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イネ品種間交雑後代における迅速な新規遺伝子座同定法「QTL-seq」を確立し、The Plant Journalに掲載されました

 これまでにDNAマーカーを用いた連鎖解析により,イネいもち病に対する抵抗性遺伝子座が同定されてきました。しかし、従来の連鎖解析を用いたQTL同定方法では、交配に用いた両品種間で多型を示すDNAマーカーを作成するステップにおいて多くの労力および時間を必要としました。今回、論文に掲載されたQTL-seq法は、次世代シーケンサーを用いることで、DNAマーカーを作成することなく迅速にQTL同定を可能にする技術です。

 本方法を用いることで、従来のDNAマーカーを用いた連鎖解析によるQTL同定法と比較して、迅速かつ低コストでQTLを同定することが可能になりました。

 私たちのグループでは、QTL-seq法により、イネいもち病に対する圃場抵抗性が強いイネ品種「Nortai(下図) から圃場抵抗性に関与するQTL同定に成功しており、すでに品種育成において利用されています。

Nortai.jpgQTL-seq: Rapid mapping of quantitative trait loci in rice by whole genome resequencing of DNA from two bulked populations

 

Hiroki Takagi, Akira Abe, Kentaro Yoshida, Shunichi Kosugi, Satoshi Natsume, Chikako Mitsuoka, Aiko Uemura, Hiroe Utsushi, Muluneh Tamiru, Shohei Takuno, Hideki Innan, Liliana M. Cano, Sophien Kamoun and Ryohei Terauchi

 

The Plant Journal, 2013, DOI: 10.1111/tpj.12105

 

論文紹介 (寺内@岩手生工研)

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