東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

News Release

2014年6月の記事です。

【お知らせ】第37回日本分子生物学会年会・ワークショップ「動植物における生殖戦略とその分子基盤(2W14)」11月26日午後開催予定(6/22)

2014年6月22日 (日)

 以前はずいぶん多くの学会などでのワークショップ、シンポジウムなどを企画することが多かったのを記憶しています。いつのころから、そうしたことをすることが少なくなったのか。よく理由はわからないのですが。。。それ以外のお世話役などが多くなったからかと。それだけ、年を食ったのかもしれないなと。。。

 久しぶりに企画したワークショップのコンセプトは「生殖戦略」。「生殖戦略」は、動物であっても植物であっても重要な問題。雌雄ではそれぞれ生殖戦略が異なると言われています。例えば、植物で考えると、雄しべの葯で作る「花粉」の数と雌しべの中にある「卵」の数は、普通、「花粉」の方が多く、orderが違う訳です。なぜ、そうなのか。。。もちろん、まだ、未解明だと思います。渡辺の師匠である日向先生の言葉を借りれば、「花粉は散ってしまえば、そこから個体になることはないけど、雌しべは受精できなくても、単為発生したりして、子孫を残すこともある。だから、雌しべの方が大事なんだよ。。。」と言うのが、いろいろな場面で語られていたのを思い出します。

DSCN3061.JPG で、ずいぶん先の年末に近い話ですが、11月25日(火)~27日(木)にパシフィコ横浜で開催される第37回日本分子生物学会年会で、ワークショップ「動植物における生殖戦略とその分子基盤(2W14)」を開催することになりました。渡辺だけがお世話役と言うことではなく、co-organizerとして、国立遺伝学研究所・北野先生をお迎えして。日程などは、以下の通りです。

 11月26日(水) 13:15-15:45
 「動植物における生殖戦略とその分子基盤(2W14)」

 場所:会議センター・4階, 第14会場
 オーガナイザー:北野潤(国立遺伝学研究所), 渡辺正夫(東北大学)

 オーガナイザー側で招待した講演者は、以下の3名の方々。

 ・高山誠司(奈良先端大):植物の自家不和合性機構の多様性と進化
 ・北野潤(遺伝研):性染色体進化がトゲウオ適応放散に果たす役割
 ・東山哲也(名古屋大):植物受精において繰り広げられるオスとメスのせめぎ合いと分子的実体

DSCN3064.JPG 招待講演者以外は、一般発表の中から公募をすると、学会事務局から聞いております。このコンセプトに合うと思うテーマで発表を考えておられる方、是非、応募頂ければと思います。もちろん、時間の関係で全てを採択できる訳でないことをお許し下さい。また、学会の日程近くになれば、このHPから新しい情報をお知らせしたいと思いますので。興味のある方は、時々HPをのぞいて頂ければ、幸いです。

 と言うことで、ひとまず、11月26日午後に横浜でお待ちしております。発表しないで聴衆となろうと思っている方も、。。。


 わたなべしるす



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【お知らせ】第3回学生懸賞論文募集(クミアイ化学工業)(6/20)

2014年6月20日 (金)

 昔であれば、出張に出ると連絡を取るのが大変であった。ただ、長期の出張からもどると、郵便が山になっているのを見て。。。大変であった。ところが、今は、携帯電話はある、netもあってmailも見ることができるというか、研究室にいるのと同じように連絡が取れる。便利なのか。。。忙しくなったのか。。。判断は難しいことですが。。。。。で、だったらと、研究室の方にお願いして、今日の郵便物、と言うお知らせを頂き、もどって大量の郵便物をcheckして、後手にならないようにしている。場合によっては、〆切があって。。。周りに迷惑をかける訳にいかないので。。。

