東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】青森県立三本木高等学校・SSH特別講義「大学教授から見た高校生の進路選択へのアドバイス」と討論会(9/11)

2012年9月12日 (水)

 昨年の3/11から今日でちょうど、1年半。あまりにあっという間で、最初の頃にずいぶんと綴っていた、「3/11(金)、14:46から今日まで、」も、しばらく綴っていません。余裕がないのもあるのかもしれないですが、研究室、大学、仙台市内の見えるところでは、大きな変化がなくなったからかもしれません。もちろん、研究室に傷跡はありますし、山の上の工学部では建物を壊して、立て直しというところもあるわけですから、そう考えれば、まだ、これから、復興というところだと思います。昨日も、石巻高校の2人の先生がいらして、SPPの実験の打合せをしましたが、石巻の周辺ではまだまだというところばかりのようです。

 そんな日ですが、今回は青森県立三本木高等学校のSSH特別講義に。東北新幹線の新青森までの開通にあわせてできた「七戸十和田」駅から車で30minくらいにある十和田市の高校。青森では、これまで、弘前高校、八戸北高校に出前講義などで伺ったことがあり、これが3校目です。三本木高等学校が中学校を併設しているということもあり、今回の講義は、中学1年から高校3年生まで6学年全部。これだけの大人数でしゃべるのは、愛媛県立松山南高等学校の文化講演会で全校生徒にお話しして依頼。さすがに人数が多いというのは、緊張しますね。また、講義対象が広くなるというのも、少しというより、かなりプレッシャーでした。

DSCN3501.JPG 講義内容は、いつもというと失礼かもしれないですが、「キャリア教育」。講義を始めようとしたその瞬間から、バケツをひっくり返したような「ゲリラ豪雨」。しゃべるのに大きな声を出しても聞こえにくいくらい。5-10minくらいでしたが。。。びっくりでした。渡辺自身が小学校から、中学、高校とどのように過ごし、何を考え、東北大に来たのか。東北大で、今の実験に出会って「今がある」という。人生は選択の連続であり、それをどう決断するかということ。その決断をするという時期のまさに直前の中学から高校の時期にいるということを話したわけです。高校までだと、文理の選択はあるかもしれないですが、それ以外には大きな選択もないはずですが、これからの人生では選択の連続。その選択が人生を分けるわけです。。。ぜひ、いろいろなことを考え、前向きな選択をしてくれればと思った次第です。中高一貫校で、中学生がとても元気だったのが印象で気でした。

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DSCN3511.JPG 講義のあとには、東北大、農学部志望という生徒さんとの懇談会。この懇談会から、この三本木高校の卒業生で、生命科学研究科の東谷研の卒業生でもある、苫米地さんにも合流して頂きました。忙しいお仕事の合間を縫って、参加頂き、ありがとうございました。東谷研とは共同研究をしていたこともあり、苫米地さんの修士論文の副査をつとめたり、2010年には、ProNASに共著で論文もあったりで、また、このようなところでお世話になるとは。世の中、狭いものだと。。。懇談会では、東北大の現状、農学部に進学してから、大学院のことなど、しっかりといろいろなことを考えているなと。ぜひ、大学院からいっしょに研究ができればと思います。苫米地先輩のように。

 最後になりましたが、SSH担当の福島先生、嶋先生、進路担当の木村先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。また、


 わたなべしるす

 PS. いつもであれば、懇談会の写真、生徒さんたちの写真などを撮るのですが、あまりに大勢への講義だったり、雨が降ったりで。。。ちょっと、注意力が落ちていたようで。撮影を忘れていました。。。また、伺い、次の時には、ぜひにと思います。



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福島県立福島高校の状況

2012年9月 9日 (日)

こんにちは。学生アルバイトをさせて頂いています、農学部一年の南條光香です。再びダイアリーを書かせていただくことになりました。今回は、福島に帰省して2度訪れた、私の母校である福島県立福島高校での出来事について書かせていただきたいと思います。

福島県立福島高校は私も高校3年間通った、大変思い出深い場所です。しかし、昨年の東日本大震災の影響により福島高校は(元々耐震強度Dランクという恐ろしい校舎ではあったのですが...)校舎の一部がプレハブとなり、ただいま新校舎建設中です。今回、お世話になった先生方に会うべく、高校時代の友人高島葵とともに5か月ぶりに訪れてみました。

