東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・SSH科学探究基礎・サイエンスレクチャー「アブラナ科植物のいろいろ---形態的多様性、自家不和合性、その先の研究のために---」(11/12)

2012年11月12日 (月)

 土曜日の岡山県に続いて、月曜日は香川県。SSH実施校で有り、運営指導委員を仰せつかっている、香川県立観音寺第一高等学校6月に講義と運営指導委員会でおじゃましました。また、7月の岩手・盛岡での「アブラナコンソーシアム」への参加前の研究室訪問、そのあとの実験指導などでお会いして。その後も、mailと電話などで、栽培などについては、何度か議論したことがありました。今回、その栽培のことも含めて、アブラナ科植物についての講義をお願いされました。

DSCN4637.JPG 講義内容は、7月の「アブラナコンソーシアム」で話した内容ですが、Brassica属植物について、それぞれの種ごとの多様性、Brassica属植物以外のアブラナ科植物で見かけるもの。多様性という意味で、Brassica属で形の多様性でいえば、一番多様であろう、キャベツの仲間のBrassica oleraceaを題材にして、。また、この多様性は、ひとによる選抜、つまり、進化によるものであると。Domesticaionという単語といえば、そうかもしれないですが。。。

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DSCN4649.JPG 他のBrassica属植物については、簡単に。このあと、自家不和合性の話をしたあとに、U's triangleのこと。最後のところは少し難しかったのかもしれないですが、なぜ、植物はこのように多様なゲノム構造になったのか、倍数性を受け入れるのかということは、これからの重要な研究テーマでもあることから、お話ししました。ぜひ、興味を持ってほしいと。。。最後は、いろいろな質問を直接もらったり、片付けながら、議論したり。何より、周りの自然から、観察をしてください。たくさんのキャベツ、ブロッコリーなどは、これから、おいしくなる時期ですから。

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DSCN4655.JPG 最後になりましたが、企画頂いた上原先生、石井先生、島田校長先生(今回は出張でお会いできませんでしたが。。。)、多田教頭先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 年度末の運営指導委員会が2/14ということをお願いされました。この時期、大学では、学位審査が。。。何とか都合をつけて、伺いたいと思います。昨年度は何とか都合がつきましたので、同じように。。

 PS.のPS. 土曜日の金光学園のSSHの発表会で、観音寺第一の猪熊先生とお目にかかっていたのを記すのを失念しておりました。。。世の中、狭いなと。。。

 PS.のPS.のPS. 今回の出前講義では、前回の6月の出前講義の時と同じく、今治南高の別府先生が、ほとんどの講義に同行され、ご自身の社会人入学されている大学院の研究のねたというか、dataというか、そのような形で、。。こちらはとても助かりました。ありがとうございました。

 PS.のPS.のPS. のPS. JR四国には、「アンパンマン列車」というのが。。結構、かなり、カラフルな列車でした。

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【出前講義】金光学園中学高等学校・SSH課題研究合同発表会・助言者(11/10)

2012年11月10日 (土)

 前日までの5日間は、水曜日に高校が1件(伯方高校)ありましたが、それ以外は小学校。今回、初めて伺う、岡山県の金光学園中学高等学校で、SSH実施校でもあります。観音寺第一高等学校のSSHの会議の折りに、お会いして、時間があれば、発表会にといわれていましたが、タイミングよく、この土曜日に時間をとれましたので。海をはさんで、四国から中国・山陽へ。山陽本線沿いなので、これまで、寝台列車などで何度も通過しているものの、降りるのは初めての駅です。

DSCN4635.JPG 課題研究の発表は、これまで訪問したSSH高での発表にはない100題を超える発表数。すごい数でした。また、理系だけでなく、文系(文学、歴史、英語等)の研究も。これまで、方言などを扱った研究を見たことはありましたが、これほど多くの文系の研究発表と融合したのは初めてでした。

