東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2009年3月の記事です。

梅、出前講義、アブラナ。。。

2009年3月 4日 (水)

「東風吹かば匂いおこせよ 梅の花. 主なしとて 春な忘れそ」

これは、菅原道真が、京から太宰府に左遷されるときに詠ったといわれています。全国に菅原道真公をまつった「天満宮」は、数多くありますが、愛媛県今治市にも「綱敷天満宮」というのがあり、京から太宰府の途中、海が荒れたときに、桜井海岸(志島ヶ原)に上陸されたとき、敷物がなく、綱を丸めて敷いたことに由来すると、桜井小学校のときに、習ったのを思い出しました。

詩にもあるように、梅は有名ですが、出前講義が開花シーズンに重なったこともあり、初めて見ることができました。梅は、バラ科果樹であり、配偶体型自家不和合性でもあり、不思議な縁を感じました。

出前講義では、博士・研究者、アブラナの遺伝学的実験について話をしました。その合間には、5, 6年生と「ドッジボール」を行いましたが、子供の頃から比べて、遙かに近代化したスポーツになっていて、どう作戦を立てるかということの重要性を感じました。時代が変わると、スポーツも変わる。科学も同じように変わらなくてはいけないのだと痛感しました。

わたなべしるす

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今治市立今治小学校・特別講義・実験「菜の花を交配しよう、新しい植物を作ってみよう」(3/1)

2009年3月 4日 (水)

昨年の秋に、同じ種である「キャベツ」、「ブロッコリー」を交配したら、どのようなものができるかという講義を行いました。では、実際に交配をして、作ってみることは、小学生の生徒さんには、初めての経験ではなかったのでしょうか。

研究室でいつも使っている、先のとがったピンセットで葯をのぞいて、開花したての花を選び、交配し、ラベルを書いて、袋掛けをするという操作は、小学生にはとても難しい実験でしたが、一生懸命やっていました。今回の実験では、温暖な愛媛でも、キャベツとブロッコリーを同調して開花させることは難しく、近縁の赤カブを使いました。今回のことを経験にして、4-5月にキャベツとブロッコリーが咲くと思いますので、実際に交配して、新しい植物を作ることができるのではないかと思っています。

交配した種を取って、秋に種まきをして、来春には新しい植物ができるのを楽しみしています。交配実験をした後も、よく観察してくださいね。

わたなべしるす

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今治市立日吉小学校・特別講義・実験「菜の花を交配しよう、新しい植物を作ってみよう、サクラソウを観察しよう」(3/2)

2009年3月 4日 (水)

前日の今治小学校に続き、日吉小学校でも、同様の交配実験を「カラシナ」を使って行いました。5-6年生、60名ほどを一度に行ったので、さすがに大変でした。5年生と6年生では、ずいぶんと手先の器用さが違うんだなと感心しました。

ここの小学校では、植物をずいぶんたくさん育ててあり、その中に、「サクラソウ」を見つけました。サクラソウは、異形花型の自家不和合性を持った植物であり、おしべの位置が高い、「スラム」とめしべの位置が高い「ピン」をみつけて、植物の別の意味での不思議も講義しました。観察を始めてすぐは、雄花と雌花のように思っていたようですが、実際に花を解剖してみると、おしべとめしべの高さが違うのを見て、かなりびっくりしていたようです。

今治小学校、日吉小学校は、歩いてもいくことができる距離。是非、協力して、キャベツとブロッコリーの両方の遺伝子を持った植物ができるのを楽しみにしています。

わたなべしるす

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3月3日です

2009年3月 3日 (火)

増子@スウィーティが好き、です。
スウィーティーはグレープフルーツ(Citrus X paradisi:4倍体)とブンタン(Citrus grandis:2倍体)の交配種で、3倍体だから種が出来づらいんだそうです。。。へぇー。

さて。今日は3月3日です。
上巳(じょうし/じょうみ)と言い、五節句の一つである桃の節句の日です。
平たく言うと、ひなまつりの日ですね。
増子家では、ちらし寿司とはまぐりのお吸い物を食べる日になっていますが。。
これって全国区なんでしょうか。

3月になり、いよいよ今年度最後の月になりました。
これから、卒業式、第3回引越し(!)等々が控えています。
M2メンバーも今月末には卒業。。。寂しくなります。。。
4月になったら、新しい場所に引越し、新しい環境でのスタートになります。
今から楽しみにしています!


増子

ついしん:

写真は建物裏の工事の様子です。。。
建物っぽくなってきていて、密かに楽しみにしています。


。。。今、天気予報を見たら、明日朝にかけて大雪、との予報。
暖かくなったり、寒くなったりですが。。皆さま、お体ご自愛ください。

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今治自然科学教室・特別講義「博士になろう!研究をしてみよう!---良い博士も、悪い博士もいました、そして。。。---」(3/1)

2009年3月 2日 (月)

今から、30年くらい前に渡辺は、今治市立桜井小学校の6年生でした。その頃から、今治市周辺では、5, 6年生になると理科は理科専科の先生に授業をしてもらい、そうした先生方がお世話役をして、理科とか自然が好きな生徒を集めて、「今治自然科学教室」というのが毎月、開催されていました。海、山などの自然をめぐり、植物を観察したり、化石を見たり、とても楽しかったのを未だに覚えています。

それから、30年ほどたった3/1に、今治自然科学教室の年末の報告会に、講師として招待され、200名程度の生徒さんの前で、小学生の頃からどう考え、科学者になろうと思ったのか、博士になったのか、今の職業に就いているのかという講義を1.5hr程度行いました。30年前にこのような講義をすることなど、夢にも思わず、毎月の教室に通っていたのを思い出しました。

博士とは、研究者とはどのようなものであり、そこに至るまでの過程が、小学生にも少しは理解してもらったのではないかと思います。昨今の理科離れを防止するためにもこうした活動の重要性を感じました。

自然に恵まれた愛媛で子供の頃を過ごすことがどれだけ、科学者の心を育てるか、豊かにするかということを、理解してもらい、今持っている科学に対する興味を失わないで大きく育ってほしいと思いました。この機会に講義を聴いてもらった生徒さんと将来一緒に研究をしたり、何かを一緒にやる機会ができれば、さらにうれしいと思ったのでした。

そういえば、早速、参加していた小学生から質問をもらいました。ありがとうございました。

今回の特別講義には、昨年の今治市立日吉小学校、今治小学校での出前講義がきっかけであり、今治自然科学教室会長の武本先生、事務局長の渡邊先生に大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げるとともに、今後も、何らかの形で、こうした自然科学を楽しむ心を養う生徒さんたちを支えることができればと思っております。

わたなべしるす

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