HOME > 研究経過報告 > 研究成果がGenes & Genetic Systemsに掲載されました

研究経過報告|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

「研究経過報告」内を検索

研究成果がGenes & Genetic Systemsに掲載されました

アブラナ科植物の自家不和合性研究は、Brassica rapa, Brassica oleraceaなど強固な自家不和合性を有する植物種を使って進められてきました。しかし、これらの自家不和合性種は、植物体が大きい、世代時間が長い、形質転換体の取得が困難といった研究上の問題点を抱えていました。一方、本領域の鈴木班と班友の清水健太郎博士との共同研究や、米国コーネル大学の研究により、自家和合性のモデル植物Arabidopsis thalianaが自家不和合性を制御するS遺伝子座に変異を持つこと、この変異を修復すると自家不和合性を再獲得することが明らかにされてきました。しかし、恐らく他の遺伝子変異等の影響により、B. rapaの様な強固な自家不和合性を再獲得するA. thalianaはC24など比較的少数の系統に限られており、Col-0などを中心に整備されてきた遺伝子資源の多くが自家不和合性研究に利用できないといった問題が指摘されてきました。今回我々は、A. thaliana C24を用いてTILLING (Targeting Induced Local Lesions IN Genomes) に利用可能なリソースを作出すると共に、このリソースが実際に逆遺伝学的解析に利用できることを実施例で示しました。本リソースの整備により、本領域研究で扱うアブラナ科植物の自家不和合性機構や優劣性機構の解明が加速するものと期待しています。
A TILLING resource for functional genomics in Arabidopsis thaliana accession C24
Lai, K.S., Kaothien-Nakayama, P., Iwano, M., Takayama, S.
Genes Genet. Syst. (2012) 87, 291-297.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23412631
高山班201302.jpg

ページトップへ|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関