CA7PLHLF.jpg<訪問1度目>
8月9日。お盆前であるし、なにより私たちが会いたがっていた橋爪先生がいらっしゃる日だったので、他にも多くの先生方がいらっしゃるだろうと踏み、訪れてみるものの大外れ。職員室はガラガラであまりの少なさに二人して驚いてしまいました。とはいうものの、話は盛り上がり、気づけばSSHの全国発表会からポスター賞を片手に原先生が帰って来られる時刻に。さんざん話しこんで、とっぷり日が暮れてしまいました。とても楽しかったです。先生方、お疲れの中ありがとうございました。

<訪問2度目>
8月29日。訪れてから知ったのですが、この日は福島高校の文化祭・梅苑祭の開催日2日前で福高生は、その準備に勤しんでいました。去年は震災の影響で開催できなかったのですが、今年は非公開でありながらも、開催できたようでとてもうらやましく思いました。しかし、プレハブ校舎は使用できないのでテントを使用するのだとか... 

今回は、平日ということもあり、お世話になった多くの先生方とお会いすることができました。色々な話が聞けて大変よかったです。また、偶然にも以前の私の回のダイアリーで少々ご紹介させていただきました石田真菜と会いびっくり。つい半年前の高校時代を思い出しました。さらに、橋爪先生のご厚意により高島さんと私は夕食をごちそうになることに!石田さんは誘ったのになぜか帰ってしまった... 彼女らしいけれど。高校の先生と女子大生二人で三人して自転車移動はとてもシュールでおもしろかったです。先生、おいしかったですありがとうございました。今度はぜひ父の福寿司に足を運んでくださいね。また 近いうちに福島高校に訪れたいなと思いました。

CADARBJV.jpg久しぶりに訪れた母校は、少々形が変わっていたものの空気感は相変わらずでとても嬉しく思いました。お世話になった先生方や同級生とたくさん話すことができ大変楽しかったです。たった半年前なのに懐かしく思え少々不思議な気分でした。

また定期的に福島高校の変化を目撃していきたいと思いました。

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夏休みも終わって。。(9/2)

2012年9月 2日 (日)

 久しぶりに朝、仙台でも雨でした。この夏はかなり雨が少ないので、少しでもあれば。。来週にはもう少し雨が降って、少しは涼しくなるのでは。大学にいると、暦上、夏休みは9月いっぱい。10月からが後期に。ただ、どうも頭の中は、高校生までの夏休みは8月いっぱいと言うがなくならないのも事実で。夏休みにやらないといけない「宿題」も終わったのか。。まだいくつかあるような。何とかしないといけないと思いつつ。と言うことで、この夏休み(7, 8月)のこんなことがあったというのを整理したいと思います。

 HPに記す時間がなかったのですが、8/30の早朝に、宮城県沖地震が。。M5.6。久し振りに大きなものでした。出張先で知って、labなどを確認したところ、軽いものが少し落下したくらいで。何も被害がなかったといってもよいのかもしれません。3.11の大地震の時には、その2日前に「前震」があったので、この週末が危ないのかと。。。直接関係ないかもしれないですが、フィリピン東方海上で、8/31の夜に、M7.6の大きな地震が。テレビには津波警報も出て。。何とも言えない緊迫感でした。翌朝の情報では特に何もなく、ほっとしたものでした。地震といえば、SSHの関係で鹿児島出張した折りに、仙台空港から沿岸部を見たとき。ずいぶんと緑の水田が海岸近くまで広がっていたのには、ほっとしました。3.11から1年半ほどですが、少しずつこうした農業環境も戻っているのだと。。。一方で、7/2で、釜石高校におじゃましたときには、震災後初めて、津波被害を受けたところを、この目で見たときには、目をおいたくなるような。また、当日の様子を現地の方から聞いたときには。。。町並みが少しずつですが、復興していたのには、住んでいる方々の心意気というか、がんばりに感動したのを思い出します。

DSCN3460.JPG 夏休みは、イネをやっている研究室では農繁期。特に、花を扱うとなると、穂孕期から開花まで1週間程度。品種、処理条件などが違うと、少しずつずれはするものの、一気にサンプリングしないといけない、毎年恒例の行事というか、作業というか。。。今回も、イネチームの方を中心に、アルバイトさんもたくさん手伝って頂き、ずいぶんたくさんの葯のサンプリングが出来ました。これを1つでも多くの業績につながるようにと。。。

