東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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研究室ダイアリー

心頭滅却すれば。。。。@古川農試(7/26)

2013年7月26日 (金)

 春には、アブラナの花のサンプリング、交配などで、農繁期がありますが、もう一つの材料のイネはまさにこの時期に幼穂形成がおきて、出穂、受粉、受精が起こり、種子というか、コメができます。ので、この時期も農繁期に突入という。。

DSCN7081.JPG 材料はいろいろなところと共同研究をしており、その1つが、宮城県古川農試毎年、サンプリングに出かけています。人手が足りないこの時期ということもあり、担当のM1・田口さんと渡辺で。。。午前中は、普通の雨降りでしたので、まあ、たいしたことはないだろうと思っていたら、labを出る頃には、ゲリラ豪雨の始まり。。。えええ。と思いながら。ただ、雨雲は西から東に、日本気象協会のHPだと、雨雲は仙台より南より。。。なので、北にある古川ならと思ったのが、甘かったです。。。古川に着くまでも、前が見えなくなるくらい。。。試験場に着いたら、小雨に。。。やっぱり、サンプリグは普通にできるのだと。。

 試験場の方に場所の確認を頂き、いざ、サンプリング。半分終わった頃には、これで無事戻れると思ったのですが、それが甘かったです。。。雨雲は思ったより北東方向に流れたようで。。。あっという間に「ぬれねずみ」。。水田に落ちた訳でもないです。。。もちろん。。そんな中で、心頭滅却すれば。。。ゲリラ豪雨もなんとか。。。というくらい。本当にすごい雨でしたが、県南では、それよりもっとすごかったようです。。。

DSCN7084.JPG いずれ、サンプルは手中に。。。来週から、本格的な農繁期が始まりそうです。。。ということで、サンプルの状態確認に多忙なM1の田口さんにかわって。。。試練と修練の半日でした。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. こんな写真しかないのは、もちろん、雨がすごすぎな関係です。。。。


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【出前講義】夏休み大学探検2013(第12回サイエンス・スクール)「花を解剖してみよう」(7/25)

2013年7月25日 (木)

 6/26にお知らせしたとおり、夏休み大学探検2013「花を解剖してみよう」ということで、公募したところ、7名の生徒さんたちが参加してくれました。(当日、都合が付かないということで、1名欠席の6名で実施しました。)。先端研究というのであれば、遺伝子の並びを決めたり、遺伝子を増幅したりできます。ただ、それらは機械がやってくれ、その中身を理解することも大事かもしれないですが、今の中学生が、大学、大学院、研究者などになる頃には、自動でできるかもしれないです。ただ、2つの異なるものの違いを観察すること。もちろん、最近、様々な計測器がありますが、人間の五感を総動員したようなものではありません。そう考えた時、観察することはとても大事です。何より、昔であれば、いたずらというと怒られるかもしれないですが、学校の帰り道で、花をばらばらにしたり、いろいろな悪さをしていました。そういう意味での。。。花をとって蜜を吸ったり。。。ところが、そうした環境ではだんだんなくなってきたこともあって。。そこで、今回の自習では、いろいろな花を解剖して、それを観察する。もちろん、花の基本的なところも理解できるし、花の多様性も。。。また、これを応用すれば、ものを壊してみるということでいろいろなことが理解できるということにつながるのではということで。こうした企画をしてみました。

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DSCN7057.JPG 最初に、市教委の田原様より、このプログラムの趣旨・日程説明を頂きました。2002年に東北大・工学部卒業の田中耕一先生がノーベル化学賞を受賞されたのをきっかけとして、市教委と東北大のこうしたコラボというかアウトリーチ活動が始まったのだそうです。渡辺も初めて知って、あのときのニュースの場面を思い出しました。そのあと、こちらから、上記のようなこの講座の意義と簡単なきょうの実習の説明を。。。。。。それに続いて、花を分けて、細かく観察したり、それを簡易標本として、加工したり。。。初めてこうした細かな作業をしたこともあり、とても熱心に活動していました。また、簡易的なプレパラートを作って、顕微鏡でもっと拡大して。。。顕微鏡も中学校にあるようなものでなく、大学にしかないようなものも使ってもらって。。。今まで見過ごしていたような花の不思議な世界が見えたのではないでしょうか。

