東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】宮城県仙台第一高等学校・SS生物I特別講義「農学・生命科学入門--アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」と研究指導(6/6)

2013年6月 6日 (木)

 昨日は、岡山・金光学園中学高等学校・SSH課題研究発表会・助言者。今日の午後からは、市内の仙台第一高等学校・SS生物I特別講義。仙台第一高等学校は4月以降、研究室見学実験についてのコメントなどを含めた出前講義などを行ってきましたが、この国際植物の日のイベントとしては、一番多く関わってくれた学校であり、イベント期間内としては、この講義が最後となります。もちろん、イベント期間は続くので、来週以降も出前講義はありますし、仙台第一高等学校には、今後も様々な交流はある訳ですが。。。

 今回は、生物履修生の26名が対象。「農学・生命科学入門--アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」ということで、2コマ分の講義枠を頂きましたので、前半が自家不和合性の話し、後半はキャリア教育というか、これまで歩んできた道を振り返ってということで。時間は半分ですが、先月の石川・金沢泉丘高校での講義と同じ内容。やはり、2コマ分あるのは、ゆっくりと話ができます。申し訳なかったのは、1名、昨年度の科学者のたまごの受講生がいて、その方には、2回目の同じ講義になってしまい。。。

DSCN6491.JPG 講義の最初は、恒例の作物の花とその作物の対応付け。仙台市内なのでまた、出身地も県内のいろいろなところからということで、もう少し知っているかと思いましたが、意外や意外。3つほどしか解答がなく。。。その意味で、昨年度の天王寺高校でのほぼ全問正解というのは、驚異の世界なのでしょうか。。。もう少し食べるものに関心を持ってほしいということで、今日の講義が「国際植物の日」と連動していることを、パンフレットを使って説明し。。。また、ヒマワリのハチがどこから来てどこへ行くのか。。。これも、結構、時間がかかったというか、石川・小松高校金沢泉丘高校と同じで。。「次は、他の花へ。。」という回答が多くて。。。これには、やっぱり頭を抱えました。もう少し花を観察してほしいものだと。。。自家不和合性、受精のところの動画は、どこで行っても、かなり満足をしてもらえるもので。。。これだけはほっとしました。

 後半のキャリア教育については、最初にすでに将来を決めている生徒さんということで聞いてみたら、「医者」という回答がたくさんあったのは、驚きというか。。。自分たちの頃とはずいぶん違うのだなと。いくらかですが、将来を考えているというのは、よいことだと思いました。渡辺がなぜ、仙台まで来たのか、科学者になろうと思ったのかという理由もわかったのではないかと思います。もちろん、そんなちょっとしたきっかけで、人生というのができているのも、わかってもらえたと思います。そのちょっとしたきっかけ、変化に気がついてほしいと思います。科学をするのにも同じだと思いますので。

DSCN6498.JPG 講義のあとには、イネの観察。この1週間、ずいぶん気温が上昇したからだと思います。分げつも進み、よい生育でした。少し追肥をする時期かもしれないと。。。そんな話をしていたら、隣でALTを担当されている外国の方と話しをする機会があり、根瘤菌、トマトの栽培など、久しぶりに英語であれこれと説明したつもりですが、やっぱりこれという単語が出てこなかったり。。。日々の修行が大事だと痛感でした。

DSCN6499.JPG 最後になりましたが、お世話になりました、小松原先生をはじめとする関係の先生方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。これからもさらなる連携を図ることができればと思います。よろしくお願いします。


 わたなべしるす

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【出前講義】金光学園中学高等学校・SSH課題研究発表会・助言者(6/5)

2013年6月 5日 (水)

 昨年の11/10(土)に初めてうがったのですが、金光学園のSSH課題研究発表会で生物を中心とする課題について、助言者を賜りました。学校があるのは浅口市、となりは里庄町で、以前、和光の理研で見た核物理学の仁科芳雄博士の生家があるところ。時間があればと思ったのですが、今回も余裕がなくて。。

