東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】鹿児島県立錦江湾高校・コアSSH「課題研究支援ネットワークと教育資源活用プログラムによる中核拠点形成」・コメンテーター、研究指導(8/17-18)

2012年8月18日 (土)

 昨年度までの3年間、コアSSHのコンソーシアム型の研究であった「ダイコンコンソーシアム」。今年度からは地域中核拠点形成へ。ダイコンコンソーシアムで培ったものを、他の教科、科目に広げるという興味深いものです。タイトルもずいぶん長いのですが、「課題研究支援ネットワークと教育資源活用プログラムによる中核拠点形成--ダイコンコンソーシアムを発展させた鹿児島モデルの推進--」。これまでの高校生の課題研究に加えて、小中高大連携という縦のつながりと、教科、科目を超えての横への広がりを持たせた、興味深いものに発展したというべきなのかもしれません。地域中核拠点形成ということで、これからの3年間、どのように発展させるのか、運営指導委員として、これまで以上にサポート出来ればと思います。(HPが、まだ以前のままですが、ダイコンだけでなく、様々な研究発表がされています。)

DSCN3419.JPG 2日間に亘って、今年度の研究計画討論会などが行われ、研究の方向性、実験方法などについて、20弱の高校の研究を議論しました。ダイコンだけが研究対象でなく、物理・天文分野として、5月の金環食の観測、その他の分野では、ゼニゴケ、マングローブ、プランクトン、ミヤマクワガタ(ミヤマクワガタは、子供の頃からとろうと思ってもとれなかった。。。たくさん並んであって、。。。。)など。参加校には、SSH採択校、一般高校、農業高校も。参加校も多様です。農業高校では、創立130年を超える、日本最古の農業高校も。

 ここの討論会のおもしろいというか、すごいところは、生徒さんが発表したあと、運営指導委員だけでなく、指導されている高校の先生方、実験をしている他の高校の生徒さんから、鋭い質疑が交わされるところです。高校生の目線の質疑は何より会議がactiveになります。

DSC05540-s.jpg ダイコンの研究をモデルとして、その研究方法、広がりなどが他の教科、科目に応用され、冬にはさらに発展したプレゼンが聞けるのが楽しみとなる会議でした。何より参加者全員の写真を載せたときに、多いこと。すごいことだと。。感動でした。

 最後になりますが、今回の会議をorganize頂きました、鹿児島県立錦江湾高校・讃岐先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 朝の会議直前(08:46)に九州地方で大きな地震(M4.9)が。。。鹿児島に来て、ずいぶん暑かったので、めまいがしているのかなと思っていましたが、そうでなく、地面が揺れていたのは、びっくりという一方で、自分に問題がないのはほっとでした。そのあと、トカラ列島でも多くの地震(M4.3)が。。。。ちょっと気になりました。


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【研究室訪問】福島県立相馬高校、来訪(8/13)

2012年8月14日 (火)

 午前中は、市内の七北田小学校の6年生が実験に。夕方にかけては、相馬高校の生徒さんたちが研究室訪問に。相馬高校には、これまでも、「アブラナコンソーシアム」等で出前講義に伺ったり、卒業生が研究室訪問をしてくれたりの交流がありました。今回は、農学部希望という生徒さん2名とコンソーシアムでもお世話になった、小平先生との3名で。農学部と言っても研究領域は広くて、作物、家畜、水産物を扱うところから、その加工、化学特性、さらには、渡辺の出身である東北大・農学部にはないですが、農業工学、土木、獣医など。そうした一般的な話をした後、興味があるという、作物関連の仕事として、渡辺の行っている、自家不和合性等の話で、実際に大学ではこうした研究をしている、また、大学、大学院と進むに当たってのポイントなど、可能な限り、議論できたかと思います。今回、研究室訪問になったのも、7/30-31のオープンキャンパスに来ることができなかったことがあったようです。その日には、小松高校と秋田南高校の生徒さんが来たのでした。

 話が一段落したところで、実際の研究室の中を見て頂き、ちょうど、イネのサンプリングをしていたり、様々な機械類が動いているのを見て頂いたり、。。高校生物は好きだけど、遺伝学はどうもと言うことが多いようで、これからの遺伝学として、次世代シークエンサーなどを駆使することで、これまでのようなmappingをするようなこともなく、実験ができるという話も。初めて見るような機械類も多く、生物系の研究室の一般的かもしれないですが、見ることができたのでは。。。

