東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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研究室ダイアリー

【出前講義】岩手県立盛岡第三高等学校・SSH特別講義「SSH課題研究を始めるに当たって---高校でのSSH, 課題研究が大学、大学院での研究につながる。。。---」(11/21, 25追記)

2013年11月21日 (木)

 先月盛岡に、岩手県内のSSH実施校の発表会の時には、寒いという感じはあまりなかったのですが、今回は山も雪に覆われて。。。。1ヶ月なのに。。。。今年は秋がほんとに短かったと。。。盛岡についていつも思うのは、仙台より一回り、冬が先に進んでいる感じ。落ち葉も多いし。寒いし。。2005年3月までいたのが、不思議なくらい。。。道路がまだ真っ白になってないだけ。この季節はよかったと。。

DSCN0580.JPG 講義では、小松高校福島高校古川黎明高校で4月に講義を行った、SSHのこと、課題研究をどう考えるのか、また、課題研究を行うに当たってというか、研究をする時に、今なら、普通に考えられることが、研究を始めてすぐには、忘れがちな点を。。。背伸びしすぎず、高校生らしい課題研究をやってほしいと。。。これはいつも思います。この時期に、たとえば、次世代高速シークエンサーを使うこともできるようになるのも、そんなにとおくない世界。もちろん、解析も数学力を使えば、できることかもしれないですが、。。。それよりは観察力をつけること。この前の土曜日の仙台三のコアSSHで、中学生が写真撮影でなくて、手書きで書いていたのを思いだし、その話も。。見えないものは書けないですから。写真だと、気がつかないことがたくさんありますので。。。この課題研究を通じて、研究をするということの基本である、観察をしたり、記録をつけたり、まとめたり、発表したりすることをきちんと身につけてもらえればと思いました。ここまでで半分の時間を使ってしまったので、後半が駆け足でした。。。。ただ、課題研究の重要性を考えた時、この時間配分と言うことで。。。。

DSCN0585.JPG 講義の後半は、そうした活動を支えるための「キャリア教育」。渡辺が小学校から現在までになにを考え、歩んできたか。また、こうしたアウトリーチ活動で、今の高校生を見ていて、こんなことが気になっているということを。しっかり戦略を立て、組織としてがんばることは、課題研究でなくて、人間としての人生でも大事なこと。課題研究同様に、やろうとすることの方向性を考えて、毎日を送ってほしいと。。。そしてなにより、来年2月の発表会を楽しみにしておりますので。質問をし忘れた方、ぜひ、mailででも送ってもらえればと思います。

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DSCN0601.JPG 最後になりましたが、お世話になりました、下町副校長先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。また、こうした交流ができ、よりよい方向にSSH活動、課題研究が進めばと思います。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 今朝の新聞を見ていたら、2回ノーベル化学賞を受賞したサンガー博士がなくなったと。。アミノ酸配列を決める手法とDNA塩基配列を決める手法の確立で。。DNAの塩基配列を決めるのは、学生の頃から使っていて、サンガー法とか、ダイデオキシ(dideoxy)法といわれて。RIでラベルしたり、蛍光ラベルしたり。。。もちろん、今のlabのシステムもこれで動いて。本当にお世話になりました。ご冥福をお祈りしたいと思います。。。

 PS.のPS. 最初に学年の確認をした時、この2月の発表会の時のことを覚えている人と話をしたら、みんな覚えてくれていました。来年の2月にもまた、大激論をできるのを楽しみにして。。

 PS.のPS.のPS. 11/25朝、盛岡三・下町副校長先生が書かれているブログにようやくlinkを入れることができました。出張の帰り道にと思っていたのですが。。。気がついたら、月曜日に。。。とてもおもしろく書かれており、専門は数学なのでしょうか。top pageには数式が。。。ありがとうございました。


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本物、過疎、正逆(11/20)

2013年11月20日 (水)