 アルバイトさんたちには、研究室の様々な仕事を手伝ってもらっただけでなく、HPに日々のことを書いてもらう試みも始めました。帰省中のこと自分の出身校への訪問毎日の生活のこと観察したこと旅先での出来事、今までは、lab memberというと大学院生以上に限られていたのが、もう少し若い世代の目から見た世界も綴ってもらうのがよいだろうと。これからもlab memberだけでなく、こうしたアルバイトさんからの目ということで、研究室を紹介したいと思います。

DSCN3469.JPG この夏休み中に論文発表がなかったのは、。。。自分を含めたlab memberの努力がということだと思います。いわゆる「夏休みの宿題」をちゃんとやるということだったと。。。これをきちんと反省して、constantに論文発表出来るように。自戒を込めて、記しておきたいと思います。lab memberといえば、夏は大学院の入試。来年からのメンバーも1名増えることになりました。まだ、II期の募集も行います。ぜひ、われはという方、10/13のopen labにいらしてください。お待ちしております。

 その代わりというのは、あれですが。。。社会貢献というか、出前講義、研究室訪問ではかなりの方々と交流が出来たのは、次の世代を考えた時、よかったことであろうと。少しだけほっとしています。研究室に来てくれた方々も、いつもの高校生(釜石高校観音寺第一高校小松高校、松山南高校高志高校秋田南高校相馬高校錦江湾高校浦和第一女子高校秋田県教育委員会)だけでなく、小学生が夏休みの実験ということで。渡辺自身が染色体の実験というの久し振りでしたが、いろいろな方々に教えてもらいながら、何とか。。それから、大きなイベントとして、「科学者の卵」と「植物生理学会」との合同で、高校生向け、シンポジウムを行いました。夏休みの忙しい時期というのもあったのかもしれないですが、100名を超える生徒さんたちに参加頂けたのは、何よりだったと思っています。ありがとうございました。

DSCN3422.JPG 最後になりますが、夏の初めの頃は、ずいぶんと低温が続いて、もしかしたら、冷害になるのではと思ったほどでした。。。ところが、梅雨明けからは、好天に恵まれすぎというくらい晴れが続き、今では、秋にかけて渇水対策本部が出来るのではといわれるくらい雨が降っていません。。。。今週はずいぶんと雨の予報も出ており、一雨毎に秋らしくなることを祈りつつ。。。


 わたなべしるす

 PS. 昔のシステムで見るのが大変だったものを少しずつ、現在のHPの形式にchangeして見えるようにしています。7, 8月に1度ずつ、行いました。古い記事と思われるかもしれないですが、意外な発見があると思います。ぜひ、ご覧ください。



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【出前講義】鹿児島県立錦江湾高校・コアSSH「課題研究支援ネットワークと教育資源活用プログラムによる中核拠点形成」・コメンテーター、研究指導(8/17-18)

2012年8月18日 (土)

 昨年度までの3年間、コアSSHのコンソーシアム型の研究であった「ダイコンコンソーシアム」。今年度からは地域中核拠点形成へ。ダイコンコンソーシアムで培ったものを、他の教科、科目に広げるという興味深いものです。タイトルもずいぶん長いのですが、「課題研究支援ネットワークと教育資源活用プログラムによる中核拠点形成--ダイコンコンソーシアムを発展させた鹿児島モデルの推進--」。これまでの高校生の課題研究に加えて、小中高大連携という縦のつながりと、教科、科目を超えての横への広がりを持たせた、興味深いものに発展したというべきなのかもしれません。地域中核拠点形成ということで、これからの3年間、どのように発展させるのか、運営指導委員として、これまで以上にサポート出来ればと思います。(HPが、まだ以前のままですが、ダイコンだけでなく、様々な研究発表がされています。)

DSCN3419.JPG 2日間に亘って、今年度の研究計画討論会などが行われ、研究の方向性、実験方法などについて、20弱の高校の研究を議論しました。ダイコンだけが研究対象でなく、物理・天文分野として、5月の金環食の観測、その他の分野では、ゼニゴケ、マングローブ、プランクトン、ミヤマクワガタ(ミヤマクワガタは、子供の頃からとろうと思ってもとれなかった。。。たくさん並んであって、。。。。)など。参加校には、SSH採択校、一般高校、農業高校も。参加校も多様です。農業高校では、創立130年を超える、日本最古の農業高校も。

 ここの討論会のおもしろいというか、すごいところは、生徒さんが発表したあと、運営指導委員だけでなく、指導されている高校の先生方、実験をしている他の高校の生徒さんから、鋭い質疑が交わされるところです。高校生の目線の質疑は何より会議がactiveになります。