DSCN2858.JPG そんな郵便の中に、「クミアイ化学工業株式会社・第3回学生懸賞論文募集」というのを見つけました。テーマは、「日本の農業に夢とロマンを--私が考える農業の未来--」、となっていました。毎日の生活には農産物は不可欠。元気であっても、熱を出して休むことがあっても「食糧」は重要。そう考えると、農業に未来があってほしいというか、こんな風になると、農業が盛んになって、未来もおいしいご飯を食べることができる。そんなことを今の若い人たちが考えてくれれば。。昨日までの愛媛、香川での出前講義を通じて、瀬戸内に面した北四国の農業の高齢化だったり、キウイフルーツかいよう病のことをニュースで見たり、書くのを忘れていましたが、香川県立観音寺第一高等学校での出前講義でこの病害について知っている生徒さんにも出会いました。一方で、たくさんのミカンの品種を知っている小学生に出会って、昔のようにウンシュウミカンとイヨカンだけのような自分の子供時代とは違うと。うまく多様性を使ったり、最近はやりの農業の六次産業化など、いろいろなことができれば、農業の未来、夢、ロマンはあると思っています。自分が大学生、大学院生の頃にこんな懸賞論文があれば、トライしていただろうなと。。なにせ、教養部の頃は、経済学の講義を聴いて、試験の時にめいっぱい答案を書いたり、農業経営の酒井教授といろいろな場所で、農業の未来を議論して頂いたような。楽しかったです。もちろん、渡辺の師匠の日向先生も出身が山形・庄内で農業のことは、酒の席などで議論したような。。。

 文章を長く書くのは大変。でも、どこまでも逃げていると、いつまでも上手にはならないもの。まずは、しっかり論理的な文章を書くトレーニングをすることは大事なこと。懸賞というか、表彰される訳でしょうから、トライしてみてはいかがでしょうか。

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「日本の農業に夢とロマンを --私が考える農業の未来--」というテーマで「学生懸賞論文」を募集

 ・応募資格:大学、大学院または農業大学校に在籍する学生。
 ・応募期間:平成26年6月13日~11月30日(当日消印有効)
 詳しいことは、募集のHPをご覧頂くのが。。。

 渡辺には書くことはできないが、周りの方にがんばってみてはと言うことくらいは。。。もちろん、クミアイ化学工業の農薬等を使って、アブラナの栽培で病害虫被害が出ないようにしないと。何より、農家レベルのしっかりした植物を育てて、その花の形質を調べるから、安定したdataが出るのだと思っているので。。。

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 わたなべしるす



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【お知らせ】グローバルサイエンスキャンパス事業に、飛翔型「科学者の卵養成講座」が採択(6/11, 22追記)

2014年6月11日 (水)

 明日から愛媛、香川、大阪での出前講義。この時期、ちょうど、SSHの運営指導委員を仰せつかっている香川県立観音寺第一高等学校での出前講義と福島県立福島高等学校でのSSHの会議の時にお目にかかったことがきっかけの大阪府立天王寺高等学校への出前講義というのが、恒例の日程になってきました。この日程に重ねるように、渡辺の出身地である今治市内とその周辺での「ふるさと出前授業」も今年で3年目となりました。今年も今治市立今治小学校の高橋校長先生が日程調整を行って頂きました。これらの詳しいことは、明日からこのHPで報告します。

 さて、今日のお知らせは、。。。昨年度までの5年間、「科学者の卵養成講座」という名称で(一部、名前が変わっていることもありますが。。。)、主に、東北、北関東の高校1, 2年生向けに、東北大にきて頂き、講義、実験等を行うアウトリーチ活動を行ってきました。卒業生を「ひよこ」さんとよんでいますが、いろいろなところで、活躍しておられるようで、さらに、大きな鳳(とり)になってくれるのではと。。。このプログラムが昨年度で一時切れる形になり、リニューアル採択に向けて、事務局を一緒にやって頂いている工学部・安藤先生災害研・久利先生農学部・伊藤先生生命科学研究科・日出間先生と協議などを重ね、飛翔型「科学者の卵養成講座」と言う名称で、これまでプログラムに、国際性と言うことで、英語力の養成、海外での学会発表を加え、これまでより大規模なプログラムで申請し、本日付のJSTのプレス発表にもあるとおり、無事、採択されました。

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 先日も高校へ出前講義に行ったときに、小学校でも渡辺の講義を受講していたと言う生徒さんと再会できました。昨年度にも。。そうした方々とまた、本講座でお目にかかれるのを楽しみにして。。。。


