東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】愛媛県立今治西高等学校・大学出張講義「植物の花からたねができるまでに見られる不思議」(9/26)

2012年9月26日 (水)

 前日の西条高等学校に続いて、愛媛での出前講義となりました。今治西高等学校は、渡辺の母校であり、この「大学出張講義」への参加も3年連続となりました。自分自身が、高校生の頃、大学というのは、果てしなく遠い存在で、教育実習で来る卒業生の方がクラスに来たりすると、大学って、という感じでした。今とは、隔世の感があります。記憶が定かでないのですが、2年生の時に、教育実習に来られた方は、今治西を卒業し、東北大の工学部か、理学部だったような。。。教えて頂いたわけでなく、クラスのHRの時にいらしたくらいなのですが。。。今では、出前講義、オープンキャンパスなど、高校と大学の距離はずいぶんと近くなったのでは。

DSCN3719.JPG 今年度も、「自家不和合性」と「キャリア教育」をあわせた形の講義で、2週間ほど前の青森県立青森東高等学校での講義と同じパターンでした。少し駆け足でしたが、身の回りの「農作物」の花の名前を考えるからスタートして、生殖、受粉、受精、自家不和合性の話。普段食べている農作物の花と農作物が連動しない。。結構ショックでした。まだ、周りに田んぼも畑もたくさんあるのに。。。ぜひ、これを機会には何も目を向けてもらえればと思いました。そのあと、桜井小学校、桜井中学校、今治西高等学校と進んで、今に至る自分が昔何をどのように考え、今に至っているのか、高校時代、何を考えたことがよかったなど、高校2年生であった受講生があと1.3年くらいしたら受験となるヒントににはなったのではと思います。

DSCN3722.JPG 質問では、「この食品には遺伝子組換え作物を使っていません」ということを書いているのはなぜですかと。とても、niceな質問でした。5%まで許容しているというルールについて説明したり、サラダ油のことも。参考になったでしょうか。また、文系から理系でがんばりたいという生徒さんも。ぜひ、自分の目標をgetしてください。もちろん、質問はmailでいつでも受け付けますので。

 最後になりましたが、藤田校長先生、お世話役の加藤先生、生物の小野先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。また、来年もこのような機会があれば、ぜひ、協力出来ればと思いますので、よろしくお願いします。

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 わたなべしるす

 PS. 講義に来られていた九工大の教授は「安永教授」。渡辺と同級で以前に研究室に伺ったり、共同研究をしようかなど、話をしたのを思い出しました。これをきっかけにまた、共同研究を復活出来るようなことができれば、うれしい限りです。こんなのも不思議なヒトの縁なのだと思いました。

DSCN3731.JPG PS.のPS. 11月には、同窓会(蛍雪会)の共同企画のようなのですが、全校生徒向けに講義をお願いされ、今日とは少し趣の異なる話ができればと思っています。懐かしい体育館で話をするのかと思うと、何とも言えない緊張を今からしているような気がします。。。もちろん、楽しみでもあるのですが。。

 PS.のPS.のPS. 昨年の講義一昨年の文化祭での特別講義の時に受講してくれた3年生も講義のあとに駆けつけてくれました。文化祭の時と同じようにdeepな議論ができたのは、何よりでした。受験まであと少し、がんばってください




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【出前講義】愛媛県立西条高等学校・特別講義「大学教授から見た高校生の進路選択へのアドバイス」と討論会(9/25)

2012年9月25日 (火)

 愛媛県立西条高等学校へ伺うのは、2009年以来です。市町村合併があり、今治市のとなりが今や西条市です。自分の母校の今治西高校は西条高校の分校としてスタートしたという歴史もあり、本家への出前講義でもあったわけです。今回の講義をsetting頂いたのは、昨年度まで今治北高にいらして、講義などでお世話になり、今年度から西条高校に異動された田口先生でした。間際の調整でした、50名を超える1~3年生と先生に、文化祭の後であるにもかかわらず、参加頂けたのは、何よりうれしいことでした。また、最初の紹介では、愛媛新聞に掲載されている、「道標」のこともご紹介頂きました。ありがとうございました。

DSCN3694.JPG 講義は「農学系、生物系、生命科学系」の学部紹介もという内容も含んでことで、いつもながらのキャリア教育ということに加えて、高校の科目で何を学んだのか、大学で進路を選ぶのでなく、自分のやりたいことにfitした研究内容の大学を選ぶのだと。そのために、オープンキャンパスなどがあれば、大学を見るのではなく、教授をはじめとするスタッフとしゃべってほしいと。高校では、数学で理論的なことをぜひ学んでほしいと。将来を見据えて、何をしたいのかを考えて、進路を考えてほしいと。また、渡辺の大学での進路先は、「農学部」だったわけですが、農学部には「生物系(農学、畜産学、水産学、林学)」、「化学系(農芸化学、食糧化学)」、「物理・工学系(農業工学、農業土木学)」、「社会科学系(農業経済学、農業経営学)」という多彩な進路があると。もちろん、それにあわせた就職先も。ぜひ、農学部も進路先に考えて頂き、講義を受けた受講生の中から、将来、渡辺の研究室でいっしょに研究ができるのを楽しみにしています。

