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研究経過報告|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

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2014年9月の記事を表示しています

DNA脱メチル化の機構に関してPNAS論文掲載

木下班の研究成果がPNASに掲載されました。

Diana Buzasさんらの解析の結果、Cytosolic Iron-Sulfur Assembly(CIA)に関わることが知られているDRE2がシロイヌナズナのインプリント遺伝子FWAをはじめ複数の遺伝子のDNA脱メチル化に関わることが明らかになりました。DRE2は、ヒトから酵母まで保存されており、これまでにCIA経路に関わることに加えて、アポトーシスの抑制に関わること、また、N末にDNAメチル化酵素に類似のSAMドメインをもち、ストレスに応じて核移行を示すことなど、興味深い振る舞いが注目されていました。今回、シロイヌナズナのメス側生殖細胞にてDNA脱メチル化に必要なことが示されたことをきっかけに今後の展開が期待されると思われます。
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班員の受賞とアウトリーチ活動

高橋班研究分担者の長田直樹博士(写真、国立遺伝学研究所)が第86回日本遺伝学会(長浜9/17-19)におきまして奨励賞を受賞されました。受賞内容は、「ゲノム情報と進化理論の統合による進化機構の解明」 と、進化学的視点をもとにしたバイオインフォマティックスの研究成果が評価されたものです。

Osada-9-18-2014.jpg

また、先月開催された日本進化学会第16回大阪大会(高槻8/21-24)にて、大学院生(M1)の秋山礼良さん(下写真右端)が、学生ポスター賞を受賞しました。「キイロショウジョウバエにおける体色変異と低温、乾燥耐性」に関する研究です。

Akiyama-8-23-2014.jpg


アウトリーチ活動として、8月6日に首都大学東京生命科学コースにて開催された高校生向けオープンクラスの中で、高橋がショウジョウバエの形態や体色に関する実習を行いました(下写真)。

2014-8-6オープンクラス.jpg

高橋記す

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研究成果がMolecular Ecologyに掲載されました

日本メダカの雌雄差の地理的変異の遺伝基盤を解明
雄雌で繁殖に有利な表現型が異なる場合、性差が進化することがあります。雌雄差は集団間によってその程度は大きく異なっていますが、その遺伝基盤はよく分かっていません。このたび、国立遺伝学研究室の北野潤研究室と琉球大学の山平寿智研究室の共同研究により、日本の野生メダカを用いてその遺伝基盤に迫る研究がMolecular Ecology誌にオンライン発表されました。
メダカは、オスの尻ビレがメスよりも発達していることはよく知られており、交配時にオスがメスをつかむためであると考えられています。山平研究室では沖縄のメダカの方が、青森のメダカよりも尻ビレの性差が顕著であることを見いだしていました。そこで、北野研究室ではこの集団間の違いを生み出す原因遺伝子座をマッピングし、染色体14番に強い効果のある遺伝子座を同定しました。この際に、テキサス大学のカークパトリック博士と共同で直交ルジャンドル多項式を用いる曲線の解析方法を確立しました。今後は、この遺伝的実体に迫ることで、野外の生物集団における雌雄差の変異の遺伝機構に迫ります。
Kawajiri, M., Yoshida, K., Fujimoto, S., Mokodongan, D., Ravinet, M., Kirkpatrick, M., Yamahira, K., and *Kitano, J. (2014) Ontogenetic stage-specific quantitative trait loci contribute to divergence in developmental trajectories of sexually dimorphic fins between medaka populations. 

図:オス(上)の方が、メス(下)よりも長い尻ビレを持つ
medaka.jpg

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長浜バイオ大学にて開催されました日本遺伝学会第86回大会にて、九州大学の酒田祐佳さん(佐渡班)と「マウス遺伝学が牽引する最先端生命科学」と題しましてワークショップをオーガナイズしました。

 

マウスは、哺乳類を代表するモデル動物として近交系が数多く樹立され、遺伝学的研究が盛んに行われてきました。近年は、次世代シークエンサーを利用した大規模な情報解析やゲノム編集技術の応用により、生命現象のメカニズムに関する新たな知見が増大しています。ワークショップでは、特に生殖関連の分野でご活躍されている先生方をお呼びして、その最先端の話題を提供していただき、マウス遺伝学が果たす生命科学における役割について活発に議論する場となりました。


WS17-1 変異Xist RNAがつくるヘテロクロマチン様構造の詳細

酒田祐佳(九州大学)

WS17-2 ゲノムイメージングから迫るリプログラミング機構

宮成悠介(岡崎統合バイオサイエンスセンター)

WS17-3 遺伝子発現におけるシス調節領域の進化と生殖隔離

岡彩子(新領域融合研究センター)

WS17-4 マウスSox9遺伝子の生殖腺、軟骨エンハンサーの同定

高田修治(国立成育医療研究センター研究所)

WS17-5 多機能性幹細胞と生殖細胞を隔てるエピジェネティック障壁

松居靖久(東北大学 加齢医学研究所)

 

講演頂いた松居靖久先生、高田修治先生、宮成悠介先生、誠にありがとうございました。また本領域の佐渡敬先生にもたくさんのご助言を頂き、感謝いたします。

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子育て雑誌でヒトの性行動に関する疑問に答えました

広報/アウトリーチ


山元は、子育てマガジン『AERA With Baby』の"目覚めよ、パパの本能!"に登場し、「産後夫婦のセックスレスは誰のせい?」との質問に、行動遺伝学の立場から答えています。


出典:AERA with Baby No. 38, p. 124-125, 20141015日発行、朝日新聞出版


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図:掲載号の表紙。

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