東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2013年2月の記事です。

福島高等学校・SSH生徒研究発表会に参加して。

2013年2月27日 (水)

こんにちは。学生アルバイトの南條です!試験が終わり成績が全て開示され、初めての大学生活も一年を迎えようとしています。東北大農学部一年は学系が成績によってもうすぐ決まるので毎日が落ち着かないです。

ところで先日、渡辺先生に誘われて、わたしの母校である福島県立福島高等学校に訪れました。福島高等学校はSSH指定校で今年度は二期コアSSHを実施しております。わたしの在学中よりSSHの環境がかなり発展していて、とても羨ましいかぎりです。

福島高等学校のSSHの生徒研究発表会ということで、後輩たちの成長を覗いて来ました。今回、磐城高校を招待するという初の試みだったようです。内容は文系理系問わず学校全体で取り組めるSSHの体制や、海外への情報発信、震災復興プランなどSSHの活動内容が多種多様で、発表数も多く大変充実していました。また、わたしの同級生で科学者の卵養成講座OBの後藤弘宣くんも来てくれました。後輩の発表や自分たちの代との比較について、話し合え楽しかったです。

DSCN5616.JPGここで OGから辛口コメント(笑)
発表会としてとても良かったです。磐城高校も呼んで、文系の生徒にも飽きさせない工夫がされていたと感じました。しかし、ひとこと言わせていただきますと、校内で行われた発表会だということにもう少し注目してみては良かったのではないかと感じました。どの生徒にもわかりやすく、楽しめる発表の方法や、唯一聴講者が発表者に意見を述べられる質疑応答の重点を行ったらなおよいかと思います。後輩たちのさらなる発展を願っております。ぜひぜひ自分たちを超えていってほしいです。このように、大口叩いておきながら自分はどうなんだと訊かれると困ってしまいますが...

最後に、発表会を作り上げた先生方や生徒の皆さんお疲れ様でした。一部でしたがお世話になった先生方と少しだけでも話ができてよかったです。また伺うのでそのときはよろしくお願いいたします。


以上ちょっとだけ帰省した南條でした。

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【出前講義】仙台市立木町通小学校・6年生特別講義「環境と植物から考える」(2/26)

2013年2月26日 (火)

 前回木町通小学校に伺ったのは、12/1(土)。キャリア教育で伺いました。今年度の秋は短く、12月になって、冬らしくなったと思っていて、そんなに寒い冬にはならないだろうと。。。高をくくっていました。ところが、年が明けると、寒い、雪は降るという、厳しい冬に。。。結構、かなり、計算違いがありました。木町通小学校へのはじめての年間出前講義も、3年生の「ひまわりのお花の秘密」、4年生の「ヘチマの仲間」、5年生の「キャベツとブロッコリー」と「花の不思議」。6年生の「博士になろう!研究をしてみよう!」。という形で、何とか、1年を終えることができました。

DSCN5643.JPG 今年度最後の出前講義は「環境問題」。環境という言葉は、使い方を考えると、どの様なことにも使える。それくらい幅広いものであることを説明して。。。その上で、「地球シミュレーター」での予測の話。60歳くらいになった時に、地球の気温がどれくらいになるか。すごく上昇すると、人間は、植物は、どうなるのだろうと。。

DSCN5670.JPG 現在、工業的に、CO2を固定することなどがtryされていますが、植物は「光合成」によって、CO2をとうに固定することができる訳です。ただ、この光合成も環境によって影響を受けたり、最終的な果実、種子という、毎日、食卓に上るようなものがきちんと生産されるためには、「環境」ということがとても重要と。さらに、毎日食べているものの中に、「イネ科」、「アブラナ科」がどれだけ多いか。これも実感してもらえたのではと思います。今まで以上に、環境と植物というものが近く感じてもらえたのでは。。。講義の中で感動したのは、生き物の進化とDNA量についてのところ。遺伝子の数という訳ではないのですが、DNA量が多いというのは、一般的に両生類。そのあと、は虫類、鳥類、ほ乳類と一般的には、DNA量は少なくなります。それをクイズ形式にして、どれがということとか、なぜと言うことを聞いたところ、「水と陸への適応」という答えを。感動でした。