DSCN3704.JPG また、講義後には、これからの連携について、田口先生、日浅先生などと意見交換ができたのも何よりでした。ありがとうございました。最後になりましたが、今回の講義のお世話を頂きました、田口先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。時間の関係で十分な質疑の時間がありませんでした。また、レポート、mailなどで質問を頂ければと思います。


 わたなべしるす

 PS. 松山では別の打合せがあり、そのとき、結構な「お茶」を頂きました。すごい久し振りでしたが、何というか、日本を感じた瞬間でした。ありがとうございました。

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【出前講義】仙台市立木町通小学校 5年生「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」(9/21)

2012年9月21日 (金)

 明日は秋分の日。暑さ寒さも彼岸までという言葉の通りか。。。。仙台も朝晩だけは、20oCを下回るように。晴れれば、上は25oCを越えるようで。。。。朝晩だけでも涼しくなったのは、やっぱり暦通りという気がします。今日の雨で焼け付いたコンクリート、アスファルト、水不足の地面には、恵みの雨となるかなというくらいですが。。もう少し、雨降りがほしいなと。。。

 昨日の七北田小学校に続いて、今日は木町通小学校。講義内容も同じ、「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」で、5年生。昨日しゃべったことを考えながら、また、昨日よりこれはしゃべるようにしないととか、。。少しずつ、しゃべるのは上達しているのかなと。木町通小学校も七北田小学校のNSPと同じように、年間でほぼ並行で同じような出前講義を。というのが今年からです。ですので、前回は、「キャベツとブロッコリー」で伺いました。

 講義では、花粉が雌しべにつく、「受粉」ということを小学校では、学習するようですが、花粉発芽、花粉管、受精、種子形成、果実形成、自家不和合性という、小学校を飛び越えて、花から実ができるまでを、大学レベルまで。動画を入れたり、花の写真を入れたり、。あれこれと考えながら、花から結実までを理解できたのではないかと思います。

DSCN3626.JPG 今回の驚きは、最後の質問コーナー。かなり鋭い、大学生・大学院生レベルの質問。「自家不和合性を持たない植物はあるのですか?」、「ふじの木はどうやって増やすんですか。自家不和合性があると、同じ物が増えないのでは。。。?」、「植物全体でどれくらいの植物が自家不和合性を持っているのですか?」、「トウモロコシは1本で結実しないのは、なぜなのですか?」。。。植物生殖遺伝学というか、受粉・受精のところというか。その全体について、鋭すぎる質問の連続。本当に感動でした。

DSCN3631.JPG 木町通小学校の出前講義の恒例となったのは、講義の後の「給食」を一緒に。この学年はとても静かで、給食をしながら、質問攻めとはならなかったですが、3つのクラス全体でまた、さらなる質問を。どれもシビアでした。感動しました。最後に、次回の3年生の講義のために、佐藤先生と打合せ。ヒマワリも準備万端で。早速楽しみです。

DSCN3637.JPG 最後になりましたが、今回の講義でお世話になった、熊谷校長先生、教務の熊谷先生、5年生の担任の先生方、ありがとうございました。これからも科学の芽を育てるために、緊密な連携ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 早速、校長先生が、今日の講義のことを木町通小学校のブログに。感動です。ありがとうございました。

 PS.のPS. 今日は、木町通小学校の「花火大会」とか。お昼の給食の時間にお話しが。昼間は雨でどうなるかと思いましたが、夜には月夜に。楽しめたのではと。。。



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【出前講義】仙台市立七北田小学校 NSP 5年生「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」と「いろいろなイネの観察」(9/20, 10/18追記)

2012年9月21日 (金)

 今年の夏はいつになったら終わるのだろう、そう思える毎日です。これを書いている21日の朝は、19oC台まで下がり、少し秋らしくなりました。そんな中での夏休み明けの七北田小学校のNSP開始となりました。夏休みには、7/23にサマー講座ということで、保護者向けに「キャリア教育」を行いました。それがきっかけとなり、6年生の方が、顕微鏡を使った実験にいらっしゃいました。そんな夏休みのNSPイベントがあったのを思い出しました。

