東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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News Release

【お知らせ】H22年度・東北大学「科学者の卵 養成講座」募集開始

2010年4月21日 (水)

 昨年度、JSTのプログラムに採択されました、「科学者の卵 養成講座」が今年も募集を始めました。渡辺が昨年に引き続き、実行委員会委員を仰せつかっているので、研究室のHPにも記しておきます。昨年からやっていることもあり、大学の方々だけでない方もごらんと思いまして。

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 年度初めということもあり、昨日のHPの更新となっていますが、HPにあるとおり、4月19日(月)~5月21日(金)です。また、今年もより多くの高校生と交流でき、科学の心を目覚めてくれる方々が多くなればと思っております。今年の講義予定などは、また、随時、HPで連絡しますので、科学者の卵の。時々、ご覧ください。

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わたなべしるす


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【研究成果】:自家和合性のシロイヌナズナを遺伝子改変で自家不和合性に復帰、世界初、英国・科学雑誌「Nature」電子版に掲載 (4/23一部更新)

2010年4月19日 (月)

 渡辺の研究室は、これまで、アブラナ科植物の自家不和合性における分子メカニズムの解明を行ってきました。その過程でいくつかの論文発表を行い、エポックメイキングな発見をしてきました。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/work.html

 今回は、国内外8つの大学との共同研究を行い、モデル植物のシロイヌナズナは自家和合性ですが、そのシロイヌナズナがもっている遺伝子(SCR/SP11)の一部を改変し、再び、遺伝子導入することで、自家不和合性のシロイヌナズナを作製することに世界で初めて成功しました。このことが、英国・科学雑誌「Nature」電子版(Advance Online Publication, AOP)に、日本時間4月19日午前2時(ロンドン時間の4月18日午後6時)に掲載されました。

 アブラナ科植物には、自家不和合性を持つキャベツ、ハクサイ、ダイコンのような作物もあれば、シロイヌナズナ、ぺんぺん草、タネツケバナのように自家和合性のものもあります。1876年に、ダーウィンは交配相手が少ない条件下では自殖が繁殖に有利な性質となるという仮説を提唱していました。では、どの様な遺伝子が関与して自殖、つまり、自家和合性になったのか、これまで不明でした。

 そこで、日本のわれわれ自家不和合性研究者とスイス・チューリヒ大学清水健太郎准教授のグループが共同研究を開始したわけです。われわれは、自家不和合性、遺伝学、分子生物学が守備範囲で、スイスグループは生態学、分子進化、ゲノミクスという点が得意でした。これらを融合し、シロイヌナズナの様々なecotypeを調査したところ、雌ずい側因子は未だ生きている、つまり、自家不和合性機能を有している系統を見出しました。その系統を詳細に調べたら、花粉側因子のSP11(SCR)は、第2エクソンの中で逆位が生じており、それを元に戻せば、立体構造を維持するのに重要な8つの保存されたシステイン残基も形成されることが分かりました。このことは、シロイヌナズナの自家和合性は花粉側S因子が原因であろうと言うことを推測させ、この復元したSP11(SCR)をこの系統に入れれば、自家不和合性のシロイヌナズナができるのではと、考えました。

arabidopsis-3.jpg 次に、この復元したSP11(SCR)遺伝子をSRKの生きている系統に導入したところ、予想通り、花粉管侵入が抑制され、自家不和合性が観察されました。今まで近縁のArabidopsis lyrata由来のSP11, SRKを導入することで自家不和合性を復元した例はありましたが、今回のように、シロイヌナズナが従来から持つ遺伝子を改変するだけで自家不和合性にさせることに成功したのは、世界で始めてとなります。このことが評価され、英国・科学雑誌「Nature」電子版に掲載されました。

arabidopsis-9.jpg 欧州との共同研究が初めてだっただけでなく、仙台に渡辺研究室を作ってから一緒にやってきた大学院生(五十川祥代修士)、博士研究員(諏訪部圭太博士、現、三重大・准教授)と共著の論文になったことは、この上ないうれしいことでした。

 また、東北大学HPのtop page大学英語HP生命科学研究科HP東北大学「科学者の卵」HPにも関連記事を掲載しているので、ぜひ、ご覧ください。

  今後はこの成果を利用して、ハクサイ、キャベツをベースとしたこれまでの研究に加えて、シロイヌナズナの自家不和合性系統を利用することで、自家不和合性研究をさらに発展させたいとと思うのでした。