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DSCN7070.JPG 実験だけでもよかったのですが、せっかく大学探検となっているので、最後に、研究室など、大学の設備、施設も見学してもらいたかったのですが、時間的なこともあって。。。顕微鏡観察をする時に少し説明した程度で、。。。大学に行ってサイエンスをしたいなという気持ちになったのではと思います。ぜひ、今回のことで花に興味を持って、将来、渡辺の研究室で、一緒に遺伝学の研究ができればと思います。今から楽しみです。

 修了式では、受講生から一言ずつ、挨拶を頂き、こちらから今回のことを通じて、観察するこの大切さを理解してもらって、とてもうれしいと。。また、本来なら、修了証をと思ったのですが、時間の関係で、間に合わなかったので、それに変わるものということで。。あと、今日の実習での写真、顕微鏡写真を入れたCD-Rをお渡しして、無事、終了となりました。

DSCN7080.JPG 最後になりましたが、本企画を頂きました、仙台市教育委員会・清野様、田原様、高橋様をはじめとする関係の方々に、お礼申し上げます。次年度以降も、同じようなテーマかもしれないですが、また、コラボできればと思います。また、研究室の増子さん、伊藤さんには、準備から配付資料、顕微鏡観察のお手伝いまで頂きました。ありがとうございました。

DSCN7050.JPG わたなべしする

 PS. 参加してくれた生徒さんの中に、七北田小学校のNSPで講義をしていた方も。中学生になって、また違った形ですが、参加してもらったのは、うれしい限りです。おまけに、最後に夏休みの宿題ということもあったようですが、「科学者・教授」についての取材も受けました。ありがとうございました。先日の仙台二華中の「スタディツアー」研究室訪問に続けてです。また、こうした出前講義をした方々と、どこかでお会いできるのを楽しみにして。。

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比較、梅雨、絶滅(7/24)

2013年7月24日 (水)

 実験をすると対象区、つまり、比較対象となるcontrolが必要になる。当たり前のようであるが、これに気がつくまでには、ずいぶんとかかったような気がする。さすがに論文を書くようになってからは、図表のことを気にするので、controlがないとおかしいと気がつくようになり、あらかじめそれを考えて実験できるようになる。もちろん、実験区同士の比較も必要である。そのためには、統計的に処理をして、有意な差があるかを検証することも求められる。今でこそ、Excelでそうした計算もできるらしいが、自分で計算する時には、教養部の頃に使った統計学の本を持ち出して、計算している。論文を書いたはじめの頃に、分離比を計算するために、その本の意味を理解しているから、使いやすいのかもしれない。本当は、もっと簡便で使いやすいものがあるのかもしれない。それこそ、比較して、新しいものへ脱却することも必要と思うが、そうは簡単ではない。比較といえば、インドネシア沖とタンザニア沖のシーラカンスのゲノムが決まって、比較すると、物理的に離れているのに、0.18%としか違わないとか。。。比較して初めてわかったとはいえ、不思議なことである。。。

 仙台は未だに梅雨明けしない。残っているのは、北陸、東北地方だけ。今日も雨が降っている。。。気温が何とか、20oCを越えているので、低温注意報が出ないで、冷害にはならないだろうと少しほっとしているが、今がちょうど、幼穂形成期、そのあと、減数分裂期、受粉のステージにかけて、低温に弱くなる。お盆が過ぎるまで、安心はできない。その意味からすると、本当はその年のお米の収穫が終わって、一段落なのだろう。実験も同じで、最後の最後まで気を許さないというか、ほぼ終わったところが、半分終わったものだと、指導してもらった教授の先生にいわれた。確かに、ほぼ終わったと思える90%くらいまでにかける時間・気合いと、最後のツメをする気合いと時間。同じくらいなのかもしれない。そういえば、昔のことわざに、「◎△は、下駄を履くまで。。。。」というのがあったような。下駄を見つけて、はなおがきついと、簡単に履けないからそう言うのだろうか。。。。というより、下駄を履いて、浴衣をきてという季節になってほしい。。

