東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

News Release

【お知らせ】河北新報・科学の泉「植物の生殖・品種改良・遺伝」(6)完 加速するゲノム解析(7/21, 電子版link挿入)

2013年7月21日

 火曜から河北新報に掲載が開始した・科学の泉「植物の生殖・品種改良・遺伝」も、今日が最終日。昨日は、遺伝学の基礎というべき、「メンデルの法則」。これは、もちろん、遺伝学の祖といわれているメンデルが、エンドウマメの交配実験から導き出したものです。もちろん、論文としてきちんとまとめたのが、メンデルであり、経験則としては、品種改良に関わる人たちにはわかっていたのだと思います。その例として、日本の江戸時代の変化アサガオのことを記しました。このように奇異なアサガオができる原因としては、遺伝子の中を動くことができる遺伝子(トランスポゾン)があり、それが花の形、色などいろいろな形質に関わる遺伝子のところに飛び込むと、遺伝子が壊れて、奇異なアサガオが出現します。おもしろいのは、この入り込んだトランスポゾンが、再び動けば、壊れている遺伝子は元に戻るので、奇異なアサガオが生じる系統では、いろいろな変異を見ることができます。アサガオを道ばたで見つけたら、ちょっと、見てみて下さい。そんなアサガオに出会えることがあるかもしれません。また、「メンデルの法則」という論文の形になる前に、日本人がこの概念を理解して、品種改良をしていたのがすごいことです。そうした日本人の発見、発明がすごいということは、いろいろあると思いますが、先日、工学部の先生から、本学関係では「八木・宇田アンテナ」、「岡部分割陽極マグネトロン」というのがあると。。。やっぱり、そういう先を見た研究をしたいと。

DSCN6627.JPG 最終日ということで、前置きが長くなりましたが、最終回となる第六弾の今日は「ゲノム解析」。最近、テレビなどでも、ゲノムという言葉を聞くようになりました。そうした背景の基礎の部分を少し理解頂けたのでと。。。あっという間の6日間でした。ありがとうございました。また、こうした機会があれば、と思っております。


 わたなべしるす