東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP科学クラブ「花を解剖して、花の構造を理解しよう!!」(11/10)

2011年11月14日 (月)

 渡辺が小学校の頃には、学校の帰り道に花をばらばらにするとか葉っぱをばらばらにしながら、道草を楽しんだのを思い出しいます。ところが、最近の子どもたちは、あまりそうしたことをしない、また、したら、近所から怒られるなど、環境の激変もあるのだと思います。つまり、解剖するという実体験がないまま、高校、大学になって、植物をやるということが多くなったのではと思います。そんなことを打破するために、今年最後の七北田小学校NSPは、4, 5, 6年生で構成されるクラブ活動である、「科学クラブ」で、花、葉っぱ、茎を解剖して、それを並べてみたり、顕微鏡で観察してみたりということを、顕微鏡という科学の力と、やっぱり、手作業の重要性を実感してもらいながら、実験を行いました。

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 キク、バラ、ユリなどの花を持ち込み、ピンセットで解剖を始めました。今年のクラブの子供さんたちは、とても意欲的で、キクの花びらをきちんと紙の上に並べてみて、300枚以上あったのを数えてみたり、分解もそこそこに、顕微鏡の下で観察をしたり。顕微鏡といえば、今回の震災に伴って、神戸大の理学部の先生から、寄贈された、大型の顕微鏡もあり、いつも顕微鏡とは違うんだな、すごいという声を上げて、観察していたのが印象的でした。葉っぱの表面の気孔を観察している子供さんもいて、教科書で習ったことをきちんとしているのは、感動ものでした。

 こうしたいろいろなものをばらばらにしてみることが、科学への最初なのかもしれません。植物だけでなく、いろいろなものを是非、ばらばらにしてみてください。

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 科学クラブの椎名先生、お世話になりました。ありがとうございました。NSPも今年度は、年明けの環境お話を6年生にすれば、最後になります。楽しみですね。


 わたなべしるす

 PS. 講義の前に、前回のNSPでヘチマのことを学習した4年生もいたことから、沖縄ではヘチマを食べているということを示すために、沖縄で手に入れたヘチマを刻んで食べてみました。好きな子供、においがだめな子供さんもいて、盛り上がりました。

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書き物、トレーニング、体裁。。。(11/7)

2011年11月 7日 (月)

 最近、いろいろな書き物をする。研究を行っているので、論文、それも英語でというのが、一番しないといけない書き物なのだろうが、どうも苦手である。では、日本語はといわれると、少しはかけるようになった気がする。何より、パソコンのおかげかもしれない。小学校の頃の書き物といえば、読書感想文。夏休みの宿題であり、何より苦手であった。最初のきっかけが悪かったのかもしれない。小学校1年生の時、読んだ本がたしか、「もちもちの木」だったような。どんな本かは忘れてしまった。子供心に、怖いイメージの挿絵だったような。そんなこともないだろうか。。。忘れた。どんな感想を書いたかも忘れたが、担任の先生は、職員室に呼んでくれたりして、一生懸命に指導してくれた。それが何を意味しているのかわからなかったが、あとから伺ったところでは、それなりにできていたようで、何かに応募するということだったようだが、最後の清書をしなかったおかげで、おじゃんになったらしい。。小学校1年生には、苦い経験だった気がする。それが逆に、悪い記憶になって、そのあとの読書感想文を書くのは、きらいになった。本を読んだとき、その中の人物と何か共有できる必要があるのだろうか。逆に、冷静にその本を解説するような、「書評」とまではいかないが、そんな方が書きやすかったような気がする。

 では、もし、清書をしていて、入選でもしていたら。。。。そんなifは、許されないかもしれないが、やっぱり、感想文は好きになってないだろう。最近、どのような書き物、それが、論文であれ、予算書であれ、マニュアルが登場しつつあるのは、よいことなのか、悪いことなのか。最初は、誰もかけないものだろう。でも、最初はやっぱり何かを書いてみようとしてみないと、かけないもののような気がする。最初に書いた英語の論文は、指導教官だった、日向先生にぼろぼろになるまで、直された。。。かなりのショックだった。自分の英語力というか。。。それをそう思わないで、運動と同じでトレーニングと割り切れば、もう少し前向きになれたのかもしれない。今でこそ、ブラインドタッチで、200-300文字/minでタイピングできるが、そこに至るまでにも、ずいぶんと練習をした。練習には、ゲーム世代ということもあり、ゲームの力を借りたような気がするが、できるようになれば、結果は同じかも知れない。スポーツで何かができるようになるのに、方法は1つでないのと同じだろう。