 何を持って本物というのか。。。本物は本物。偽物とはちがう。というのでは、物事が始まらないが、。。きょう、Plant Cell Physiol.の11月号が冊子体で届いた。前にも書いたとおり、Osaka et al.の論文が掲載され、表紙にも選ばれた。表紙案を準備し、プリンターで印刷して、採択前にも見て、採択後、HPに掲載されてからも見た。ただ、やっぱり、本物というか、ちゃんと印刷された冊子体の光沢というか、冊子としての重みというか。そういうのを感じる時、これが本物と思ってしまう。アナログ世代だからであろうか。もちろん、デジタルとして、Plant Cell Physiol.のHPに掲載されたものを見た時、感動したが、やっぱり感動の割合がちがう。これを本物の効果というのだろうか。。。そういえば、昔のお菓子を生協で見つけた。最近のパッケージは見たことがあったが、子供の頃のversionの復刻である。これも同じように「本物」と思ってしまう。。。そう考えると、本物というのが何か。。。どうも難しい。。。

DSCN0579.JPG 難しいというのは、本物を探すことだけではない。前にも書いた「破壊と創造」。というか、何をやめて、何をやるのか。あとになって考えると、あれをしておけばよかったということもなくもない。。。やめないで、もう少しがんばればという見極め。。。本当に難しい。もちろん、これはどう考えても、無理というか、やっても結果が出ないということに気がつき、というか、そんな感じがして、早々に退散。その方がよいこともある。見極めはある程度は年齢と比例するのかもしれないが、一概にそうともいえない。昨日、ふとしたことで、出身の今治市内の小中学校の統合についてのHPを拝見した。ずいぶんと多くのところで、いろいろなことが進んでいるのだなと。。。もちろん、何年前だろう。平成の大合併があり、今治市に越智郡管内の町村がかなり合併したので、多く見えるが。。。旧市内の本当に町中の学校のドーナツ化現象。島嶼部、山間部の過疎化。。。自分が子供の頃から、もちろん、少しずつ過疎の問題は出ていた。田畑を作る人たちが年々高齢化していくのを見て、農業経営の教授に何とかならないかと議論をしたこともある。そうしたら、。。。「それを考えるのが、渡辺君たちの世代の大事な仕事だよ。。」といわれたような。。。アウトリーチ活動で若い世代には目を向けているが、「過疎」ということを何とかしないといけないのも事実である。すぐに答えが出ないのが難点であるが、去年の冬、「ふるさと出前授業」の一環で、上朝小学校を訪ねた時、子供たちが安心して登下校でき、山で取れたものなどをもらうこともあると。。。40年近く前の自分の育ったところと何も変わってないと。そんな自然があるからこそ、そんな社会があるからこそ、子供たちも、その社会も安心して生活ができるのだろう。その当たりをうまく出口にできないのだろうか。もちろん、産業としての農業問題の解決になっている訳ではないが。。。

 農業の問題を先に解決できたら、人が集まるのか。。。どっちが先かということではないような気がする。どちらも大事で、現状なら、そうした豊かな環境を活かして、産業をということになるのかもしれない。ただ、ありきたりの考え方ではこの難局を乗り切るのは難しいように思う。ここ40年、解決を見ないまま、ここまで来ているのだから。。。。そんな時のヒントではないが、不思議な写真を見つけた。カエルがヘビを???。。どう考えてもおかしい。というか、これは外来のものによって、それまでの固有のものがなくなろうとしている訳で。。。こんな様な解決を望んでいる訳ではない。日本のよき田舎の風景というと語弊があるかもしれないが、その環境がよかった訳であって、そうした固有のものは維持しなければならない。このカエルとヘビを「正逆」というのは、正しい表現かどうか。。。ただ、遺伝学で正逆というのは、交雑をする時に、雌雄をひっくり返して、A(♀) x B(♂)を、B(♀) x A(♂)にする時に使う。reciprocal crossとかいう。単純に考えれば、AとBの遺伝子をもらうのだから、同じになると思われがちかもしれないが、そうはいかないというのが、最近ずいぶんわかってきて、それを「エピジェネティックな制御(epigenetics)」というようにいう。遺伝子を変えるのではなくて、遺伝子にまつわるいろな因子を修飾して変化させようというもの。今あるものは、あるもの。それをいかに修飾して、改善するか。。。もしかしたら、こんなところに、遺伝学だけでなくて、社会を含めたいろいろなことの改善の糸口はないものだろうか。。。来月の2週目から今年2回目の「ふるさと出前授業」。今の自分を作ってくれた自然、子供たち、お世話になった先生方にお礼をすることだと。。。その移動の合間に、農業問題を含めて、この複雑系にヒントが見いだせればと。。。

