東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】未来の科学者養成講座(科学者の卵養成講座)・第2回全国受講生研究発表会・審査員、1日目(9/17)

2011年9月17日 (土)

 科学者の卵養成講座の全国大会に東北大からも参加し、北海道から九州に至る、13の大学での日頃の研究成果の発表会でした。研究内容は、理数の広範なものであり、その多様性も興味深い点でした。発表会に先立ち、日本の液晶、超伝導などの物性科学をリードし、FIRSTのプログラムの代表もされている東工大・細野教授の特別講演があり、科学のアウトプットという点の重要性、try and errorもがんばることなど、受講生には、新しい刺激だったのではと思います。

DSCN1169.JPG 初日の東北大からの発表は、早坂・田中さんチームの「ハイブリッドマイクロカプセル・・・」というものでした。2名のプレゼンの呼吸もよく合っており、さすがと思わせるものでした。プレゼンの最後には、この実験系が放射性Csの吸着にも応用できる可能性を話し、今のtopicにあうものでした。多くの質問に対して、的確に応対し、これが発展コース、プレゼン会議があった効果であろうと、実感できました。また、プレゼン会議の時より、内容がversion upしてあったのも、受験生というのに、さすがと。。

DSCN1171.JPG なにより、すばらしかったのは、昨年と同様に、他の養成講座のプレゼンに的確な質問を多くの方々がしてくれて、場を盛り上げてくれたのは、とてもすばらしいことだと思いました。これも「科学者の卵」で培った能力が現れたものだと思っております。明日以降もぜひ、がんばって盛り上げてほしいと思いました。

 夕食後にも交流会があり、国際学会並みのactivityでさすが高校生。1日目は、福井大学の前田先生がorganizeされている「自分の分野で尊敬できる研究者」ということで、参加された先生方から、様々な分野の偉人が紹介され、そのあと、その偉人についてdeepな議論を行いました。ちなみに、渡辺が紹介したのは、「C. Darwin」, 「G. Mendel」、ここまでは遺伝学者として、有名でしょう。いうまでもありません。では、「禹長春」は、植物育種、遺伝学では有名なU's triangle (禹の三角形)という、白菜(Brassica rapa)、キャベツ(B. oleracea)、西洋ナタネ(B. napus)、タカナ(B. juncea)
、クロガラシ(B. nigra)、B. carinataの関係を明らかにした方。お弟子さんには、渡辺の研究室の祖先の方とも言える水島宇三郎先生。もうひとりは、「浜口梧陵」。彼は、遺伝学とは関係ない、和歌山の方。昔は、「稲むらの火」という、教科書にも出ていた大地震の後に、村人を津波から救ったひとのモデルとなったひと。有名な言葉に、「万が一の時になって、思いをめぐらすのではなく、常日頃から非常の事態に備え、一生懸命にわが身を生かす心構えを養うべきである。」という言葉を残し、今、よく言われている「想定外」を戒めているひと。もちろん、実験で想定外のことが起こり、それを意味のあることと気がつくのは大事な想定外ですが。。。

DSCN1172.JPG 明日も東北大の発表は午前、午後とあり、夕食後の交流会は、渡辺がorganizeです。続きはまた明日ということで。


 わたなべしるす

 PS. 最初の集合写真に、浦和第一女子の2名がいないのは、あとから現地集合だったためです。すみません。。。

 そういえば、今日は、M6クラスの地震が朝から、3回ほど。。11日前後に起きるのが、少し遅くなったのでしょうか。朝から、起こされました。。。。


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【出前講義】仙台市立木町通小学校 5年生「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」(9/15, 9/16追加記事)

2011年9月15日 (木)

