東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

旬、向き不向き、ロケット(5/21)

2013年5月21日 (火)

 5月も半ば過ぎ。仙台での生活の方が長くなり、今治で過ごした子供時代に、いつ頃、ツクシをとったり、タケノコを掘ったりするのは、いつ頃だったのか。いわゆる、旬である。こうしたことをしなくなったせいか、物事の旬を忘れつつある。唯一、研究で使っているアブラナ、イネの旬というか、季節くらいは認識できている。本当においしいというか、それの季節を旬というのであろうが、これだけ、ものが豊富にあると、旬というのがわかりにくいのも事実である。こうした、作物というか、食べ物というか、そうしたものにももちろん旬があるが、物事にも旬がある。いつの時代に何をするのか、どのタイミングを旬にするかによって、変わってくる。ひとによって、旬の感じ方、とらえ方が違ってくる。ただ、できるだけ、早い時期を「旬」と考えることができれば、それぞれが様々なトライをできる。もちろん、それぞれがそれぞれの「旬」を感じて、積極的に行動できる力は、不可欠であろう。

DSCN5207.JPG 様々なことにトライすることは、もちろん重要であるが、いろいろなことをやってみると、向き不向きはある程度分かってくる。小学校の頃、運動は苦手で、鉄棒から手を離して落ちたこともあるらしい。らしいというのは、親が、担任の先生から聞いた伝聞なので、本人は意外なことに自覚していない。たぶん、低学年で、低いところからだったのかも知れない。ただ、こうしたことで、自然と怖さも感じたのだろうか。跳び箱、登り棒など、どれも不得手であった。まともな逆上がりができるようになったのは、ある程度の筋力がついて、懸垂で体を持ち上げてからのような気がする。今できるのか、。。。よく分からないが、今度の出前講義の時に、見つけてトライしてみたい。ただ、これが、鉄棒から落ちた記憶が、自分にもっと大きくあったら、こうはいかないだろう。。つまり、ある程度のことができるようになってから、トライすることも大事と言うことかも知れないが、過去の記憶が逆にじゃまをするかも知れないことの、両方があり得ると言うことである。向き不向きはそれまでの経験がpositive, negativeのいずれにも働くのかも知れない。良いとか、悪いとかでなく。。。ただ、やってみようという意志を持って、トライしたいものである。

 高校3年の時に見たNHK特集「謎のコメが日本をねらう」。これをきっかけにして、作物の品種改良、遺伝学のおもしろさに目覚め(????)、農学部植物育種学研究室を目指した。ただ、高校2年生の時には、ロケットを打ち上げてみたかった。そういえば、あの当時はやっていたペンシルケースには、スペースシャトルのデザインがあった。そのためだろう、大学はいってすぐの頃の「チャレンジャー号爆発事故」は、ショックであった。その後も、様々なロケットが打ち上げられるニュースなどを見るのは、何ともいえない興味があった。今日のニュースを見ていて、「イプシロンロケット」なるものが、新しく開発され、しばらくしてかも知れないが、8月に打ち上げられるとか。かなり小型であるが、かなりすごいものだと感じた。これまでのものを改良し、制御もこれまでのような大型でないというのが、感動であった。ロケットと遺伝学。どこかで結びつくことはないだろうか。物理学と遺伝学でも良いのかも。。。やりたいと思っていた、異分野をくっつけたら、新しいものが見えてこないだろうか。。。。もちろん、自分でロケットを打ち上げることはできないのであるが。。。

DSCN1661.JPG わたなべしるす

 PS. 出前講義の七北田小学校でお世話になっていた、板橋教頭先生。この4月から、仙台市立福岡小学校の校長先生に。挨拶状をいただき、久しぶりに電話でおはなしでき、また、出前講義に伺えると。。いつもの教頭先生の気合いを頂きました。

 一方で、パソコンのkey boardに、飲もうと思っていた液体をこぼして。。。。(そのあとは、ご想像にお任せします。。。)。なんともいえない、なさけなさを。。というのと、周りの方々にご迷惑をおかけしました。改めて、気合いを入れ直します。。。(いつかこうしたことが起きるのではないかという机の上と言うことを改めて、考え直さないと。。。)


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【出前授業】平成25年度・宮城県仙台第三高等学校SSH「理数科の日」発表会・コメンテーター(5/20)

2013年5月20日 (月)

 宮城県仙台第三高等学校SSHの運営指導委員を仰せつかっており、「理数科の日」発表会でのコメンテーターとしての参加は、今年で3年目。初年度の発表から見ると、発表数も多くなり、全体として発表会ができず、分科会形式。さらに、午後からは、ポスター発表会という形にまで、スケールアップできたのは、SSHでのこれまでの先生方の指導のたまものというのを感じながらの発表会でした。