 午前がポスター発表、午後は個別の討論会。ポスターはたくさんあり、こちらが興味を持ったり、説明のタイミングがあった、10課題くらいを拝見しました。それ以外は、張ってある状態のを見るだけだったですが。。。どこのポスターでも感じることですが、繰り返し実験をしてない場合がある。これは、平均と分散を出すことで、実験の精度を考えることになるわけです。実験系を組むときに、植物であれば、植物側が何の意図でこのような変化を起こしているかを考えるのが不足している。つまり、人間の側の都合というか、その点から飲み、理解しようとする。ということは、少し気になりました。また、全国大会等では、どれくらいアピールするかということで、現物などの展示もありますが、ポスターに実際の写真がないようなものも。文系の発表については、どのようなコメントがよいのか、こちらが困るようなものもありましたが、歴史を理解するとき、その点での理解ではなく、その回り、その前後に何が起きているかを考える。この点は、理系でも同じことなのかもしれないと思いました。

DSCN4633.JPG 午後からの討論会では、生物関連の5課題について、学年を超えた生徒さんと担当されている先生方を交えて、午前中のポスターを見ながら、議論というか、大学教員、2名からコメント。これまでも、課題研究とはということで、小松高校古川黎明高校仙台三高で講演したような、ポイントについて、研究の継続性、理論的に考えることの大切さ、反復実験の重要性等をコメントしておきました。さらに、課題研究が発展するのを楽しみにしております。

 最後になりましたが、SSH担当の田中先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 慌ただしくて、校内で写真をお願いするのを、失念して。。。駅でこんなポスターを。九州新幹線のおかげで、こんなに近くなったのかと。。。違った意味で感動でした。

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【出前講義】今治市立乃万小学校「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(2012年度ふるさと出前授業-9、11/9)

2012年11月10日 (土)

 午前の上朝小学校から乃万小学校へ。乃万小学校までは、30minくらいの移動時間がかかる少し離れた小学校。校長先生は、2007年に今治市での最初の出前講義でお世話になった、今治小学校の当時の教頭先生。当時の記事にもありますが、すごい小学生がいました。自家不和合性の意義とぴっっしとこたえた。。その小学生も、今は高校1年生になるのだと。ずいぶん時間が流れました。ところで、漢字は違いますが、乃万小学校の名前にもなっている「野間馬」は、今治市の在来馬の一種。とても小さくて、昔一度見たことはありますが。。。校長先生との名刺交換のときに、野間馬のキャラクターも。

20121109乃万小 (34).JPG さて、講義は、午前の上朝小学校と同じ、「キャベツとブロッコリー」。最初のところの打合せが、十分でなかったこともあり、プレゼンの開始まで、少し遅れました。申し訳ありませんでした。なんとか、キャベツ、ブロッコリーの同じところと違うところ、そして、植物の形態的特徴の基本を説明し終わったあとには、15のグループに分かれて、キャベツとブロッコリーを交配してできる、絵を描くこと。最初はどのグループも、ずいぶんと考えていましたが、実際のキャベツ、ブロッコリーを見て、考えて、。。。15グループあったことと、プレゼン時間が十分にとれなかったこともあり、子供たちからの質問時間を十分にとることができませんでしたが、何とか、枠の中でプレゼン完了。ほとんどのプレゼンはきちんと茎と茎の共通性を理解していましたが、一部、そうでないグループもあり、そのことの解説をしたところで、ちょうど、終鈴。

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20121109乃万小 (36).JPG 最後になりましたが、乃万小学校校長・宮谷先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします


 わたなべしるす

 PS. これで、月曜日の日吉小学校から始まった「ふるさと出前授業」も、無事終了。。。ほっとです。土曜以降は、高校で。。



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【出前講義】今治市立上朝小学校、下朝小学校「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(2012年度ふるさと出前授業-8、11/9, 16追記)

2012年11月 9日 (金)