 前回伺った時は、午前が全体でのポスター発表。午後が個別討論会ということもあったのか、ずいぶんと古い木造の校舎があるのに気がつかずにいました。自分の小学校時代を思い出すようなもので、何ともいえず、懐かしさを感じました。今回は個別の中間発表会。渡辺が担当したのは、前回同様に生物領域。今週の月曜日には、文系のゼミ(日本語・日本文学、英語・英語文学、法律、日本史、西洋史、)があったようですが、今回は理系関連で、物理、科学、生物、地学、数学、スポーツ科学など。多様性に富んでいて、。。。前回の全体のポスター発表の時もそうでした。文系のところは、もちろん、うかがうチャンスはなかったのですが、「将棋」、「野球」、「日本史」というこのHPでも時々扱うようなことがテーマだったりして、聞くチャンスがあれば、おもしろかったのではと。。。それらは、またの機会と言うことで。

DSCN6471.JPG 本題の中間発表・生物の研究課題は、「バイオエタノール」、「魚の学習」、「抗菌活性」というもの。高校生らしいテーマで、よく考えていた内容でした。もちろん、もう少し工夫すれば、ずいぶんよくなるような点も。前回のコメンテーターは、渡辺だけだったのが、今回は、岡山大学の先生方2名も。こちらが思いつかないような観点からのヒントになったのではないかと思います。条件をどの様にして統一しておくのか、見る角度を変えるとdataが新鮮に見える、controlをどうするかなど、実験の基本として、どの様なことを考えるのかなど、コメントできたのは、これからの実験の方向性が見えてきたのではないかと思います。また、最終的に考えるのは、実験をしている「生徒さん自身」がこれからあとどの様な展開をしたいのかということを決断をしてほしいと。それも大事なこととして、コメントしておきました。最後に、研究の継続性が重要なのではないかと。ぜひ、この研究を次年度以降も継続してほしいと。。。

DSCN6474.JPG 各分科会のあとは、全体会。17名のコメンテーターの先生方から、様々なコメントが。こちらのこれからの活動にも参考になりました。ありがとうございました。

 最後になりましたが、SSH担当の田中先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 評価委員の中に、以前、SSHでお世話になっていた方もいらして。久しぶりにお目にかかって、なつかしくあり、また、世の中の狭さを実感したのでした。。。また、どこかでお目にかかれればと思います。ありがとうございました。

 PS.のPS. 生物領域のTAを担当されていたのは、岡山大学の大学院生。昔研究会でご一緒した植物生理学・形態学などを専門とされている先生のところの大学院生。ここでもびっくりというか、世の中は狭いなと。。。また、時間を見て、岡山大の方にも伺い、セミナーでもできればと思います。

 PS.のPS.のPS. 今月の6/18までの講義は「国際植物の日」の一環。今回も、東北大学、Oxford University Pressから頂いた、ファイル、ノートなどを記念品に。発表して、その記念品をもらった生徒さんたちは、とてもうれしそうだったのが、印象的でした。この「国際植物の日」に参加して、また、コーディネーターをできたことは、何よりだなと。。。

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【出前講義】仙台市立七北田小学校 NSP 5年生「いろいろなイネを栽培してみよう」(5/30)

2013年5月30日 (木)

 イネを使っての実験は、今年は5/4, 5/28に記したとおり、仙台第一高等学校も。そちらでは、同じ遺伝的背景で、違う遺伝子を入れた(introgression line)も使って、生育調査などを開始しています。

 こうしたイネでの活動を始めたのは、七北田小学校のNSPでの「いろいろなイネを栽培してみよう」。今年で4年目になります。昨年度退官された、ゲノム継承システム分野の佐藤(雅)先生が、旧農研時代から集めておられたアジアの様々な地域のイネの種子を分譲頂き、それを栽培してみれば、日本国内のイネの多様性よりも遙かに、大きな多様性が見えるだろうということで始めました。苗立てまでは、仙台第一高等学校と同様に、PDの坂園さんとM1の田口さんにお世話になりました。

DSCN6405.JPG あいにくの小雨模様だったですが、今年度は、まず、最初に講義を。というのも、自分たちが植えるイネ品種、「Gemdjah Betom」、「IR-28」、「Kasalath」、「Peta」、「Tepa I」、「コシヒカリ」、「ななつぼし」、「日本晴」、「ムラサキイネ」、「ひとめぼれ」の10品種がどこに由来して、どの様なものなのかを、世界地図を使って、説明して、そんな場所なのだという感触を持って頂きました。その時に、知っているイネ品種名を来たところ、ずいぶんたくさんの名前を知っていて、普段から自分たちの食べているものをちゃんと理解しているのだなと感動でした。まさに、「国際植物の日」にふさわしい出前講義になったのではと思いました。