DSCN1650.JPG 論文も10個くらい自分で書いたり、学生さんのをなおしたりして、初めて、何かできるようになった気がする。といっても、nativeの方に英語は直してもらわないととてもでないが、見せられるものにはならない。そういう意味では、最後の体裁というか、きれいにすることは、書き物で大事になるのだろう。日向先生によく言われた言葉に、「書き物(論文)は、たくさんのひとに見てもらえば、もらうほどきれいになる」。。たしかにそうだと。。自分1人で書いていても、どうしても独りよがりになる傾向がある。。。書き物だけでなく、教育研究もより多くの人と共同する方がよいという気がしてきた。

 何かを書くときに、周りに見えるものを角度を見て考えるなど、工夫をすれば、きれいに見えることもある。これもトレーニングの成果かもしれない。何事も苦手といわずに、やってみることだろう。ただ、それにしても、読書感想文だけは、やっぱりかけないような気がする。。。。書評のような文章を書くのでもよいという宿題ではだめだろうか。。。。


 わたなべしるす


 PS. これらの書き物を体系的に教育することが、小さい時からあれば、読書感想文もかけたのかもしれない。。。今の子供たちに、出前講義の時に、聞いてみたいと思った今日この頃であった。。。

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【出前講義】平成23年度・北東北3県SSH担当者等交流会・コメンテーター(10/31)

2011年11月 7日 (月)

 東北地方だけでも、これまで多くのSSH高など出前講義を行ってきました。前の週には、秋田南秋田高校の生徒さんと交流がありました。北東北に限っても、これまで、先の2校に加えて、弘前、八戸北、盛岡第三、盛岡第一、水沢、一ノ関第一に伺ったり、生徒さんと交流してきております。そんなこともあり、平成23年度・北東北3県SSH担当者等交流会にコメンテーターとして、お願いをされました。

 当日は、北東北、青森、秋田、岩手県のSSH実施校、予定校などから、話を伺い、これからの高大連携に向けて、いろいろな議論ができたのは、何よりでした。SSHに限らず、高校までで何を習得することが大事なのか、大学では何を教育することが大切なのか、そんなことが、時代の流れとともに、変わらないといけないはずが、変わってないというのが、問題点のような気がしました。このことをきっかけによりよい、高大連携が進めば、よりよい教育研究ができるのではと再認識した1日でした。ありがとうございました。

DSCN1599.JPG 最後になりましたが、運営を頂いた岩手県立水沢高校の大平先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。震災に負けず、東北地方から、よりよい科学、教育研究を発信できればと思いました。


 わたなべしるす

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【出前講義】秋田県立秋田高等学校生との「科学者の卵養成講座」特別討論(10/29)

2011年11月 4日 (金)

 10/28, 29と秋田県立秋田南高等学校で、3コマの出前講義でした。それに続いて、秋田市内の別の高校(秋田県立秋田高等学校)から「科学者の卵養成講座」の第1期生とサイエンス、研究、大学、進路など多岐に亘る議論をしたいということで、3hrあまりの「科学者の卵養成講座」特別討論というか、番外編を行いました。9/13の岩手県立盛岡第一高等学校生との討論に続いて、番外編第2弾となりました。

 1回目より、ゆっくり時間をとることができ、大学進路後にどんなことができるのか、大学院で大学を変わることはどれくらい大変なのか、文系、理系というのは、大学ではどう影響してくるのか。進路を大学に入る時点で考えないといけない、高校生には将来のことがわからないと、闇の中を歩かないといけないのではと、気になることなのだと思います。科学者の卵養成講座でも、「キャリア教育」をやっていますが、大学人のわれわれがどうやって、研究者になった位を話す程度で、。もう少しキャリア教育を重点化した様な講義体制も必要だと思いました。

