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研究経過報告|新学術領域|ゲノム・遺伝子相関

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2015年12月の記事を表示しています

研究室の秋山玲子博士(本新学術第1期のポスドク研究員)、畠山剛臣博士とともに、過去150年にスイスで誕生したタネツケバナ属の新種倍数体や、日本で広い標高分布をもつミヤマハタザオについて、ゲノミクスを用いた新たな挑戦について紹介しました。JSTのサイエンスニュース事業としてヨーロッパで初めての撮影だと聞いています。

JSTサイトまたはYoutube

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自殖の進化は被子植物で最も頻繁に起こった進化と考えられてきました。繰り返しの進化パターンから、適応進化での法則性を抽出し、進化の予測に向かっていこうとしています。たとえば、同じ遺伝子の変異が違う種で繰り返しみられるのか? 劣性の変異は進化でふるい落とされやすいのか(ホールデンの篩)? 新学術での共同研究の内容(2012年の記事:ゲノム重複を経た倍数体種のオス・メス自家不和合性遺伝子についての論文がPLoS Genetics誌に掲載されました;2015年の高山班の記事:雌雄因子ゲノム遺伝子相関に関する研究成果がNature Plantsに掲載されました)から、 多くの自然種で繰り返して、雄特異性因子の変異で自家和合性が進化したことが分かってきました。これは、雄・雌の遺伝的な性的利害の対立の理論を支持します。Annual Review in Ecology, Evolution and Systematicsの執筆は共著の土松とともに相当のエネルギーが必要で、ご一読いただければ幸いです。高山先生や渡辺先生をはじめ新学術の多くの方々に貴重なコメントをいただきました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

 

Shimizu, K.K., Tsuchimatsu, T. (2015) Evolution of selfing: recurrent patterns in molecular adaptation. Annual Review of Ecology, Evolution and Systematics, 46, 593-622.

こちらのリンクの一番下の行(Related URLs)からダウンロードからできます。

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食虫植物の消化器官は、植物の胃ともいわれますが、その機能はまだまだ未知です。ボルネオのランビル・ヒルズ国立公園の熱帯雨林でサンプルを採集し、Roche 454シークエンサーでリボソーム領域を解析したところ、動物の腸内細菌よりむしろ、葉面(phylosphere)のバクテリア相に類似していました。食虫植物の消化器官が葉の発生学的な変形であることに由来すると考えています。

写真:ランビル・ヒルズ国立公園のウツボカズラ

 

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0723202015000909

Takeuchi, Y., Chaffron, S., Salcher, M.M., Shimizu-Inatsugi, R., Kobayashi, M.J., Diway, B., von Mering, C., Pernthaler, J., Shimizu, K.K. (2015) Bacterial diversity and composition in the fluid of pitcher plants of the genus Nepenthes, Systematic and Applied Microbiology, 38, 330-339 (オープンアクセス)

NepenthesLambir.jpg


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高橋班の研究成果がMolecular Ecology誌に掲載されました。

種間のモジュール型エンハンサーによる進化とは対照的な種内変異の複雑さが明らかとなりました。
また、ebony遺伝子に関する新たな複数のシス制御領域の存在も示唆されました。

Miyagi, R., Akiyama, N., Osada, N., and *Takahashi, A. (2015) Complex patterns of cis-regulatory polymorphisms in ebony underlie standing pigmentation variation in Drosophila melanogaster. Mol. Ecol. 24: 5829-5841.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26503353


また、上記研究成果の一部は、8月にスイスのLausanneで行われたEuropean Society of Evolutionary Biologyの大会(ESEB2015)にて、下記のタイトルで招待講演を行ってきました。

Nucleotide polymorphism and physiological diversity underlying pigmentation variation in Drosophila melanogaster. (Symposium 31: "Melanism")

現在、オーガナイザーと共にこのシンポジウムに関する特別号(Frontiers in Physiology誌)の編集を検討しています。

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遺伝学会BP賞を受賞しました!

広報/アウトリーチ

山元研究室の村上日向(東北大学理学部生物学科4年)は、日本遺伝学会第87回大会で行った講演が評価され、2015BPBest Presentation)賞を受賞することになりました。

対象講演:村上日向、田中良弥、伊藤弘樹、山元大輔:非モデル種Drosophila subobscuraCRISPR-Cas9による変異誘発、日本遺伝学会第87回大会。東北大学川内キャンパス、201592426日、仙台。

村上日向.jpg

図:プログラム・予稿集の表紙

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