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2014年3月の記事を表示しています

 「ATGCという塩基配列で書かれたゲノム情報が、遺伝と進化の単位」というのが現在の生命観です。これに対して、「エピゲノム情報こそが、遺伝と進化の単位」ではないかと、私たちは考えました。エピゲノム情報の中でも、塩基配列に特異的な塩基メチル化が、遺伝子発現と適応的形質を変える可能性に注目しました。


 この「エピゲノム駆動進化仮説」をテストするために、ピロリ菌5株について、PacBio社の 一分子リアルタイムシーケンシング技術によって、ゲノム全域でメチル化塩基を一塩基の分解能で検出しました。(ピロリ菌と、その仲間は、ヒトと動物に胃がんなどの病気を起こす単細胞の細菌です。)


  メチル化の配列特異性を担う遺伝子が、遺伝子内ドメイン配列移動(DoMo)という再編機構によって、メチル化配列を切り替えている事を証明しました。さらに、メチル化配列特異性遺伝子の有無が遺伝子発現に影響することを、トランスクリプトーム解析(IlluminaマシンによるRNA-seq)で、示しました。


 本成果は「生物がエピゲノム状態を作り替えることで進化する」という「エピゲノム駆動進化」仮説を支持します。さらに、エピゲノムを標的とする「エピゲノム育種」への道を開きます。

Furuta, Y. et al. PLoS Genetics, in press.

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