東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

3/11(金)、14:46から今日まで、その19(1/29)。

2012年1月29日 (日)

 昨年の11/25にこの連載記事を書いて、2ヶ月以上たった。研究室の中は「補正予算」のおかげだろう。顕微鏡を始め、機器類、実験台は元にほぼ戻って、震災前と区別がつかないのかもしれない。壁などのひび割れの調査も、近日中にあり、そのあたりも修繕されるだろう。前の記事では心のケアの問題を書いたが、間に年末、年始を挟んだこともあり、学生さんなどは、実家に戻ったりでよくなったのではないだろうか。もちろん、完全ではないだろうが。。。

 何か大きな変化と考えると、毎日の生活では感じないが、テレビ、新聞、netなどを見ていると、沿岸部の復旧、復興が「かたづける」というところから、次のステップに進んでいないようである。実際に見ることがあるのは、仙台の周辺だけなので、正確にはわからないが。いろいろな手当はなされているはずである。研究室が立ち直ろうとしたように。。。では、何のどこがどうおかしくて、何をどうすれば、そうしたところが改善されるのか、どうも見えにくい。システム全体といってしまえば、それまでかもしれないが、。。縦横の連携、伝達の仕組み、いろいろ考えるが、これという根本的なものが見えない。。システムチェンジのモデルを考えないといけないのかもしれない。実験・研究もうまくいかないときは、ちょっと違うことをやってみるように。

DSCN0391.JPG 昨日だったろうか。ずいぶんと比較的大きな地震があった。また、年明けから、研究室で数回「緊急地震速報」がスピーカーから流れた。結構、かなり、びっくりする。冬なので、火事のことなど、気をつけることをまず、やろうとしている。おかげさまかどうかはわからないが、本が落ちたりするようなことはない。植物で実験をしていると、植物を見ていて、何か変化に気がつくことはあるが、地震は、地面の下だけに、何が見えない。見えるというか、わかる人には、何かわかるのかもしれないが、こちらは、こうした数とか大きさとか場所くらいから、想像、妄想しかできない。震災から、1年という3/11も近くなっている。明日から、SSHの指導・出前講義等で出張が続く。何も起きないことを祈るばかりである。

 こうして考えると、自然科学の中の「植物科学」を研究教育している分類なのだろうが、「地球科学」とでもいえばよいのだろうか。計り知れない大きい自然が対象であり、その変化を見つける大変さを感じる。もちろん、やっておられる方々も、植物は扱いにくいと思うのかもしれない。植物の毎日の変化を見逃さないように、地球全体の変化を見逃さないように、注意力を研ぎ澄ませることが、いろいろなところで重要なのだろうと。。。また、その変化があったときに、それをきちんと記しておく。実験では当たり前かもしれないが。。


 わたなべしるす


 PS. 廊下を歩いていて、今まであまり気がつかなかったのかもしれないが、数年前の改修工事のあとに、廊下などには、リノリュームのシートが貼られてある。その下に最近なのか、今日、偶然気がついたか、大きなひび割れを見つけることがあった。大丈夫なのだろうか。上記のような地震が頻繁になってきたことで、この建物の最上階にいるものとしては、かなり気になるのだが。。なにもないことを。。。。

 なお、この記事を初めてご覧になる方、1-18をまとめたページもあります。あわせてご覧ください。

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【出前講義】仙台市立七北田小学校 NSP 6年生「環境と植物から考える」(1/26)

2012年1月26日 (木)

 七北田小学校のNSPは昨年の10/27以来で、そのときは、4年生対象にウリ科のお話をしました。今日は、6年生。環境の問題と植物から環境を見たときにどんなことを考えることができるのかを。この6年生とは、4年生からNSPを始めた学年で、丸3年間、いろいろな植物に関する講義を行いました。それのまとめということもあり、植物と環境というようなことも。

DSCN2133.JPG ずいぶん前から言われている、地球温暖化。今の子供たちが定年になる頃。ずいぶんと温度上昇があること。もしかしたら、仙台で、パイナップルができるかも。。そんなことがよいことなのか、そうでないのか。そんなことから講義を始めて、植物が持つ力をどう考えるのか、今日の給食の食材で、お花が咲かないと、その食材にならないものを区別したり。少し植物を見る角度が変わったのではないでしょうか。

 最後は、恒例の各教室を回っての質問コーナー。いろいろな質問が出ましたが、小学校6年生の頃の夢はというのが。「科学者です」と。真剣に科学者を目指していたとは自分で思えず、テレビの影響で、アニメなどに出てくる科学者、博士、教授がかっこよくて、その科学力がすごかったので、それをやってみたかったと。夢を持つことは、何もすごいことでなくてよく、身の回りのことから考えられると。是非、そんなように考えてみてください。

DSCN2162.JPG 渡辺は、中学校に出前講義に行くことがほとんどないので、次に会うのは、高校生になってから。すぐだと思います。楽しみにしております。

 最後になりましたが、理科の椎名先生、6年生の先生方、教頭先生ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。今回は、先日の別記事のところにも書きましたが、七北田小学校のキャリア教育が表彰されるということで不在でした。また、キャリア教育などで議論できればと思います。そしてなにより、「平成23年度キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰被表彰校等・小学校部門」受賞、おめでとうございます。