DSCN6347.JPG もちろん、生物系の方のコメントでしたが、受験は、物理・化学でしたので、そちらの方もみたいなと思いつつ。生物と地学のグループのコメント。昨年度とはずいぶん違う研究テーマだったのが、少し気になりました。やっぱり、継続は何とか。。。といいます。せめて、3年は継続してみてはいかがでしょうかと。。。そうしたら、もう少し違うものが見えてくると思っております。また、研究の内容も多様ですが、大事なことは、「対象区の実験は必ず行うこと(Controlがない実験は実験でない)」、対象としている現象をどれだけ模倣して、何を研究しようとしているのかなどを明確にして、ということではないかと思います。ぜひ、大事にしてください。

 午後からは、ポスター発表会。ポスターを見ながら発表できるところと、原稿を読みながらというところ、この違いは大きいと思います。ぜひ、原稿は見ないで。。また、研究と実生活をlinkさせることの大切さも。。。

DSCN6348.JPG 最後のところで、講評は、SSHの運営指導委員長の安藤先生が最初に行いましたが、その中では、何を自分たちの世代で発展させることができたのか、大学で何を学ぶので、今、高校時代に何を考えてほしいのか、先を見据えてほしいと。。その後、他の運営指導委員の先生方にも。。。こちらが感じていることは、先にも書いた、継続の重要性、対象区の重要性、プレゼンでは原稿を見ないで発表することの大切さ、実生活とのlinkの重要性などは、大切にしてほしいと、ということをコメントしておきました。ちょうど、先月の同じSSHの小松高校での課題研究の開講式で説明したポイントでもありました。ぜひ、次年度は、そうしたことをPower-upしてください。楽しみにしています。


 わたなべしるす

 PS. 来月には、運営指導委員会もあり、また、伺います。今年度の展開の方向性など、議論できるものと。。

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【出前講義】福島県立岩瀬農業高等学校・特別講義「アブラナ科植物のいろいろ」と交雑実習(5/14, 22追記)

2013年5月14日 (火)

 昨日から比べると、ずいぶん気温も上がり、水田のイネの心配もなく。。というくらいの気温になってくれました。明日にかけては、また下がるというので、真滝にかけないといけないですが。。。さて、昨年の10/22に、「東北活性研ユニバーサイエンス」との合同企画ということで、福島県立岩瀬農業高等学校で、自家不和合性の講義を行いました。その時にお世話になったのが、久保木先生。その後、課題研究などの相談を受けたりしていて、アブラナ科作物を使って、研究ができないかということで。。。アブラナ科作物の多様性と実際に、キャベツ類、ダイコン類などを材料として、交雑の実習をという依頼があり、今回の出張となりました。

DSCN6289.JPG 今回は、時間的にあまり余裕がなかったこともあり、ぎりぎりに伺い、講義と実習と。慌ただしくと言うことは、申し訳ない出前講義となりました。その代わりというか、何とか、天気が持ち直してくれて、福島県の中通りということもあって、日中は交配日和という感じの天気だったのは、何よりでした。講義では、農業高校ですので、作物については知っているものの、こんなものとこんなものが同じ種という感覚は、。。という感じでしたが、普段畑で栽培している分、見慣れた作物もずいぶん多かったのではと思います。キャベツとブロッコリーを交雑したらと言うのを、ほとんど説明もしないで、書いてもらいましたが、しっかり、その特徴と植物としての基本を理解していたのは、さすがでした。また、様々な野菜類を知っているだけでなく、食べたことがあるというのも。

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DSCN6313.JPG 後半は、ダイコンとキャベツを使っての交雑実験。先週の小松高校に続いてです。基本、それぞれの違う品種間での交雑を行いましたが、チャレンジングな生徒さんは、キャベツとダイコンの交雑も。キャベコンというのができるのだと思います。胚培養、倍数化などを行えば。。。生物工学の設備もあるということから、ぜひ、トライしてみてください。何より、こうした活動をしているためだと思いますが、手先が器用なのは、感心でした。秋には、このできた雑種の種子を播種して、親との比較など、やってみてください。そのとき、また、伺えればと思います。

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DSCN6337.JPG 最後になりますが、今回の出前講義を設定頂きました、岩瀬農業高等学校・久保木先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。これを機会に、これからもよい交流ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 岩手大の時にお世話になった、内田先生とも講義の合間に少しお話しができました。あの当時は、たくさんの交配をやって頂いたのを思い出しつつ。ありがとうございました。

 PS.のPS. 前回伺った折には、校内の様々な施設の復旧がまだまだと言うことでしたが、今回はずいぶんよくなったと伺いました。何よりだと思いますし、ほっとしましたが、講義との時に見かけた、卓上のクリーンベンチのガラスは、ビニルシートのままでした。何とかならないかなと。。今回も、また、そんな思いを強く感じました。

