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研究成果がG3(Genes Genomes Genetics)に掲載されました

研究成果がオンラインジャーナルのG3(Genes Genomes Genetics)に掲載されました。今回の成果は、鈴木班のメインプロジェクトの1つです。アブラナ科植物の生殖隔離に関連した不和合現象の遺伝学的解析をまとめたもので、高山班との共同研究の成果です。

受粉時における一側性不和合性(UI)は近縁種間の交雑時に頻繁に観察される受精拒絶システムの一つです。花粉親、雌しべ親ともに正常な個体において、雌雄の特定組み合わせでの受粉は成功するにもかかわらず、雌雄を入れ替えた逆交配では受精に至りません。本研究では、B. rapaの同一種内で確認されたUI機構について遺伝学的手法を用いて解析を行いました。その結果、雌しべ側制御因子は、自家不和合性制御遺伝子座(S遺伝子座)とは異なる1遺伝子座により支配されることが明らかになりました。また、以前に報告していた花粉側制御因子との強い連鎖が見られたことから 両制御因子が近接して存在していることが示されました。この遺伝子座領域に存在する雌しべ側制御因子をSUI、 花粉側制御因子をPUIと名付けました。さらに、SUIと自家不和合性との関連を明らかにする目的で、自家不和合性関連因子MLPKの突然変異体を用いた遺伝分析を行った所、変異型mlpk背景ではUIが打破されることを見いだしました。これら結果から、自家不和合性と反応機構を共有しつつ、種内UIを引き起こす花粉・柱頭認識因子の存在が明らかになりました。

Involvement of MLPK pathway in intraspecies unilateral incompatibility regulated by a single locus with stigma and pollen factors.  

Takada, Y., Sato, T., Suzuki, G., Shiba, H., Takayama, S., and Watanabe, M.

G3 (Genes Genomes Genetics) (2013) 3: 719-726.
【アドレス】http://www.g3journal.org/content/3/4/719.abstract

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