 今週は、多くの出前講義の週になりました。月曜日が、七北田小学校のNSP火曜日水曜日が、盛岡で。今日、木曜日は、仙台市立木町通小学校。木町通小学校では、いろいろなイネの栽培を今年は行い、放射線の測定も行っていました。このところ、手元にガイガーカウンターがないので、しばらく伺っておりませんが、年間を通しての活動になりつつあります。そんな中、今日は、「花の不思議な世界」と言うことで、花から結実するまでを講義し、その中で、動画などを使って、自分の花粉が嫌いで、他人の花粉がすきという「自家不和合性」も説明しました。何でこんな性質があるのだろうということで、細かな言葉は出てこなかったですが、違う遺伝子が混じることが大事ということを理解してもらえました。

DSCN1137.JPG また、お花のあとにできるたねであったり、果実は、お花が変わったもの、つまり、お花が咲いて、こうした果実ができるなど、普段の生活につながる、花の不思議が理解できたのではと思いました。講義の最後には恒例の質問コーナーですが、20-30の質問が出たような気がします。なぜ、リンゴは赤いのかとか。サイエンスの神髄のような質問もありで。こちらがびっくりです。

 木町通小学校では、最後に皆さんと集合写真を撮り、また、給食を一緒にして、5年生と交流ができました。

DSCN1155.JPG このあとで、3年生の先生と次の出前講義についての打ち合わせを行い、構内の花の様子などを見ながら、deepな議論ができたのは何よりでした。次回の講義が今から、楽しみになってきました。ありがとうございました。

 最後になりましたが、今回の講義でお世話になった、5年生の担任の先生方、教頭先生、教務の熊谷先生、ありがとうございました。これからも科学の芽を育てるために、緊密な連携ができればと思います。


 わたなべしるす

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PS. きょう、木町通小学校のブログに、渡辺の出前講義の記事を見つけました。ありがとうございました。是非、ご覧ください。




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【出前講義】岩手県立盛岡第三高等学校・SSH運営指導委員会(9/14)

2011年9月14日 (水)

 今年は、4つのSSH (Super Science High school) の運営指導委員を仰せつかっております。南から、鹿児島県立錦江湾高等学校(コアSSH・ダイコンコンソーシアム)香川県立観音寺第一高等学校宮城県仙台第三高等学校。それと、今回の岩手県立盛岡第三高等学校です。盛岡三高は、今年度からの採択ということもあり、。。。

 前日は、卵の受講生の方とdeepな議論でしたが、そこから場所を変えて、といっても、どちらの高校も、渡辺が2005年3月まで勤務していた岩手大学から、近い場所にあります。ただ、岩手大時代には、今行っているようなアウトリーチ活動があまり行われているような時代ではなかったこともあり、近くて遠い場所だったような気がします。

DSCN1100.JPG SSHの運営指導委員を仰せつかり、その委員会に出たとき、多様な取組を伺うのですが、採択に至るというのには、ちゃんとそれなりの理由があるのだなと、ある意味、痛感しました。6月にも、香川県立観音寺第一高等学校のSSHの運営指導委員会にでましたが、最初の提案での採択。いずれの高校も。その共通項は、やはり、高校全体をあげての取組ということではないかと思いました。これは、SSHに限らず、どんなことを行っても、それに取り組む組織が有機的に連携できていなければ、よい仕事はできないという典型例を見せて頂いたような気がしました。自分の研究教育活動でも、常にそうありたいものだと。よい勉強になりました。今後5年間、いろいろと助言、サポートとなると思うのですが、科学の心を広く底上げし、その上に出すぎるような杭ができれば、よい活動になるのではと思います。というか、そうなるように支えていきたいと思ったのでした。なにより、1997年12月から2005年3月までの8年弱お世話になった盛岡市内の高校ですから。

 そういえば、震災後初めての盛岡だったような気がしました。もちろん、仙台同様に町中に何か大きな変化があったわけでもなく、それはそれで不思議な感じの出張でした。
 

 わたなべしるす

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【出前講義】岩手県立盛岡第一高等学校生との「科学者の卵養成講座」特別討論(9/13)

2011年9月14日 (水)

