東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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蛇口、大リーグ、入れ替え(8/19)

2013年8月19日 (月)

 今日も東北北部から北海道にかけて前線があり、かなりの雨が降っているようである。北海道では函館本線が不通になっている。お盆明けのこの時期にはかなり痛手である。仙台は相変わらず、晴れていて、空からの蛇口がもう少し均等にならないものかと思う。適切な時期に、適切に降るから農作物の栽培ができたり、普段の飲み水に困らない。降ってないところでは、カラカラに乾いていて、とても困っている。鹿児島、沖縄の離島ではサトウキビの栽培が大変というのを見た。何とか、蛇口なのか、ホースなのか、空から回せないかと思った。そんなことができる技術があれば。。。鹿児島といえば、昨日の夕方は驚いた。これまで鹿児島に何度も出張していて、火山灰が降っているのは見たことがあったが、こちらが外に出ないといけない時間帯、それも、ちょうど移動中に5,000mまで噴煙が。。。東からの風に乗って、鹿児島市内を直撃。。。噴火という蛇口も制御できればよいのだが、自然があいてではいかんともしがたい。。。せめて、自分の使う蛇口くらいしっかりと制御して困っているところに貢献しないと。。

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DSCN7189.JPG 四国・今治の生まれと時代背景もあり、野球はよく見る。今の時期だと、高校野球、プロ野球、大リーグと忙しい。英語が苦手ということもあり、もちろん日本語での解説であるが、大リーグを見るのも苦手なのかもしれない。グローバリゼーションへの適応度が低いのかもしれない。確かに、子供の頃から慣れ親しんだ、ボールカウント、ストライク、ボールの順で数える、2ストライク3ボールという2-3の方が、違和感がない。もちろん、高校野球でも3-2という言い方になる。三振でないのかと思ってしまうのは、自分だけではないと思っている。日本でもきわどい判定には、プロ野球であれば、監督が出てきて抗議する。日本だと、ホームランの判定にはビデオ判定もあるようだが、大リーグでは、例えば、盗塁の判定にも、それが可能になるらしい。ただ、監督の抗議が間違っていれば、抗議する権利が減少するけど、監督の抗議が正しければ、それはないらしい。アメリカンフットボールでも、同じようなビデオ判定があるようだ。プレイを止めることが基本のアメリカンフットボールなら。。。。もちろん、スポーツ以外でも審判とのやりとりのようなことはある。論文を雑誌に投稿すれば、editorとのやりとり、reviewerへのコメント。。。科研費であれば、書類を書いて審査され、その結果が不可の時はどこが悪かったのか示される。もちろん、審査員は後日公開される。このようなのもグローバリゼーションの一環だといえる。一概にどこがよいとか、悪いとかはいえないかもしれないが、透明性というか、きちんと制御されているというのがわかればこそ、それをやっているヒトには安心してその仕事、プレーができるのではないだろうか

DSCN7134.JPG 仙台に戻って今年で9年目。あっという間である。子供頃であれば、何より野球を見ていたが、今ではサッカーの方が多いかもしれない。こんなのが視聴率に影響しているとしたら、。。申し訳ない。。。ただ、J1のサッカーも最初の頃よりはテレビで中継がない。ただ、そのぶん、netなどで速報だけはわかる。臨場感がないので、盛り上がりに欠けるが。。情報がないよりはほっとする。仙台にきた頃は、J2だった。なかなかJ1に上がれず、それでも毎年のように年間シートを買って、応援なのか、ヤジなのか、。。。サッカーの文化がわからず、野球文化のままで、よかったら、拍手だが、だめな時はやじる。もちろん、サッカーでもだめな時は、容赦なく、ブーイングがある。勝たないといけないホームゲームで勝てない時、連敗の時、J2に落ちそうな時、落ちるのが決まった時。。。等であろうか。リーグにランクがあって入れ替え戦があるというのは、サッカーの世界ではグローバルスタンダードなのかもしれない。野球だと、大学野球くらいでしか見たことないような気がする。ただ、この入れ替えというのがあるからこそ、がんばれる側面は大きい。よい時は評価する、だめな時は下部リーグに降下する、というようなことは、どの様な場面であってもよいのかもしれない。ある種の緊張感を持つために。かって、1番になろうと思うからこそ、がんばれるのであって、最初から中途半端にやるのは、緊張感がなく、組織全体も盛り上がりに欠けるのではないだろうか。それこそ、中途半端にやっていると、蛇口から一雨降らされるような刺激がほしいと思うくらい、暑い夏である。。。

