HOME > 研究経過報告 > 2012年10月アーカイブ

研究経過報告|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

「研究経過報告」内を検索

2012年10月の記事を表示しています

高橋文班員が日本遺伝学会奨励賞を受賞されました。

奨励賞賞状.jpg

84回日本遺伝学会年会(福岡)におきまして、班員の高橋文さん(首都大学東京)が奨励賞を受賞されました(『ショウジョウバエにおける進化遺伝学研究』)。高橋さんのご研究の着眼点である「種分化初期(種分化がまさに進みつつあるところ)の遺伝的変異」に関してショウジョウバエ野外集団を用いて長年解析されてきた成果が評価されたものです。

(木下@奈良先端大)


上記テーマに関する論文の一部を以下にリンクします。

*Takahashi, A., Fujiwara-Tsujii, N., Yamaoka, R., Itoh, M., Ozaki, M. and Takano-Shimizu, T. (2012). Cuticular hydrocarbon content that affects male mate preference of Drosophila melanogaster from West Africa. Int. J. Evol. Biol. 2012, Article ID 278903. Pubmed link

*Takahashi, A. and Takano-Shimizu, T. (2011) Divergent enhancer haplotype of ebony on inversion In(3R)Payne associated with pigmentation variation in a tropical population of Drosophila melanogaster. Mol. Ecol. 20, 4277-87. 
Pubmed link

*Takahashi, A., Takahashi, K., Ueda, R., and Takano-Shimizu, T. (2007). Natural variation of ebony gene controlling thoracic pigmentation in Drosophila melanogaster. Genetics 177, 1233-1237. Pubmed link

*Takahashi, A., and Takano-Shimizu, T. (2005). A high frequency null mutant of an odorant-binding protein gene, Obp57e, in Drosophila melanogaster. Genetics 170, 709-18.Pubmed link

Takahashi, A., Tsaur, S.-C., Coyne, J. A., and *Wu, C.-I. (2001). The nucleotide changes governing cuticular hydrocarbon variation and their evolution in Drosophila melanogaster. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98, 3920-3925. PNAS link

ページトップへ|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

研究成果が【科研費NEWSレター】に掲載されました

本年度4月に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文の内容が、科学研究費助成事業(科研費)による最近の研究成果を紹介する冊子「科研費NEWSレター」の2012年度vol.2に掲載されました。

http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/22_letter/index.html
http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/22_letter/data/news_2012_vol2/p15.pdf

この論文では、植物の背丈の制御に関わる受容体とそのリガンドの組み合わせを報告しました。
以下に概要を記します。

植物は環境に適応して背丈を柔軟に変化させます。したがって、背丈のコントロールの仕組みの解明は、植物の生存戦略の理解のために非常に重要です。一方で、植物の背丈は作物の生産性にも大きく関わります。有用部位の生産力を変えずに背丈だけを低く出来ると、作物が倒れにくく栽培の手間が省け、かさ張らないために密度高く栽培できます。また、茎の成長のためのエネルギーが有用部位に回るので肥料の効率的な使用が可能になります。したがって、人為的に植物の背丈を変化させる技術の開発は作物の生産性の向上に有望です。しかしそのためには、そもそも植物が背丈をどのような仕組みでコントロールしているのかを解明する必要があります。


今回植物の背丈をコントロールするリガンドと受容体の組み合わせを発見したことにより、今後は植物の背丈を特異的に操るための薬剤の開発などが可能になると考えられ、作物の生産性向上につながると期待されます。

本研究結果を新たな出発点として、背丈のコントロールに関わるさらなる仕組みの解明を目指していきたいと考えています。

ページトップへ|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

ページトップへ|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関