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 わたなべしるす

 PS. そういえば、ずいぶん遅くなりましたが、「国際植物の日」という春先のイベントではお世話になりました。その時にことを渡辺のHPではもちろん、まとめていますが、国際植物の日のHPにも無事、まとめることが。。。お時間のある方は、といわず、お立ち寄り頂ければ、幸いです。

 PS.のPS. 研究室ではというか、大学院ではというか、今月末が修士論文、博士論文の題目〆切。11/30が土曜日なので、いつもより1日短いですが。。。。こうやってがんばるのも、長い人生のなかを考えると、あっという間の出来事だと思います。ここで踏ん張れるか、そうでないか、それがその先もというか、。。。。いずれやるしかない時期になったのは、もうすぐ師走だからでしょう。。。がんばれ、M2, D3!!


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バイトさんwelcome!のケーキ会

2013年11月18日 (月)

こんにちは、M1の辺本です。

今日は、新しいバイトさんwelcome!ということでケーキ会をしました。
主役は木幡君と、小倉君。2人とも農学部1年生で、植物大好き。
「りゅうや」、「たくや」、と2人とも名前が「yeah!」で終わる、元気なboysです。

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2人には10月からバイトのお仕事をしてもらっています。
ちょっと遅めのwelcomeケーキ会となりましたが、年内に開くことができて良かったです。
バイトに関しては、まだまだ慣れないことばかりだと思いますが、宜しくお願いします。

今回のケーキは2回ほど振られたTERRACE Lで。やっと買うことができました!
どのケーキも可愛く、とても美味しそうなので、選ぶ際に迷いました。
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可愛らしいクリスマスケーキの予約も始まっていましたよ。
もう、どこのお店もクリスマス♪ クリスマス♪ ですね。
色々と楽しみなことが待っていますが、もう今年も終わっちゃうということですね。寂しいです。
というのも、今日は生命科学研究科の大学院入試一日目。
今日は英語かぁ・・・去年受験したなぁ・・・一年あっという間だなぁ。と悲しくなる訳です。

最近は寒くなる一方で、体も思うように動いてくれません。
そう言えば、昨年入試を受けに仙台に来た日も極寒で、「こんな寒いところには行きたくない!」と思ったほど。
それに対して、このラボの暖かさ!まるで春の温室のようです。
美味なランチとケーキを食べ、お腹も心も満足~♪な私の頭からは今にも芽が出そうです。
芽が出ていたら、誰か摘み取って下さい。

それでは、頑張って仙台の冬を越しましょう!


M1 ナベ

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みやぎサイエンスフェスタ

2013年11月16日 (土)

渡辺先生の記事にもありましたが、今日は仙台三高で行われたみやぎサイエンスフェスタに参加してきました。

仙台三高へ伺うのは、昨年度行われたSSHのサイエンスカフェに続き二回目でした。
新しい校舎で、きれいだなぁといつも思います。

今回は、サイエンスカフェとポスター発表に参加してきました。
サイエンスカフェでは、まずはじめに高校生が考えている研究室生活のイメージを聞いた上で、
参加した5人の大学院生それぞれが、実際はどうか答えていく形式で行われました。
堅苦しい雰囲気ではなく、楽しく進められたので良かったなと思いました。
少しでも高校生の参考になればと思います。

ポスター発表では、小学生や中学生、高校生の発表に混ざって大学院生も発表しました。
1時間半くらいでしょうか、中学校、高校の先生や、高校生にお話をしました。

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学会で発表するのとは違い、よりわかりやすい言葉で説明することに気をつけました。
三高の生徒さんたちは良いと思ったポスターにGood jobカードを貼るような仕組みがあったようで、
私のポスターにも貼ってくれた生徒さんがいました。

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とても嬉しかったです!