DSCN5689.JPG 講義のあと、木町通小学校では恒例のクラスで一緒に給食。給食をしながら、講義のこと、できなかった質問など、肩の力を抜いての交流は何よりであったと思います。とても生き物、遺伝子に興味のある子供さんもいて、給食をしながら、ずっと議論を。とても楽しい時間でした。給食のあとは、熊谷校長先生と、昨今の教育問題について、1hrほど。今日の講義を踏まえて、「進化」、「適応」、「話しと間」、「土曜日と半ドン」、「ゆとり教育」など、これから、小中高大連携を通して考えないといけない多くの問題を、この機会に話ができたのは、何よりでした。また、帰り際に、教務の熊谷先生も交えて、次年度も同じくらいの日程でというお願いを頂けたのは、うれしいお話しでした。

 最後になりましたが、熊谷校長先生、教務の熊谷先生、6年生の先生方、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。次年度もより発展させた形での特別講義を展開できればと思っております。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 今年度で終了する科研費・若手研究(S)。その報告書ができ、日頃お世話になっているところに少ないですが、配布しました。ちょうど、届いたタイミングのようで、ここ数日そのお礼のmailを頂いております。何らかのお役に立ったり、共同研究の礎になればと。。。

 PS.のPS. ほとんどの大学で、昨日今日と大学入試前期日程。仙台では、昨日は大雪で開始時間が遅れたとか。自分の頃には、3/1の卒業式のあとに、すぐ、1回だけだったのが。。。昨今の変化で、前期でほとんど決まるようになり。。。人数的には。。。出前講義、SSH、科学者の卵などで、話をした受験生皆さん、お疲れ様でした。結果が出るまでの間、自分を見つめ直す時間だと思います。ほっとして、しっかり考えてだとおもいます。もう少しです。がんばって下さい。

 PS.のPS.のPS. 昨日、栃木、福島、群馬の県境当たりで、M6.2の地震が。。。そのあと、かなり頻繁に余震が。。。ここからそんなに遠くないだけに、。。テレビで見た時、震災の少し前から搖れがあったとか。。。日本はどうなるのか、、。。少し気になる、昨日の事象でした。


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技、ルール、開花(2/23)

2013年2月23日 (土)

 最近実験することは、といわれると。。。。ガラス室の植物の観察くらいだろうか。特に、このところ低温が続いていることもあって、植物体に低温障害が出ないか気になる。それ以外は実験機器が、自分が使っていたものから比べると、数段version upしているものが多く、簡単に手を出せない。というのも多くがパソコン制御になっていて、暴走してはいけないと思うのが先に立つからでもある。つまり、多くの場合、自動制御と言うことになっており、実験をする人による差が小さくなっているのかもしれない。昔であれば、DNAの塩基配列を決めるにあたって、今のようにキャピラリーの系でなく、特殊なガラス板に溶液を流し込み、ゲルを作る。季節によっては急速に固化し、全部流し込む前に固まったり、何故か、全く固化しないで周りのシールをとると、液体が全部流れた。。。こうした悲しいというか、むなしい思いをして。。。こうした失敗をたくさんして、なんとか思うように、実験技術を習得したような気がする。そうしているうちに、この実験なら、この人が上手というのが出てきた。つまり、この人の「技」はすばらしいと。なので、他の研究室の方であっても、そうした方々と共同して実験をした。今でもそうかもしれないが、得意技というか、得手不得手がある。そんなことを考えながら、出張中にとある本を読んでいたら、「ウルトラマンのように、必殺技、スペシウム光線があれば、戦略はいらない」。。。なるほどと。。これを使ったら、絶対に勝てる、できるという技があれば、。。確かに研究でもほしい、必殺技である。