わたなべしるす


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【お知らせ】「International Symposium of Cell-Cell Communication in Plant Reproduction: from pollination to fertilization」お礼と当日写真公開

2010年3月29日 (月)

3/11-12に、奈良市新公会堂で、「International Symposium of Cell-Cell Communication in Plant Reproduction: from pollination to fertilization」と題する、国際会議を開催しました。3つの関連する科学研究費(学術創成「植物自家不和合性」特定領域「植物ゲノム障壁」、若手研究(S)「アブラナ科自家不和合性」)の共催で行い、当日の内容については、HPをご覧下さい。

HPの記事だけでは、その雰囲気が伝わりにくいなどありましたので、発表者、当日の様子などについて、HPにupしました。ご覧いただければ、「能舞台」という、特殊設定で行われたことが、分かると思います。

多くの方々に参加頂いたことに、感謝します。ありがとうございました。

DSCN4057.JPGわたなべしるす

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【お知らせ】PCP 2009 表紙コンテスト 結果。。。

2010年3月29日 (月)

3/17-21まで、日本植物生理学会が熊本大学で開催されました。そのことについては、渡辺の記事院生の須藤の記事を参照下さい。

今年度も昨年度に引き続き、昨年のPCPの表紙を飾った12作品について、 PCP 2009 表紙コンテストが開催されました。昨年は、学会参加者のみの投票でしたが、今年は、netでの投票が可能となり、昨年の倍以上の方に、投票頂きました。PCPのeditorを仰せつかり、表紙を担当していることから、投票を頂いたみなさまに感謝します。ありがとうございました。

学会の最終日に集計し、結果を発表しましたが、netでの公開まで、部内秘であった関係上、ご連絡が遅くなりました。上位には、昨年がDarwin年であったこと、初めての外国からの表紙の採択、特集号の表紙、こったデザインのものなど、となりました。

最終的な結果については、PCPの web siteにありますので、ぜひ、ご覧ください。また、来年も行います。そういえば、来年の開催都市は、仙台市というか、東北大です。お待ちしております。

GAKUNAI.jpgわたなべしるす

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【お知らせ】「東北大学・未来の科学者・養成講座」が、読売新聞に(3/25, 21:00一部改訂)。

2010年3月25日 (木)

 東北大では、そういえば昔から、今日、3/25は「卒業式・修了式」だったような気がします。毎年、(日曜日などになったとき、どうだったか。。少なくとも、学生、助手の頃は、3/25でした。)。今日は雪が降り、春とは言えない天候ですが。。

RIMG0084.JPGのサムネール画像 昨日の日記にも記したとおり、今年度から、東北大の理系学部、研究科でJSTからの予算を頂き、「未来の科学者養成講座」というのを始めました。渡辺は、その運営実行委員の一人ですが。。。昨年4月の応募から、6月に最初の講義、夏と冬には、発展コースという研究室での実験なども行ってもらい、3/13(Sat)には、その発展コースの発表会でした。

DSCN4119.JPG その折の様子が、新聞記事となり、全国に発信されました。今日の読売新聞・朝刊・教育面に「東北大「科学者の卵」講座 手応え、初年度終了 高校生95%「意欲向上」」ということで取り上げて頂きました。お時間のある方は、ぜひ、手にとってご覧いただければと思います。紙面の1/3くらいを使って、こちらの活動内容、教育コンセプトなどをご紹介頂き、受講生への取材、また、渡辺のコメントも出ております。お時間のない方は、ぜひ、読売新聞のHPにも記事がありますので、そちらをご覧いただければと思います。

DSCN4133.JPG 教育には時間がかかると言われます。研究に比べて。確かにその通りで、この受講生たちが、未来の科学者となり、日本の科学を支えてくれ、また、一緒に研究、共同研究ができる日が、待ち遠しいのも事実です。

DSCN4116.JPG 雪の3/25ですが、何か晴れがましい、そんな記事を掲載頂いたことに感謝します。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 
 なお、関連記事が、科学者の卵生命科学研究科のHPにもありますので、あわせてご覧下さい。夕方には、東北大学top pageにも本件が取り上げられました。




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