東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

可視化、意識、上昇気流(8/12)

2013年8月12日 (月)

 顕微鏡の性能がよくなったり、これまでの顕微鏡とは概念が異なるような顕微鏡の形をしたものもまで現れ、観察をするという点では、よくなった。実体顕微鏡もかなり高倍率まで見えるようになり、植物を扱っている上では、生きているままで、観察というのがしやすくなった。というか、これまでは見えなかったのが、見えるようになったので、可視化が進んだとでもいえばよいのだろうか。ただ、見えるようになったからといって、すぐに何かがわかる訳ではない。そこで何が起きているかをしっかり考えて、何にターゲットを絞ってみるのかによって、本当の意味で、見たいものが見えないような気がする。道具は進歩するかもしれないが、それに対応して、使う側も進歩しなければ、意味がないような気がする。

DSCN4485.JPG 新しい機械であったり、新しい手法など、顕微鏡の進歩のように日々、進化している。植物では無理といわれていた、相同組み換えもあながち遠い世界ではなさそうである。そうした先端のものに触れたり、先端の話を聞いたり、そうしたことは、先日の国際学会に参加してくれた学生さんのコメントを見ていてもよくわかる。それ以上に重要なのは、そうした様々な刺激に出会った時に、その刺激を受け取ったものが、どの様に意識して、自分のものにするかであろう。観点を変えれば、刺激は国際学会のようなところでなくても、日々の生活の中のちょっとしたことにも、刺激はある。その刺激をどれくらい意識するか、それによって、成長の度合いが違ってくるのであろう。もちろん、植物も日々、外部からの刺激を受けていて、脳みそとか、神経がない分、個々の細胞レベルで刺激を感受し、反応している分、すごいのかもしれない。直接的な比較はできないが。。。

 囲碁はできないが、将棋は少しできる。ちょっとできる人なら、勝てない、そんなレベルである。将棋界でもすごい棋士はほんの一握り。もちろん、そうでない人もプロであり、勝てる相手ではない。つまり、上の方が少なくて、下層の方が多いというのは、どこでも見られることであり、安定した構造なのかもしれない。もちろん、上だからといって、のほほんとしている訳にはいかない。常に研究をしていなければ、下の方が、新しい技術を駆使したりして、やられてしまう。そうならないように、研究をしているのだろう。論文だと、良い悪いは別にして、Impact factorという雑誌のレベルを評価する数字がある。もちろん、上は、30くらいで、下は、1を切るものもある。当然ながら、下の方が多い。いかに、下から上へというのは、どこでも同じである。そんな上昇気流が起きれば、積乱雲ができて、この暑さに涼しさが来るのではないかと。。。今日の落ちはどうも切れがない。。。あまりに日本が暑すぎるからだろうか。。なので、このあたりで筆を置くことにする。。。。

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 わたなべしるす

 PS. 気流で思い出したが、日航機墜落事故から今日で28年。このニュースを見たのは、大学2年の時であった。何が起きたのか、テレビを見ていた。そんなに時間がたつのだと。。。改めて、亡くなられた方々にこのHPから哀悼の意を表したいと思います。黙祷。。。

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