DSCN5120.JPG 実験が終われば、それをまとめて、論文にすることが大事である。最初に書いた論文は、1991年。それまで論文をそれなりに読んでいたとはいえ、英語が不得手な自分には、かなりこたえた。とはいえ、何とかPlant Cell Phyisol.に掲載された。論文を書くためには、もちろんルールがある。マージンはどれくらい、double spaceで書く、引用文献には、それぞれのJournal(雑誌)によって、formatが異なるなどなど。英語の論文という大枠でのグローバルな決まり、ルールはある。ただ、それぞれのJournalでローカルなルールが違う。むかしはJournal、つまり、雑誌は本として読んでいたというか、copyして読んでいた。ところが、最近は電子版、つまり、HPのpdfだけでの公開。さらに、open accessにして、誰でも見ることができるようにしないといけない。時代によって、ルールが変わってきている。ルールを作るのは、人間。そして、それが受け入れられれば、標準化される。最初にいかにこれはというideaでもって、ルールを構築するかというのは、大事なことなのであろう。

 実験に花を使っている。30年近く。花が咲くまで、結構時間がかかる。花が咲いたら咲いたで、1ヶ月ほどで終わる。ソメイヨシノなどのバラ科から比べれば、開花期間は長いのかもしれない。ニホンナシの自家不和合性をやっている方に聞いたとき、1 weekだったような。寝ずの仕事になる。イネも特定の品種に限ってサンプリングしようとすると、同じかもしれない。昨日テレビを見ていたら、バラ科のウメとカンザクラの話が。いつもの年なら、こんなに寒くないので、すでにどちらも開花しているのに、今年はどちらもようやく開花とか。それだけ、寒いのだろう。ウメだと、開花から花が散るまでは長くないけど、カンザクラは、一度に咲かずに、ちらほらと咲くので、開花期間が長いとか。カンザクラは、元々年末の12月に咲くと。その時期なら、開花期間が長くないと、訪花昆虫に困るだろう。だから、長くなったのではないかと思った。。。名前だけ聞くと、ウメとサクラ。ウメの方が早くてサクラの方があとからという感じかもしれないが、サクラの種が違うと、こうなるのかも。もちろん、カンザクラとソメイヨシノは、同じ、Prunus属でも、開花期間が違うのは、おもしろい。これも植物の生存戦略なのだろうと(Prunus属をサクラ属(スモモ属とも)とする分類と、Cerasus属(サクラ属)という分類もあるとか、。。どうも学生の頃と学名が変わりつつあり、脳みその整理ができません。。。。)。寒い東北では、ウメ、モモ、ソメイヨシノはあまり間なく咲く。もう少し花のシーズンには遠いと思った、今週の盛岡、福島、水沢への出張であった。

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 わたなべしるす

 PS. 前にも紹介したことがあったと思いますが、水沢高校の玄関には、大きな「砥部焼」の。。いつ見てもこの色合いを見ると、懐かしさを感じるのでした。

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【出前授業】平成24年度コアSSH「アブラナ科植物の遺伝的多様性に関する研究」報告会・コメンテーター(2/23, 3/5追記)

2013年2月23日 (土)

 今日も朝から水沢は雪です。もちろん、仙台もですが。。。本当によく降ります。最初の校長先生からの挨拶で、水沢の出身者の著名人として「後藤新平」。岩手県出身の総理大臣は5名とか。自分の出身の愛媛県にはいなかったような。。。これをお国柄というのでしょうか。自然環境とこうした偉人との関係を考察してみるのも、科学ではないかもしれないですが、興味深いことなのではないかと。。

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DSCN5632.JPG さて、この研究も1年の空きがあるものの、今年が4年目。今年度の参加校は14校。北は北海道から、南は佐賀県まで。日本全体をカバーしたような、コンソーシアムになったのは、よく発展したのだと。夏には、遺伝子解析等の講習会もありました。ここでは、アブラナ科植物、それも、キャベツ、ブロッコリーを含む、Brassica oleraceaを主たる材料にして、この4年間、いろいろなことがわかったのでは。。。Power pointでのプレゼンとポスター発表。学校間の共同研究、基礎的な形態観察というこれからの、科学を支える人材に大切なことを行っているのは、何よりよいことではないかと。。。また、ちょうど、この時期は学年末の定期試験。参加できない生徒さんも。そのときのために、プレゼンは、あらかじめDVDに録画しておいたものを使う。なるほど。ポスターセッションでは、いろいろな課題について、deepなdiscussionもできましたし、終わったあとに、質問に来るという熱心な生徒さんも。。。もちろん、問題点もいくつかあり、どこでもそうかもしれないですが、統計的な処理というのは、これからのSSHで考えるべき問題だと。。