 昨日が桜井地区の桜井小学校国分小学校。桜井地区は、今治市の南の方なのですが、その西側というか、山よりは朝倉地区。渡辺が小学校の頃は、カブトムシ、クワガタムシを捕りに行ったり、探検に行く場所でした。ここも、合併する前は、越智郡朝倉村。地面はつながっていて、橋を越えたら、村、こっち側は市という不思議なところに住んでいたこともあって。行く途中がとても懐かしかったです。

DSCN4587.JPG 学校の入り口にはきれいに花が並んで。最初に時間があったので、少し校長先生と出前講義とか、朝倉の自然の話をさせてもらいましたが、そのときに、近所の方に頂いたという「アケビとザクロ」。なんとなつかしい。子供の頃は、山とかに行くと結構あって、すごく甘くて、大きな種で。1つ頂きましたが、子供のことを思い出しました。ありがとうございました。

DSCN4588.JPG 最初に、会場となった、上朝小学校の村上校長先生から、ご紹介頂き、キャベツとブロッコリーの話。その前に、自分がこのすぐ近くで小学校時代を過ごし、小学校の時にも、自転車で来たことがあるなど。。。という前置きにあとに、キャベツとか、ブロッコリーのことを聞いたところ、ほとんどの子供たちが、栽培とか、花が咲いたのを見たことがある。とてもよいことだと思いました。続いて、各グループ毎に、キャベツとブロッコリーを交配したら、どんな植物になるか。そんな絵を描いてもらいました。何よりすごかったのは、成長のはじめは、こんな形、そのあとこうなって、最後はこうなるという植物の変化を捉えている点。これは、これまでの小学校ではなかった、すごい点でした。感動でした。プレゼンでもしっかりしていて、質問にもきちんと答えていたのは、昔の自分にはなかったなと。。。

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20121109上朝小  (5).JPG 最後に全体の質問をもらったとき、よくある質問ですが、「答えというか、どんなようになるのが本当なのか。。。」。1つを除いて、どれも正しく、それが、時系列で並べたとき、とてもよくとらえていることを説明しました。最後は、桜井小学校吉海小学校同様に、世界に向けて、集合写真。今回は保護者の方々にもご案内頂き、数名の方がいらしており、このときばかりは、カメラのシャッター音の嵐でした。ありがとうございました。

DSCN4622.JPG 給食の時間は、複式学級になっている4, 5年生と。学校の帰り道により道をしたり、帰り道で近所の方が声をかけてくれるし、お水とかをもらったり、そうした話を聞いたとき、自分の小学校の時のままがここには残っているなと。とてもうれしく感じました。もちろん、学校の帰り道に畑を見たりとか、稲刈りが終わった田んぼを変えるとか。そうした中で、自然の変化を自然と観察していたのだろうと。もちろん、今の朝倉の子供たち。とてもよい環境だなと。ということと、その環境で多くのことを学んで大きくなってほしいと。そんなことを話しました。自然と地域が昭和のよき時代を残していて、何とも言えず、うれしくなりました。

DSCN4626.JPG 給食も一緒にしたあと、校長先生とゆっくりお話しをする時間と思ったのですが、午後からの出前講義先の乃万小学校がずいぶんと離れた場所ということで。話ができませんでしたが、。。講義の時に、「理科離れ、科学離れ」が起きていることについて、少しお話をしたのですが、自分が子供の頃には、テレビを見たら、アニメなどには、必ず、「博士」、「教授」というのが正義と悪で存在していた訳です。正義の博士が来ているのは、ぴっしとした「白衣」(マジンガーZの弓教授、ガッチャマンの南部博士)。それですごい研究、ロボットなどを開発する。それがすごかったと子供心に感じたと。ところが今は、そんなアニメは少なく、博士の服装も普通。そうしたことが、理科とか、科学に興味を持たない原因でないかと。そんな話をしたところ、とてもご賛同頂けたのは、心強かったです。どこかでまた、日本の社会のシステムを考えるヒントになるのではと思っております。議論できたこと、ありがとうございました。

