東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP七北田小サマー講座「子供が転んでも「ただ」では起きない人生を歩むためには---一科学者の子供時代を振り返って考える。。。---」(7/22)

2013年7月22日 (月)

 4年連続のNSP七北田小サマー講座。春先から、田植えキャベツとブロッコリーなどの講義に伺い、NSP(Nanakita Science Project)の方も順調に進展しているかと。また、NSPの卒業生の方が、中学校に進んで研究室の方に訪問してくれたりしました。また、今週の後半には、「夏休み大学探検2013」という形で、仙台市教育委員会との連携ですが、NSPの卒業生の方が実験にいらっしゃいます。ありがたいことです。

DSCN7000.JPG さて、NSP七北田小サマー講座は、保護者と子供さんが一緒になってという、例年取りの形で。講義内容は、いわゆる「キャリア教育」。渡辺自身をモデルとして、小学校時代から現在に至るまで、どの様に過ごして、何を考えてきたのか、といういつものお話し。

DSCN7012.JPG 小中学生は、昭和40-50年代に過ごし、その時、どんなことをして、どんな失敗をして、それから何を学んだのか。最近は、失敗をすることを恐れて、親が先回りするということを多く目にしたり、聞いたりします。そうではなくて、小さい時に、小さな失敗をすることが、大きくなって、その失敗が生きてくると。ぜひ、いろいろなことにトライしてもらえればと思います。トライという意味では、あやとりをみんなの前でやってくれた子供さんも。たいしたものだと思いました。

DSCN7007.JPGDSCN7011.JPG 前半は子供さんたちが多く、ちょうど、小学生の頃の話ができ、後半にかけて、保護者の方々が多く参加頂いたので、人生の選択ということについて、うまく話ができたのではと思います。

 今年は配布を失念していたのですが、昨年11回、愛媛新聞に寄稿した「道標」の案内先の日曜日まで河北新報に掲載していた「科学の泉」についても、最後にご紹介しておきました。HPには難しいことではなく、いろいろなことがあるので、ぜひ、見て頂ければと。。

 講義が終わったあとに、いくつか質問をいただきました。ありがとうございました。子供時代のこと、学習のことなど。今回のことが刺激となり、親子で将来のことを話す良いきっかけになれば、幸いだと思います。今は小さくても、将来、大きくなるために、いろいろなことを話して頂ければと。。

DSCN7029.JPG 最後になりましたが、夏休み前の忙しい時期にお世話頂きました、校長先生、教頭先生、理科の椎名先生をはじめとする七北田小学校の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。夏休み明けの元気な子どもたちにまた講義ができるのを楽しみにしています。


 わたなべしるす

 PS. 講義終了後、理科の椎名先生と野生イネの10品種の観察と給食のメロンの種が発芽したというか、すでに、メロンの苗になっているものを拝見しました。周りに、virusにかかって、萎凋している植物も多く見られ、少し注意が必要かなと。

DSCN7030.JPG イネは、少し窒素肥料不足で、色が薄くなっているのが気になりました。ぜひ、追肥をお願いできればと思います。先週あたりから、ちょうど梅雨前線が近いようで、仙台らしい梅雨寒になっていて。。少し生育が心配になっていますが、梅雨が明ければ、暑い夏になって、イネが実ったり、メロンの花というか、開花、結実が起きるのではと楽しみにしております。

DSCN7031.JPG

ページの一番上へ

【出前講義】宮城県仙台第一高等学校・生物部・SSH活動他「イネ・アブラナ多様性研究」研究指導(7/19)

2013年7月19日 (金)

 今週は月曜日が「海の日」でお休みだった関係もあり、あっという間に週末になった気がします。また、前線が停滞していて、しのぎよいというより、少し寒いくらいだったので、体調管理も、まずまずだったからもしれません。いずれ、金曜日の夕方なのだと、気がついたくらいですので。さて、週末は、前から、相談を受けていた宮城県仙台第一高等学校での研究指導というか、打合せというか。。。6/6に講義があり、伺って以来。こちらも、6月は、愛媛、香川、大阪などでの出前講義があり。。7月に入ってからは、天気が余りよくなく。。そんなで、この時期になってしまいました。

 最初に、「科学者の卵養成講座」のエクステンドコースについて。2名の3年生が、やりたいと。。昨年も、埼玉県立浦和第一女子高等学校で4名の方がトライされて。。。昨年は少し離れていたので、高校でもできるないようということで。今回は、大学までとても近いので、時間をこちらと調整して、アブラナを使ったおもしろい実験ができればということになりました。中身については。。。この席では。。。ということで。また、発表する機会もあると思いますので。聞いてしまうと、何だとなりかねませんので。