小学生のポスターだったでしょうか、このgood jobカードを何十枚ももらっている生徒さんもいました。やはり、そのようなポスターは見た目にも目を引き、内容もわかりやすくおもしろいものが多かったような気がします。
自分の発表でいっぱいいっぱいでしたが、他の皆さんのポスターも、ゆっくり見てみたいおもしろそうなものばかりでした。


これまでも何度かこのようなイベントに参加しましたが、毎回勉強になることばかりです。
このようなイベントがきっかけで、理科に興味を持つ生徒さんたちが増えればいいなと感じました。

M2 曽根

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【出前講義】第2回みやぎサイエンスフェスタ・コメンテーター(11/16)

2013年11月16日 (土)

 前日は仙台三の中間発表会・コメンテーターでした。土曜日の今日は、コアSSH事業の一環として、小中高から大学、企業まで発表する場で交流できるというもの。午前中は、口頭発表、サイエンスカフェ、科学実験、国際交流。午後がポスター発表という多様なプログラムが用意されておりました。

DSCN0561.JPG 最初の口頭発表。化学2題、生物3題の後半を担当しました。プレゼンはいつも書くのかもしれないですが、自分がしゃべり始めた頃よりもずいぶん上手な気がします。また、運営校の仙台三以外からの発表があったのも、よかったのではないでしょうか。ただ、ふと思ったのは、そのプレゼン全体をそのチーム全員で内容を共有し、把握しているのか。。。何より、やっている実験の本質というか、何をやろうとしているのか、科学的な側面をしっかり考えるということ。実験をすることが目的でなくて、その起きた現象の原因を考えることですから。また、いろいろなところにある、既存のdata、情報をあと、プレゼンの終鈴がなったら、手短にプレゼンを終えるというのは、大事なことだと思います。運営については、去年も同じことを言ったような気がするのですが、質疑がない時は、audienceに促す、ない時は座長が率先して質問する。1鈴、2鈴、3鈴の時間はあらかじめ、黒板に書いておく。座長は時間を制御する係なので時間がoverした時には、何があってもそれを止める。次に発表するグループは、あらかじめ近くで準備しておく。など、去年からのことが一子相伝で受け継がれていないこと。。。これは、ぜひ、来年には改善されることを切望します。

 サイエンスカフェ「理系の研究ライフ」には、うちの研究室の曽根さんが参加してくれました。詳細は、曽根さんがまた、記事を書いてくれますので。。。いずれ、参加頂いた5名の大学院生、とてもheteroで楽しく拝見できました。

DSCN0562.JPG 午後からが、体育館を使っての「小中高から大学、企業」までのポスター発表会。これだけheteroになったポスター発表会は初めてだと思います。大学と言うより大学院生でしたが、昼前のサイエンスカフェの影響でしょうか。とても好評でした。

DSCN0573.JPG また、こちらが楽しみにしているのは、小学生、中学生のセクション。時間の関係でゆっくり話しをできたのが「ハツカダイコンの研究」。しっかりと観察して、それを写真でなくて、自分の手書きで書いているのが、とてもすばらしかったです。最近、デジカメで写真というのが多いのを「手書き」。観察の基本を改めて、考えさせられました。ありがとうございました。最後になりますが、お世話になった関係の先生方にお礼申し上げます。

DSCN0574.JPG わたなべしるす

 PS. 曽根さんがポスター発表をしているところで、市内の中学校の先生とこちらも交えて、deepな議論とrapid cyclingのBrassicaを使っての実験の話もできました。ありがとうございました。ぜひ、出前講義にうかがえれば、幸いです。

DSCN0572.JPG PS.のPS. 仙台一のイネチームも発表。dataはたくさんある訳なので、それをどう解析すれば、生長の違いをうまく説明できるのか。数字から生長を考える、とても大切なことです。ぜひ、残りの時間でがんばって下さい。鹿児島でのダイコンコンソーシアムもあるでしょうから。。。。。

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