東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

新年度、春を迎えて

2014年4月 6日 (日)

 こんにちは。農学部2年生木幡です。去年の2セメスター開始よりこの研究室でバイトをさせていただいておりますが、この4月でちょうど半年になります。今までにこの学生バイトの件でお世話になった渡辺教授および、諸先輩方には感謝するばかりであります。私自身といたしましては入学からはちょうど1年となり、この1年間大学生としてどのようなことを学べたのか振り返ることも多い今日この頃でありますが、節目のこの4月に新たな決意を持って、収穫の多い年度にしたいと考えております。

 さて、話題は変わりますが前回記事を書かせていただいた時に紹介いたしました、いわゆるスプリングエフェメラル、春植物ですが、ここ数週間の春陽気もあり、どんどんと芽を出しています。桜と同様に地域ごとの気候の違いで萌芽のタイミングは異なりますが、花の盛りとなるのは仙台では4月の下旬ごろでしょうか。地元の埼玉よりは半月ほど遅くなりそうですね。以下では私の育てている春植物のうち、先陣切って咲き出した植物たちを少し紹介させていただきます。

(写真) セツブンソウ(キンポウゲ科)  撮影H26年3月26日

セツブンソウ.jpg 節分の時期よりもだいぶ遅くなりますが、春の兆しを感じて真っ先に咲き始める植物です。白い5枚の萼片に花弁から変化した黄色い蜜槽、紫色の葯がバランス良く並び、1枚の鳥肢状の苞葉の上にその花が1つだけつきますが、その姿は非常にかわいらしい印象を受けます。大株に仕立てると一つの球根からたくさん芽が出るので、非常に華やかになります。

 (写真) フクジュソウ(キンポウゲ科)  撮影H26年3月24日

フクジュソウ.jpg 正月になると、ホームセンターなどに並ぶ姿をよく見かける植物ですが、鮮やかな黄色の花はその名にふさわしく福寿を象徴しているようです。残念ながらファイル整理中に花全体の画像を失ってしまったのですが、幸いルーペを用いて高倍率で撮影したものは残っていました。この画像では中心に固まって存在する柱頭に群がるように葯があるのが分かります。この植物は早春に蕾をもたげ、太陽の当たる日中にだけ花を咲かせ、暗くなると閉じてしまいます。太陽の光に反射すると黄色い花弁がいっそう輝かしく見えます。

 花も美しいこれらの植物ですが、植物の観察では芽生えから休眠まで、生育サイクルのすべてに注目することで、開花時のものとはまた異なった印象、新たな発見があり、見る者を飽きさせません。

 冬が明け、これからは春から夏、秋へと花が咲き誇るにぎやかな季節になります。栽培品を観察するのはもちろんながら、近くの山に散策に行き、林床に咲く小さな花たちの営みを見るというのも楽しいかもしれません。

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