 わたなべしるす

 PS. たまごのHPにも関連記事というか、少し詳しい記事を書いておきました。参考になれば。。。と言うか、是非、ご覧頂ければ、幸いです。

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 PS.のPS. 6/22(日)追記、数日前に大学のtop pageに採択についてのプレスリリースが出ていた。追記を入れようと思いつつ。あわせて、ご覧下さい。


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【研究成果】葯特異的ポリアミン酸化酵素-7の機能解析をPlant Cell Physiol.に発表(海外1研究室、国内3研究室との共同研究; 6/10)

2014年6月10日 (火)

 ポリアミンには、スペルミン、スペルミジン等が含まれ、この2つの物質は、1990年代にアブラナ科植物の自家不和合性を制御するS遺伝子座を丸ごとPAC vectorにcloningしようということで、高分子DNAを単離するためのbufferの中に入れてあったのを思い出します。高分子DNAを安定化させるためと思って、当時は使っていたのを覚えています。その後、S遺伝子座の全体像も、この2つの物質のおかげで解明でき、現在に至っているわけです。

 そんなポリアミンの研究をされているのか同じ研究科で同じ本館3Fにlabを構えている草野教授。草野先生がまだ、秋田県農短大にいらした頃から、日向研にいらっしゃることがあって、お会いすることはあったのですが、こうして共同研究をできたのは、何よりうれしい限りでした。ポリアミンは植物において、形態形成、ストレス応答に重要であることが示されていますが、「生殖」との絡みでは十分なことがわかっていません。今回の論文発表では、草野教授の研究室を中心とした共同研究を行い、イネゲノム中に7 copy存在するポリアミン酸化酵素(polyamine oxidase; PAO)の中でも、OsPAO7に注目し、細胞内局在、酵素学的特性、葯で特異的に発現し手いることを解明しました。この研究には、渡辺の研究室からも当時大学院生だった前田君が協力してくれています(Liu et al. (2014) Polyamine oxidase 7 is terminal catabolism-type enzyme in Oryza sativa and is specifically expressed in anthers. Plant Cell Physiol. 55: 1110-1122, http://pcp.oxfordjournals.org/content/55/6/1110.abstract)。

DSCN7403.JPG 研究科内での共同研究では、東谷教授とのことを前回発表しましたが、ジベレリン処理による冷害の克服。今回のポリアミンというのが新しい起点となり、葯、花粉での機能解明につながることを期待しつつ。。。


 わたなべしるす

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【お知らせ】生命科学セミナー「効率的なコムギ形質転換系の開発とその活用」を7月4日に開催

2014年6月10日 (火)

 生命科学セミナー「効率的なコムギ形質転換系の開発とその活用」を7月4日に開催します。今回は、(独) 農研機構・作物研・麦研究領域の安倍史高博士に、セミナーをお願いしました。

 安倍史高博士は、東北大で学位を取られ、農水省の作物研で博士研究員をされたあと、現在に至っています。その間、ムギ類、特にコムギを材料として、遺伝子機能解析に不可欠な遺伝子導入系の開発からその実践への応用を展開されてきました。今回の来仙を機会に、セミナーをお願いした次第です。
↓クリックでポスターのPDF版がダウンロードできます(size=144kb)
2014-0704-Abe-seminar.jpg 渡辺のlabでは、イネ科ではメインにイネを扱ってきましたが、最近、Brachypodiumも実験系に使い始めており、形態的にはムギ類に近いことから、ムギ類で問題となっている形質など、これからの共同研究など、おもしろい話題を提供頂けると思っております。また、コムギは6倍体という大きなゲノム構成で倍数性はこれからの遺伝学を考える上で、避けては通れない問題と思っています。その意味では、ある種のモデル系ではないかと思いますので、動植物を問わず、研究のヒントになるのではと思っております。関連の様々な研究分野の方々も興味を持って、聞けるのではないかと思いますので、ぜひ、ご参加いただければと思います。

 7/4(Fri), 17:00~19:00に、生命科学研究科・本館会議室 (片平・3F)で行います。たくさんのご来場をお待ちしております。

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 わたなべしるす

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