DSCN6413.JPG 講義の後半には、各グループに分かれて、例年通り、バケツに移植しました。今年のイネの生育はとてもよくて、いつも植える成苗よりもっと生育がよいのではと。七北田小学校の水田に植えてあった苗は、田植機用の幼苗くらいのを植えたものらしく、その違いもわかってもらえたのではないかと思いました。

 夏休みのサマースクール、秋の出前講義の時に、観察会を行いますが、ぜひ、毎日見てあげてください。とある農業高校の先生から聞いた言葉に「主の足跡が一番のこやし」と。毎日、見に行くことが、植物にも、観察をする小学生にもよいことではないかと。ぜひ、実践してください。。

 最後になりましたが、今回の田植えの準備をいただいた、理科専科の椎名先生、5年生の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。イネのこと、よろしくお願いします。 

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 わたなべしるす

 PS. 講義のあと、教頭先生と教育のことについて、ひとしきりの議論ができました。同じ「共通一次世代」ということで、自然が豊かであったり、半ドンであった昔のよかったことなどを、時代を超えた教育のあり方という点で、お話しできたことは、今後の出前講義等、様々な活動に活かすことができればと思いました。

 PS.のPS. 昨年まで、木町通小学校でお世話になっていた先生が、七北田小学校に異動になり。。。今度は、NSPでお世話になることに。。。世の中、狭いなと。。また、後日、掲載しますが、7/25(木)に市内の中学生向けに、「大学探検2013」を仙台市教育委員会との連携で行います。詳細が決まりましたら、また、お知らせします。多くの出前講義でお会いした生徒さんとまた、再会できるのを楽しみにして。。。

 PS.のPS.のPS. 今日の講義で使う大事なもの(何かというのは、。。。ご容赦を。。。)を、labに忘れてきて。。。そんな日に限って、携帯不携帯。。。。青くなるというのを通り越して、白くなったのでした。。小学校で電話をお借りして、labに電話を入れて。。。。伊藤さん、坂園さん、増子さんという連携で、事なきを得ました。というより、多大なるご迷惑とサポートを頂きました。本当にありがとうございました。

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【出前講義】宮城県仙台第一高等学校・生物部・SSH活動他「イネ・アブラナ多様性研究」研究指導(5/28)

2013年5月29日 (水)

 5/4(土)の記事にも書いたとおり、宮城県仙台第一高等学校・生物部・SSH活動として、多様なイネ品種の栽培を行っています。5/4(土)に記事をuploadしていますが、それ以降も、週に2回ほど、大学の温室においてあったイネの観察にいらしていました。前にも書いたとおり、この春は天候不順で、高校の路地でのイネの管理は難しいということもあって。。。そのイネも先週の後半に無事、田植えを完了したということでしたので、その具合と、アブラナの研究もしており、昨年から、指導していることもあって、両方の指導に伺いました。labがある片平から、仙台第一高等学校までは、1-2kmでしょうか。これだけ近ければ、よりよい連携ができるのだなと。。。また、この間、うちのlabのPDの坂園さんとM1の田口さんが対応してくれていました。

DSCN6398.JPG 普通科高校ですので、水田がある訳でないので、バケツでの栽培。まだ、植えてから間もないこともあり、活着してないイネもありましたが、ここ数日は気温も高めに推移していたので、このステージは、clearできるだろうと。。あとは、今の生長の段階がどれくらいか。。。田植え前に葉身が何枚目かを数えておけばよかったのですが。。。そこで、分げつの規則性を目安にして、数えることに。20年以上前に作物学の時間に当時の星川教授から習った「松島理論」を思い出して、n+3の葉っぱがでたところで、nの葉っぱの腋芽が分げつとなって、生長するだったような。。。(もちろん、理想的にはですが。。)。あと、第1葉からは分げつしないというのもあったような。。ということを。。(さすがに、このあたりの記憶が曖昧なのは、冷や汗ものでした。。)。何とか、それぞれのイネの生育ステージは、確認できたのではないかと思います。