DSCN3386.JPG 最後に、ガラス室に保存してある、「キャベツの仲間」の植物も見学。来てくれた生徒さんの先輩たちも使っていた、「コールラビ」というものを見て頂き、不思議そうに見ていたのは、やっぱり、おもしろい材料なのかなと。

 totalで1.5hrくらいだったかもしれないですが、農学部一般と、その研究室での実験風景など、これからの受験に向けて、励みになったのであれば、幸いです。がんばってください。最後になりましたが、今回のことを企画して頂きました、相馬高校の小平先生にはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、お世話になります。


 わたなべしるす

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【出前講義・研究室訪問】七北田小学校研究室訪問NSP実験指導「植物の細胞分裂を観察しよう」(8/13)

2012年8月13日 (月)

 七北田小学校にはNSPという理科専科の先生とのプロジェクトというかプログラムというか。それがスタートして、5年目くらいでしょうか。先日も、「仙台市立七北田小学校・NSP七北田小サマー講座」で、出前講義を行ってきました。その時の講義に出席してくれていた6年生から、実験をしているのだけど、うまくいかないと。講義の時に、自家不和合性の動画を見せる機会がありました。動画と言っても実際には、1minに1回コマ撮りして、それを120コマ並べて、動画にしていると。それを聞いた、1人の6年生は、細胞分裂の様子をぱらぱらマンガのようにして、動画を作ってみたいと。小学生が細胞分裂というのもすごいと思いましたが、小学校から顕微鏡を借りてきて、実験をしているとは。。。

 ところが、こうしたことをやるためには、核、染色体を染色するための試薬が必要ですし、実験の方法もある程度わからないと。。。家族の方がいろいろとサポートしたようですが、うまくいかなかったと。。。それで、理科の椎名先生に相談して、わからないときは、「東北大の渡辺教授に聞いてみたら??」ということを。。それで、渡辺のところに、上記の相談が来た訳です。

DSCN3383.JPG 渡辺が染色体を見るというのは、大学院時代に先輩が染色体を染め分ける研究をしていたのを見て以来。どうやるかもわからなかったので、それを知ってそうな周りの先生方に、教えて頂き、6年生の方とお母さんが、研究室にいらっしゃいました。見よう見まねで実験をしたのですが、うまくいかず、。。その当たりをまた、電話相談で教えて頂き。いつも染色体を見ている先生に。ようやく、1つの視野の中に、核の状態、染色体になりかけ、紡錘糸に引かれるようになった染色体、赤道面に並んだものなど、いろいろなものを見えるようになり。それを、小学生にも実践してもらって。。。

 午前中でサンプル調製を行い、午後から顕微鏡観察と写真撮影。たくさんの視野から、気に入った写真を撮ってもらって。最後に、いわゆる、教科書的にはこうなっているという試料と実験方法とのプリントをお渡しして。。。小学生が夏休みとはいえ、朝から、14:00過ぎまで、さすがと思いました。もちろん、これで実験が終わった訳ではなく、ぱらぱらのコマがそろっただけ。これから、スケッチして、ぱらぱらにするのは、もっと大変だと思います。がんばってください。自分が小学校6年生の時の自由研究は、確か、飛行機を飛ばすことをやったような。。。レベルが違うと。。

DSCN3385.JPG こんなデコヒコで、NSP番外編が終わりました。最後になりましたが、染色の基本を教えていただいた、生命科学研究科の東谷先生大阪教育大の鈴木先生には、この場を借りてお礼申し上げます。渡辺一人では。。でした。ありがとうございました。

 
 わたなべしるす


 PS. きていただいた小学生のご家族のかたが、学生さんの机の上のものを見て、高校の同級生だったとか。世の中、なんと狭いのか。ヒトのつながりの不思議さを改めて感じた1日でした。



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【出前講義・研究室訪問】科学者の卵エクステンドコース実験「高等植物における受粉反応の観察、その2」(8/12)

2012年8月13日 (月)

 科学者の卵でエクステンドコースを引き受けるのは、今回が3年目。2年度目は、花粉管の人工培地での発芽の観察と比較3年度目に「高等植物における受粉反応の観察」。今年度も、昨年度と同じテーマで実験をしてもらっています。大学の設備を使う先端的な研究というのもありかもしれないですが、それはそれで、大学にきてやってみれば良いこと。卒論、修論などで。