 わたなべしるす

 PS. 今朝も宮城県沖で比較的大きな地震がありました。それで目覚めました。。。M5.1でしたが、結構揺れました。何かの前触れでないことを祈りつつ。。。

 夜に七北田小学校のHPには、今日の出前講義のことが記されていました。早速の記事のuploadありがとうございました。


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【出前講義】埼玉県立浦和第一女子高等学校・SSH研究成果発表会コメンテーター(1/21, 23写真追加)

2012年1月21日 (土)

 1/18から今日までSSH週間という感じの今週です。1/18は宮城県仙台第三高等学校1/19-20が、石川県立小松高等学校。1/21が今週最後のSSH研究成果発表会は、埼玉県立浦和第一女子高等学校でした。科学者の卵のエクステンドコースの実習指導などから、このところ、ずいぶんと伺い、こちらもお世話になっております。

 午前の部では、埼玉県立浦和第一女子高等学校のこの5年間、これからの5年間ということでお話し頂き、3名の生徒さんのプレゼン。だったのですが、最後に書いてある事情のことで、2名。残りの1名は、午後から。とてもよく考えられた発表であり、質疑に対しての応答も感動ものでした。そのあと、ポスター発表ですが、こちらは最初から聞かなくても、こちらが聞きたい部分に臨機応変に対応していたのも、高い可塑性かと思いました。

DSCN2107.JPG 午後からは今回の訪問のメインとも言える、国語科・長島先生の「SSHことば力」というテーマで、理系に必要な言語。難しい話を伺うのかと思いましたが、◎ーシー高峰、綾△路きみまろ、立◎談志を彷彿させる、講義を聴いている方々をも巻き込むようなまさに、「話芸」であり、感動でした。講義の中には、「多様性」、「利己的遺伝子」、「サイエンスのことばがある種方言」、「サイエンス・インタープリター」、「サイエンス・トランスレーター」等、渡辺自身の教育研究に係わるようなtermがたくさんあり、興味深いものでした。今回のこの講義を活かして、これからの教育研究をさらに発展させることができるのではないかというような高い「納得力」のある講義でした。講義の最後に少しの時間でしたが、お話しの時間を頂けたのも感動でした。また、講義をするための秘伝を皆伝頂けたことも、感動でした。ありがとうございました。

DSCF1018.JPG 最後になりましたが、SSHの菅野先生、関係の先生方、科学者の卵の受講生の方々、大変ありがとうございました。受講生の中には、受験生も。。。こんなに時間をとってもらってというのは、本当に強縮でした。受験もあと少し。がんばれることがこのSSHでわかりました。がんばってください。そして、ありがとうございました。

DSCN2113.JPG わたなべしるす

 PS. 朝から、京浜東北線、東北本線が周りのアクシデントでストップ。こんなことが起きると駅前のタクシーに大行列が。。まさか、こんなことを見ることがあるとは。。

 そういえば、渡辺が出前講義に伺っていた、仙台市立七北田小学校が「平成23年度キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰被表彰校等・小学校部門」、表彰というお知らせを頂きました。内藤校長先生には、渡辺のキャリア教育のきっかけを頂いたのを、ついこの間のように思い出しました。おめでとうございます。これまで通り、また、キャリア教育をはじめとするNSPを継続できればと思います。


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【出前講義】石川県立小松高等学校SSH出前講義「自己と非自己の花粉を識別する植物の不思議:自家不和合性」・SSH研究発表会コメンテーター(1/19-20, 23写真, 29記事追加)

2012年1月20日 (金)

 前日は、宮城県仙台第三高等学校・SSH課題研究分野別中間発表会・コメンテーター。1/19-20は、石川県立小松高等学校のSSH研究発表会への参加。小松高校に伺うのは、昨年の秋の出前講義以来。今年は全国的に雪が多いということで、気にしていましたが、伺った折には雪もなく、ほっとしました。週明けからはかなり雪が降るようですが。。

 19日は、生物部の生徒さんたちが、ダイコンを使った発芽実験。様々な塩類に対する反応を見ていましたが、ええ。。と思えるような興味深い現象が。この結果を渡辺のHPで書くのはどうかと思いますので、小松高等学校、ダイコンコンソーシアムのHPから何かあると思いますので。また、実験をするときの対象区(control)の重要性、実験系の構築ポイントをdeepに議論できたのは、何よりでした。また、東北大・農を受験したいという生徒さんたちともいろいろ議論できました。2次試験まであと少し、がんばってください。