DSCN6399.JPG アブラナの方は、セイヨウナタネと和種ナタネの区別。片方は、自家和合性で、片方は自家不和合性。それに伴う鞘の付き具合、ゲノム構成などを講義して、今までよりは、アブラナを見た時に、違った目で観察できるのではないかと思います。遺伝子についてもPCRなどで実験するとか、。また、dataがでた頃に議論できればと思います。

DSCN6397.JPG 最後に、来週になった、「自家不和合性とキャリア教育」の講義についても、担当の小松原先生と打合せ。2hrの枠がありますので、受講生の方々に、楽しんで頂けるようなものにということで。。。

 最後になりましたが、出前講義を設定頂きました小松原先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。また、これまで細かく対応してもらっているPDの坂園さんとM1の田口さん、ありがとうございます。仙台も梅雨が近いのでしょうか。梅雨寒になる前に、何とか、活着して、生長してほしいと思いつつ。。。


 わたなべしるす

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【出前講義】仙台市立木町通小学校・特別講義「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(5/23)

2013年5月23日 (木)

 木町通小学校も、昨年度から年間を通じて、出前講義に伺うようになりました。そんな中、今年度最初の出前講義で、「国際植物の日」のイベントの1つとして、今回の「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」となりました。今月の5/9(木)には、小松市立中海小学校翌5/10(金)には、加賀市立橋立中学校で、講義を行ったもので、このキャベツ、ブロッコリーが少し季節のはざまになりかけた頃に、よく出前講義を行うものです。ここ数日、天気もよく、20-25oCの最高気温というのは、ようやく春らしくなったというか、5月らしくなったというか。。。少し遅いですが。。。ここでもwelcome boardがお迎えしてくれました。伺った時間がぎりぎりで、校長先生とお話しする時間もなく。。。

DSCN6353.JPG この学年は、3, 4年生と講義をしていました。ただ、その間に転校してきた子供さんもいたので。簡単な自己紹介。そのあと、トマトの生長の話しを説明して、植物の基本的な成り立ちも合わせて。。。

DSCN6358.JPG そのあと、キャベツ、ブロッコリーの成長の様子を説明して、最初の双葉が似ている、最後の花も似ている、というようなことを話を。。。ブロッコリー、キャベツの花を見たことあるという子供さんもいました。おじいちゃん、おばあちゃんが作っている畑で。。。よく観察しているなと。。。それで、実は、同じ種(しゅ)ということを話して、両方の遺伝子を持った植物を作ることができると。。。

DSCN6363.JPG そこで、先の植物の成り立ちを踏まえて、どの様な植物ができるかを各班ごとに、絵に描いてみようと。どの班もみんなで相談をして、楽しくまた、よく考えていたと思います。最後になぜ、このような絵になったのかなどを説明してもらい、それぞれの班の説明に対して、質問コーナーも。途中から、すごく質問をするようになり、質問数を制限しないと終わらなくなるという。。その当たり、申し訳なかったです。せっかく、質問したいと思っていた心が折れなかったかなと。。。最後の解説の時間は、十分にとることができなかったですが、描いていた絵について、その可能性、正しい点、間違っている点を話して、終わりということに。。とてもしっかり考えて、説明できたのは、よかったと思います。

DSCN6395.JPG 講義のあとは、恒例となっている、5年2組の生徒さんたちと給食。今日のクラスは比較的静かだったですが、いくつか質問がある子供さんたちと議論をしながら、楽しい給食の時間でした。給食のあと、熊谷校長先生と最近の教育について、あれこれと、。。こちらが、今日の午後に、「基礎ゼミ」の中間発表会があるので、その関係でゆっくりお話しできなかったですが、また、時間を見つけて、ゆっくりとお話しできればと思います。

 最後になりましたが、お世話になりました、熊谷校長先生、教務主任の熊谷先生、5年生担任の先生方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 学校の花壇に、キャベツの花が咲いているのを見つけました。ぜひ、本物を観察してみて下さい。

DSCN6352.JPG PS.のPS. プレゼンの最初の画面に、ベガルタ仙台のマスコットキャラクター・べがったくんの写真を入れていたので、サッカー観戦をされているのですかという先生とお話しできました。年間チケットを買われて、応援されているとか。。。また、今度、スタンドで見かけたら、声をかけて頂ければと。。スタンドでは、いろいろと知っている方にお目にかかるのですが、また、そうした方が増えたなと。

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