 PS.のPS.のPS. 5/22(水), 生徒さんからのコメントを頂きました。とてもしっかりした文章で、また、講義から多様性、遺伝以外のことも学んでくれた生徒さんがいたのは、うれしい限りでした。さらに、当日の講義の様子を地元の新聞社、福島民報、福島民友が、それぞれ、「遺伝子の仕組み学ぶ、岩瀬農高で出前講座、東北大大学院 渡辺教授が講義」、「先端の研究学ぶ 岩瀬農高が出前講座」と題して、5/19, 5/17の記事として取り上げて頂きました。ありがとうございました。

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【出前講義】石川県立小松高等学校・開放講座「小学生向け・せいぶつ実験教室」・講師(5/11)

2013年5月11日 (土)

 午前中は、金沢市内。午後からは小松高校に戻って、小学生向け・せいぶつ実験教室。実験内容は、昨日の「総合科学」で行った「花の解剖」と「ダイコンの交雑」

DSCN6255.JPG 花の解剖は、毎年、七北田小学校の科学クラブの時間に行っていること。昔であれば、学校の帰り道に、花をむしって、花びらをちぎって帰るという道草は、普通のこと。ところが最近は、そうしたこともしなくなり、もちろん、道ばたに、花が咲いているのよりも、テレビゲームの方が。。。。そうしたことをしなくなり、植物の大切さを考える時間もなくなったのかもと。。。そこで、花を解剖して、花の中の特徴を観察する。そうした時間がより重要になったのではということで、こうした時間の設定でした。来てくれた小学生は皆さん器用にピンセットを使って。。。感動でした。また、スケッチもとても上手でした。この心を忘れないでくださいね。

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DSCN6268.JPG また、小松高校で栽培されている多様なダイコン。それを交配したら、自分だけのダイコンができるかも。そうしたことを目標にして、交雑実験。初めて、ダイコンの花を見る子供もいれば、ピンセットでの細かな作業も初めて。なれるまで、少し時間がかかりましたが、なれれば、ほとんどの子供たちが上手にこなしていたのもすごかったです。無事、自分だけのダイコンができるとよいですね。最後はここでも世界に向けて、情報発信。

DSCN6275.JPG 最後になりましたが、今回の3日間、ずっとお世話になりました、SSHの寺岸先生、松原先生、山本先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。

 わたなべしるす

 PS. 今日は小松市内のお祭り、土曜日の講義などもあり、。。それでもwelcome boardがありました。毎日、楽しめました。ありがとうございました。そして、最後の「おつかれさま」でしたのboardも。ほんと、感謝の4日間でした。

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【出前講義】石川県立金沢泉丘高等学校・SSH特別講義「農学・生命科学入門」(5/11)

2013年5月11日 (土)

 石川県立金沢泉丘高等学校は、昨年の10月以来この4月からM1として研究室に来てくれている辺本さんの母校でもあります。昨年度の講義は、理数科対象でしたが、今回は普通科に拡大して、今回の講義となりました。講義は、前半に渡辺がここ30年近く研究を行っている「自家不和合性」、後半が渡辺が小学校から現在に至るまで、どのような決断をして今に至っているかという「キャリア教育」。後半の部分は、今週の火曜日に、宮城県宮城第一高等学校で講義した内容と同じ。時間的にあまり余裕がなかったのですが、何とか。。

DSCN6220.JPG 前半の講義は、自家不和合性の話になるところまでに力点を置いて。サイエンスも大事ですが、考え方の基本の部分として、なぜ、遺伝学をやるようになったかという、後半の話しに時間を少し多めに割いて。遺伝学を初めて、いろいろなことを観察したり、遺伝子をとる訳ですが、子供の頃に何気なく見ていることが、今となってとても役に立つ。注意力というものでしょうか。そうした意味でも、今の時代にできるだけいろいろなものを見てほしいと。

 また、大学に進学して、誰が自分の師匠になるかによって、人生は大きく変わると。これがきっかけで、植物もおもしろいと思って頂ければ。もちろん、渡辺の研究室での研究は、Super-welcomeですので。最後は、恒例となった、全員での集合写真。HPにuploadされ、世界に発信しておきますので。

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DSCN6250.JPG 講義のあとには、テーマは特に制限することなく、様々な質問コーナー。30minという時間でしたが、サイエンス、進路などについて、deepな議論ができたのは、何よりでした。進路のことは、ぜひ、今日のことをきっかけに考えるようになってもらえれば、うれしいですね。質問できなかったことは、mailで頂ければ、回答しますので。お待ちしております。

DSCN6253.JPG 最後になりましたが、今回の講義をお世話頂きました、SSHの濱本先生、関戸先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 玄関の鉢植えに、ハボタンの抽苔しているのと、サクラソウの組合せを見つけました。どちらも自家不和合性で。。。。何となくほっとします。

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