DSCN6991.JPG そのあと、これも懸案の「イネ多様性研究」について。一部の品種では出穂が始まっており、他の品種でもずいぶん、止め葉が出て、穂孕期になっているんだなというのを、イネをさわりながら、実感できましたし、研究をやっている生徒さんにも理解してもらえたのではないかと。さらに、現状の写真を撮るためにどうすればよいかということを、昔、学部生だった頃に、D3の先輩に、イネの草型を画像解析するためにやっていた方法を思い出して。。。アップの写真ではないですが、それなりに、記録としては使えるでしょうし。また、出穂日、葉数、分げつ数などで、イネ全体は理解できるのではと。。。たくさんの品種がありますが、ぜひ、しっかりまとめて下さい。イネが持っている多様性がどれくらいすごいかということを実感できると思いますので。観察することは、サイエンスをすることの第一歩ですので。。。また、梅雨寒が続きますが、最高気温は、25oC前後でこのあとも推移すると思いますので、何とか、稔実率はある程度のところで確保できるのではと思いますので。

DSCN6988.JPG
DSCN6990.JPG 最後は、SSHの課題研究の指導。ここは、2年生全員が課題研究にトライされると。。。とても大変なことですが、やったことは5年後、10年後にきっとあのことがよかったという日が来ますので、大変と思いますが、がんばって下さい。

DSCN6993.JPG 最後になりましたが、出前講義を設定頂きました小松原先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。明日から夏休みですが、今後もよりよいコラボができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 今日のというより、これまでの人生の40何年間、何でこんなことに気がつかなったのだろうということにぶつかりました。余りの衝撃で。。。。しばらく口が開いたままふさがらないというのは。このことだと。。。。それくらいすごいことでした。

DSCN6992.JPG PS.のPS. 昨日、カンキツを頂きました。昔であれば、ナツダイダイという、とても酸っぱい、カンキツしかなかったのが、今のはむきやすいですし、とてもジューシーで、酸味も弱く。。。品種名がわからないのが。。。それでも農学科の卒業かといわれそうですが、最近のカンキツの品種育成は、爆発的なものがあるので。。。知らないものも多くなりました。

DSCN6985.JPG

ページの一番上へ

【出前講義】福島県立新地高等学校・科学部特別講義「アブラナ科植物の自家不和合性」と実験指導(7/16)

2013年7月16日 (火)

 2011/03/11の東日本大震災のあと、相馬、原町方面への常磐線は、部分開通はしているものの、宮城県と福島県の県境がつながっておらず。。。こうした時、震災の爪痕は、まだまだなのだと、思い知らされます。常磐道から、海側には、水田、施設園芸のハウスがたくさんありましたが、震災前には。2年以上たつのに、未だ、復旧してないところもありました。あぜ道に、見たこともないような雑草があるのも。。バスからですので、細かなことは見えないですが。。。仙台市内では、余り工事のトラックなどを見ることはなくなったのですが、こちらでは、まだまだという感じでした。

DSCN6943.JPG 常磐線があったおかげで、相馬高校相馬農業高校への出前講義は、震災以前は、年に1-2回はお邪魔できていましたが、震災後は、県境で切れたままになっており、簡単にいくことができなくなりました。そんな折、その相馬高校に出前講義にお目にかかっていたのが、今回の講義と実験指導のrequestを頂いた、新地高校の高村先生。世の中、狭くできています。

DSCN6955.JPG 講義では、最初に「東北バイオ教育プロジェクト」について、このプロジェクトをサポートしているリバネスさんの方から、植物工場の実験を含めて、概略の説明がありました。ミニ植物工場というか、小さな空調の効いた部屋で「ハツカダイコン」を栽培していました。夏の時期ということもあり、空調があるとはいえ、栽培には少し大変な時期ではないかと。

DSCN6982.JPG これに続いて、ハツカダイコンももちろん、アブラナ科作物。そこで、「アブラナ科植物の自家不和合性」という演題で、自家不和合性を理解するための基礎的なこと、最新のこと。さらに、なぜ、こうした植物の遺伝学の実験、研究を始めたのかというきっかけのようなことをお話ししました。講義のあとは、これまでの実験についての考察。栽培条件を変えて、ダイコンの形態がどうなるか、とてもよく観察していたのは、よいことではないかと。。。これからも様々な条件を検討してみて下さい。市販のものに近いものはきっとできますので。

DSCN6983.JPG  最後になりましたが、新地高校・高村先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。また、今回の講義をmediate頂きました、リバネス・宮内様をはじめとする関係のみなさまにもお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 写真には撮ることができませんでしたが、新地町役場の近くで、震災の時に、ここまで津波が来ましたという看板が。。。国道6号線のところでした。海に近いところであるとはいえ、こんなところまでとは。。。。

ページの一番上へ

植物を育てる心(7/12)

2013年7月12日 (金)

 key wordを1つにして何かを書くのは、初めてかもしれません。理由は後ほど。。。春先から出前講義等で植物について、いろいろ話をしてきました。小学校、高校等々。で、その講義のあとで、実際に子供たちが、自分で植物を育ててみたということを出前講義先の先生から、mailを頂きました。

