東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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研究室ダイアリー

将来性、学力、科学力(12/4)

2013年12月 4日 (水)

 先日何かを見ていて、労働力の別の業種への移動というのがあった。特定の時期にその時にある産業に労働が集中したために、今、そうでなければ、移動が必要になる。簡単な問題ではない。できることはそれなりに限られている。自分の業種がもし、そうなった時、何ができるか、。。。それなりのideaはあるが、ここではあえて。。ただ、実験をやっていても、それは同じことで、ある時期には、たくさんの人手が必要になる。夏のイネのサンプリングはその例かもしれない。ネコの手も借りたいというのは、そうした短期的なものは見すえることはできるかもしれないが、長期的な将来性と言うことを含めて、どの様なサイエンスを展開するかと言うことを考えておかないと、大きな発展はない。その意味では、どの様な人材を育成して、補強するのか、プロ野球などの世界と同じというのはおこがましいかもしれないが、「即戦力」、「将来性」、「utility player」というような様々なことを考えないといけないのかもしれない。

DSCN5016.JPG 昨日あたりから「国際学力調査」の結果が出て、「科学的リテラシー」、「数学的リテラシー」、「読解力」というので、ここ3回の調査で右肩上がりになっているのは、昨今の様々な施策の賜物ではないだろうか。15歳未満での調査で、少なくとも自分が小中学校の時代にはこのようなものはなかったような。。。ただ、何かの解説で、その力を支えるというか、もっと伸ばすというか、そのための「学習意欲」、「ハングリー精神」ということについて、再考が必要なことをいっていた。。。。子供時代を考えた時、学習意欲。。。どれくらいあったのだろう。。。ただ、帰り道に道草をできる環境だったのは、学習というのか難しいが、自然を学ぶ機会はあったような。また、どこかの軒先で、友だちと宿題を分けて、最後に全員でつきあわせて、時間の短縮というようなことはしていた。何のことはない、遊ぶ時間を確保するためである。これを意欲というのは、。。ただ、何かをして、負けたくないというのは、いろいろなところであったのかもしれない。その時に、何かで負けなければよいのであって、例えば、走ることとか、。。。それなら一番とか。そんないろいろな角度から評価される、そんなことはあったのかもしれない。

 学力の延長線として、理系、大学では「科学力」というのがあるのだろう。先日も附属図書館の方がいらっしゃって、今度の講義のこと、Open Access Journalのことなど、議論されて戻られた。その時に、ふと、昔の本の話しをすることがあり、ずいぶん昔の本だけど、とてもしっかりしていると。。。今の科学力はもちろん、その少し前の科学力に基礎をおいている。今の新幹線も、太平洋戦争時代の技術力の応用だというのをきいたことがある。当時の技術力の高さを記したものが最近発見されたとか。。。また、日本の農産物も、その品質においては高く評価されている。これも技術力の賜物であろう。そういえば、先日出前講義をした受講生から「将来の農業について」という質問があった。現実が大変なことは十分理解しているが、先の科学力、技術力を活かして、将来性豊かな産業に復活してほしい。そうしたこととを実現するためにも、基礎的な学力、科学力が継続して将来に続くように、次のバトンを渡せるようにしないといけないのだと。。。

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 わたなべしるす

 PS. 12月になり、あっという間に4日が過ぎた。今日がちょうど、あの震災から、1,000日目になるとか。。。復旧、復興には、まだまだ。。。ここにもその科学力などあらゆるものをもう少し投入できないのだろうか。もどかしいものがある。これまでずっと「沿岸部」を見るのは、仙台空港周辺だけであったが、年明けには、少し勇気を持って、現場を見てみよう。何か違うものが見えるのではないかと。。。なにより、この震災で亡くなられた方々に、遠くからかもしれないが、哀悼の意を表し、黙祷したいと。。。。黙祷。

 PS.のPS. 今日、愛媛県の方から「媛まどんな(愛媛果試28号)」を頂きました。南香 x 天草の実生からできているらしく、オレンジの遺伝子が強く、ミカンの皮のむきやすさなども。いよかんからの転換品種らしいです。とてもよくできていました。というか、初めての食感でした。ありがとうございました。