DSC05540-s.jpg ダイコンの研究をモデルとして、その研究方法、広がりなどが他の教科、科目に応用され、冬にはさらに発展したプレゼンが聞けるのが楽しみとなる会議でした。何より参加者全員の写真を載せたときに、多いこと。すごいことだと。。感動でした。

 最後になりますが、今回の会議をorganize頂きました、鹿児島県立錦江湾高校・讃岐先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 朝の会議直前(08:46)に九州地方で大きな地震(M4.9)が。。。鹿児島に来て、ずいぶん暑かったので、めまいがしているのかなと思っていましたが、そうでなく、地面が揺れていたのは、びっくりという一方で、自分に問題がないのはほっとでした。そのあと、トカラ列島でも多くの地震(M4.3)が。。。。ちょっと気になりました。


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【出前講義】日本植物生理学会 x 東北大学次世代型「科学者の卵養成講座」高校生シンポジウムで特別講演「植物も自他識別できる?!」(8/6)

2012年8月 6日 (月)

 7/3, 7/16にお知らせしました、「日本植物生理学会 x 東北大学次世代型「科学者の卵養成講座」高校生シンポジウム」で、寺島 一郎 先生 (東京大学 教授)「光合成工場としての葉 --葉はなぜ緑色なのだろうか?--」、芦苅 基行 先生(名古屋大学 教授)「 スーパーライスの開発 --植物の基礎研究を応用して世界の食糧危機を救う--」に続いて、渡辺の方から、「植物も自他識別できる?! --花粉と雄しべのコミュニケーション--」という講義を行いました。当日は昼前に、13mm/hrという雷を伴った豪雨があり、びっくりでした。

 最初に、植物生理学会長をされている名古屋大・教授の町田先生から、なぜ、学会として、この科学者の卵養成講座をサポートしたのか。東日本大震災の様々面をサポートした、次世代の科学者を養成したいという話を頂きました。

DSCN3342.JPG 続いての講義では、寺島先生は、最近の光合成の話。光合成には緑の光は使えないというのが、学生の頃からいわれていたような。。。ところが、緑の光も使える。。。入試問題で「光合成に使っている光は???」と聞かれたら、どうすればよいのでしょうか。。。。とても疑問でした。

DSCN3347.JPG 芦苅先生のお話は、最初は、穀類(イネ、ムギ、トウモロコシ)の重要性、また、お米と味噌の組合せの妙。お米を肉に変えると、とんでもなく、コストがかかるということから始まり、遺伝子集積によるスーパーライスの話。遺伝、育種の応用であり、とても楽しいものでした。自家不和合性でも、こうしたことを応用できないものかと。あるいは、アブラナ科作物でもこうしたことができないかと考えさせられました。

DSCN3356.JPG 渡辺はいつも、自家不和合性の話。この話を聞いている受講生も何名かいたので、今回の花の問題は、写真を変更。少し難しくなったのか、簡単になったのか。楽しんで頂けたでしょうか。また、普通にハチが飛ぶことで、花粉が混じることの自然さも。

DSCN3364.JPG 最後は、東北大・次世代型「科学者の卵養成講座」の運営をされている工学部・安藤先生からのご挨拶で、閉幕と。。。学会との連携という点では、以前にも行いましたが、そのときは一般向け。今回は、高校生に。今後もこうしたheteroな組合せで楽しい取組ができればと思います。

 文末になりましたが、植物生理学会、関係の先生方には旅費の支援、講演を引き受けて頂き、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

DSCN3365.JPG わたなべしるす


 PS. 今日から仙台七夕。待ちでは多くの人出になっているのでは。受講生の皆さんも楽しんでください。

 PS.のPS. 科学者の卵にも同様の記事を記しておきました。ぜひ、ご覧ください。

  PS.のPS.のPS. 講義が終わった後に、高校3年生から、受験の悩みの相談。その時にお話ししたのは、自分が将来何をやりたいのか。あと半年になり、悩むことも多いと思います。そんなとき、また、渡辺にmailでもください。渡辺も悩みましたので。。。それから、片付け終わった後に、茨城県内の高校生2名が、研究室見学をしてくれました。いろいろなことで慌てていて、写真を撮っていません。。。すみません。いつもなら、写真と一緒に掲載できるのですが。農学、植物に興味があるというのは、うれしいですね。ぜひ、一緒に研究できればと。。




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