 そこで、実験をしてもらっているのは、身の回りにある花を持ってきて、種内での交配、種間での交配をやってもらう。つまり、自家不和合性なのか、種間不和合性なのかを実際に、顕微鏡観察でやろうと。とても基礎的な実験ですが、これからの植物生殖生理学を考える上では、とても大切な基礎基盤となる訳です。実験の前半、つまり、プレパラートを作るまでは、高校でもできるようなレベルなので、それについては、6月に訪問して、技術を伝授して。後半の観察は、蛍光顕微鏡でないと。難しいと。。。SSH実施校でも蛍光顕微鏡の設置は大変なので、そこの点だけ、大学にきて観察をしてもらう。という作戦にした訳です。

DSCN3381.JPG 朝から、半日かけて、ひたすら花粉管の動向を観察し、午後から、それらにどの様なtrendsがあるのかと言うことを考える。夕方前には、無事、結論が出て。。。後は、これをまとめて、全国大会で発表しましょうかと言うことになりました。

 実験を担当した生徒さんは、浦和第一女子の3名。今年農学部に入学した2名の先輩も駆けつけてくれて、最後にパチ。と集合写真。お疲れ様でした。受験生という大変な時期に、これだけのことをやって、また、11月の発表会にも、。これからをさらに楽しみにしています。

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 わたなべしるす


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【出前講義】平成24年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会・講評者担当-2(8/9)

2012年8月 9日 (木)

 横浜のこの場所での会議への参加の最初は、1993年の国際植物学会だったような。その当時、桜木町から会場までであったのは、70階建てのランドマークタワーだけだったような。ずいぶん町が変わりました。そのときは、自家不和合性の小さなmeetingがあったり、。。。ほんの少し英語がしゃべることができはじめた最初の国際会議だったのかもしれません。

DSCN3380.JPG 2日目の午前中は、SSH実施3年目の学校から選ばれた上位4校のプレゼン。昆虫、ナメクジ、物理現象の工学的応用という範疇でした。なるほどと思うプレゼンであり、また、こんな問題はどうするの??、実際の自然現象にapplyするとき、どうするの??等いくつか気になる点も。個別のことについては、。。

 午後は最後のプレゼンの時間。全体のポスターをゆっくり眺めて、これまで出前講義、SSH、科学者の卵など、どこかで接点のある方々のところで、少し議論ができたり、あらたな高校をご紹介頂き、新しい出前講義先も開拓できたのは、何よりでした。あまりにたくさんの高校の先生方、生徒さんたちなので、ここではありがとうございましたということで。

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DSCN3377.JPG 最後は表彰式と講評。ポスター、プレゼンの賞に加えて、高校生が選んだおもしろかったポスターの賞も。高校生の目線で見て、おもしろいというコンセプトは、なかなかのものだと思いました。もちろん、重複受賞もありましたが、そうでなかった高校生目線のものがなぜ、大人の評価で選ばれなかったのか。。。。という???もありました。

 会議全体の講評として、たくさんのポイントがありましたが、課題研究を始めるに当たってということで、小松仙台三古川黎明など、いくつかのところで、講義をしたことが、含まれていたのは、あながち、間違った見方をしているわけではないのだと。。。ほっとしました。気になったことばとして、「高校生らしさ」、「プレゼン力」、「考えること」、「小中高連携(小中高大連携)」、「次の10年に向けて」、「やりたいこととリスク」、「グローカル化」でしょうか。大学で研究をやってもそうですが、科研費などの大型プロジェクトは、長くて5年。そう考えたとき、10年が過ぎたというSSHには、感動でした。次のさらなる発展をどうするのか、自分の研究に当てはめたとき、いろいろなことをやろうとすることが大事だと、痛感しました。

 ということで、現実を見つめて、さらに将来に向けてという点では、普段のアウトリーチ活動では得られないような、たくさんの刺激を頂きました。ありがとうございました。こうした機会を頂きました、JST、SSH担当の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす


 PS. SSHは高校の理数科教育。一方でこの時期の高校関連といえば、夏の甲子園。母校の今治西高校も愛媛県代表として。。。。今日の第3試合が、ちょうど、最後の表彰と講評から移動の時間に。。。結果は。。敗戦でしたが、記録に残るような結果(22奪三振、10連続奪三振。。。)だったとは。それも戦前の中等学校野球大会の記録を塗り替えるような。。。記憶に残るのは難しいですが、記録として、残ったのはよかったのか、悪かったのか。。。。何とも言えない1日でした。。。。

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