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本領域研究で扱う自家不和合性の雌雄因子間相互作用に関する総説がCurrent Opinion in Plant Biology に掲載されました。

植物の自家不和合性の多くは、S遺伝子座のハプロタイプ(S1, S2, ---, Sn)によって制御されており、(自己花粉の場合の様に)花粉と雌ずいが同じSハプロタイプを有する時に受精が抑制されます。この自他識別反応は、各Sハプロタイプがコードする少なくとも2つの因子(花粉因子と雌ずい因子)間の相互作用を介して行われています。最新の研究により、この自他識別反応は根本的に異なる2つの仕組みを含むことが明らかとなってきました。すなわち、アブラナ科やケシ科の植物の場合のように、自己の(同じSハプロタイプの)花粉因子と雌ずい因子が相互作用することで受精を抑制する反応が起きる仕組みと、非自己の(異なるSハプロタイプの)花粉因子と雌ずい因子が相互作用することで受精を促進する反応が起きる仕組みです。本新学術領域研究では、これら2つの仕組みを詳細に比較解析すると共に、こうした相互作用因子が生み出されてくる進化の過程に切り込む予定です。
Self/non-self discrimination in angiosperm self-incompatibility
Iwano, M., Takayama, S.
Curr. Opin. Plant Biol. (2012) 15, 78-83.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21968124
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