DSCN2087.JPG 20日は、午前が3つの公開授業、「総合科学」・地歴公民。中世の有名な科学者を取り上げたもの。科学的センスから、社会を見たとき。こうした授業をされるのは、たぶん、社会科の先生と思いますが、科学のことも知らないといけない(最後まで聞いて、講義をされる先生の知識力に、何が専門家わからなくなりました。。。。)。授業をされる先生も大変と思いましたが、授業を聞いている生徒さんには、領域融合的な授業としては、とても大切なことだと思いました。「Science(サイエンス)」という言葉の語源は「知る」とか。へーーーー。でした。そういえば、高校の頃の「倫社」の時間に「帰納法」というのを習ったような。。日本では学位を博士(農学)のようにいいますが、欧米では、Ph. D.(Doctor of Philosophy)。哲学一般というか、自然科学一般というか、昔からの考え方をきちんと身につけている、そんな意味なのだろうと、一連のようにつながりました。こうした講義が自分の倫社の頃にあれば、もう少し倫社が好きになったのかもしれないと。。。(受験の共通一次では、地理、政経でしたので。。)。また、プレゼンのシートの所々に、英語が。その英語が科学と関係ある。これであれば、もう少し英単語を覚えたのかもしれないと。「倫社」で宗教が出てきたとき、なぜ、こんなことを学習するのか。。。ずいぶん考えました。ただ、今の世界の流れ、科学の流れの根本に「宗教」があることを、説明されれば、楽しかったのかもしれない。30年以上前の高校時代ことを考えながらの楽しい50minでした。

DSCN2088.JPG 研究協議会という、通常の運営指導委員会を超えて、参加されているいろいろな方々と交流の場があるのは、何よりではないかと思いました。ほぼ、学校全体での総合科学への取組は上記の講義の通りですが、すごいことだと思いました。「小松スタンダード」とでも名付けて、継続頂くのがよいかと。また、各教科でも科学と絡めて、授業を設定しているというのも、興味深いものでした。ただ、これだけの会議資料を作られた先生方のご苦労を考えた時、この時間を生徒さんたちへの様々な指導に使えないものかと思いました。

 午後は、ポスター発表とこちらからの出前講義。ポスター発表は、数学、理科の多様な発表。数学の中で、紙を折りたたんで、「一刀切り」というのがあり、生物と融合したらおもしろいかなと。これからの発展が楽しみです。

 最後の出前講義も生徒さんだけでなく、SSH研究発表会の参加者の先生方も。ありがとうございました。少々緊張でしたが、いつもように、「花、受粉、受精」のお話しを。春までもう少しですが、その頃には花もたくさん見るようになるかと。ぜひ、今までとは違った花と感じてみてくれるのでは。

DSCN2099.JPG 最後になりましたが、SSHの寺岸先生、板東先生、松原先生、校長先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ますますのSSHの発展を祈念しております。明日は、埼玉県立浦和第一女子高等学校のSSH。SSHで国語を扱っているというのは、何よりの楽しみです。


 わたなべしるす

 PS. 初日に生徒さんたちと議論している写真を寺岸先生からいただきました。ありがとうございました。

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  今日、ダイコンコンソーシアムのHPに、寺岸先生が記事をuploadして頂きました。ありがとうございました。

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【出前講義】宮城県仙台第三高等学校・SSH課題研究分野別中間発表会・コメンテーター(1/18)

2012年1月18日 (水)

 仙台三高SSH・運営指導委員を仰せつかっていることから、「SSH課題研究分野別中間発表会」でコメンテーターをつとめました。いつもであれば、同校だけの発表ですが、昨年3/11の大震災、また、水産高校、工業高校では従前から課題研究を行っていたことから、3題の招待講演がありました。とても緻密な実験をしており、さすがと感動でした。長い年月の継続がこうした高度な研究、発表を生むのだと。。

 後半は生物分野、6題の発表会に。研究材料には、植物、動物、微生物など多様性があり、なかなかのものでした。研究内容には、もう少しというものもありましたが、結果を見る角度、考察の手法を工夫したら、それなりにまとまるのではないかというdataもありました。このあたりの工夫が重要かと。。。また、研究をやる目的を明確にすることも。そうすることで、よりよい発表になるのではと。また、統計的な処理をすることの大切さも。最終発表会でのすごい成果に期待をしつつ。。。またも、発表会に夢中になり、気がついたら、写真がなくて。。

 明日からは、石川・小松高校埼玉・浦和第一女子高校のSSHの発表会に。そちらの発表も楽しみですし、それらを他のSSH高にもfeed backできればと思っています。

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 わたなべしるす

PS. 今回の中間発表会には、県内の高等教育を統括している「宮城県教育委員会」教育長・小林伸一様が来賓として出席されておりました。これまで参加したこうした会議で「教育委員会・教育長」の方が出席されたのは、昨年、3/5の「今治自然科学教室」の発表会での今治市教育委員会・教育長様より、ご挨拶があった以来です。会議全体がぴしっと締まった感があり、とてもよいものでした。また、挨拶の言葉の中に、今回の地震、震災で「人間の有限性」というものが理解できたのでは、という言葉も感動的でした。

 そういえば、また、ここ数日というか、地震が多いような。何となく気になります。今日も、M4.3の地震が。。。。

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