DSCN6628.JPG シーラカンスは絶滅危惧種なのか、もっと絶滅しそうなのか。。。大昔の生きた化石といわれるくらいなので、昔のままどこかでひっそり生きていた。。。(たぶん。。。)。としたら、海の中には、そんな不思議なものが、。。ジャングルの中にも。という気がする。子供の頃に、海水をどこかに吸い上げて、持ち上げることができたら、深海に恐竜がいるのではと思っていた。もちろん、そんなことできないし、。。。ただ、できたら、おもしろい。植物と違って動くので、局所的に水をなくせばよいというのでなくて、なので。。。海を動くといえば、マグロ。速いらしい。そのゲノムが明らかになった。クロマグロも、資源は枯渇している。同じようにウナギもそうである。土用の丑の日にウナギがなくならないように、また、マグロの刺身が食べることができるように、ゲノム情報をこれまで以上に利活用してほしい。。。もちろん、自分たちの研究している、ハクサイのゲノムも十分に活かして、。。と思う訳で。。。なくなってから、その大切さを感じることは、生き物だけでなく、書類だったり、日常の生活にたくさんある。。。しまったと。そうならないうちに。。そう思わないようにするためにも。。。なくさないようにしないと。。。


 わたなべしるす

 PS. 本題とは関係ないが、「仙台市青葉区川内亀岡北裏丁」でクマを発見とか。。。片平からは少しあるが、東北大の敷地の近くではないのかな。。。。

 PS.のPS. 先日までは、河北新報に記事を掲載していましたが、去年は、愛媛新聞へのコラムその9/9(日)の時に、甲子園でのプレーでとてもトリッキーなことが起きたと。それは、昔読んだ、ドカベンにもあったと。。。そのプレーとは違いますが、審判が落とした、新しいボールで。。という、これも、ドカベンをよんでいる方なら、そのシーンを思い出されるのでは。。。(確か、2年生春決勝の対土佐丸戦)。。そんなことが、現実に起きたとか。。。マンガだからといって、そんなことは起きないとは思わないようにしないと。。。何が起きるかわからない、そんな世の中なのかもしれません。。。

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Plant Biology 2013 in Providence

2013年7月22日 (月)

Plant Biology 2013 に参加するため、アメリカのロードアイランド州、プロビデンスに来ています!

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まず、空港から出て思ったこと。
暑い!!!!!!!!!
サウナにいるのではないかと思うほどの暑さ。
ニュースを見たら、体感気温は40℃くらいだったそうです。
長年東北に住んでいる私にとっては初めて経験する暑さでした。
しかしこれは記録的な暑さだったようで、今日の最高気温は27℃程のようです。

そして、2日目の夜には雷にも遭遇しました。
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雲の中で光っているのが雷です。
日本ではなかなか見ることのない大きな雷雲でした。


さて、Plant Biology 2013の会場近くはプロビデンスの中心部。
アメリカの昔ながらの建物が多い、きれいな街です。
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会場はとても広く、国際学会は規模が違うなと感じました。

P7210099.JPG P7210101.JPG
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植物の研究に関する様々なシンポジウムが開かれています。
pollenやseedなどのシンポジウムを聞いてきました。
やはり聞き取れない部分も多く、改めて英語の重要性を感じています。

また、今回参加している方々を見ると、女性が多い。
男性と女性、約半々くらいではないでしょうか。
日本だと男性が多いイメージですが、世界だと女性研究者もたくさんいるのだなと感じました。


さて、今回私はポスター発表で参加しています。

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初めての国際学会発表なのでとても緊張しています。
英語で自分の研究を説明するという貴重な機会を頂いたので、
しっかり勉強して帰りたいと思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アメリカに来たということで、アメリカらしい食べ物を紹介します。

会場近くのショッピングモールの中にあるフードコートで
Sakura Japan という日本食のお店を見つけました。そこでTeriyaki Chikin を頼んでみました。