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IT、失敗、経験(12/2)

2013年12月 2日 (月)

 この記事を書いてHPにuploadするにも、ITの力がないとできない。そう考えれば、身の回りの様々なものに使われている。今では、農業にもITを使ってという記事を見つけた。ミカンの栽培で、肥培管理、糖度などITの力を使い始めたらしい。植物工場のようなところであれば、さほど難しいことではないのかもしれないが、露地栽培でもこうしたことが起きているというのは。。昔であれば、経験と勘で行っていたのを、ITの力でというのだと思う。ただ、それでも試行錯誤があると。。つまり、最低限の知識の上に、こうしたものの力を使うからこそ、大きな発展があるのだろう。天気予報にももちろん、ITは使われていて、最近では今まで以上に細かく気温などの情報が出るようになり、使いやすくなった。どれくらい雨が降っているのか、風なのか。もう少ししたら、雪の降り方も、10min起きというのはありがたい。雪も温度によって、みぞれになったり変化する。それをセンサーでキャッチして、この情報を活かして、新幹線の減速の必要性を制御するとか。。。ITなくして、何かをするというのは、難しいのかもしれない。

DSCN0667.JPG ただ、経験と勘というように、「失敗」の上に、こうしたものが成り立っているというのは当然というか。。。ただ、大事なのは、この失敗がなぜなのかというのを理解することであろう。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があるように。。。では、どれくらい失敗することを我慢するのか。。。我慢という言葉も変かもしれないが。。。「石の上にも三年」という言葉もあるくらいである。また、実験をやっても、最初は失敗するかもしれない。2回目は失敗した点を明確にして。少し不慣れで。。。3回目には、ほぼできるようになるということをいう人もいる。と考えれば、「3という数字」は、失敗というか、やってみることで意味があるのかもしれない。

 それでもうまくいくためには、先にも書いた、一定のレベルが必要となる。余りに高望みをしても、それはなかなかうまくいかない。先の3という数字が通用しない。研究でも1つずつ階段を上がるように、というのが基本であろう。もちろん、これというidea、材料などに恵まれて、大きな飛躍がある時もあるが。。。それでも、基礎力は重要であろう。あとはもちろん、先の経験と勘を積み上げないと。。。なにをやっても「大きな差」がある時がある。その差をどうやって縮めるかということに、「戦略、戦術」が求められるのであろう。今年もあと、1ヶ月。残している仕事を少しでも少なくするように、しっかりとした「戦略、戦術」を立てて、がんばらないと。。。

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 わたなべしるす

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Nature Communications Open Access Seminar in 東北大・開催(11/29)

2013年11月29日 (金)

 以前にお知らせしていた「Nature Communications Open Access Seminar in 東北大」、朝は1oC台まで気温が下がりましたが、日中はそれなりに、温度も上がり。。。ガラス越しの日差しはそれなりでしたが、朝の気温が下がった分だけ、少し寒かったです。渡辺の方が今回のセミナーのお世話役でしたので、1.5hrくらい前に、研究室に来て頂き、簡単にこちらでやっている研究内容についてお話しというか。。。どうもやっぱり、英語は苦手です。。。話し始めれば、何とか、。。きいているnativeな方は、これでもと思われたかもしれないですが、最長海外滞在期間が、10 daysという渡辺には。。。お許し下さい。話しの中には、もちろん、これまでNatureに掲載して頂いた論文最近のアウトリーチ活動なども。。。最後に研究室を案内して。。。

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DSC_3146.JPG 実際の講義では、オープンアクセス化とその意義に始まり、Scientific Reportsを例にして、その編集方針など、。。では、肝心のNature, Nature sister journalsに掲載されるためには。。という核心の部分に。主たるアピールポイントが、生物学、遺伝学の研究でも物理学の研究者に理解されるべきと。。。。これはなるほどでした。先日も、量子テレポーテーションのことが、Natureに掲載されていましたが、読んで細かく理解できないまでも、abstractを読んで、なるほどと思うくらいは。。。(それで本当に理解できたかは。。。というのはあるかもしれないですが。興味はある問題だと。。。)。最後のところでは、論文の作成、投稿、編集プロセス、decision、コメント、。。。そして。。。無事、通過できれば。。。そのためには、その論文が「わぁーー!!」という驚嘆を持っているか。なるほどでした。

