文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」
6月2日から4日にかけて神戸で開催されました会合に参加をさせて頂きました。人生で2回目の研究会でしたが、今回も多くの素晴らしい研究者の方々とお会いすることができました。
とても面白く興味深い研究発表の連続でしたが、私はまだまだ知識も経験も乏しく、皆さんの研究発表を完全に理解することが出来ませんでした。ですが参加されていた皆さんが、快く私の質問に答えて下さり、また理解が深まる様にと、質問に対する回答以上に説明をして下さいました。毎回視野が広がるのを感じ、研究の面白さを感じました。また私は修士課程から、海外の大学院への進学を志しているのですが、実際に留学をされていた方が非常に多くいらして、大学院進学に関するアドバイスを頂くことが出来ました。私の希望している道とは違う道を勧めて下さる方もいらっしゃいました。どの道を選ぶかまだ悩んではおりますが、様々な観点からの貴重なご意見を頂けたことを、嬉しく思います。この研究会を通して視野が広がり、自身の研究や将来の展望についてより柔軟に深く考えることが出来ました。
またこの様な機会に恵まれましたら、より自信をもって研究発表や、ディスカッションが出来る様、今後とも努力を続けて行きたいと思います。 素晴らしい会に参加をさせて頂き、また沢山ご教授頂き、どうもありがとうございました。
長谷川 優(学士課程4年生)
北海道大学農学部・Derek GOTO研究室
ショウジョウバエのニューロンの性を決定するFruitless(Fru)タンパク質が、クロマチン構造制御を通じてその機能を発揮することは、原著論文、Ito, H. et al. (2012) Cell 149, 1327-1338に報告しています。その研究により、FruがHDAC1を標的サイトに動員すると雄化が進み、HP1aを動員すると脱雄化へと向かうことがわかりましたが、この二つのどちらが動員されるのかを決める仕組みは不明です。これについて、蛹化の前後に二峰性のピークを示して上昇するステロイドホルモンのエクダイソンが、HDAC1とHP1aとを継起して標的に動員するとする仮説を、雑誌Flyに発表しました。
出典:Ito, H., Sato, K. and Yamamoto, D. (2013) Sex-switching of the Drosophila brain by two antagonistic
chromatin factors. Fly 7, 87-91.