 最後になりましたが、発表会でお世話になりました、校長先生、高木先生、佐藤先生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。

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 わたなべしるす

 PS. 週明けの25, 26日は、大学入試の前期日程。この週末から来週にかけて、全国的に寒波が日本列島に居座るとか。。大変な時期に寒さが襲来。そんなことにめげず、それぞれの目標を達成するためにがんばってください。気温も3月には例年以上になるそうです。皆さんにも春が来ると思いますので。あと少し、がんばってください。

 PS.のPS. 2/24(日)付けの、岩手日報の1ページを使って、今回のSSH発表会のことを取り上げて頂きました。ありがとうございました。新聞については、水沢高校のHPに写真がありました。あわせてごらん頂ければと思います。

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【出前講義】福島県立福島高等学校・SSH運営指導委員会・生徒研究発表会(2/21)

2013年2月21日 (木)

 前日までは寒さだけでしたが、朝には積雪が。。。。本当に今年はよく降ります。昨日、一昨日の仙台三盛岡三に続いて、福島。3日連続のSSH関連。今まででも初めてのことかもしれません。

DSCN5617.JPG 今年度から2期目が始まり、新しいことにいろいろとtryされており、課題研究をやっているグループが、全国クラスの大会に参加し、表彰をされているグループもあるのは、よいのでは。何より、井の中の蛙にならないで、外との交流はよい刺激になると、感じた次第です。プレゼン力については、特別講義を大学教員を招聘して実施したのは、これからの力になるのでは。。。それに対して、秋のこの会議でも問題となった「文章力」については、まだ、検討課題のようでした。次年度に向けては、少しサポートできればと感じた次第です。2011/03/11を踏まえて、「福島復興・再生」にむけて、ITとも融合して、チャレンジングなことをしているのは、興味深いことでした。ぜひ、次年度発展してほしいと。全校での「運営体制」。これは、一部の高校を除いて、実施する上で大きな問題。運営指導委員の先生からも、これまでの運営の見直し、全校での運営体制の構築がリクエストされました。ぜひ、次年度はこうしたことの改善が見られればと思いました。コアSSHの取組としては、サイエンスコミュニケーション、科学オリンピックへのtryをkey wordに、福島県全体での実施で、科学力の底上げ、地域への還元というのは、よい方向性ではないかと思いました。会議のあとには、授業公開と言うことで、1, 2年生の授業風景を拝見しました。SSH以外の普通の授業を見るのは、本当に久し振り。今の高校生が、何をどのように学んでいるのか、というのを再認識できたと思います。いろいろな教科の現状も含めて。1年生で電気というか、物理の基礎をやっていたり、数学の解法、国語、英語等も。これからの出前講義の参考にしたいと思います。また、黒板に板書をしている授業風景を見えて、30年以上前の自分を思い出したり、数学の授業はあんな風だったなとか。苦手だった、英語とか、国語の授業は、。。。やっぱり敷居は高かったです。あの時、もっと、ちゃんと、いろいろなことを注意して聞いていたらよかったなと。。反省でした。

 午後からの生徒研究発表会では、福島県内で同じくSSHをやっている磐城高校も合同で。もちろん、磐城高校もプレゼンをして。ちょうど、今年度の初めに講義をした1年生の発表というのには、感動しました。2011/03/11の原発、津波の影響もあり、放射線、復興というテーマでの発表があったのは、痛々しくもあり、また、これからの復興を支える人材としては、頼もしいものもありました。発表会の講評をお願いされ、「考える」ことの大切さを数学を例に、普段から自然の変化の感じることの重要性、つまり、「観察力」を。。また、次年度以降の発表会が楽しみになりました。

DSCN5622.JPG 運営指導委員会・発表会でお世話になりました、校長先生、県教委の先生方、橋爪先生、原先生、遠藤先生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今年度のさらなる発展を祈念しております。


 わたなべしるす

 PS. 昨年までSSHをやっていて今は、大学1年生の方も参加してくれていました。科学者の卵がひよこになるように、ここでもSSHが少しずつ発展しているのだなと。。。うれしい実感でした。詳細は、別の時に。

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