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 わたなべしるす

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【出前講義】ダイコン多様性研究コンソーシアム(コアSSH)・小学生向け科学体験教室(8/18, 火山灰写真追加)

2013年8月18日 (日)

 昨年度は、小学生向けに自由研究のヒントのような教室を高校生が主体で行いました。その評価が高かったことから、今年度も「小学生向け科学体験教室」ということで、石川県立小松高等学校・寺岸先生、宮城県仙台第一高等学校・小松原先生、鹿児島県立錦江湾高等学校・郡山先生、樋ノ口、讃岐先生と3校の高校生がmainで、こちらはサポーター的な形で、出前講義。参加されたのは、市内の小学生と保護者の方、20名弱。去年より少なくなったのは、ちょうどお盆明けすぐという時期も重なったのが、関係したのかと。。

DSCN7165.JPG 小松高校の出し物は、樟脳ボート、ベンハムのコマ。仙台第一高校は、花の解剖、蛍光発色(ホタライト)、酵素花火。錦江湾高校は、人工イクラと物理、化学、生物という多種多様で。夏休みの実験だけでなく、理科が好きになるきっかけになれば。。。。簡単にできる実験からちょっと難しい実験まで。今回はうまくいかなくても、家庭にあるような材料がほとんどです。ぜひ、また、自宅に戻って、トライしてみてください。実験はいつも成功する訳ではなくて、たくさんの失敗をするからこそ、そこから学ぶことがあり、上手になるものですから。。。

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DSCN7169.JPG 渡辺はこうした企画をサポートしながら、必要に応じて、コメントしたり、こんなことですよと。最後に話す機会を頂き、これからの科学にとって、小さな時代にどれだけ自然を観察するかという観察力がより大事になると。機械はどんどん進化しますが、違いを見つけ出すのは、やっぱり、人間の目だともいますので。学校の行き帰り、外で遊んでいる時、植物など、たくさんのものを観察してみてくださいと。。。。

DSCN7177.JPG 今回の企画と実施頂きました、関係の高校の先生方、何より生徒さんたちにお礼申し上げます。


 わたなべしるす

 PS. 子供たちより、先生方に人気がある企画も。。。それだけサイエンスレベルが高いのではないかと思います。さらに精進してもらえればと思います。

DSCN7170.JPG PS.のPS. 想定以上に夜温が下がらず、30oC近い夜温には、毎晩困りました。。。人間がdownするだけでなく、コメの品質低下を気にしていたら、最後の最後に「最高級の火山灰の襲撃」にあいました。。。桜島からの。。。3日間の鹿児島だったのですが、やられるとは。。。。。

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 PS.のPS.のPS. この火山灰は地元の方にも滅多にないことだそうです。。。2hrほどで、道路は真っ白というか、灰色でした。。。この鹿児島に住んでおられる方々に敬意を表したいと思うほど、すごかったです。

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【出前講義】鹿児島県立錦江湾高校・コアSSH「課題研究支援ネットワークと教育資源活用プログラムによる中核拠点形成」・研究発表会コメンテーター(8/17-18)

2013年8月18日 (日)

 一昨日の運営指導委員会に続いて、2日間は今年度の研究発表会。昨日も書いたとおり、「ダイコン」が出発点だったですが、それ以外の分野への展開もすすめる2年目。そんなこともあり、全体の1/3の課題は、ダイコン以外の研究で、動物、食物、火山灰、火山雷、津波など、去年とはまた趣も異なり、相互に連携もできるのではと。。

 研究計画発表を聞いていて、気になっていたことは質問しましたが、いくつか記しておきます。新しい実験をしているチームもあれば、先輩の実験・研究を引き継いでいたり。。。その時に、せっかく興味深いことを先輩が発見しているのに、それを継続して、追求しないのは、少し残念なのでは。。。もちろん、引き継ぎをする方々の興味もあると思いますが。。。また、植物、作物であれば、それが生育している環境などをしっかり考えて、やっている実験が自然環境からの何を見ているのかということ、つまり、自然界でそうしたことが起きないことを実験するとしたら、実験のための実験にならないかと。。また、実験をするためには、様々な準備が必要です。ダイコンを使うとしたら、まず、種子が必要です。市販の品種であれば、購入すればよい訳ですが、例えば、ハマダイコンのような自分で種子を増殖しないといけないものは、その労力も実験のうち。そこを計算に入れないと、実験系は機能しなくなります。時間の制限もあるかもしれないですが、グラフだけでなく、可能な限り、実際の現物の写真があること、その写真に物差しがあれば、大きさも想像できます。

