の動員がますます必要になってくるでしょうし、そういったコンセプトで開催いたしました。

2011.9.10
国内ワークショップ主催
慶応大学での動物行動学会にて「エソロジーの新展開:トゲウオをモデルに」と題してワークショップを主催しました。講演頂いた小北さん、高橋さん、久米さんありがとうございました。みなさまトゲウオを題材に新しい領域に挑戦しておられ、特にトゲウオの行動ゲノミックスの今後の展開など、大変楽しみです。行動遺伝、ましてや行動ゲノミックスなどは日本動物行動学会では大変マイナーなのですが、行動生態やエソロジーの新発展にかかせないと思います。

2011.9.7
海外学会発表
北米の水産学会AFS2011(シアトル)でのConservation Genomics(保全ゲノム)シンポジウムに、オーガナイザーの方から声をかけて頂き講演しました。保全にゲノムを導入する分野の進展の早さにも圧倒されました。我々のグループもよりいっそう頑張らねばと思いました。

2011.8.10
アウトリーチ活動
韮山高校の生徒さんが職業体験に来られました。大変熱心で優秀な生徒さんでした。この中から将来の研究者が生まれるといいですね。

2011.7.27
国際学会招待講演
京都で開催されましたSMBE(国際分子進化学会)の種分化のシンポジウム(遺伝研シンポジウムと共催)で招待講演させて頂きました。いろいろ貴重な助言など頂きました。

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研究成果がPLoS ONEに掲載されました

研究成果がPLoS ONEに掲載されました。
今回の成果は、松岡班と鈴木班の共同研究によるものであり、イネを材料に用いて、葯特異的遺伝子のネットワーク解析を行ったものです。我々は、以前からイネの生殖器官に注目して遺伝子発現などの網羅的解析を行ってきました。今回の論文発表では、イネの雄性生殖器官において共発現している遺伝子を網羅的に解析し、実際に「減数分裂」や「花粉壁合成」の共発現ネットワークを構築することにより、ネットワーク解析の有用性を議論しています。

Comprehensive network analysis of anther-expressed genes in rice by the combination of 33 laser microdissection and 143 spatiotemporal microarrays.

Aya, K., Suzuki, G., Suwabe, K., Hobo, T., Takahashi, H., Shiono, K., Yano, K., Tsutsumi, N., Nakazono, M., Nagamura, Y., Matsuoka, M., and Watanabe, M.

PLoS ONE (2011) 6: e26162
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0026162

本研究成果のデータは、自由にダウンロードして利用できるようになっていますので、「ゲノム・遺伝子相関」研究に関連して、植物生殖の研究者に幅広く利用してもらえれば幸いです。

鈴木 剛

rice-field3.jpg

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【アウトリーチ活動】採択から9月期までの出前講義実績概略

 科学研究費の申請書にも近年、実施が義務づけられている「国民との科学・技術対話」の推進。鈴木班でも、小中高への出前講義を通したアウトリーチ活動を広く展開し、国民へ科学・技術を還元します。

 採択決定の8月から9月末までの、研究分担者の渡辺のアウトリーチ活動をまとめておきます。詳しい内容は、研究室のHPに記してありますので、興味のある方は、ぜひ、以下のlinkをご覧ください。講義内容は、小学校から高校までにいたり、内容は植物の生殖に関わる講義、実験など多岐にわたっております。

 鹿児島市内高校生・特別講義
 埼玉県立浦和第一女子高等学校・特別講義・実験
 仙台市立七北田小学校・NSP出前講義 (1, 2)
 仙台市立木町通小学校・出前講義
 愛媛県立松山南高等学校・特別講義・実験
 愛媛県立松山北高等学校・特別講義
 愛媛県立今治西高等学校・特別講義
 愛媛県立今治南高等学校・特別講義・実験
 西条市立氷見小学校・出前講義

 小学生からは、出前講義内容について、質問などの手紙をいただき、また、全て完了してない部分はありますが、その子供達の興味が継続するように、子供達の手紙全てに対して、個別の返事を書きました。これが将来の科学者につながればと思います。

DSCN1274.JPG 今月もより多くの社会貢献ができればと思います。


 わたなべしるす


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植物の自家不和合性の多くは、S遺伝子座のハプロタイプ(S1, S2, ---, Sn)によって制御されており、(自己花粉の場合の様に)花粉と雌ずいが同じSハプロタイプを有する時に受精が抑制されます。この自他識別反応は、各Sハプロタイプがコードする少なくとも2つの因子(花粉因子と雌ずい因子)間の相互作用を介して行われています。最新の研究により、この自他識別反応は根本的に異なる2つの仕組みを含むことが明らかとなってきました。すなわち、アブラナ科やケシ科の植物の場合のように、自己の(同じSハプロタイプの)花粉因子と雌ずい因子が相互作用することで受精を抑制する反応が起きる仕組みと、非自己の(異なるSハプロタイプの)花粉因子と雌ずい因子が相互作用することで受精を促進する反応が起きる仕組みです。本新学術領域研究では、これら2つの仕組みを詳細に比較解析すると共に、こうした相互作用因子が生み出されてくる進化の過程に切り込む予定です。
Self/non-self discrimination in angiosperm self-incompatibility
Iwano, M., Takayama, S.
Curr. Opin. Plant Biol. (2012) 15, 78-83.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21968124
高山班.jpg

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