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【福井県立大学】村井班:論文が掲載されました Genes Genet Syst 87:161-168

高等植物の花成(栄養成長から生殖成長への移行)は、主に春化経路、日長反応性経路、構成的促進経路といった遺伝子ネットワークにより制御されています。春化経路は低温に応答して、日長反応性経路は日長に感応して、花成を誘導する機構です。一方、構成的促進経路は環境要因に影響を受けない花成制御機構です。コムギやオオムギなどムギ類の出穂性(花成)は、これらの経路に対応した低温要求性、日長反応性、純粋早晩性の3つの出穂性形質の複合作用により決定されます。今回、村井班では、コムギの日長反応性には、機能分化した2種類のCONSTANS -like遺伝子(WCO1TaHd1)が関与していることを明らかにしました。特に、WCO1は、長日条件下では花成を促進する方向に作用しますが、短日条件下では、強力に花成を抑制する方向に働く、ユニークな遺伝子であることが示唆されました。今後、村井班では、これら花成関連遺伝子とミトコンドリアゲノムとの「ゲノム・遺伝子相関」機構を明らかにしていく予定です。 Kitagawa et al. GGS (2012).pdf

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