東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

  • TOP
  • News Release

News Release

イネ・葯発達後期でのsmall RNAの同定

2008年7月 9日 (水)

Small RNAは、今や遺伝子発現を制御する重要な因子である。
高等植物でも様々生命現象に、small RNAが関連していることが示されつつあるが、生殖器官である葯・発達後期では、存在さえ明らかになっていない。

当研究室では、イネを材料として、成熟花粉である3核期の葯ですでに報告のあるmiRNA166, 167が発現していることを明らかにした。このことは、成熟花粉でもmiRNAが機能していることを示唆するものである。またさらに、新規なsmall RNAも同定した。
今後はこの研究をさらに発展させて、その機能解析も行いたい。

この研究内容をGenes Genet. Syst. (2008) 83: 281-284に発表した。

以上の論文のpdf版は以下のリンクから是非ご覧ください。

http://dx.doi.org/10.1266/ggs.83.281

わたなべ

ページの一番上へ

クライゼン縮合反応を触媒する酵素をコードするKASII遺伝子の機能解明

2008年5月 5日 (月)

脂肪酸合成は、fatty acid synthase (FAS)によって行われ、初期反応の段階ではアセチルCo-Aが基質として用いられており、malonyl-acyl carrier protein (ACP)が伸長反応を触媒する。動物のFASとは異なり、植物のFASは単一機能の酵素からなる複合体で3-ketoacyl-ACP synthase (KAS), 3-ketoacyl-ACP reductase, 3-hydroxyacyl-ACP dehydrase, enoyl-ACP reductaseがこれに含まれています。FASはステアリン酸やパルミチン酸を合成しdiacylglycerol, triacylglycerol, sphingomyelin, ceramideなどのglycerolipidやphospholipidの前駆体として用いられる。また、waxなどの超長鎖脂肪酸やジャスモン酸の前駆体としても用いられるため、植物の生育過程で重要な役割を果たしています。

3-ketoacyl-ACP synthase (KAS)はクライゼン縮合反応を触媒する酵素である。KASタンパク質はその機能によってKAS I, KAS II, KAS IIIの3つのクラスターに分類されます。KAS III は脂肪酸合成の初期ステップであるacyl-CoA とmalonyl-ACPの縮合反応を担っており、 KAS I はステアリン酸までの炭素鎖の伸長反応、KAS IIはステアリン酸からパルミチン酸への炭素鎖の伸長反応を担っています。

KASII遺伝子破壊系統では、球状胚で致死がみられました。KASIIがプラスチドにおけるステアリン酸からパルミチン酸への伸長反応を担っていることから、球状胚から心臓型胚への移行には、ステアリン酸と正常なクロロプラストの分化が必要であることを明らかにしました。

この研究内容をGenes Genet. Syst. (2008) 83: 143-152に発表しました。また、発表内容を示す図表が掲載雑誌の表紙に取り上げられました。

http://dx.doi.org/10.1266/ggs.83.143

わたなべ

ページの一番上へ

植物まるかじり叢書 3 「花はなぜ咲くの?」出版

2008年3月30日 (日)

研究室の研究対象はもちろん、「花」です。
植物生理学会から依頼があり、サイエンスライターの西村尚子さんの取材の後、アブラナ科植物の自家不和合性について、「6章 自分の花粉か他人の花粉か?」として、紹介されました。渡辺のコメント、自家不和合性についての歴史など、わかりやすくかかれてあります。ぜひ、手にとって、ごらんになってください。花についての興味深い他の現象もありますので、教科書などに採用いただけると幸いです。

http://www.kagakudojin.co.jp/library/ISBN978-4-7598-1183-4.htm

関連の写真を以下のsiteに掲示してあります。参考までに。

http://www.kagakudojin.co.jp/maru_shoku/index.html

この様な取材のあと、サイエンスライターさんに書かれた文章になるのは、初めての経験です。何より、これから植物を研究をしてみようという方におすすめです。

わたなべ

ページの一番上へ

学生募集中!平成21年度入試説明会&オープンラボ開催

2008年3月17日 (月)

平成21年度入学の入試説明会&オープンラボを開催します。博士前期課程の入試に関する説明や研究室(ラボ)の中を見学ることができます。また、博士後期課程の入試に関するQ&Aも同時開催可能です。

日時:平成20年5月10日 10時~
場所:東北大学 片平キャンパス さくらホール

説明会のあと、研究室を公開します(さくらホールから徒歩1分です)。研究内容や実験設備など、皆さんの知りたいことについて詳しく説明します。また、 ラボメンバーから研究の現状やラボの雰囲気などを直接聞くこともできます。入試や将来に対するこっそり相談も可です。皆さんの抱いている疑問・質問・不安などの解決の助けになればと思います。

研究内容に興味のある方、大学院入学を希望される方はお気軽にお問い合わせください。

なお、研究科の公式homepageは、以下のところにあります。

http://www.lifesci.tohoku.ac.jp/

ぜひ、ご覧ください。

わたなべ

ページの一番上へ

生命科学セミナー「新規植物糖鎖代謝酵素の発見とそれらの機能解析」を3月26日に開催

2008年3月 2日 (日)

生命科学セミナー「新規植物糖鎖代謝酵素の発見とそれらの機能解析」を3月26日に開催します。大阪大学大学院理学研究科化学専攻の石水博士と共同研究を行っており、その関係で来仙することから、セミナーをお願いしました。石水博士は、阪大のタンパク研において「ニホンナシの自家不和合性研究」で、学位を取られた後、糖鎖研究で著名な長谷教授のところで植物糖鎖において、新規な研究を展開されております。今回のセミナーでは、糖鎖、ペクチン代謝関連酵素についてお話しいただきます。遺伝子、タンパク質の研究はある程度確立されていますが、糖に関する研究はこれからの研究で重要なポイントでもあります。対象は植物ですが、植物に限らず、ご参加いただければと思います。

3/26(Wed), 16:00-18:00に、片平の会議室で行います。
たくさんのご来場をお待ちしております。

わたなべ

ページの一番上へ

« 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70