 最後になりましたが、上朝小学校校長・村上先生、羽藤教頭先生、下朝小学校校長・森先生、4, 5, 6年の関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 昔は、教室とか、いろいろなところに花が生けてありました。自宅の花を切って、学校に持っていくという習慣もありました。ところがいつ頃からからそうしたことも見かけなくなり。。。今日の講義室には、きれいな生け花が。。。感動しました。やっぱり花があるというのは、心がほっとします。花の研究をしているからというだけではないと思いました。

20121109上朝小  (11).JPG PS.のPS. 近くに笠松山というのがあり、小学校の今治自然科学教室で登ったことがありました。数年前に山火事があり、かなり燃えたというのを聞いていました。写真にあるように、少しずつですが、復活しているような。。。ほっとしました。

DSCN4624.JPG PS.のPS.のPS. 昨日の桜井小学校のところの最後に書いた、FMラジオのこと。今日の朝も、今治のFMラジオ「FMラヂオバリバリ」の「朝の番組 すっぴん小町 パーソナリティー ナナさんの番組」において、その続きのような形で、渡辺のことが紹介され、慌てて、HPからaddressを探して、渡辺のこの1週間の活動等を投稿したところ、放送して頂きました。ありがとうございました。その後、mailも頂き、火曜日に、番組で改めて、今回の出前講義を振り返ってというような形で、となりました。ありがとうございます。楽しみにしております。

 PS.のPS.のPS.のPS. 上朝小学校のHPに今回の出前講義の関連記事を見つけました。ありがとうございました。











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【出前講義】今治市立国分小学校「花の不思議な世界--りんごの花からりんごができるまで?? --」(2012年度ふるさと出前授業-7、11/8)

2012年11月 9日 (金)

 午前中の桜井小学校に続いて、昔の桜井校区であり、渡辺が卒業したあとに、新設された国分小学校へ。小学校へ続く、坂道の少しむこうには、四国霊場八十八ヶ所の59番札所・国分寺があります。小学校の頃から、遠足・図工の絵を描く時間などでたびたび行くことがありました。また、国分小学校ができた当時は、桜井小学校から分割というか、新しくというか、そうした経緯で、小学校時代にお世話になった先生方も、多くこの小学校に異動されたとか。校長室に当時の写真があり、とても懐かしく拝見しました。国分小学校は、昨年に続いての2年目の訪問となりました。

 講義内容は、午前とは異なり、リンゴを使った花の不思議。ここでは、5, 6年生が参加ということもあり、6年生は昨年「キャベツとブロッコリー」を講義した6年生も。リンゴの花を見たことはなかったですが、リンゴが栽培されている場所を知っていたり。よく観察していると思いました。小学生では普段見ることのない、電子顕微鏡写真、花粉が発芽して、花粉管伸長している様子、自家不和合性反応の動画には、かなり注目してくれていました。新しいものを見ての感動は、大切だと。リンゴの花が果実になったとき、どことどこが対応するのか、実際にリンゴを2つに割って、観察してもらいました。前で説明して、後ろのひとにきちんと説明できてないグループはやり直し。等ありましたが、みんなリンゴのたくさんの不思議を理解してくれたのではないかと思いました。

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20121108国分小 (1).JPG 最後は質問の時間。自家不和合性は他にどんな植物にあるのか。リンゴは世界中でどんな種類があるのかなど、たくさんの質問の時間がとれました。それでも、質問できなかった子供たちもいるのでは。手紙に質問を書いておいてください。楽しみにしております。

20121108国分小 (2).JPG 最後になりましたが、国分小学校校長・寺田先生、教頭・村上先生、5, 6年の関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. この小学校で、不思議なご縁がというか、東北大つながりが。。。縁とは不思議なものと。。。ありがとうございました。



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