東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

愛媛県立丹原高校での特別講義・実習「アブラナ科植物の自家不和合性、品種改良、遺伝学的交配実験」(3/18)

2009年3月19日 (木)

 今年度最後の出前講義は、丹原高校で午前、午後をあわせて4コマの講義・実習を行いました。進学クラスでは、自家不和合性、植物の不思議を講義し、園芸クラスでは、品種改良の重要性、その実際の手法などを体験してもらいました。さらに、放課後には、数名の教諭と意見交換ができたことは今後の励みになりました。

 今でこそ、自家不和合性という言葉が大学入試に出る時代ですので、講義を聴いている方も目を輝かせて話を聞いていました。今日講義をした生徒さんと将来、一緒に研究がどこかでできればと思いました。また、交配実験では、最初にペチュニアを使って概略を体験し、アブラナ、ダイコンの交配も行いました。遺伝学の基本ですから、様々な植物・作物で交配を行ってみることが今後できるでしょうし、授業を発展させることができるだろうと。楽しみになりました。

わたなべしるす

ページの一番上へ

今治市立今治小学校・特別講義・実験「菜の花を交配しよう、新しい植物を作ってみよう」(3/1)

2009年3月 4日 (水)

昨年の秋に、同じ種である「キャベツ」、「ブロッコリー」を交配したら、どのようなものができるかという講義を行いました。では、実際に交配をして、作ってみることは、小学生の生徒さんには、初めての経験ではなかったのでしょうか。

研究室でいつも使っている、先のとがったピンセットで葯をのぞいて、開花したての花を選び、交配し、ラベルを書いて、袋掛けをするという操作は、小学生にはとても難しい実験でしたが、一生懸命やっていました。今回の実験では、温暖な愛媛でも、キャベツとブロッコリーを同調して開花させることは難しく、近縁の赤カブを使いました。今回のことを経験にして、4-5月にキャベツとブロッコリーが咲くと思いますので、実際に交配して、新しい植物を作ることができるのではないかと思っています。

交配した種を取って、秋に種まきをして、来春には新しい植物ができるのを楽しみしています。交配実験をした後も、よく観察してくださいね。

わたなべしるす

ページの一番上へ

今治市立日吉小学校・特別講義・実験「菜の花を交配しよう、新しい植物を作ってみよう、サクラソウを観察しよう」(3/2)

2009年3月 4日 (水)

前日の今治小学校に続き、日吉小学校でも、同様の交配実験を「カラシナ」を使って行いました。5-6年生、60名ほどを一度に行ったので、さすがに大変でした。5年生と6年生では、ずいぶんと手先の器用さが違うんだなと感心しました。

ここの小学校では、植物をずいぶんたくさん育ててあり、その中に、「サクラソウ」を見つけました。サクラソウは、異形花型の自家不和合性を持った植物であり、おしべの位置が高い、「スラム」とめしべの位置が高い「ピン」をみつけて、植物の別の意味での不思議も講義しました。観察を始めてすぐは、雄花と雌花のように思っていたようですが、実際に花を解剖してみると、おしべとめしべの高さが違うのを見て、かなりびっくりしていたようです。

今治小学校、日吉小学校は、歩いてもいくことができる距離。是非、協力して、キャベツとブロッコリーの両方の遺伝子を持った植物ができるのを楽しみにしています。

わたなべしるす

ページの一番上へ

今治自然科学教室・特別講義「博士になろう!研究をしてみよう!---良い博士も、悪い博士もいました、そして。。。---」(3/1)

2009年3月 2日 (月)

今から、30年くらい前に渡辺は、今治市立桜井小学校の6年生でした。その頃から、今治市周辺では、5, 6年生になると理科は理科専科の先生に授業をしてもらい、そうした先生方がお世話役をして、理科とか自然が好きな生徒を集めて、「今治自然科学教室」というのが毎月、開催されていました。海、山などの自然をめぐり、植物を観察したり、化石を見たり、とても楽しかったのを未だに覚えています。

それから、30年ほどたった3/1に、今治自然科学教室の年末の報告会に、講師として招待され、200名程度の生徒さんの前で、小学生の頃からどう考え、科学者になろうと思ったのか、博士になったのか、今の職業に就いているのかという講義を1.5hr程度行いました。30年前にこのような講義をすることなど、夢にも思わず、毎月の教室に通っていたのを思い出しました。

博士とは、研究者とはどのようなものであり、そこに至るまでの過程が、小学生にも少しは理解してもらったのではないかと思います。昨今の理科離れを防止するためにもこうした活動の重要性を感じました。

自然に恵まれた愛媛で子供の頃を過ごすことがどれだけ、科学者の心を育てるか、豊かにするかということを、理解してもらい、今持っている科学に対する興味を失わないで大きく育ってほしいと思いました。この機会に講義を聴いてもらった生徒さんと将来一緒に研究をしたり、何かを一緒にやる機会ができれば、さらにうれしいと思ったのでした。

そういえば、早速、参加していた小学生から質問をもらいました。ありがとうございました。

今回の特別講義には、昨年の今治市立日吉小学校、今治小学校での出前講義がきっかけであり、今治自然科学教室会長の武本先生、事務局長の渡邊先生に大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げるとともに、今後も、何らかの形で、こうした自然科学を楽しむ心を養う生徒さんたちを支えることができればと思っております。

わたなべしるす

ページの一番上へ

仙台市立七北田小学校でのNSP特別講義「環境と植物から考える」--それを研究する博士 --(2/17)

2009年2月17日 (火)

今年度最後の七北田小学校・NSPで、環境という問題について、植物、人間、さらには、それを研究する博士ということで、サイエンスからキャリア教育を含んだ形で特別講義を6年生、120名に行いました。6年生とは、「キャベツとブロッコリーの講義」以来で、環境についても地球温暖化、森林伐採などいろいろな観点から、学習しているようでした。

今日の講義では、植物がCO2を固定できる、地球温暖化を抑制することができる。さらには、果物を例にして、「旬」というのがある。つまり、旬でない時期に栽培することは、様々な点で、環境に負荷をかけているということをまず、最初の1hrで講義しました。次の1hrでは、そうした植物とか、環境を考える博士がどのようにして、誕生するかを「渡辺」を例にして、小学校から現在に至るまでを講義し、博士になるヒトが、別に特別ではなくて、普通の小学生であったこと、でも、一生懸命がんばることを講義しました。

講義のあとに、数名の生徒さんから、いくつかの質問を受け、研究者になってみたいという生徒さんと会えたことは、うれしい限りです。是非、東北大で一緒に研究できる日が来るのが楽しみになってきました。

来年度からは3-6年生という幅広い学年の特別講義を仰せつかりました。その来年の4年生になる生徒さんと掃除の時間にお話もできました。来年度からも楽しみです。来年度の最初の講義は、キャベツのなかまで交配実験を行い、いろいろな雑種植物を育成することです。黄色い花がたくさん咲くことが楽しみになってきました。

最後に、6年生の皆さんは、あと数ヶ月で中学生です。NSPで学んだことを元に、中学での理科もがんばってください。


わたなべしるす

PS. 七北田小学校のhomepageにも講義のことが掲載されていました。

http://www2.sendai-c.ed.jp/~nanashou/ppblog/pp_blog/index.php

ページの一番上へ

diary Top« 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133

ARCHIVE