DSC_3188.JPG 渡辺自身、Plant Cell Physiol.のeditorをしていたこともあり、editorとしての共通性の部分とさらに高き理想を有している部分など、これからの論文作成の上で、大変参考になりました。目から鱗のようなことも。。。最後には、30minほどの質問の時間。話の途中で質問が入ったり、かなり多くの質問timeでした。ということで、有意義な2.5hrでした。

DSC_3252.JPG 最後になりましたが、今回のご縁を頂きました、Nature Publishing Groupの池田様、Nature Communications Executive Editor, Dr. Gerstner、ありがとうございました。Nature, Nature Communicationsが何を考えているのかなど、とてもinformativeでした。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。また、研究室のスタッフ、院生の皆さんには設営、受付、片付け、写真撮影、片付けまで何から何までお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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 わたなべしるす

 PS. 当日頂けるといっていた「Nature Communicationsのストラップ付カードケース」は、これでした(あけるのもなにか。。。福の神が。。という気がしたので。)。電子マネーなどのカードも入れて使えるとか。愛用の品になる方も多いのでは。。。こちらは、神棚に供えて。。と思っております。

DSCN0674.JPG PS.のPS. Dr. Gerstnerのプレゼンはとてもattractiveで、dynamicでした。これからの講義、出前講義での参考になりました。ありがとうございました。また、プレゼンに使ったのは、パソコンでなくて、このサイズのスマートフォンサイズのもの。。。。感動と共に、時代の進化の早さを感じました。

DSCN0672.JPG PS.のPS.のPS. 参加者はきちんと整理できてないのですが、50-60名でした。生命科学研究科に加えて、農学研究科、理学研究科、工学研究科という多くの研究からの参加を頂きました。ありがとうございました。また、あちこちにアナウンスした中に、渡辺がお世話している「科学者の卵養成講座」の卒業生の方々も。。。ありがとうございました。

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第21回生命科学セミナー開催(11/28)

2013年11月28日 (木)

 以前にお知らせしていた第21回生命科学セミナー「アブラナ科植物の雑種強勢について」神戸大の藤本先生が来仙されるというので。。。彼とは渡辺が岩手大に異動になった1998-1999年くらいに初めてお会いしたのだったでしょうか。あれから数えると、15年近くになりますが。。。その当時は、自家不和合性の研究をしていて、。。。いろいろな事情があって。。。その当たりは、また、時間を見つけて。。。その後、epigeneticsを早い段階からおもしろくなると、もくろまれていて。。その当たりは、さすがだなと。。。この夏だったでしょうか。新潟大から、現在の神戸大・農学部に准教授として着任にされました。新学術領域研究「ゲノム遺伝子相関」の公募研究班としてもjoinされていて。ゆっくりと「雑種強勢」の話を聞くのは初めてでした。雑種強勢は、植物育種の講義等できいていて、不思議な現象として、多くの方がトライされていますが、これという結論がないのも現状です。

 で、講義では。。。ダーウィンがはじめて記述して、トウモロコシでは雑種の方が25%以上よいということを記しているとか。。。「優性説」、「超優性説」、「epistasis説」というのが雑種強勢のいまでも定説だとか。。。また、hybrid cornを作るために、手で除雄したとか。それでは割に合わないので、細胞質雄性不稔(Cytoplasmic Male Sterility)を使うようになったとか。F1雑種を植えれば、そろいがよいとか。最初のところは、学生の時に、植物育種の講義で、日向先生から聴いたのを思い出しました。そのあとの、最近の採種事情なども。。。もちろん勉強になりました。では、実際の解析では、シロイヌナズナとハクサイを材料として。。。表現型、遺伝子発現解析等、かなり細かく見ておられて、これからが楽しみ。。また、機会を見て、セミナーをお願いしたいくらいでした。また、こちらでこれからやろうと思っている異なる実験でも十分、参考になるようなセミナーでした。ありがとうございました。

