東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

実演、流れ、相性(5/14)

2014年5月14日 (水)

 netが発達したからだろうか、あるいは、実験の本を探すのをあまりしないからだろうか。実験の方法をnetなどで見ることができる、あるいは、protocolの冊子にDVDがついているなど、昔だったら、先輩がやってくれたのを見て、覚えた。簡単に書いたprotocalのcopyを渡され、1回しかしないからと。。。1回目を聞こうものなら。。。たいへんであったが、もちろん、なんだかんだ言いながら、教えてくれたような。ある先生から聞いたことがある。「1回目はやっているのをみて覚える、2回目は自分でやってわからなかったら聞く。3回目にはできるようになる。」と。難しくない実験であれば、そうかもしれない。別に難しくなくても、環境に影響されることがある。今年は春先、比較的温暖であるので、秋から始まる「展開ゼミ」にむけて、作物種は異なるが、ガラス室の片隅で栽培実験をしたり、外気温に関係なく実験できるように、水耕栽培実験も開始している。そうした実際に栽培しているものを見て、栽培の大変さであったり、植物も生きているわけで、環境によっては、生育が悪くなったり、場合によっては枯れると言うことを理解する。小学校に出前講義にいったときに、発芽をよくするために、できれば黒ポットに土を入れて苗を作って移して下さいと言うことも。。。小学校の頃には、確かに畑に直接植えたかもしれないが、なかなかうまくいかないこともある。先日、とある学校に行ったとき、少し時期が早いかもしれないが、サツマイモを植えていた。朝の気温が寒かったせいだろう、しなびていたというか、少しビニールでマルチでもすれば、何とかなると思った。何より、その脇で、イチゴがきれいに育っていたので、その栽培力があれば、ちょっとした不良環境を越えられないだけだと。。。そんな風に栽培して、子どもたちに見せることが、物事の簡単さ、難しさを理解するきっかけになるような気がした。あのあと、あの作物がどの様になったのか、もちろん、うまくいかなければ、多少経費はかかるものの、苗を改めて購入してマルチを最初からすれば、うまくいくと思う。実際に実演して、やることの大変さを見せるということは、実際を知らない子どもたちには何より重要な気がした。というか、うまく育ってほしいと。植物とともに、栽培をされている先生の思いが。。。そして、周りの不良環境を乗り越えると言うことも育ってほしいと。。。

DSCN2069.JPG 今年の春先はそれでも比較的天候はまとものような気がする。去年よりと思ってしまうからかもしれない。数日前の昨日の夕方、18:00頃だろうか、サイレンのようなものがなっていた。最初は17:00のサイレンでも鳴るようになったのかと思った。しかし、パターンが違った。広瀬川の上流で大雨でもあって放水でもあったのだろうか。気になったが、川まで行く時間もとれず。。。ただ、各地でかなりの雨が降っていたのは事実であるが。。。ニュースで川の増水というようなものがなくてほっとした。一方で、この時期にある程度の雨がないと、田植えをする上では困る。その意味では、夜にかけての少しの雨でもないよりはよいのかも。。。ただ、今年は冷夏になるという予報も。なんでも、エルニーニョ現象が発生しそうだとか。。。冷夏になって冷害が起きるのは困るが、。。地球全体の海水の流れというか、空気の流れというか、それが変化したからであろうが、さらにその上で制御しているのは、宇宙との相互作用なのだろうか。。。こうなるとわからない。ただ、そんなよくわからない水というか海水というか、その中に放流されたサケは元の川に戻る。その原因物質が同定されたというようなことも聞いたこともあったが、正確にはまだ決まってないのかもしれない。何れ、川から海への流れの中に、何かがあるのだろう。植物とは違うが、不思議でおもしろいことでもある。そうした「流れ」。物理の法則から考えれば、高い方から低い方に。逆にするためにはそれなりのエネルギーが必要となる。そういえば、師匠の日向先生がいっていた言葉を思い出す。「うまくいっているときは、少し無理をしてもがんばる。そうしたら、よい方向に行くようになる。うまくいってないときは、すこしがまんをする。」。たしかにそうかもしれない。ただ、時には流れを変えるくらいのことをしないと、物事が流れなくなってきているのも事実。。。というよりは、その流れがまだ明確でないときに、流れを読み、それをどうするかということを考えるべきなのかもしれない。

DSCN2440.JPG 「流れ」というのも、その人によって、感じ方、読み方がちがう。このタイミングという流れを逃さないのが、プロかもしれない。勝負事には流れがある。負けそうなチームが逆転するにもきっかけがある。流れに加えて、やっかいなのは、「相性」かもしれない。遺伝子同士にも相性がある。というと不思議に聞こえるかもしれないが、不和合性というのは、相性がわるい。和合性というのは相性がよい、ということと考えることもできる。環境というのも「相性」に対して大きく影響する。寒い、暑いもそうかもしれないが、ヒトのように考える動物の場合、相手の名前だけで、プレッシャーとなることもある。初めて海外出張をしたのが、アメリカの砂漠の町ツーソン。論文でしか名前を見たことがない人たちの発表を見て、それだけで感動したというか、プレッシャーであった。もちろん、英語がしゃべれないと言うこともプレッシャーになっていた。何度か国際会議に出れば、少しはなれてくるが、やっぱり、プレッシャーはある。英語との相性かもしれない。数学の問題の解き方に好き嫌いがあるように、実験でもちょっとしたくせというか、やり方の好き嫌いのようなものはある。もちろん、結果に影響すると言うことではない。だからこそ、数学の問題の解き方と比較するわけであるが。結論が同じと言うことで。ただ、イノベーションというか、新しいことをしようとするとき、それまでのやり方ではなく、今まで考えなかったようなことをやってみることは必要となる。今までなら、ある2つの事象を結合してとは考えなかったが、それを結合してみたら。。。意外と相性がよかったりする。最後は「へーーーー!!、なるほど!!!」と思うような結果と結論になるとおもしろい。そのためにも、対峙する問題との相性を理解し、こちらができることをやって見せて、流れができる前に流れを作りということかもしれないが、世の中は、そんなにうまくいかないことがおおい。それでもくじけずに、これをやることが意味があるのだという、論理破綻のない計画を立てて、実行すること。土日が出張でつぶれて、少し休みの時間がないせいか、疲れがたまった水曜日。あと2日、なんとかがんばってみるしかないのだろう。というか、やってみせることが大事なのだろう。

DSCN2449.JPG
 わたなべしるす


≪ Prev  | diary Top | Next ≫

ARCHIVE