文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」
研究成果
山元班ではキイロショウジョウバエの性行動を生み出す中枢ニューロンの同定を進めてきましたが、このたび、北海道教育大学の木村賢一らと共に、雌の生殖行動のトリガーニューロンを同定しました。雌は、二つの異なる脈略で産卵管を押し出す行動をとります。すなわち、求愛してきた雄を拒否する時と、産卵する時です。同じように見える産卵管の押し出しですが、交尾拒否の時と産卵の時とでは、それぞれ異なる脳の介在ニューロンが活性化されることで、それぞれの行動がひき起されることがわかりました。
出典:Kimura, K. et al. (2015) Drosophila ovipositor extension in mating behavior and egg deposition involves distinct sets of brain interneurons. PLoS ONE DOI:10.1371/journal.pone.0126445
図:doublesex遺伝子発現ニューロンを人為的に活性化させて誘起したキイロショウジョウバエ雌の産卵行動