DSCN3590.JPG さて、午後からの講義では、5年生向けに「受粉・受精・自家不和合性」、「イネの多様性」という言葉で書くと、難しいと思われるかもしれません。実際には、リンゴをモデルとして、リンゴの花から果実ができるまで。そこで起きる、受粉反応を動画で見てもらい、結実後は摘果をする理由、少し難しいかもしれないですが、自分の花粉がきらいという「自家不和合性」も動画で。

DSCN3596.JPG リンゴを切って、蕚片などが見えるということも観察してもらいました。そういえば、最初に「花」をどれくらい知っているかを、クラス単位でクイズ形式で。その中で感動的なコメントが。画面には「ハマヒルガオ」の写真が。まず、小学生でなくても、同じヒルガオ科の「アサガオ」と答えるのが普通です。ところが、「ヒルガオ」と。理由を聞いたら、「花が少し丸くないかもしれない。そして、朝だったら、こんなに日の光が当たってなくて、こんなに日の光があれば、しおれているだろう」と。感動でした。花だけでなく、花の周りの写真の様子まで観察していたのには、感動でした。

 後半は、水田のところに行って、6月に田植えをした「世界のイネ」について出穂、開花、結実の違いを観察してもらいました。品種毎に、それが違うことを実感してもらいました。観察しているうちに、品種の間で、もみの先端に長い毛が生えている、「芒」・「のげ」が大きく違う。また、まだ、出穂していないイネも。こうした日本から赤道に近いところで栽培しているイネの違いを実感できたのではないでしょうか。

DSCN3604.JPG 最後になりましたが、板橋教頭先生、理科の椎名先生、5年生の先生方を初めとする先生方にお世話になりました。ありがとうございました。また、再来週、その次とNSPが続きますが、よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 忙しくしていて、気がつきませんでした。七北田小学校のHPに関連記事をみつけました。ありがとうございました。



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【出前講義】青森県立青森東高等学校・大学模擬講義「生命科学入門--アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」(9/13)

2012年9月13日 (木)

 前々日の三本木高等学校に続いて、青森での出前講義となりました。以前に弘前高校で、キャリア教育の講義を行ったことがありますが、その当時、弘前高校で、渡辺の講義を見聞きされていた先生が、青森東高校に異動され、異動先でこの企画を計画され、当時のことを覚えていてくれたことが、今回の出前講義となりました。何とも言えず、ありがたい限りだと思いました。青森東高校には、渡辺も運営に関わっている「科学者の卵養成講座」の受講生がいたのを思い出しました。

DSCN3534.JPG 今回の講義は、1, 2年生向けで、15コースが用意され、文系から理系まで。理系の中も工学、医学、薬学、生命科学(農学)など多様であり、進路を考える上でのきっかけになるのではと感じた次第でした。講義時間は、90minだったのですが、「アブラナ科植物の自家不和合性」という渡辺の研究面と、なぜ、そこに至ったのかという「キャリア教育」を連続する形で。作物の花の名前で皆さんに考えてもらうようなところがあり、そこをintroに使ったこともあり、後半部分は時間の関係で少しはしょったこと、申し訳なかったです。ただ、以外と「食べている作物」と「その花」というのを知らない。また、虫が飛ぶことで何が起きるのか、植物も以外とダイナミックなことは、意外な側面だったのではないでしょうか。こちらが考えていた、「科学をする、研究をする」ということ、「これからの人生を考える」ということを、理解頂けたのではと思います。1つでよいので、何か考えるヒントになればと。。。

DSCN3544.JPG 講義の最後に、今年度の「科学者の卵」の受講生の方とお会い出来たり、夏の植物生理学会との合同でのシンポジウムに参加頂いた生徒さんとも。不思議なところでつながっており、こちらもよい刺激をもらいました。ありがとうございました。

DSCN3551.JPG 最後になりましたが、今回の講義をお世話頂きました、宮本先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 東北本線が東北新幹線、新青森開業に伴い、第三セクター「青い森鉄道」になっていました。
大学院生になったすぐの頃に、北海道大の友達のところに、夏休みに行くとき、通って以来の青森駅周辺というか、東北本線というかでした。青森駅が大きく、昔の青函連絡船の名残があったのも感動で。。。青森駅から北海道連絡の津軽海峡線が北海道側で数日前に事故とか。かなり間引き運転をしてということで、このあと、北海道での出前講義だったら、。。。。と、。。また、青森駅の隣の東北新幹線のterminalである「新青森駅」。ここも初めてでした。数年後には、「新函館駅」まで開業となり、通過駅になるのが少し寂しく感じました。。。

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DSCN3558.JPG  PS.のPS. 今回おじゃました、青森東高校の卒業生に、ロンドン五輪のメダリストが。。。感動ですね。というか、おめでとうございます。

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