DSCN7163.JPG 遺伝学の実験もいくつかありましたが、考えなければならない要因はできるだけ少ない方が、結果を考えやすい、つまり、なるべく単純系にするということではないかと思います。そんなこともあり、特定の染色体の領域のみ置換したような系統もあります。もちろん、イネとか、シロイヌナズナとかのようなモデル植物の場合ですが。。。そうしたものを使うのは難しくても、できるだけ、比較するものの遺伝的背景をそろえるというのは、実験を組み立てる上で、考えないといけないと思います。大変かもしれないですが、ぜひ、トライしてみてください。もちろん、遺伝学だけでなくても、実験は単純系の方が比較しやすいです。統計を駆使して、複雑系を扱う方法もありますが、主成分分析のような多変量解析として。。。ただ、高校生が扱うのは、大変さがかなりあると思いますので。。。いずれ、次回の発表会で、おもしろいdataが出るのを楽しみにしておりますので。

 いつも議論となるのは、繰り返し実験と統計処理。育種、遺伝学というところでは、分離比などを検定するのは、当たり前のようにたたき込まれているのですが、高校生レベルでは、受験に出題が少ないということから、統計は余り、数学で扱わなかったような。。。ただ、課題研究では、測定値の間の有意な差があるかないかは、重要な問題。ただ、それをどうやってこのコアSSHで指導するのかということで、今回は、運営指導委員もされている、鹿児島大の秦先生が「科学データの統計的取り扱い--入門編--」ということで、正規分布、分散、推定、検定、相関などについて、いろいろな例を出して、課題研究をやる高校生、指導される高校の先生方には、参考になったのではないかと思います。というか、こちらもたくさんのヒントを頂きました。ありがとうございました。

DSCN7164.JPG 各校の交流をするために、3min speechと質疑。3minで自分の学校、県のことを宣伝できるくらいのしゃべることはSSHをやっているからには、ぜひ、身につけてほしいことだと思います。プレゼンをする上でも、しゃべることは、大事ですから。交流会の最後をしめてくれたのは、運営指導委員会の委員長をされている鹿児島大の内海先生から進路というか、人生というか、そんなことについて。自分の癖を知る、目の前のことを努力する、自分で決めて自分で覚悟を決めて実行する、ヒトとの出会いを大切にするなど、たくさんありましたが、他の運営指導委員の先生方もほとんど共通していて。。。人生とは、そんなものなのかもしれないなと。。。また、1日目の会議終了後には、各校の先生方とSSH、課題研究などを含めて、deepな議論を含めて、今後の方向性、出前講義の依頼などもいただきました。ありがとうございました。

 2日目の講演会は、防災について。これもこちらに来てから毎日のように降ってくる桜島からの火山灰に苦労されている都市ならではという感じを受けました。実際には、鹿児島大の柿沼先生から「津波の数値シミュレーション」という演題で。もちろん、2011.03.11の東日本大震災のことは、忘れることはできません。実際に東日本大震災の時には、現地調査にも入られた方と。。。講演では、津波、山崩れ、土石流、火砕流等の実際のモデル実験とそのシミュレーションの比較。あのときのことを思い出すとともに、その物理的な基礎、こうしたシミュレーションを他にも応用できないかなと。。。。最後の締めとしてよい刺激を頂きました。ありがとうございました。

DSCN7133.JPG 最後になりますが、今回の会議をorganize頂きました、鹿児島県立錦江湾高校・郡山先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 生徒交流会の中で、なぜ、SSHをがんばることができるのかということについて、「高校がSSH予算で潤うから。。お金が来るから。。。」というのが、。。。高校の時から、こうした意識を持っているというのは、感動でした。自分たちももっとたくさんの論文を書いて、科研費をがんばらないといけないと。。。。自分もまだまだなと。。反省しきりでした。。。とてもすごい刺激になりました。ありがとうございました。

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盆、サンプリング、と思うじゃん?(8/16)

2013年8月16日 (金)

ご無沙汰しております。
この春になべ研を卒業いたしました、前田と山村です。

イネの最盛期ということで、急遽駆けつけて参りました。
ですが、皆さん手際よくサンプリングをされるので、
ほぼ戦力になりませんでした。

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わたくし、前田はGWにシルバーシャークを引き取りました。
迎え入れてから1年が過ぎ、とても大きくなりましたのでご報告致します。

