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研究経過報告|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

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2012年9月の記事を表示しています

 科学研究費の申請書にも近年、実施が義務づけられている「国民との科学・技術対話」の推進。鈴木班でも、小中高への出前講義を通したアウトリーチ活動を広く展開し、国民へ科学・技術を還元します。

 前々回が昨年度のまとめ前回が6月末までしたので、7月から9月の第2四半期における研究分担者・渡辺のアウトリーチ活動をまとめておきます。詳しい内容は、研究室のHPに記してありますので、興味のある方は、ぜひ、以下のlinkをご覧ください。講義内容は、今回は小学校、高校、高校の先生方向けで、内容は植物の生殖に関わる講義、実験などです。


 岩手県立釜石高等学校・特別講義(1, 2)
 香川県立観音寺第一高等学校・研究室訪問
 石川県立小松高等学校・研究室訪問・文章表現指導(1, 2, 3, 4)
 福井県立高志高等学校・研究室訪問
 岩手県立水沢高等学校・特別講義
 秋田県立秋田南高校・研究室訪問
 仙台市立七北田小学校・研究室訪問・実験指導・特別講義(1, 2, 3)
 仙台市幸町市民センター・親子で挑戦!特別講義
 秋田県教育委員会高校教員研修・特別講演
 日本植物生理学会 x 東北大学次世代型「科学者の卵養成講座」高校生シンポジウム・特別講演
 平成24年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会・講評者(1, 2)
 埼玉県立浦和第一女子高等学校・実験実習
 福島県立相馬高校・研究室訪問
 鹿児島県立錦江湾高校・コメンテーター・研究指導・小学生向け自由研究のヒント(1, 2)
 福島県立福島高等学校・研究指導
 青森県立三本木高等学校・特別講義
 青森県立青森東高等学校・大学模擬講義
 仙台市立木町通小学校・特別講義
 愛媛県立西条高等学校・特別講義
 愛媛県立今治西高等学校・大学出張講義
 今治市立富田小学校・特別講義

 引き続き、社会貢献ができる領域であるように努力したいと思います。


 わたなべしるす

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総説が Evolution & Development に掲載されました

脊椎動物の手足の起源については、古くから古生物学者や発生生物学者によって研究がされてきました。手足は原始的な魚の対になった鰭が進化したものです。化石の記録などからは、顎を獲得する前の原始的脊椎動物(無顎類)の祖先で対になった鰭が出現したとされています。しかしながら、現存する無顎類であるヤツメウナギやメクラウナギは対になった鰭を持たないために、脊椎動物の祖先がどういった発生プログラムの変化を経て対になった鰭を獲得したかはわかりませんでした。
しかし、近年になって、現存する様々な原始的脊索動物や脊椎動物の体壁をつくる側板中胚葉(Lateral plate mesoderm)の発生メカニズムを調べることで、脊椎動物の祖先が体壁に対になった鰭を獲得するまでの軌跡の一部が明らかになってきました。本総説では、この分野における近年の研究成果を紹介し、手足の起源について議論しています。


Mikiko Tanaka, Koh Onimaru

Acquisition of the paired fins: a view from the sequential evolution of the lateral plate mesoderm.

Evolution & Development 誌
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1525-142X.2012.00561.x/full
Article first published online: 5 SEP 2012
DOI:10.1111/j.1525-142X.2012.00561.x

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脊椎動物ボディプランの進化にはシス制御エレメントの進化が重要な役割を果たすと考えられていますが、その実態はほとんど不明でした。本研究では、ほ乳類の頭顔面形態形成に関わると考えられるDlx3/4遺伝子クラスターでの転写制御機能の進化を明らかにするために、12種のほ乳類配列を決定し分子進化解析を行いました。単孔類のカモノハシを外群として解析を行ったところ、有袋類と真獣類の共通祖先において鰓弓特異的シス制御エレメントに急速な進化が起きており、それ以後は極めて保存的に進化していることが明らかになりました。カモノハシの相同配列には鰓弓でのエンハンサー活性が見られないことから、有袋類と真獣類の共通祖先において鰓弓特異的なエンハンサー活性が獲得されたことが示されました。このエンハンサー活性が見られる組織は後に耳を形成する領域であり、有袋類と真獣類の共通の特徴である発達した外耳の発生・進化に関わっている可能性があります。

この他、Dlx4遺伝子のホメオドメインにも有袋類と真獣類の共通祖先において突然3アミノ酸置換が生じ、それ以後は完全に保存していることが示されました。通常ホメオドメインのアミノ酸配列は極めて保存的で複数の置換が一斉に起きることはまれで、こちらも何らかの適応進化の結果と考えられます。

Theria-specific homeodomain and cis-regulatory element evolution of the Dlx3-4 bigene cluster in 12 different mammalian species.

Kenta Sumiyama, Tsutomu Miyake, Jane Grimwood, Andrew Stuart, Mark Dickson, Jeremy Schmutz, Frank H. Ruddle, Richard M. Myers, and Chris T. Amemiya. 

Journal of Experimental Zoology Part B: Molecular and Developmental Evolution 誌
http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1002/(ISSN)1552-5015
Article first published online: 5 SEP 2012 | DOI: 10.1002/jez.b.22469

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