文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」
イネ免疫に関する総説を発表しました。河野班の研究テーマである、ペア型の抵抗性遺伝子の最新の知見をまとめました。さらに、川崎班の受容体型細胞質キナーゼ(RLCK: receptor-like cytoplasmic kinase)を介したシグナル伝達機構や寺内班の抵抗性遺伝子やエフェクターの同定の最新の結果も掲載されています。是非、ご覧ください。
Early signaling network in rice PRR-mediated and R-mediated immunity.
Kawano Y, Shimamoto K.
Curr Opin Plant Biol. 2013 Aug;16(4):496-504.
動植物では、同一種内のある特定の組合せの両親間の交雑により得られたF1 雑種個体が、両親の特性よりも優れた形質を示す雑種強勢 (ヘテローシス)という現象が知られています。雑種強勢は農業分野において広く利用されていますが、その分子機構は未だ明らかとなっていませんでした。しかし、近年、epigeneticsと雑種強勢との関わりが示唆されてきています。本総説では、それらに関する最近の知見をまとめ、議論しています。
Groszmann M, Greaves IK, Fujimoto R, Peacock WJ, Dennis ES (2013) The role of epigenetics in hybrid vigour. Trends in Genetics, in press http://dx.doi.org/10.1016/j.tig.2013.07.004
(川辺隆大)
8月19日新潟大学農学部にて、高校生が大学の講義に触れることで科学に対する興味関心を高め、理解を深めることを目的とした高大連携科学講座の実験講座を行いました。
最近、植物で大きなファミリーを形成している受容体型細胞質キナーゼ(RLCK: receptor-like cytoplasmic kinase)が、細胞膜に存在する受容体からの情報を細胞内に伝達する主要な因子であることが明らかになってきました。それらに関する最近の知見をまとめて、Plant Signal Behavに発表しました。
Yamaguchi K, Yamada, K, and Kawasaki, T (2013) Receptor-like cytoplasmic kinases are pivotal components in pattern recognition receptor-mediated singaling in plant immunity. Plant Signal Behav, in press
https://www.landesbioscience.com/journals/psb/article/25662/