東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

物質の三態、小さい頃から、考える(12/4)

2014年12月 4日 (木)

 先週の金曜日、愛媛県今治市立常盤小学校での研究授業とシンポジウム。小学校の時に習ったのか、どこで習ったのか、覚えてないが、「物質の三態」。気体、液体、固体。こんな言葉を習ったのは、小学校のような気がするので、物質の三態という言葉もあったような気がする。固体がいきなり、気体になるのが、昇華だったような。毛糸のセーターなどを保存する「なんとか、というか、なんだったか、ここで、パラジクロロベンゼン」かなと、Wikipediaを調べて、ベンゼン環に塩素が2つ結合する、それも、オルトの位置に。オルト、メタ、パラ、というのは、高校の化学の時間に学んだ単語のような。Wikipediaによると、防虫剤だと。メタ、パラの位置で何とかというような問題があったと思うが、その当たりは、思い出せない。液体が気体になれば、気化。そういえば、沸点が違うものを混ぜて、分留実験をしていた、中学校では。この時、使っていたのは、ガスバーナー。一方、小学校で沸騰実験をしていたときは、なんと、アルコールランプでなくて、カセット式ガスコンロ。。。。ちょっとかなり驚き。昔と今でこんなに違うのだというのをそういえば、この前、テレビでもやっていて。。。なんでも、アルコールをこぼすと危険だから。。。。たしかに。。。ただ、火を使うことを覚えたHomo sapiensは、その危険さを理解するのも大事ではないかと。。。。そういえば、クリーンベンチでピンセット、メスなどを滅菌するために、70%(80%??)アルコールを使うが、ガスバーナーで温度を上げすぎると、アルコールに引火するときが。。。というか、火がついたのではなくて、実験をしている人がまちがって、火をつけてしまったわけであるが。。。ついたのでなく、つけてしまった。この違いと危険を理解する、どちらも大事な気がする。加熱しすぎて、突沸するのを防ぐために入れるのが「沸騰石」。そんなものを入れていたのを、小学校で授業を拝見して、久しぶりに思い出した。小学校の時、結構、おっかなびっくりで実験をしていた方なので、意外と、突沸しなかった気がする。。。ところが、大学の研究室で、アガロースゲルを電子レンジで加熱していて、ちょっと目を離すと。。。。突沸。何度痛い目に遭ったか。。。そのうち、phageを使った実験をしていて、top agaroseというに懸濁して、まいていたが、その時にも。。。そんな時に、沸騰石という概念はなかった。。。というか、思い出すこともなかった。ちょうど、その研究授業から1 week。味噌汁などを温め直していて、突沸というニュースが。。。ただ、そのニュースでいっていたこと。「お料理に愛情を持って、接すること」だったような。ながら族なので、言葉をちゃんと書き留めてないので。。。沸騰石を入れて料理をするというのもありかも知れないし、アガロースゲルも。ただ、やっぱり、ちゃんと見ていること。そういえば、師匠の日向先生の言葉に「火をつけたら、そのそばにいてみていること!!」というのがあったような。。。お料理だけでなく、実験にも石でなくて、愛情をと言うのが大事だと思う。研究全般と言うべきなのだろうか。。。

DSCN5298.JPG 今治で理科専科の先生がいて、自然科学教室があって、ちゃんと理科を教えてもらったのに「沸騰石」ひとつ、覚えてないというか、思い出せないというか。。。。先生の問題でなくて、児童生徒の問題というか、渡辺の問題のような。。。身の回りに、小学校の教科書に出てくるような現象がいっぱいあるのに、気がついていない。それくらい、身の回りの不思議に気がつくのが難しいのかも知れない。植物、それも作物というか、アブラナ科なら、すぐに反応するのに。。。「突沸」にも気がつかない。。。何とも皮肉な。。。もう少し領域融合というか、遺伝学だけでなくて、その周辺のことも。しっかりと。小さい頃から、ちゃんと学ぶことと言うか、考えること、一連のこととして、教育することは、大事だなと。どんな分野でも。。。

 そんな風に、身の回りに注意を払って何が起きているのか、考えること。そんなことを日向先生はいいたかったのだろう。確かに、毎回の実験では、いろいろなことが起きる。一本道ではない。たとえば、自分の花粉を自分の雌しべの上にのせても、その日の環境条件の違いによるのだろう、蛍光顕微鏡で観察すると、見える花粉の数だったり、状態は完全に同じにはならない。生物の反応だからと言えば、そうかも知れないが。だから、物理、化学をやっている方からは、生物は。。。といわれるとか。そんないろいろな考え方を柔軟に持って、そんないろいろな考え方を教えてくれたのは、高校時代の数学の長井先生。基礎を大事にして、柔軟に最終地点というか、解答というか、そこまで導くと言うか、考える。ただ、最近の数学の問題を見ていると、分厚い解答があるというのは、どうなのかと、いつも書いていた。また、解答から考えるというのもどうかと。それと同じというか、それとはまたちがう不思議な問題をふと見つけた。間違い探し??これだと一本道で、いろいろな考えではないような。。。。また「????????」がふえた。。

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 わたなべしるす

 PS. お知らせに書いた「はやぶさ2」の打ち上げ、昨日、無事に、宇宙へ。ほっとしました。パブリックビューイングが延長になったことのアナウンスができず、。。申し訳ありません。


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