DSCN0671.JPG 最後になりましたが、研究の合間にこちらに来て頂き、セミナーありがとうございました。また、ぜひ、来仙の折には。逆に、神戸に伺った時には。セミナーをしたいと思いますので。ありがとうございました。書く位置がおかしなところになったかもしれないですが、藤本先生のところの教授が先日来仙された「安田先生」です。


 わたなべしるす

 PS. セミナーの時間帯は少しずれていて、参加できなくなかったのですが、お世話になっている理研の仁科の阿部様126回金属材料研究所講演会の特別講演で「量子ビームを用いて「東北ブランド」の新しい農水産物を創る」というので。。。少しだけお目にかかって。最近の量子ビーム育種の現状などを情報交換できました。ありがとうございました。

DSCN0668.JPG PS.のPS. 今日、M2, D3の4名分、五月雨式でしたが、論文タイトルを教務に提出完了。次は、論文そのものを審査員に指定の時期までに提出して審査を受けるという日程に合わせて、というところでしょうか。審査の時間まで入れてもあと、3ヶ月でしょうか。石にかじりついてもがんばるしかないと思います。。。

 PS.のPS.のPS. 先日来より、2ヶ所から「ミカン」を頂きました。ありがとうございました。ちょうど、この時期は早生品種の最後から中生に切り替わる時期。頂いたのは皮の感じから、早生品種かと。。おいしく頂きました。ありがとうございました。

DSCN0666.JPG PS.のPS.のPS.のPS. 8/16に追伸で掲載した、「クミアイ化学工業株式会社・第2回学生懸賞論文募集」。テーマは、日本の農業に若者の息吹を!--農業の未来を考える--、というもの。数日前にも、農業というか、過疎のことについて記しました。自分でも気になっていることで。。。農業問題。何とかしたいと。自分が大学生、大学院生なら、ぜひ、トライしてみたいと思うのですが。。。何より、懸賞というくらいなので。〆切も12月末まで延長したようです(HPでは、まだ、10月末でとなっていますが、そんなことも小耳に挟みました。)。年末の忙しい折ですが、ぜひにと思う、学生、大学院生の方、一攫千金でないですが、こうしたものにトライして、文章力を磨き、あわせて。。表彰して、もらえるというは、よいことだと思うのですが。これを読んだ方が、トライされることを期待して。。。

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ひと足早く大掃除をしました!

2013年11月27日 (水)

こんにちは、M1の辺本です。

今年も残り僅かとなりましたね。早いものです・・・
さて、昨日はラボの大掃除でした。
寒い日が続いていますが、昨日は素敵な掃除日和。
日頃見過ごしている汚れまで綺麗に落とすために皆で頑張りました。

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移動できる物は全て廊下へ出し、上から下へ埃を落としていく。
床の汚れは、激落ちくんでとにかく磨く。
換気扇、空気清浄機なども・・・綺麗に出来るところは全部綺麗に。

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お昼ご飯は、本家かまどやで注文したお弁当を。
みなさん朝から良く働き、お腹ぺこぺこだったので、あっという間にペロリ~でした。
みかんも美味しく頂きました。なべさん、ご馳走様でした。

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お腹が満たされた後も大掃除は続き・・・
午前中の疲れと、昼食後の睡魔と戦いつつ、ワックスまで仕上げました。
というのもワックスまで仕上げればケーキが待っているので、必死に頑張りました。

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みなさんの頑張りのお陰で、15時前にケーキにありつくことができました。
今回のケーキは藤崎地下のFLOで注文しました。
「基盤研究(A)おめでとう」のプレートを添えて・・・なべさん、おめでとうございます!
そしてケーキもご馳走様でした。

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ラボ内のワックスが乾いたら、移動した物を元に戻し、最後に玄関の掃除を。
皆さん、だいぶ疲れが溜まっていましたが協力して仕上げました。
実はケーキを食べている間にバイトの小倉君が来てくれたので、彼にも手伝ってもらいました。
小倉君ありがとう!みなさんのお陰でピカピカ~なラボになりました。お疲れさまでした。

それにしても早目の大掃除は良いですね。12月にするものとは限らないですものね。
暮れになってからは、寒いし、わたわたした中で喧嘩になりかねません。
早目の大掃除、オススメですよ!みなさんも是非!


M1 ナベ

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