 科学者の卵養成講座は、メインには学内で行っていますが、出張に出かけたおりに、その高校に受講生がいるような場合に、そこで、実験を行ったり、議論をしたりというのは、これまでもありました。もちろん、研究室に来てくれて、議論ということも。そうした番外編というか、特別編というか。

 岩手県立盛岡第一高等学校からは、初年度から数名の受講生があり、熱心に活動されているのを覚えています。そんな折、第1期生の方から、サイエンス、研究、大学、進路など多岐に亘る議論をしたいということで、2hrあまりの「科学者の卵養成講座」特別討論というか、番外編を行いました。今回の3/11の大震災が影響していたり、また、科学者の卵を受講したときのきっかけなど、それぞれの高校生までの科学に係わるようなきっかけを議論して、これから、科学を目指すものとして、何を目標にして、何を達成しようとすることが、よりよい未来につながるのか、そんなdeepな議論ができました。

 なにより、この科学者の卵がきっかけで、科学のことをdeepに考えているとともに、高校では、文系、理系は、分けられているけど、大学、社会ではどうなのか、そうした融合を考えていたこの受講生の方には、ある種の感動を覚えました。科学現象そのものは、もちろん、理系かもしれないですが、社会とつながっていることは、今回の震災でも十分理解できると思います。そうした「文理融合」を高校の時から考えている、渡辺の高校時代を考えると、ちょっと考えられないような考え方の広がりを持っていて、すばらしいと。。

DSCN1088.JPG 今回の議論は、こちらにとってもよい刺激でした。きっかけを作ってくれた生徒さんに感謝します。また、受験生でもあることを考えると、あと数ヶ月ですかね。ぜひ、目標を達成できるようにがんばってください。


 わたなべしるす

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【出前講義】仙台市立七北田小学校 NSP 5年生「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」と「いろいろなイネの観察」(9/12)

2011年9月12日 (月)

 7/21に七北田小学校では、サマー講座ということで、保護者向けに「キャリア教育」を行いました。それ以来の七北田小学校でした。夏休みも終わり、また、近郊の小中学校の地震被害がひどく、その関係でいくつかの学校と一緒に授業ということで、とても賑やかでした。七北田小学校そのものも、ひび割れたところなどの修理を行っており、地震の被害は今でも続いているという感じです。

DSCN1057.JPG NSPは5年生から始めたと言うこともあり、5年生の講義は充実しているというか、たくさんあります。「イネの多様性」、「キャベツとブロッコリー」。そして、今回の「花の不思議な世界」と言うことで、花から結実するまでを講義し、その中で、動画などを使って、自家不和合性も説明します。なぜ、自家不和合性が必要なのかと言うことについて、質問をしたところ、「遺伝的に違うものが混ざることが大事と。。。」。とてもすばらしい答えに、明日から、一緒に研究をしましょうと。びっくりでした。

 講義の最後には、恒例の質問タイムなのですが、今年の5年生はとても元気で、20を超える質問が止まらず、最後はここで最後にしようと。足りない質問は、いつものコメントシートにたくさん書いてくれてあったようです。また答えるので、時間をください。

DSCN1062.JPG 講義のあとには、水田のところに行って、ポットに植えてある、たくさんのイネの出穂、開花、結実の違いを観察してもらいました。品種毎に、それが違うことを実感してもらいました。観察しているうちに、もみの先端に長い毛が生えているのを見つけて、あれは何と。。。「芒」とか、「のげ」と言うのだと。10月には稲刈りをするとか。11月には、最後の収穫したものを、世界地図と関連させて講義をしますので。


 わたなべしるす

DSCN1071.JPG PS. NSPとは別の話ですが、8/11にはSSHの全国大会があり、そのことをHPでもお知らせしましたが、そのことが、神戸新聞になっていました。渡辺のことがかかれているのではなく、渡辺の写真がでているだけなのですが。とある、先生に会議で教えていただき。。。びっくりでした。



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