 「給食で出た「メロン」の種を畑にまいた子がいます。なんと,発芽し双葉がでました。植物に対する愛が感じられます。」と。。。そういえば、昔、自家不和合性のことを講義をしたら、教室のベランダにある適当な花同士を交配していたということも。。。そんなことを聞くと、やっぱりうれしいものです。それで、mailでは、双葉ということでしたが、写真を送って頂くと、すでに、立派なメロンの葉っぱがでて。。少し播種には遅いかもしれないですが、今年は夏が暑いでしょうし、残暑もあるでしょうから。。。十分、これからでも追いついて、メロンが収穫できるのではと思います。こちらも出前講義に伺うのが楽しみになりました。ありがとうございました。

DSCN0153.JPG というようなちょっとしたことがきっかけで、植物を育てる心ができるのだなと。。。それだけなのですが、とても感動の写真でした。


 わたなべしるす

 PS. 今日は、研究科のソフトボール大会。詳細は学生さんが書くとして。。。メンバーが足りないという事情で。。。何年ぶりでしょうか。2試合、先発完投。。。すでに腰痛です。。ということで。短めに。。詳細に、事の次第は。。。。おまちください。

ページの一番上へ

【研究室訪問】宮城県仙台二華中学校「スタディツアー」研究室訪問で来訪(7/11)

2013年7月11日 (木)

 今年度に入ってからも、福島高校仙台第一高校磐城高校など高校生の研究室訪問はたくさんありました。小学生は、昨年の夏に実験にきてもらった児童の方以来かと。中学生となると。。。たぶん、初めてのことではないかと。。4/25に宮城県仙台二華高校に「科学者の卵」の広報と、模擬講義に伺った時。ここは中高一貫校ということもあり、中学校のこの企画をされている加茂先生と話す機会があり。。。今回、5名の生徒さんたちに、研究室に来て頂くことになりました。仙台市内に東北大のキャンパスがいくつかありますが、仙台二華中学校から、渡辺の研究室がある片平キャンパスが、一番近いのではないでしょうか。

 訪問の3週間くらい前に、5名の生徒さんがいらっしゃること、また、彼らが疑問に思っていることを「質問書」という形でまとめてもらいました。いつも質問はあらかじめもらわないでやっていることが多いので、少し考える時間がある分、何を答えようかなと。。。いらした生徒さんは、部活も趣味も違っていましたが、5名とも女子生徒。植物をやっているからでしょうかと思っていました。まず最初に、それぞれが自己紹介のあと、先の質問書の回答を。。。その質問に関連したこともお話をして。。。それぞれ、満足されたでしょうか。。。と思いつつ。なんでも、今回の研究室訪問のあとで、ポスターを作るとか。。。そのあとは、こちらで用意をしておいた資料を基に、研究室の概略、実験室の見学、ガラス室の見学を。夏が近いこともあり、葉っぱがほとんどない状態でしたが、「キャベッコリー」には見えないけど、キャベッコリーも見ることができたのではないでしょうか。

DSCN6932.JPG 研究の説明、研究室の案内などのあとは、他のスタッフ、大学院生との討論会。内容(研究とは。文理選択。大学とは。大学生活とは。。。。)も多岐にわたり、とてもしっかりとした考えで、これからの学校生活のヒントになったのではないかと思います。何より世代が近い分だけ、より現実に近い話がdeepにできたのではないでしょうか。

RIMG1094.JPG 最後になりましたが、今回の研究室探訪を設定頂きました仙台二華中学校・加茂先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。ぜひ、次年度以降もこうした交流ができればと思います。また、最後の討論に参加してくれた、labのスタッフ、大学院生の方々、ありがとうございました。おかげでかなり盛り上がりました。

RIMG1102.JPG
DSCN6940.JPG わたなべしるす

 PS. 訪問してくれた5名の生徒さんのうち、2名が七北田小学校時代に5, 6年生で、NSPで出前講義をした時の方々。5年生時は、井上先生、6年生時は、椎名先生に習ったと。。びっくりでした。当時は、「キャベツとブロッコリー」、「自家不和合性」、「交雑」、「環境と植物」を講義したような。。。立派になって、また、こうして渡辺の研究室を訪ねてくれたこと、何ともいえない感動でした。さらに、渡辺が書いた返事の手紙を当時もってきてくれていて。。。本当にありがたいですね。。。こうした不思議なご縁がまたありますように。。

DSCN6933.JPG PS.のPS. 途中で、副校長の漢人先生が、どの様にされているのかということで、見学に来られました。渡辺より数年先輩の本学法学部の卒業の方。。。お忙しい中、ありがとうございました。

ページの一番上へ

diary Top« 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57

ARCHIVE