 理系でも文系の力は必要ですし、文系でも理系の力は必要です。研究をやっていても、「費用対効果」という経済概念を考えさせられる昨今。理系にも文系力が十分に必要だと思います。今から、文理融合のコンセプトを頭に持って、大学進学を決めれることは、すばらしいと思います。とてもdeepな議論が多岐に亘ってできたのは、こちらにもよい刺激でした。ありがとうございました。ぜひ、目標を達成できるようにがんばってください。

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 わたなべしるす

 PS. 季節の変わり目で、今年は暑い、寒いの繰り返しがひどく、体調を崩したというか、かぜ引きでした。そんなで記事のupdateが遅れております。少しお時間を頂ければ。。

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【出前講義】秋田県立秋田南高等学校・討論会、集中講義(1年生・理系志望討論会、3年生・特別講義、2年生・特別講義)(10/28-29)

2011年10月30日 (日)

 秋田県では、博士号取得者が通常の教員採用とは別枠で採用され、いくつかの高校にモデル的に配置して、理系科目の底上げをするということがずいぶん前から行われています。また、科学者の卵にも、初年度は秋田高校、2年目からは、秋田南高校からの応募がたくさんありました。こうした科学者の卵への応募の後押しになっているのが、こうした博士号取得教員の採用の効果とも。そんなことで、生物の遠藤先生が科学者の卵などに参加頂いていたことがきっかけで、今回の討論会、集中講義となりました。

DSCN1579.JPGのサムネール画像 1日目は「1年生・理系志望討論会」から始まりました。1hrの枠ということで、参加者にサイエンス、キャリア教育などの希望を聞いて、サイエンス中心の話と質疑応答になりました。1年生ですが、植物をよく理解していて、自家不和合性についても、なるほどと。また、胚乳があることの意義など、シビアな質問を頂き、博士号取得教員が配置されていることのすごさというか、すばらしさを実感しました。

 続く「3年生・特別講義」では、受験まであと少しであり、翌土曜日には、模擬試験があるにもかかわらず、30名近い受講生あったのは驚きでした。自家不和合性の話が中心でしたが、最後の時間を使って、渡辺自身が、センター試験というか、共通一次試験でどうなって、そのあとどんな選択をして、現在に至っているのか。また、大学、学部、学科をどのように選ぶことが、これら大事であるか、さらには、受験に向けての自分の反省を込めて、どう立ち向かうのがよいかなど、講義をしました。質問の中には、震災と科学のことなど、シビアな質問がここでも続出でした。また、科学者になりたい、博士になりたい、農学部に進学したい、東北大希望という生徒さんも多く、感動でした。ぜひ、来年、仙台でお会いしましょう。受験もあと数ヶ月、がんばってください。

DSCN1584.JPG 翌29日の午前は、「2年生・特別講義」ということで、「植物の花からたねができるまでに見られる不思議--世界トップ水準の研究維持とそれを支えてきた大学・学部・学科の選択--」と題した自家不和合性研究というか、植物の生殖の不思議と渡辺の小学校からこれまでのキャリアをまとめてお話ししました。生物履修者ということでしたが、普段食べている作物の花と作物の関係は、いまいちでした。せっかくです、この機会に覚えてください。植物は動くことができない関係から、低分子ペプチドと受容体を利用した細胞間コミュニケーションが多用されていることについては、感動してもらえました。また、後半の渡辺のこれまでの人生というか、小学生からの営みを見てもらって、繰り返してやること、体験することの重要性は理解してもらえたのでは。

 最後になりましたが、2日間お世話になりました、遠藤先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。また、来年度以降もこうした機会ができればと思っております。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

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 PS. 訪問までの移動の間に、運営に係わっている「科学者の卵」の卒業生から、大学のAO入試に合格したというお知らせを頂きました。このようなお知らせを頂けることは望外の喜びであり、4月から大学生としてがんばってください。ありがとうございました。




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