文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」
アウトリーチ
山元は、週刊新潮2015年3月12日号(3月5日発売)の特集、"40代から兆しが見える! 超早期「アルツハイマー病」完全対策"に登場し、恋愛による脳の活性化と認知機能の関連性につき、自説を述べました。
出典:超早期「アルツハイマー病」完全対策、週刊新潮 2015年3月12日号、P. 49.
[参考サイト] http://zasshi.jp/pc/action.php?qmode=5&qword=週刊新潮&qosdate=2015-03-05&qpage=3
ポプラではフロリゲン活性化複合体の構成因子FDが機能分化し、花成以外の機能を担っていることを発見しました。さらにポプラにおいては、フロリゲン活性化複合体の重要な転写因子サブユニットFDが、フロリゲンとは無関係に冬季の適応を促進する遺伝子の発現を活性化する新機能を獲得していることを発見しました。
研究成果
キイロショウジョウバエの雄にとって、前肢で雌の腹部を触ってフェロモンを感じることが求愛開始の引き金です。それに続いて、雌の動きが視覚的な刺激となって求愛が持続します。山元班の古波津創と山元は、チャンネルロドプシンを介して求愛行動解発ニューロンを直接刺激することによりフェロモン検知のプロセスを経ずに求愛を開始させ、また雌の代わりにディスプレイ上を動く光点を視覚刺激として雄に提示することにより、野生型の雄に求愛を継続させることに成功しました。興味深いことに、同性愛行動を示す突然変異体として知られるsatoriの雄は、チャンネルロドプシンを介した刺激を与えずとも、動く光の点に対して求愛しました。ところが、羽化直後から単独で飼ったsatoriの雄はこの非特異的な光点への求愛を示さず、また雄に対する求愛をすることもなくなったのです。さらに、satori雄に見られるこの集団生活依存的な視覚依存的求愛が、求愛行動解発ニューロンの視覚刺激に対する鋭敏化に起因する可能性が、ニューロン活動のCa2+イメージングによって示されました。この研究は、遺伝的素因と環境刺激の相互作用によって特定のニューロンの応答特性が規定され、その結果、求愛という社会行動が発現することを示したものとして注目されます。
出典:Kohatsu, S and Yamamoto, D (2015) Visually induced initiation of Drosophila innate courtship-like following pursuit is mediated by central excitatory state. Nature Communications | 6:6457 | DOI: 10.1038/ncomms7457
図:論文のタイトルページ
リンク:研究室に行ってみた チューリッヒ大学 進化生態ゲノミクス 清水健太郎 文・写真・川端裕人
ノンフィクション・フィクション作家である川端裕人さんによるNational
Geographic日本版(Webナショジオ)の連載「研究室に行ってみた」で研究を紹介していただきました。2015年3月7日から17日までに7回連載予定で、
第1回 「新種誕生」を見にスイスアルプスへ行ってみた
第2回 わずか100年でどのように新種が誕生したのか
につづき、次世代シークエンサー、シロイヌナズナ属異質倍数体ミヤマハタザオのゲノム解析、自殖の進化、雄の進化などがトピックです。