P7210080.JPGのサムネール画像

写真だと大きさがわからないかもしれませんが、このランチボックスは
20cm×20cmぐらいあり、高さも十分。
とてもボリュームのあるご飯でした・・・・。
これを見て、アメリカの人はこれが日本食だと思っているのかなと考えてしまいました。


次はこれ。

P7210117.JPGのサムネール画像

アメリカらしいスイーツを食べたい!ということで、
アメリカ国旗をイメージしたドーナッツを見つけました。
中には真っ赤なジャムがたっぷり。
アメリカスイーツを満喫できました。


残り数日となりましたが、学会で多くのことを吸収し、
アメリカでしか経験できないこともたくさんして帰りたいと思います。

M2 曽根




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【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP七北田小サマー講座「子供が転んでも「ただ」では起きない人生を歩むためには---一科学者の子供時代を振り返って考える。。。---」(7/22)

2013年7月22日 (月)

 4年連続のNSP七北田小サマー講座。春先から、田植えキャベツとブロッコリーなどの講義に伺い、NSP(Nanakita Science Project)の方も順調に進展しているかと。また、NSPの卒業生の方が、中学校に進んで研究室の方に訪問してくれたりしました。また、今週の後半には、「夏休み大学探検2013」という形で、仙台市教育委員会との連携ですが、NSPの卒業生の方が実験にいらっしゃいます。ありがたいことです。

DSCN7000.JPG さて、NSP七北田小サマー講座は、保護者と子供さんが一緒になってという、例年取りの形で。講義内容は、いわゆる「キャリア教育」。渡辺自身をモデルとして、小学校時代から現在に至るまで、どの様に過ごして、何を考えてきたのか、といういつものお話し。

DSCN7012.JPG 小中学生は、昭和40-50年代に過ごし、その時、どんなことをして、どんな失敗をして、それから何を学んだのか。最近は、失敗をすることを恐れて、親が先回りするということを多く目にしたり、聞いたりします。そうではなくて、小さい時に、小さな失敗をすることが、大きくなって、その失敗が生きてくると。ぜひ、いろいろなことにトライしてもらえればと思います。トライという意味では、あやとりをみんなの前でやってくれた子供さんも。たいしたものだと思いました。

DSCN7007.JPGDSCN7011.JPG 前半は子供さんたちが多く、ちょうど、小学生の頃の話ができ、後半にかけて、保護者の方々が多く参加頂いたので、人生の選択ということについて、うまく話ができたのではと思います。

 今年は配布を失念していたのですが、昨年11回、愛媛新聞に寄稿した「道標」の案内先の日曜日まで河北新報に掲載していた「科学の泉」についても、最後にご紹介しておきました。HPには難しいことではなく、いろいろなことがあるので、ぜひ、見て頂ければと。。

 講義が終わったあとに、いくつか質問をいただきました。ありがとうございました。子供時代のこと、学習のことなど。今回のことが刺激となり、親子で将来のことを話す良いきっかけになれば、幸いだと思います。今は小さくても、将来、大きくなるために、いろいろなことを話して頂ければと。。

DSCN7029.JPG 最後になりましたが、夏休み前の忙しい時期にお世話頂きました、校長先生、教頭先生、理科の椎名先生をはじめとする七北田小学校の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。夏休み明けの元気な子どもたちにまた講義ができるのを楽しみにしています。


 わたなべしるす

 PS. 講義終了後、理科の椎名先生と野生イネの10品種の観察と給食のメロンの種が発芽したというか、すでに、メロンの苗になっているものを拝見しました。周りに、virusにかかって、萎凋している植物も多く見られ、少し注意が必要かなと。

DSCN7030.JPG イネは、少し窒素肥料不足で、色が薄くなっているのが気になりました。ぜひ、追肥をお願いできればと思います。先週あたりから、ちょうど梅雨前線が近いようで、仙台らしい梅雨寒になっていて。。少し生育が心配になっていますが、梅雨が明ければ、暑い夏になって、イネが実ったり、メロンの花というか、開花、結実が起きるのではと楽しみにしております。

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