東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

News Release

【研究成果】アブラナ科植物における新規自家和合性系統の探索と遺伝学的解析(6/23一部改変)

2010年6月16日

 アブラナ科植物の自家不和合性を研究して、20年以上になり、最近では、シロイヌナズナを使った解析を報告しました。しかしながら、その間に自家不和合性の自他識別を制御しているS遺伝子の実体解明が中心でした。様々な研究分野での研究材料に重要なのは、「変異体解析」です。これまで様々な材料について、網羅的に自家和合性の探索・解析は40年以上間に行われているが、その時点ではS遺伝子の実体も分からず、今や、その材料もない。

DSC_1617.JPG そこで、アブラナ科植物であるBrassica rapaを材料として、様々な遺伝資源から自家和合性系統を探索し、遺伝子発現、遺伝様式、どの染色体上の遺伝子が寄与しているかなどを網羅的に解析しました。この研究成果を共同研究を行い、国際誌Genes Genet. Syst.に発表しました(Isokawa et al. (2010) Genes Genet. Syst., 85: 78-96)。この論文は、pdfをfreeでdownloadできるので、興味のある方はぜひ、ごらんいただければと思います。

DSCN4153.JPG この研究は、岩手大学で研究を行っていた時代に始めたもので、10年近くかかった研究であり、ここにまとめることができたことに、研究を支えてくれた皆さんに感謝したいと思います。

 また、生命科学研究科の HPにも関連記事を掲載しているので、ぜひ、ご覧ください。

  この遺伝資源を有効利用して、自家不和合性認識反応の全体を今後明らかにしたいと思っております。


わたなべしるす

PS. この研究が評価され、本論文がつづられたNo. 2の冊子の表紙に研究材料のB. rapaの写真を取り上げていただきました。感謝。

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