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90cm水槽で、のびのびと泳いでおります。

また、グッピーの繁殖にも挑戦中です。
ブルーリボンのF1個体をラボ水槽に里子に出しました。
レッドグラスの♂とブラオの♀個体となっております。
この2匹がカップリングして、ブルーグラスが沢山生まれることを期待しています。
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山村は山口県の光市というところで働いています。
外を歩けばヤシの木が自生しているような温暖なところです。
今回はお盆休みということで、実家の長野に寄ったのちラボに顔を出し、懐かしい気分になりました。
皆さん元気なようで何よりでした。
手土産はお菓子よりも某栄養ドリンクのほうが良かったという方はまたリクエストください。

以上、植物生殖遺伝分野の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

OB・前田、OG・山村

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【出前講義】鹿児島県立錦江湾高校・コアSSH「課題研究支援ネットワークと教育資源活用プログラムによる中核拠点形成」・運営指導委員会(8/16, 追記あり)

2013年8月16日 (金)

 きのうは、福島高校のコアSSHの来年度の企画打合せ。今日からは、鹿児島・錦江湾高校のコアSSH。錦江湾高校はダイコンコンソーシアムに始まり、コアSSHの地域中核拠点形成に移行して、今年が5年目。やっぱり暑いです。地球温暖化の影響というか、この夏の特徴というか。温暖化の影響で、リンゴが甘くなるという新聞記事を今朝見かけました。温暖化だと農作物の栽培適地が北にずれるという余りよくないことはありましたが、こうしたpositiveなこともあるのだなと。。。(PS. 夕方に、NatureのHPを見た時に、このことが記事になっていました。原著はdownload freeで、なるほどというものでした。)

DSCN7150.JPG 地域中核拠点形成は、3年プログラムの2年目。ダイコンコンソーシアムで蓄えた研究力、地域発信力を他の教科への展開という横串を目指す年度。これまで以上に研究などがheteroになり、ダイコン研究が物理、化学分野との融合。また、物理、化学、地学の研究もずいぶん増加して、地域中核拠点となってきたのだと思っています。また、地域の科学力強化に向けて、高校生が小中学校へ出前講義等を行う形態で、小中高大連携を目指すという形に発展していると思っています。また、ダイコンコンソーシアムから参画している遠隔地の鹿児島県外の高校がさらに、その地域の中核拠点を目指すという形態は、この錦江湾高校のコアSSHの特徴ではないかと。というか、発展がさらに楽しみになってきました。参加校などは、また、明日からの発表会でお話ししますが、少し入れ替えはあったものの新しい地域の補強もあり、異分野融合など、少しずつ深化していくのではと。。。。

DSCN7155.JPG さらなる発展性ということで、県内の学校との連携、HPからの発信力、農業高校、工業高校という、普通科よりも長い課題研究歴のある高校の参画などが取り上げられ、今年度もより、深化・進化があるのではと思います。特に、HPからの情報発信は文章力の強化にもつながるということもありますので、ぜひ、より多くの高校から、情報発信されるのを楽しみにしています。

 最後になりますが、今回の会議をorganize頂きました、鹿児島県立錦江湾高校・郡山先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。

DSCN7143.JPG わたなべしるす

 PS. そういえば、大学の掲示に、クミアイ化学工業株式会社・第2回学生懸賞論文募集というのを見つけました。テーマは、日本の農業に若者の息吹を!--農業の未来を考える--、というのがあったのを忘れていました。クミアイ化学工業の農薬はいくつかアブラナの栽培の時にお世話になっていましたが、こうした社会活動というか、こんなこともしているのだなと。。。応募要件が、大学生・大学院となっているので、。。。学生の頃、愛媛に帰るたびに、農業をしている方々が高齢化しているのを見ていて、どうなるのか、どうしたらよいのかなど、農学科の懇親会で農業経営の酒井教授などと議論をしたのを思い出しました。SSHの中で農業高校の話題が出たので、脳みその片隅にあったのを思い出しました。HPを見ていてくれている、大学生・大学院生の方、トライしてみてはいかがでしょうか。長い文章を書くというのも、よいトレーニングになると思いますし、懸賞もあるそうですので。。。何あれ、表彰されるというのはよいことですので。。。

 PS.のPS. こちらが記事をあげてすぐでしょうか、この3月に卒業された前田君山村さんがイネのサンプリングに来てくれ、記事も書いてくれていました。ありがとうございました。こちらが出張でお目にかかれなかったのが残念でした。また、研究室にいらしてください。

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